世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   今週は、高速道路問題を考えます。

 

  今週は、先週の公共支出と関連する問題として高速道路について考えたい。

先週、激しい議論が続いてた道路公団の問題は、慎重派の道路建設に

歯止めをかける案が成立した。

 慎重派の主張は主にこういうことである。どんどん赤字だたまり、効果の

薄い道路建設はやめるべきである。

 事実その通りだ。道路公団は減価償却の必要がないので、資産を

償却すれば、債務超過の疑いが濃い。

  しかも、建設の主体は、効果の薄い地方が多い。これは国鉄の

末期、日本鉄道建設公団が陥った状況に似ている。

 

  鉄道建設は、採算の会わない地方ばかりになり、国鉄の労使紛争も

手伝って、国鉄は完全に行き詰ってしまった。

 道路も同様と言っているのである。

  

  私も、まったくその通りだと思う。高速道路建設は、一部を除いて必要ない。

  車に対する需要はもう十分普及しており薄いからだ。

 ヒトラーのように車が無い状態でアウトバーンを建設したのとは分けが違うのだ。

 

 だが、道路建設は投資であり、需要であることも確かだ。現在のように

大幅な供給過剰の状態で、この支出をとめると需要が無くなって、経済は

より落ち込んでしまう。

 

 この決定が実行されると、間違いなく日本の需要はさらに減少し、景気は

悪化する。そして政府の財政難は深刻化しており、これを補う代案が示される

見込みはほとんどないからだ。

 このままでは、日本経済は危機的水準まで落ち込むことになるだろう。

 

 話を変えよう。今回の案では、早期の上場が掲げられた。それによる

債務返済を目指すわけだが、このような公共に近い事業に上場できる

ほどの高い収益性を求めるのは問題である。

 実際、早期に上場したJRで問題が発生している。

利益を増やすために、本数が削減されたり、サービスがダウンしたり、投資が

抑えられたりしているのだ。

 

 道路も同様になる可能性が高い。現在の上場企業は、到底不可能な永遠の

成長を求められており、利益を優先しすぎている。

 そのために、従業員は良くて賃下げ、ひどければ解雇されているのだ。

しかも、経営者は責任を取らない。こんな不自然なことはいつまでも

ゆるされない。

 近いうちに、必ず破綻することになるだろう。

 

 結局、不自然なことは続けることはできない。みんなが黒字を目指せば、

経済は破綻する。目指すべきは、収支の均衡である。どこかが

大きな利益を上げれば、バランスは崩れてしまうのだ。

 それを分かって居ないエコノミスト、学者のなんと多いことか!

私は、将来を心配せざるを得ない。

 

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。