世界経済と幸福論 |
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先週はアメリカ市場が乱高下したが、結局ナスダックは、ほとんどあがらなかった。 前回も指摘したが、マクロの数字と株式市場は一致しない。これはどういうことだろう か?通常であれば、これは市場の間違いであり、買うチャンスということになる。
しかし、実際はそうではないだろう。今のアメリカの経済が90年代初めの日本の ようになりつつあるのだ。あのときも、在庫調整が終われば日本経済はすぐ復活 するという楽観論が大半を占めていた。 だが、実際には、在庫調整が終わったあと、待っていたのは大不況だった。
なんどか、小康状態を繰り返しながら、市場は大暴落していったのだ。 今回も、テロのせいで金利が下がり、アメリカが戦争をしたので財政赤字が 膨らんだのでGDPは確かに増えた。 だが、これらは一時的な要因である。
これは、90年代半ばの日本の景気回復期とまったく同じ光景だ。 95年も、99年もそうだった。日銀が金利を引き下げ、政府が財政出動すると 株価は上昇し、一時的にGDPが増える。だが、結局、利下げの効果が消え、 財政出動がなくなると、前よりもひどくなってしまうのだ。
アメリカもこれと同じような状況になっているのだと思われる。 テロの金利下げの効果と財政出動の効果が早くも切れてきているのだ。 おそらく、日本のようにPKOが行われていないのが要因だろう。 アメリカでは、日本のような空売り規制が強化するなどどいうばかげた政策は ないからだ。
となると、現在の株価下落は、もしかすると危険がシグナルかもしれない。 アメリカ経済はかさ上げで好調に見えるが、これら好調要因が消えれば あっというまに転落する可能性がある。日本政府は、おろかなことに 景気回復宣言をするそうだが、やったとたんに次の落ち込みがやってくるだろう。
さて、実際は、どうなるだろうか?答えが出るのは意外に早いかもしれない。
ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。 できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、 完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。
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