世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

 先週は休載させていただきました。申し訳ございません。

 

  夏風邪で倒れてしまった。読者のかたにはご迷惑をかけたと思う。お詫びしたい。

さて、NYは、落ち着いた展開となっている。心配されていていた8/14もすぎ、

多くの人は、嵐の時間は過ぎたと思っているようだ。

 だが、それはまだわからない。むしろ、もっと大きな危機が迫っているといったほうが

よいだろう。それは、住宅バブルの崩壊と金融機関の破綻だ。

 

 あまり知られていないが、アメリカの不動産価格がずっと上昇がつづいている。

アメリカの融資制度は変わっていて、資産価格の時価が上昇すると、融資額を

増やすことができるのだ。となると、たとえば、家をもっているひとが1000万ドル

の借金と持ち家資産を持っていたとしよう。

 持ち家の資産価格が時価で2000万ドルにならば1000万ドル追加融資が受けられる

のだ。アメリカでは借金枠の増加は収入の増加を意味しているので(ここは日本人には

ほとんど理解できないところだが)すぎに借金をしてものの購入にあてているのだ。

 

 これが、ゼロ金利もあり車の販売が伸びている理由でもある。

つまり、まだ、不動産のバブルはアメリカでは残っているのである。

思い起こせば90年に株が暴落したあとも土地価格の上昇が続いていた。

それは、日銀が総量規制をして土地価格を下げようとするまで続いた。

FRBは当然この事実を認識しているはずなので、ずっと放置しているのだ。

そのため、アメリカの株価が暴落した後も住宅のバブルは残っている。

 

 しかし、バブルはいずれはじける。もう疑いようもない事実だ。

問題はいつはじけるかということだ。ここの重要な事実がある。最近のアメリカは

国債の金利が下がったという報道が多いが、実は社債やジャンク債の金利はあまり

さがっていないどころかあがっているもののある。

 

 これは、信用が収縮していることを意味する。住宅ローンもまもなく同じような状況

になると思われる。アメリカでは証券化するABSが主流なのでABSを買う人いなく

なれば、住宅融資はもはや不可能だからだ。

 そうなれば金融機関にも大きな影響が及ぶだろう。そして遅らく今年の後半か

来年にはそのような事態がやってくるだろう。

 

 そうなるとアメリカの景気はいよいよ本格的な不況に見舞われるだろう。

株価は、表面的に底打ちするかもしれないが、住宅バブルがはじければ

実態経済に与える影響は大きい。

 株価を先行指標とすると、間違えることになるだろう。

 

 日本はどうだろうか?私は、以前竹中氏が底打ち宣言をしたために事実誤認

から株価は大きく下がるといった。実際そうなってしまった。しかもである。

二月に行った空売り規制のせいで反発力は非常に弱い。

 

 とにかく、株は売ってはいけないと考える発想自体が間違いである。

売りがなければ買いは存在しない。ラビ氏もいっているようにもの、サービスは

手ごろな価格で手に入らないと意味がない。

これは株も同様である。一般人が買えないような株価に意味はない。むしろ

なんどもいっているように不幸がまっているだけだ。

 

 しかし、竹中氏をはじめとするエコノミスト、官僚たちはどうしてこれほどまでに

サプライサイドエコノミックスを信奉するのか私にには理解できない。

今の世界経済の問題は明らかに需要の伸び悩みなのに、ほとんど無視されている

これは、おそらく供給が延びれば、需要が増えるという古典派経済学のせいだと

思うのだが、まったく自分で検証しているのだろうか?

 

 されはさておき、このままではもっと供給側が優遇されて待っているのは

破綻だけである。なんとか手を打たなければならないのだが?

 現状ではそれは難しそうだ。われわれはどこへむかうのだろうか?

 

 次回は、60年周期について考えたいと思う。

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。できるだけ信頼

できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、完全性を保証するもの

ではありませんし、有価証券、商品市場などへの投資勧誘をおこなう目的の

ものでもありません。ご了承ねがいます。