キャプテンの実力


美少年が第三の性別として、男とは違う存在のように扱われている世界。それと対を成す女もまた、二種類の存在に分かれていた。変態女と、そうでない女である。

変態女が支配しているかのようなこの世界とはいえ、普通の女は特に迫害されているということはなく、別段普通の生活を送っている。むしろ、そのような普通の女が真面目に生きているからこそ、変態女達は遊んで暮らせるのだし、変態女に殺され続ける美少年の絶滅が防げているのだとも言える。

ある者は学生として学校生活を送り、ある者はOLとして会社勤めをし、またある者は母親として家を守る。そんな変態女の生活とはまったく無縁と思われる普通の女達の中の、とある少女の話をしよう。


少女は名を『和泉洋子(いずみようこ)』という。ごく普通のレベルの高校に通う女子高生で、ソフトボール部に所属して練習と試合に励み、3年生となった今年に、これまでの頑張りが認められてキャプテンを引き継ぐことになった。

ボリュームのあるショートカットと快活な笑顔で、これまでは明るく元気な少女として見られてきた彼女だが、キャプテンとなったことで責任を感じ、これからは厳しいところも見せていこうと最初は心がけていたものだ。しかし、厳しくなったのは彼女ではなく部の事情の方だった。

元々部員の少ないソフト部ではあったが、洋子が3年生になると、3年と2年の部員をかき集めてようやくスタメンが組める程度の部員しかおらず、新入部員を早々に鍛えて行かないと控えが居ないという事態になっていた。

かといって3年や2年が頼りになるかというと、必ずしもそうではなく、サボるわけではないが態度に問題がある部員ばかりで、新入部員の模範になってもらう事はとても期待できなかった。


「うぃーっす!」

部活の集合時間の直前、ゆったりとした足取りで部室に向かってきた3年部員達が、部室の前で部員の集まりを確認していた洋子に向かって荒っぽい挨拶をする。

「ちょっと、あなた達!もう練習が始まるわよ!早くユニフォームに着替えてきなさい!」

少なくとも5分前には部活の準備を終えておくべきだと洋子は注意するものの、3年部員達は悪びれる様子もなく、着替えてたら間に合わないから制服姿のまま練習すると軽口を叩く余裕すら見せる。

それだけならただの軽口なのだが、実際に集合したときに本当に制服姿のままの女子が一人いるのだから洋子も呆れ果てるしかなかった。

(ちゃんとした顧問の先生が居てくれたら…)

洋子はいつもそう嘆くものの、いないものはどうしようもない。前の3年までは真面目な人間が多く、ソフトボールを指導できる顧問が居なくとも3年が下級生のために様々な練習メニューを考え、取り組むのが部の伝統となっていたからだ。

しかし洋子の学年からは不真面目な女子が多くなり、洋子はともかく、他の同級生は3年となったことでかなり好き放題になってしまっていた。その筆頭が、今セーラー服姿で練習に参加している女子、『浅長希瀬楽(あさながきせら)』であった。

人工的な日焼け、茶髪、ルーズソックス。どこからどう見てもコギャルそのものの風貌でスポーツとはまた似つかわしくないが、元々はスポーツ少女だったのがコギャルファッションに目覚めたからこうなってしまったらしい。

希瀬楽が部活に参加しながらもコギャルらしく自分勝手に生きることで、それに影響されて他の部員や後輩達も徐々にコギャルらしくなっていく。希瀬楽ほど気合いは入っていないが、簡単なルーズソックスから始まり、やがて日焼けサロンや髪を染めることに手を出していく者が増え、既に今では部員の4割がコギャルルックとなっていた。

洋子にとって幸いなのは、希瀬楽達はコギャルでありながらもあくまでもソフト部部員ということで、不真面目ではありながらも練習には精を出し、すくなくとも他校との練習試合は普通に行えるということであった。

希瀬楽達の元々の素質なのか、コギャルのパワーなのか、とにかくコギャル軍団は楽しい打撃においては良く打ち、よく走る。しかし退屈な守備においてはからっきしだった。

洋子は1年の時から投手をやっており、なかなかの速球とコントロールを誇るが細身の体から来るスタミナ不足が欠点で、味方野手のエラーとも相まって終盤に崩れることが多い。点は取るが、それ以上に守備の乱れで点を取られて負けるというのがチームの現状だった。

これは、そんなソフト部を舞台にした少女とコギャル、そして美少年の物語である。



夏休みのある日、いつものように部活の練習のために学校に来た洋子が部室で着替えているときに、希瀬楽がこれまたいつものように気合いの入ってない挨拶で部室に入ってくる。だが実はいつもの希瀬楽とは少々違っている。それは希瀬楽が一人のフルチン姿の美少年を伴っていたことだ。

突然目の前にフルチン姿の美少年が現れたことで、多くの部員達は戸惑うが、希瀬楽側のコギャル部員達は一目見て美少年の可愛さとフルチン姿の恥ずかしさに喜び、思わず野太い声を出しながら美少年をジロジロと見回している。

