世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 

 今週は、私用により、更新が遅れました。お詫び申し上げます。

 

 今日、テレビで竹中大臣が、「この二週間で方針が変わった。デフレ対策に

力を入れる」といっていた。

 ようやく、デフレの恐ろしさがわかったようであるが、対策を聞いて私は

びっくりしてしまった。不良債権処理の早期解決と金融緩和なのだそうだ。

 

 それは、今までやってきたのではなかったか?私が夏にこのHPで非難

したとおり、不良債権は結果であり、原因では無いのだ。

 不良債権が何なのか?それがわかっていないのではないだろうか?

 

 不良債権とは、銀行が貸した債権(資産)が、焦げ付きかえってこないもの

をいうのだ。では、なぜ焦げ付いているのか。最初は土地を中心とした資産

価格の値下がりだった。これによって土地投機をしていた企業に対する

貸し出しが不良化したのだ。96年に問題になった住専問題が特徴的だ。

 

だが、いまの不良債権はちがう。不景気自身によって起こっているのだ。

そごう、マイカルなど多くの企業が日本の不景気で業績が悪化し倒産した。

このようなタイプの不良債権が増えているのだ。

 

 これが、デフレの原因だろうか?デフレとはなんだろう?物価が継続的に

減少する現象をさしており、需要が減退するか、供給が過剰になることで発生する。

 竹中氏をはじめとする学者の多くは、不良債権が無くなれば企業が

投資をするので、需要が増え、この供給過剰が解消されると思っている。

 

しかし、だ。これは重要な視点が抜けている。それは、不良債権が投資の

妨げになっているか?また、投資が増えることが本当にいいのか?である。

 

まず、今回のデフレは、消費者物価の低下を伴っていることが忘れられている。

いつも指摘してるが、最終需要が弱いことを意味しているのだ。

 ということは、企業が投資するだろうか?とても思えない。

また、仮に不良債権を処理して株価が上がったとしよう。株価の上昇が、錯覚

を生み、投資を促すかもしれない。だが、生産性が刺激されて、結局、供給

過剰になってしまうのだ。

 

 もう何度繰り返したことだろうか?依然として、日本のエコノミストにはマネタ

リストかケインズ的な発想しかできない者ばかりなのだ。大事なのは、国内需要で

あり、しかも、最終需要たる個人消費なのだ。

 

 もう、12年も日本の経済は低迷を続けている。株価を上げてみたり、財政を再建

してみたり、財政出動してみたり、円安にしてみたり、円高にしてみたり、一貫性の

無い政策で事態は一向によくならない。それどころかどんどん悪くなっている。

 

 いまの状況は、大恐慌とはいわないまでも、ほとんど恐慌状態である。売上不振

過剰債務、倒産の続出。これは昭和恐慌のときにおこった現象だ。いまといったい

どこがちがうのだろうか?学者やマスコミはいろいろ数字を出してごまかしているが

、私は一般の実感を基準としているので、見分けがつかない。

 

 GDPが増えた減ったなど、給料が減っている人から見れば意味が無いのである。

得をしているのはわずかな金持ちだけ。こんな状況のどこがすばらしいのだろうか?

エコノミストは、自覚していないが、90年代に行ったいい加減な政策のおかげで、

もはや日本はぼろぼろである。もう一刻の猶予もならないのに、結局出る政策が

金融緩和、不良債権の処理という投資拡大政策ではどうにもならない。かといって

借金が増える財政出動もできない。もはや八方ふさがりなのだろうか?

 

 いや、そうではない。この不景気、デフレの真実を見極めた対策を採ればよい

のだ。まだ、なんとか間に合うはずだ。真の対策を望まずにはいられない。

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。

できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、

完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など

への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。

 

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