世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

 最近、まったく土曜日に更新できておりません。深くお詫び申し上げます。

 

 今回は、マネーサプライの話をしたい。

「悪貨は良貨を駆逐する」ということばがある。

 

これは、イギリスの財政家の言葉だが、現在は、本来とはちがう言葉で使われている。

 

もともと、これは、金の含有量の多い通貨(要するに価値の高い通貨)と

低い通貨が流通すると、高い通貨はタンス預金になり、低い通貨ばかり

になってしまうことをさす。

 

 これが、いつのまにか、悪い物がいい物を放逐するに変わってしまったのだ。

そのために、現在でも、通貨は質が高い良いと思っているひとが多い。

だが、現在の学説では、通貨供給量が多いが方がよいことになっている。

いわゆるマネタリストだ。

 

彼らは通貨供給量させ増えればよいという。そうすれば株価は上がりすべて

うまく良くとといている。

しかし、実際はそうではない。それが事実であれば、日本は日銀が

どんどん金融緩和をしているので、株価があがってみんな幸せになっている

はずだからだ。

 

ここでも、バランスなのだ。かつて江戸時代もそうだった。前回、江戸時代の話を

したが、元禄時代も、悪貨が蔓延った時代だった。財政難に苦しんだ江戸幕府は

貨幣の質を落として、貨幣供給量を増やしたのだ。これが元禄バブルを生み

出してしまったのだ。

 

 このとき、日本は当然のことながら需要超過の経済だった。(なぜかと

思うかたは、日本の歴史を思い出してみよう。日本は資源がなくほとんど

リサクルに頼っていたのだ)

 そのために、この通貨供給の増加でインフレになってしまった。

これに怒りを感じたのが新井白石だったのだ。

 

 彼は生真面目な儒学者だった。清廉潔白を重んじていたので

通貨の価値を戻したが、経済は悪化の一途をたどった。

 これが、吉宗恐慌の前兆だったのだ。

 

これは現在の状況によく似ている。人間の勝手な倫理観が

経済を破壊した例だ。物価は上がらないほうがよいが、下がると

ひどいことになってしまう。物価は緩やかな上昇か

ほぼ横ばいが適当だといえよう。

 

 歴史は、本当にわれわれに教訓を教えてくれている。だが

多くの人は他人の失敗には学ばない。自分の失敗しか

理解できないのだ。

 

 私は、教育のありようもこのあたりを取り入れるほうがいいと思う。

他人の失敗は人間性を高めてくれる。思いやりの心がでてくるからだ。

 

話をもどそう。結局、この江戸時代の良貨と悪貨の話は人間の思い込みが

とんでもない間違いを起こすことを教えてくれている。

これは小泉政権にもいえる。かれらは不良債権こそが悪で、合併をして

供給を減らせばうまくいくと信じてどんどん合併を起こさせている。

これは間違いだ。競争の減少は、ひどいことを起こすだろう。

 

いま株価は上がって、小康状態にあるが、この事態はそんなに

長く続かないだろう。近いうちに必ず悪化することになるだろう。

結局、不道徳は駆逐されるからだ。

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。

できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、

完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など

への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。

 

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