世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

   株式市場の見方についてです。

 

 今週は、補正予算の効果もあり、日本の株式市場は堅調だった。

アメリカ市場も、10月下旬からずっと好調が続いている。

 私は、年初に今年の夏から秋の底打ちを予想しており、今年の展開は

この通りだったといえる。

 

 ただ、問題は、これが完全な底なのか?ということである。

たしかに、1932年のNYダウは2のつく年が底だったが、

1992年の日本の市場の底は98年に破られ、その後2001年、2002年

と安値を更新した。

 

 今回は、どちらのパターンなのだろうか?

私は、おそらく後者だと思っている。なぜなら、大恐慌に今だ至っていないのだ。

1932年の時は、その時点でGDPは大きく落ち込んでいたが、今は、ほんの

わずか落ち込んだに過ぎない。

 

 この差は主に二つある。ひとつは金利が引き下げれていることだ。90年代の日本

の教訓からグリンスパンは金利をドンドン引き下げた。景気を上に上がる効果は

ほとんど無かったが、どん底に落ちる状態は、なんとか回避したことがひとつ。

 

 もうひとつは戦争である。昨年起こった対テロ戦争で、米国は多額の出費をした

そして、実際起こるかどうかはともかくとして、イラク戦争の準備が

行われている。これらの戦費は莫大で、GDPを押し上げる効果がある。

恐ろしいことに戦争は、公共投資なのである。それも、消費だけで何も

うまない。戦争は、とても強力な最終消費なのだ。なんということだろうか?

 これでは、景気対策で戦争しているようなものだ。それで罪も無い人が

何万人もなくなってしまうのだ。

 

 しかも、今回のイラク攻撃にもっともらしい理由は無い。これでは公共投資

の変わりに戦争をするようなものだ。

 現在の株価上昇は、戦争、あるいはその準備のために景気が一時的に

回復することを織り込んで居るようだ。

 

 おそらく、この効果で株価は年明けまでは堅調だろう。実際年末かあるいは

年明けすぐにイラク攻撃があれば、戦争が終わるまで株価は堅調だと

思われる。私は来年の株式市場で大きな混乱を予想していない。

 

 しばらく、底ばいの状況が続き、静かな状況が続くだろう。

しかし、何度も繰り返すが、景気の悪化はこの静かなときこそひそかに

進行するのだ。表面的な事象に惑わされてならない。

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。