世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

賃下げの問題です。

 

今週は、春闘がおわったが、結果はベースアップなしというものだった。

会社側は、業績が悪化しているので当然とのコメントをだしているが、

果たしてそうだろうか?

 

 ラビ氏や私は景気の基準を一般の人の感覚を基にしている。

営業であれば収入が、サラリーマンであれば、給与が増えるというものだ。

これは、なぜか?これこそが、次の消費の源だからだ。

 もう使い古した感もあるが、このHPで何度もいったとおりだ。

「財布の中身が増えないのにどうして消費が増えようか?」

ということなのだ。

 

 この基準から考えると今の日本は本当に不景気である。

政府は悪化がとまったとうそぶいているが、ベアゼロどころか賃下げを

行っているからだ。これでは景気がいいのは金持ちだけになってしまう。

私は、たとえGDPが増えてもこれを好景気とはいわない。

 

 多くの労働者の給与が増えなくてなぜ、好景気なのか?私にはわからない。

GDPは単なる生産高の合計数字にすぎないからだ。

 みんな一生懸命働き、生産性は向上しているのに、賃金は下がるのである。

おそろしくないだろうか?この生産性が向上した部分は、経営者や株主に行くのだ。

会社は株主のものだと、エコノミストはいう。しかしだ、従業員が働かなかったら

利益はでないのだ。従業員は意思のない機械なのだろうか?

 

 みな幸せを願っている意思ある人間なのである。

経済学にはこの視点がまったく欠落しており、金持ちをさらに富ませる道具に

成り下がっている。本来、経済学は多くの人が幸せになるようにある

べきである。近い将来、かならず、経済学の欠陥が白日にさらされ、糾弾される

だろう。

 

 話をもどそう。今回、賃下げが実施されると、経営者はコストがさがるので利益が

でると思っている。これは、経営者自身のコメントもそうだし、楽観主義者のアナリスト

たちもそういっている。

 

 だが、そうはならないだろう。日本の内需は、これから必ず一段と落ち込むはずで、

楽観的な見通しは粉々に砕け散るだろう。

 今の株価の回復も、内需の弱さによって一時的に終わるはずだ。

なぜなら、賃下げとリストラで個人消費が減るからだ。おそらく円安によって輸出

業者の一部は恩恵をこうむるかもしれないが、内需は予想以上に悪くなる。

 

竹中大臣も、小泉首相も頑固に「痛みを乗り越えれば景気は回復する」と

喧伝して回るが、市場をだますことはいつまでもできない。

 なんらかの内需刺激策が打ち出されない限り、株価の回復、景気の回復は

一時的におわるだろう。

 

 そのとき、リストラを行ってもう大丈夫といった電気メーカーの経営者は果たして

責任をとるのだろうか?私は、また一般従業員のせいにして自分はしぶとく

今度こそというと思うのだがどうだろう?

 

 今回の景気後退で何万人もの雇用が失われた。だが経営者の首は飛ば

なかった。そのことをだれも糾弾しなかった。これは罪深いことだ。

罪はかならず明らかになる。これが自然の摂理だ。だれも逃れることは

できないだろう。

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。

できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、

完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など

への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。

 

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