世界経済と幸福論
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| 今週はラビ博士の最新書「2002年の大暴落」についてです。 なお、出張の関係で遅れましたことをお詫びします。
先月、ラビ博士の最新刊「2002年の大暴落」が発売された。 今日は、この本をよんだ感想を述べたい。 これまで、私はラビ博士の本についてコメントしたことはない。それは、 多くの本が原文があり、それを翻訳したものだったからだ。 しかし、今回の本は違うようだ。読んだ限り、かなり訳者である藤原氏と ペマ氏の意見がかなり入っているようだ。
私は、原書を含めて、ラビ博士の本をよんできたが、この2002年の大暴落 にはかなりの違和感を覚えた。おそらく、違和感の大部分は訳者によるもの だろう。
その点を廃し、このHP主張と違う点を中心に話を進めたい。 一番、関心したのは、小泉首相とブッシュへの評価だ。 私は、小泉首相は金にまみれていないことを評価したが、ブレーンの 経済学者についてまったく評価していなかった。 しかし、ラビ博士は、両者とも武人だと評価しておられた。
これは、重要なことだ。もし、日本がこのまま武人の時代に移行するというなら 歴史のパターンが変わることを意味しているからだ。 社会周期理論であれば、日本の経済人の終わりは2050年ごろになるはずだった。 私は、自分が日本の経済人時代の終わりを見ることはまずできないだろうと 考えていたが、どうもアメリカの経済人の時代の終焉に巻き込まれる形で日本でも 移行がおこるようだ。
確かに二つ気になることが小泉首相の就任で起こっていた。ひとつは、靖国神社への 参拝へのこだわりだ。これについては、もし決行されるなら重要なことだ。 靖国神社は、戦没者を祀っている場所であり、軍人に敬意を払うことを意味しているのだ。 戦争が終わって50年以上経過したが、軍人は嫌われた存在だった。
しかし、首相が参拝することで軍人に対する見方は大きく変わるだろう。 私の大胆予想である自衛隊の軍隊化が意外と近い将来実現するかもしれない。 政治力は軍事力、知識力、経済力の三つしかないからだ。経済人の時代の次は 軍人に決まっているので、このようなことがいずれ起こるはずなのだ。
もうひとつは、首相公選制である。日本は議院内閣制が採用されている。 これは経済力(=お金)で票を買い易い。なぜなら、国会議員さえ買収できれば 首相を選ぶことができるからだ。 しかし、首相公選制が実現すれば、こうはできなくなる。日本の代表を国民が 選べば、もう金の力は働きにくい。おそらく公選で選ばれた総理大臣は大統領の ように強大な権力を振舞うことになるだろう。
このシステム下では、金はもはや役に立たない。リーダシップを発揮できる人物が 日本を率いてゆくことになる。
以上の点から、小泉首相が長期政権を維持できるかどうかは、ブレーンの経済担当 の学者先生が、きっちりとした経済政策を打ち出せるかにかかってるだろう。 もし、ラビ博士や私の提唱する需要創造政策と慈悲の心をもった形にすれば、 日本に劇的な変化が訪れる。はたしてそれは可能だろうか?
ここに記されている世界経済への見方は私個人の見解です。 できるだけ信頼できる情報をもとに書いていますがデータの信頼性、 完全性を保証するものではありませんし、有価証券、商品市場など への投資勧誘をおこなう目的のものでもありません。ご了承ねがいます。
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