世界経済と幸福論 |
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最近仕事が多忙で更新が大幅に遅れております。深くお詫び申し上げます。
今週は、久しぶりに携帯電話の話題を取り上げたい。 もともと、本HPで一番最初にこの話題を取り上げたのは取次店の不正だった。 その際に私は、いくつか予想を立てた。 @携帯電話をただで配るビジネスは不自然であり維持できない。 A最終ユーザーが端末代を負担しないことは法人間でものを売りあっており 不健全。 B次世代携帯電話が、このビジネスの破綻の引き金になる
さて、どうだろうか?すべて的中したと思う。 だが、ここではそれを自慢するのが目的ではない。
私が、いいたいのは、この携帯電話のビジネスがいかに日本経済の悪影響を与えているか? ということだ。
まず、端末をただで配るということは、高い通話料に直結している。これは当然だ。 通話量の中に、端末代が入っているからだ。 だが、二つのことで大変な問題である。一つは、皆さんの使える財布の中身が 余分に減ることになることだ。 これは、景気に悪影響である。可処分所得が減るからだ。競争が健全に行われていれば 払わなくてもよい代金まではらうことになるので、個人消費は停滞する。
これは、独占企業が誕生すると起こる現象だ。ドコモは日本でシェア70%近くを握っており 純独占状態なのだ。実際、同じような形態をとるインドを見れば分かる。かの国は一業態 一者の体制でほぼ独占状態にある。そのため、国民は高い料金のと品質の悪いサービスを 受けているのだ。その結果、経済は低迷しているのだ。 総務省がなぜ免許制にしているのか?私には理解できない。おそらく、NTTとの癒着が あるのだろう。参入は行政によって規制されるべきではない。できるだけ自由に行われる べきだ。それによってサービスは上昇し、価格は下がるからだ。
だが、誰も彼も、ドコモがぼろもうけしていることを礼賛するばかりだ。儲かっていることが そんなにすばらしいのだろうか?それで、我々が不当に高い料金を支払っているので ありば意味がないような気がするのだが?どうだろうか?
もうひとつ、製品、部品を法人間で売りあっていることである。これも問題が大きい。ドコモやau Jフォンなどのキャリアが、メーカーから端末を高値で買っている点だ。 日本の携帯電話の性能は世界一だが、値段も世界一だ。これは、日本メーカーが採算の 悪化する低価格端末をやりたがらないからだ。 キャリアも、音声だけではじり貧なのでどんどん需要喚起するために、新しい文字や映像 のサービスを投入している。
だが、価格はいっこうに下がらない。ユーザーは、端末価格よりも遙かにやすい値段で 買っているからだ。この結果、日本の携帯電話メーカーのコストは世界一だ。いびつな モデルなので、高付加価値ばかりに目がいって、コストが削減が追いついていないのだ。
結局、デフレをいやがって個人消費から逃走しようとするとこうなってしまう。 だが、それがますます個人消費を衰えさせている。 携帯電話はたしかにすばらしいかもしれないが、日本の場合は非常にいびつになって しまっている。抜本的な対応が必要だろう。
ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。 できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、 完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。
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