世界経済と幸福論 |
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今週は日銀の問題を考えます。
さて、今週は、日銀の問題について述べたいのだが、この項は書くかどうか かなり迷った。その理由は後述するが、これを書かないと私の論理に矛盾が あることになってしまう。
私は、常日頃から日本、アメリカはこの十年はインフレの周期であるといって いる。その一方で、お札をする政策ではインフレにならないとも述べた。 これは、通常のインフレは需要が供給を上回らない限り起こらないからだ。 現状は供給が大きく需要を上回っており通常ではインフレは起こらない。 一見すると私の主張は矛盾してる。明らかに間違ったことをいっている ことになってしまう。だが、今回起こるインフレは、景気の過熱が原因では ないのだ。
それは、何度か触れた財政破綻、あるいは今日のテーマである日銀の信用喪 失だ。財政破綻については、おおくのところで述べられており、すでにご存知の方は 多い。しかし、日本銀行券、つまりお札を発行している日銀の資産がおそろしく 不健全であることはほとんど知られていない。
まずは、この下の表を見ていただきたい。 (単位:百万円)
(注)1.「0」は単位未満の数字。
(出所)日本銀行HPより 上が、1997年3月末、下が2002年3月末の日本銀行の財務諸表である。 単位が違うので注意が必要なのだが、1997年3月の日銀の総資産は62兆円 2002年が138兆円である。実に倍増している。 いったい何が増えたのであろうか?それは国債である。 97年の46兆円から2002年には86兆円に急増している。
何度も指摘した金融緩和の結果、日銀の資産は膨れ上がったのだ。 だが、今のところ問題は少ない。超低金利政策で、金利の低下とともに 国債価格が上昇したからだ。 だが、逆になったらどうだろうか?もし、資産価格が下落したら?
その前に今度は、日銀の資本を見てみよう。もし、資産価格が下落しても 資本が十分にあれば、耐えることができる。
だが、97年の資本が2兆6850億円、2002年が3兆8000億円弱しかしないのだ。 資産が倍に増えたのに資本はほとんど増えなかった。債券取引の損失積立金も わずか2兆2400億円である。 日銀法で国庫への上納が義務づけられているからだが、これでは とても耐えられない。戦前の国債引受が中央銀行の信用喪失につながったため 引き受け禁止にしたが、市中からの買いオペを認めているので何もなっていない のである。
国債価格がなんらかの形で暴落するとたちまち立ち行かなくなってしまう。 日銀の信用がなくなるからだ。日銀の信用喪失は、別のことを引き合いに 出してリチャードクー氏が指摘してたと思うが、ほとんどしられていない。
これは本来書くべきことではなかったかもしれない。 なぜなら信用は風説の流布でもなくなるからだ。 かなり前に、電車の女子高校生の会話から信用金庫の取り付け騒ぎに なった事例がある。このように私のHPに書いたことが日銀の信用喪失に つながる可能性もあるからだ。
そのため、お断りを入れておく、あくまでも上記のことは可能性であり 起こるといってるわけではない。むしろ起こらないことを祈っていると。
大恐慌も、ハイパーインフレも、戦争も、天変地異起こらないほうがいいに 決まっている。だが、世界中を動かしている指導層=経済人たちの傲慢さは 目を覆うばかりだ。そして貧困、戦争、飢饉が満ちている。 これらにばちが下るのは間近のような気してならないのだ。 杞憂に終わればよいのだが・・・
ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼 できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の ものでもありません。ご了承ねがいます。
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