世界経済と幸福論

 

過去のバックナンバーです 

2002年前半分です

バックナンバーコーナー

2001年分です

バックナンバーコーナー

2000年分です

バックナンバーコーナー

99年分

バックナンバーコーナー

98年分

バックナンバーコーナー

人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

  今週は経済の問題点についてです。

 

 今週からしばらくは、一年ぶりにマクロ経済の話について進めていこうと思う。

このHPのテーマは、もちろん世界経済と幸福論である。では、経済とは

いったいなによって動かされるのだろうか?

 多くの人は、需要と供給だと答えるだろう。たしかにこれは正しい。

だが、不十分な回答である。

 

 需要と供給がいったい何によってもたらされているか、何が重要なのか?

ここがわからないと間違えることになる。

 ラビ氏や私は、こう考えている。

 経済は、賃金を源とする需要と、生産性を源とする供給から成り立っている。

そして、このバランスが崩れることが不景気の原因であると。

 

 簡単だと思われるかもしれない。そのとおりである。経済とは至極単純なもの

であり、万人にわかるものだ。金持ちも、貧乏人も、知識人も、軍人も

経済人も、労働者も等しく理解できるものなのだ。

 だが、今の経済学は、明らかに金持ちのためのものである。金持ちをもっと

富ませることこそが経済の発展につながるとしていることに如実に現れている。

 多くのひとはマスコミにでているエコノミスト・政治家はそんなことは言っていない

と思われるかもしれない。だが株が上がったほうが良い。投資減税したほうがよい。

所得の水準が低いから税金をとった方が良いと言っている。

これらはすべて金持ちのためだと思われないだろうか?

 明らかに、おかしいのである。

 

 今回は、GDPについて考えよう。

すでに触れたが、GDPは

 Y=C+I+G+EX-IM C(消費)、I(投資)、G(政府支出)、EX(輸出)、IM(輸入)

である。

 

 これから導きだされる結論は、GDPを増やすには、消費か、投資か、政府支出

か、輸出を増やせば良いということになる。

  いつもエコノミストはこれらを並列で扱っている。消費も、投資も、政府支出も

輸出も、同じ需要だといっているのである。だが、私にいわせるとそれは間違い

である。この中でもっと重要なものは最終需要たる消費だ。

 消費が弱いと、設備投資はおこなわれないし。輸出に頼ると通過の高騰に

悩まされて経済成長は結局できない。政府支出も借金とコンクリートの山を作る

だけだ。

 

 そして、消費の元は、大部分が労働者の給与である。給与が伸びないと当然

消費は伸びない。また、ものをおくスペースも必須である。だから家の広さも消費に

大きく影響する。家の広い、アメリカ、韓国の需要は強く、狭い日本は弱いことからも

良くわかる。最終消費が無いと、法人需要は伸びない。法人需要は利益が出てこそ

伸びるものである。携帯電話のように最終需要が無いのに法人需要が伸びるという

ことは、ババ抜きをやっている形になり、非常に不健全である。

 

 だが、このことを指摘するのものはいない。それどころか労働者が解雇されたり、

給料がカットされると、すばらしいと賞賛する始末だ。たしかに、ある企業だけが

これを行って、他の企業が今までどおりであれば正しい。

 だが、みんながやってしまったら経済は破綻する。これを合成の誤謬というが、

日本の歴史上実際に起こったことがある。徳川吉宗の時代である。

 これも述べたが、紀州で成功した増収、コスト削減策を全国に適用したら

大恐慌になってしったのである。 

 

  これらのことから、わかるのは人件費は決して削減してはならないということ

である。人件費の減少は、需要を停滞させ、経済のバランスを崩す。

 これは、今、まさに日本で進行しており、これから経済に黒い影を落とすことに

なるだろう。

 

 次回は、投資について考えよう。どうしてエコノミストは、異様なほど投資にこだ

わるのだろうか?

 

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。