世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

 12月14日夜、10000カウンタになりました。どうもありがとうございました。 

またしても更新が遅れましたお詫び申し上げます。

 

 14日夜、ついに10000カウンタに到達した。なんどかくじけそうになったものの、

ここまでくることができた。とても感謝している。

 ありがとうございます。そしてこれからもよろしくお願いしたい。

 

 今週は、先週に予告したとおり、小泉首相と徳川吉宗の同一性について

述べたい。

 

 徳川吉宗は、江戸中期の将軍である。

 実に、幸運の星の持ち主で、自身紀伊君主の四男だったため、

将軍どころか紀伊家の当主にすらなれないはずだった。

 父に続いて兄たちが次々と病死したため紀伊家の当主に納まったのだ。

(ただし、当時は暗殺が横行していたことは付記しておく)

 

 そのとき、徹底した倹約政策と米の増産政策によって紀伊家を立て直して

名君との名声を得た。

 これを企業に当てはめるとわかりやすい。倹約=リストラ、増産=増収

結果利益が増えたのだ。

 

 そのとき、徳川家康の後、将軍を継いでいた秀忠の直系が絶えた。

幕府は当時、綱吉以降の放漫財政で財政難に直面しており、財政再建が

急務だった。このため、御三家の中で財政再建に成功し、名君との誉れ

が高い紀伊家の吉宗が将軍として迎えられたのだ。

 吉宗は、紀伊藩で成功した倹約政策と増産政策を全国でやれば財政

再建は成功できると考えていた。そのため、就任と同時に贅沢を禁じ

質素倹約を断行した。

 

 ところがである!日本経済は大恐慌になってしまったのだ。

倹約令を全国規模実施すると、需要が減少しため、景気が悪化した。

しかも、その一方で増産政策をとったために、供給過剰になったため

当時の貨幣とも言うべき米の価格が暴落、激しいデフレーションに

見舞われるようになったのだ。

 結果、江戸は火が消えたようになり、治世の末期に貨幣の改鋳で、

インフレ政策を採るまで20年以上も不振を極めた。

 

 ここで不思議なのは、紀伊藩でうまくいった倹約、増収政策が、

全国規模で行われるとなぜ、不振に陥ったのか?ということである。

これは、以前に指摘したリストラ問題そのものだ。

 

 企業としては、リストラをし、新製品を投入すれば利益が増える。

だが、これには重要な前提があることはすでに何度か指摘した。

 自分以外の他者の需要がそのままであるということが絶対条件だ。

このケースでは、紀伊藩の需要は減ったが、そのほかの幕府や上方

雄藩の需要がそのままだったので紀伊藩の改革はうまく行ったのだ。

 これは、今の企業のリストラがいかに愚策であるかを教えてくれている。

 

 そして増産、倹約政策を全国に規模に適用すると、生産性が上昇して

供給が増える一方、倹約令で、需要が大幅に増加減少、需要と

供給のバランスが崩れて大恐慌になってしまったのだ。

 

  しかも、徳川吉宗の政策で致命的なのは、きわめて頑固だった

ことだ。倹約と増産策が紀伊藩で成功したために、全国で実施すれば

必ずうまくいくと信じていたことなのだ。

 このために、デフレ政策から逃れることができなかった。

結局、貨幣の価値を落とし、需要を増加する政策を採ってようやく日本経済は

安定したのだ。

 

 以上が、徳川吉宗の話だ。どうだろうか?この話を聞いてみて今の日本に

似ているとは思われないだろうか?しかも、小泉首相は、吉宗と同じように頑固だ。

おそらく、財政再建に突っ走るだろう。そのために日本の需要が激減、景気は

まったく立ち行かなくなると思われる。

 

 それにしても、徳川吉宗の政策は、需要と供給がバランスが崩れると恐ろしい

ことになるという非常にありがたい教訓を残している。

不良債権問題や構造改革は、経済の本質から離れた議論だ。まったくは意味はない。

学者やエコノミストが無意味な議論を続けている間に大恐慌は、いよいよ迫ってきたようだ。

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。

できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、

完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など

への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。

 

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