世界経済と幸福論 |
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今週は株価について考えます。また、更新が遅れましたことをお詫びします。
まずは、お詫びだ。予告している投資は今回も延期したい。来週にはお届け できると思う。お許し願いたい。
さて、株価の問題である。ついに日経平均は8200円を割れた。私の予想は 以前にもいったとおり6000-8000円だったので、もはや誤差の範囲内である。 そして、金曜日は日経平均は上昇した。夜にはNYも大きく戻ったので 月曜日次第だが、週初は堅調だろう。
だが、これで危機は去り、問題は解決したとは言い切れない。私は従来02年が 大底になると思っていた。これは1992年、32年が底だったからだ。 今回も、そうなる確率は高いと考えていたが、最近はまだ下げ止まらない 可能性もあるのではないかと思うようになった。
それは、二つの理由がある。ひとつは、大恐慌になっていないことだ。 まだ、アメリカでは住宅のバブルが残っており、これが個人消費を下支え している。いずれ、経済の問題点シリーズでも取り上げる予定だが、 住宅が広いということは経済の健全性からみてても重要だ。 家がひろいアメリカは耐久消費財に対するニーズが高く、貯蓄率は 低い傾向にあるからだ。 いまは、これが大恐慌を防いでいる。しかし、このバブルとていつまでも 続けられるとは思えない。あまりにも土地が高くなると、一般人が買えなくなって 需要が急減してしまうからだ。最後はかならずそうなる。問題はいつかという ことだけである。
もうひとつは、イラクの攻撃である。私は以前、イラクの攻撃はないと予想して いた。それは中間選挙のからみで、来年でないと攻撃できないだろうと見ていたからだ。 ところが、現在の情勢は早ければ今年中にもありそうな雰囲気だ。
60年前の今頃、日本とアメリカはガダルカナル島で悲惨な消耗戦を行っていた。 これは、1943年の1月末まで続いた。すなわち、来年初までであれば、攻撃は 十分ありうるのだ。もし、攻撃があるならば、来年の1-2月までだろう。 3月まで起こらなければそれはない。 逆にいうと、攻撃がある場合、これは大きな景気浮揚策になってしまうという ことだ。以前、竹中大臣は、戦争ケインズ経済学を引き合いにでして、景気回復 さくとなることを指摘した。
実際、今年の1-3月期は、アメリカのアフガン攻撃で政府支出が増大、GDPは 大きく伸び、株価も回復した。 だが、その反動はひどかった。株価は再び落ち込み、景気回復ペースは大幅に 鈍化したのだ。
この二つを考えると、一時的な回復はあっても、長期的な回復は難しいと 思うようになった。おそらく、現在の水準付近からの上下が基本になるだろう。 なんども、いっているが、資本主義はあまりにも独善的な考えに陥りすぎた。 まもなく、それは歴史的な使命を終えることになる。株価の暴落はその最初の 号砲にすぎないだろう。
おそらく、このHPにこられる方の多くは、株価の先行きに興味をもっておられる はずだ。しかし、今後は長期投資としての株式投資に妙味があっても、デイトレード など短期投機は、パフォーマンスを得られなくなるだろう。投資されるときは その点を留意されたほうがいいと思う。
ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼 できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の ものでもありません。ご了承ねがいます。
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