世界経済と幸福論

 

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人間の幸福について

(現在は、よもやま話に統合)

第一回 世界観について                

                                        

    

 

 

 

 

 テロ事件の及ぼす影響について考えます。

 

 今週は、大きなテロ事件が起こった。NYの金融の中心街とワシントンのペンタゴン

へ、ハイジャックされた航空機が突っ込むという大惨事だった。

 まずは、犠牲になれた方のご冥福を祈りたい。また、行方不明の方のご家族の

気持ちを考えるとと非常につらいものがある。一人でも多くの方が無事であることを

祈らずにはいられない。

 

 今回のテロは、自分の命もろとも航空機を突っ込ませるというとんでもないもで

あった。だが、歴史を見ると、このような自爆テロはまったくなかったわけではない。

 第二次大戦末期の日本軍も、特攻作戦を行っていた。いまや、合理的思考を

身に付けた日本人にはあまりない考えだが、わずか60年程前には、同じような

ことをしていたのだ。

 結局、この60年で人間はそれほど進歩したとはいえないだろう。

 

 今回、アメリカでは第二のパールハーバーという表現が目立った。今年は

真珠湾攻撃から60年だ。これは、ラビ氏が提唱する60年周期説にぴったりだ。

あの時も、日本軍は真珠湾に奇襲攻撃を仕掛けた。今回は、金融と軍の

中心部への奇襲攻撃だ。これは単なる偶然の一致だろうか?

 

 

 いや、確かに歴史は繰り返しているのである。また、2002年の大恐慌で、

ラビ氏が金融版といっていたが、第二のパールハーバーが起こるだろうと

していた。私は半信半疑だったが、今回の事件には本当に驚かされた。

 私は、60年周期説に合理的な何かがあるような気がしてならない。

 

 次に、市場への影響を考えよう。

事件が起こったあと、市場が開いていた欧州市場はすぐさま大き下げた。

為替市場も、ドルが急落し、119円台をつけた。

 その後、日本の株式市場も急落し、日経平均は9610円の安値をつけた。

 だが、翌日、翌々日は欧州は小康状態、日本にいたっては、マイカルの

民事再生法申請をきっかけに急騰した。

 たしかに、日本市場が下げすぎだったこともあるかもしれないが、

企業の事実上の倒産を受けて株価があがるということは、おかしくないだろうか?

 しかも、日本のエコノミストの論調も、たかだか2日下げなかっただけで

アメリカ市場は暴落しないのではないかという論調に変わっていた。

 

 そこに、昨日のドル暴落である。金曜日の欧州市場、再開されたNY為替市場は

ドルが暴落し一時116円台をつけた。金相場、原油相場も暴騰した。

 どうも、日本のエコノミストもマスコミも、今回の事件というものを理解していない

と思われる。

 

 金融市場が停止したのは大恐慌以来であり、ましてやペンタゴンに航空機が

突っ込むなどいうのは前代未聞のできごとで、正義の国を自認するアメリカは

かならず大規模な反撃にでるはずだ。しかも、湾岸戦争とちがい、今回の反撃

は短期間では終わらないと思われる。なぜなら相手は独裁者ではないからだ。

独裁者は自分の地位が失われる状況を、恐怖するが、テロリストは死を恐

れていない。場合によっては、更なるテロを生むという果てしない負の連鎖に

なりかねないのだ。

 

 そうなれば、原油価格の暴騰や、輸送の遅延が慢性化しかねない。

私は、これから大規模な恐慌がやってくると予想しているが、このトリガーを

この事件が引いてしまったかもしれない。アメリカの個人消費がこの事件の

あとで大きく伸びるとは到底思えないのだ。

 

 どちらにせよ、週明けの米国市場に注目する必要があるだろう。これだけの

事件があっただけに、落ち着いた相場というのは望めないような気がしてならない。

果たして、恐慌は始まったのだろうか?

 

 

ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。

できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、

完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など

への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。

 

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