世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

    

 

 

 

 

 続・テロ事件の及ぼす影響です。

 

 やはり、私の恐れていた通りの事態となった。NYダウが一週間で14%、

1369ドルも大暴落した。

 これまでハイテク株は暴落したもののいわゆるオールドエコノミー株は

アメリカの個人消費が堅調に推移していることをはやして、なんとか

持ちこたえていた。

 

 だが、今回の事件でその期待は打ち砕かれた。個人消費の落ち込みは

決定的となったからだ。

 また、もっと重要なことがある。それは資金フローの異変だ。

これまで、アメリカは膨大な貿易赤字を、資本移動で還流させることで

潤ってきた。 ラビ氏も貿易赤字から利益を得るなどとは人類史上初めて

とおっしゃっていた。

 

 この動きに異変が生じたのだ。決済やテロの再発への不安から、為替取引き

そのものが縮小(特に投機なのだが)、薄商いの中ドルは下落していった。

 そのため、取引の縮小とドル下落でこのフローが機能しなくなり、アメリカへの

資本流入が事実上ストップしてしまったのだ。

 この状況下で、貿易赤字を垂れ流す国アメリカの株価を維持できようはずもない。

 

 これが、今回の暴落の背景だ。一部の新聞報道でいっていた愛国心からの

買い支えは無意味だ。

 確かに初日こそ大暴落しなかったが、その後もずるずる下がってしまったのだ。

 しかも、再開初日の取引は非常に奇妙だった。まるで、謀ったかの用にNYダウも

ナスダックも下げ渋って終わった。なんらかの意図があったと思われる。

 

 

 だが、それもわずか二日で支えきれなくなった。木曜、金曜と株式市場はふたたび

暴落したのだ。

 もう、何度も指摘してきたので聞き飽きたかたもおられるだろうが、アメリカのドル

株式市場は高すぎるので暴落するという警告はついに現実のものになってしまった

のだ。

 

 さて、ではこれかどうなるのだろうか?私がはっきり言えることは、株式市場の暴落は

これから一段と進み、最終的には大恐慌が始まるということだ。

1920年代、繁栄の絶頂にあったアメリカ経済とをわずかの期間で破滅に至らしめた

「大恐慌」それが再びやってくるだろう。

 

 もう、今の経済の運営をしている担当者は「大恐慌」がなんだったのかは、全く

わかっていない。なぜ、大恐慌のあと銀行や証券の規制が強化されたのか?

なぜ、ヒトラーのような独裁者の狂気を許してしまったのか?

 そんなことはもう起こらないと信じて疑ってないので、だれも気にしなくなっているのだ。

 

 残念ながらもはや手遅れだ。もう多くの人は、自分の幸せしか気にしなくなっており、

他人がどんなに傷ついているかなのど、全くわからなくなっている。

 自然は、これまで自然災害などを通じ我々に慈悲の心を持つように、警告を与えてきた。

 

 今度は、あまりにも貪欲になった我々に鉄槌を降ろそうとしているのだ。

いったい、人間はいつ貪欲さをすてることができるのだろうか?

 私は、多くの命が失われなければ、新しい時代がやってこないことが悲しくてならない。

今回のテロ事件では6000人以上のかたが、行方不明だ。これからアメリカが対テロ

リズム戦争を始めればもっともっと多くの方に害が及ぶだろう。

 

 私ごときちっぽけな存在ではなにもできないのだ。そう、こうやってささやかなコラムを

書く以外は・・・。資本主義の崩壊・・・20世紀に大きな道徳と倫理の交代をもたらしたシステム

この崩壊の影響は想像以上に大きそうだ。はたして、どのように進むのだろうか?

 それは、劇的なものになるだろう。

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。

できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、

完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など

への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。

 

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