「てゆーか、野良美少年ってやつ?せっかく拾ってきたのはいーんだけどさー。うちのババアが飼っちゃ駄目ってゆーんだよねー。だからここで飼えばいいか、ってさ」

母親の元で保護され、半ば見せ物になりながらも幸せに生きていられる美少年がいれば、様々な理由で誘拐されたり売り物にされたりして、もしくはこの世界に存在した時から既に、見知らぬ変態女の元でペットとして生きることを余儀なくされている美少年もいる。

変態女の元で生きるというのは、毎日がどのような生活になるのかは推して知るべし。何よりもまず変態女のウンコを食べさせられる事から始まる、退屈しのぎに美少年を殺すための責め苦は、それに体がついていくことよりも死んだ方が幸せだと同情するぐらいの日々が待っている。

だが、一度ペットとなってしまった美少年は変態女の元から逃れても必ずしも幸せになれるわけではなかった。むしろ、野良美少年となって生活の糧を失い、空腹と安心して眠れる住処もない状況でひっそりと死んでいく例も多い。母親の記憶があればまだ救われる可能性がある。しかし、始めからペットとして生まれた美少年には帰るところは無かったのだ。

希瀬楽の連れてきた美少年がどういう経緯で野良美少年になったのかは分からない。しかし、美少年が自分の名前を知らないところを見ると、この美少年は生まれつき野良美少年だったのかもしれない。

「ちょ…ちょっと、浅長さん、そんなの良いわけないでしょう!部室にこの子を居させるわけにはいかないわ、早く返してあげなさいよ」

生真面目に怒る洋子にはあまり理解できてないのかもしれないが、希瀬楽が夜遊びの最中に路地裏に入り込んで見つけた野良美少年には、返せといっても返すアテがない。誰かが飼っているわけでもないし、戻す家もない、強いていえば元居た路地裏に返すぐらいだが、言いようによってはその方が薄情な選択にならないだろうか。

「だからー、ここで飼ってやった方がいいじゃん。あたし達がちゃんと餌やるんだしさー。また道端に捨ててくるなんて可哀想じゃんかさー。ねー、頼むよキャプテン」

この美少年の帰るところが分からない以上、この場はどうしても希瀬楽の言うことに分がありそうな状況に、洋子も美少年を飼うことを認めざるを得なかった。そういう目にあっている美少年も世の中に存在することは知っていながら、どこか他人事だと思っていた洋子には、ここを上手くまとめる対処は思いつかず、希瀬楽の言いなりになるしかなかったのだ。


こうしてソフト部の部室で飼われることになった美少年だが、せめて服ぐらいは着させたいという洋子の意見も空しく、フルチンのまま首輪で繋がれただけの美少年は、そのまま部室に放っておかれることとなる。

練習後、希瀬楽に世話を任せるのは不安と、食事などのやり方を決めようと考える洋子だが、希瀬楽はまったく取り合おうともせず「心配ねーよ」の一言でコギャル仲間と共に美少年を放ったまま帰ってしまった。

「本当に大丈夫なのかしら。…ねえ、君、もし何かあったら私に言ってね。私はこの部のキャプテンなんだから、最後までちゃんと君の面倒を見てあげるわ」

他の部員が皆帰ったこともあり、普段はあまり言えない「自分がキャプテン」という表現でちょっとお姉さんぶって美少年に声をかける洋子。もう自分も帰らなければならないが、一応部室に水道があるとはいえ、明日までのジュースやパン等の飲食物を用意しておこうかと話してみるのだが、美少年は洋子に感謝しつつもやんわりとそれを断った。

「食べ物も飲み物も、あの人がくれる物以外は口にしてはいけないって言われてるんです。一人の時は、どうしても辛い時だけ水を飲んでも良いとは言われてますけど…、もし他の物を口にしたらリンチだって…」

美少年の言葉に唖然とし、どうしてそんな命令をするのかと希瀬楽を非難する洋子だが、ここで非難しても実際に希瀬楽を止められない自分の弱さを嘆くしかなかった。後は希瀬楽がまともな物を美少年に与えてくれることを願うしかないが、せめて今日は何か希瀬楽に貰ったのかと心配で聞いてみる。

「今日はあの人にオシッコを一回飲ませて貰っただけで、それ以外は…」

まだたったそれだけしか与えてもらってないのかと洋子はガッカリするが、一瞬間をおいてガッカリするよりも先に驚かなければならないことがあることに気がついた。

「お…?オシッコ!? オシッコ…って、あの…オシッコのこと?」

言うまでもなく、洋子も毎日出している尿のことである。美少年の側に置かれている空のペットボトルから漂う悪臭がそれを証明していた。おそらく、この中に希瀬楽が放尿を行い、それを無理矢理飲ませていたのだろう。

「なんて酷い事を…オシッコは飲み物じゃないのよ。この分じゃ、食べ物だって何を食べさせるんだか…」

そう言いかけた洋子の脳裏に、ある不安な考えがよぎった。尿を飲み物として与えるならば、食べ物は必然的に想像したくもないおぞましい物が想像できてしまう。

「今日はちょっと出ねーから、オシッコだけで我慢しておきな。明日からお腹一杯でもう食えねー、ってぐらいあたしのウンコを食べさせてやるから、期待して待ってろよ」

それが希瀬楽が美少年に残した言葉だった。美少年にそれを説明されると、洋子は思わず気持ち悪そうな顔をしておぞましそうに体を震わす。何とかしてあげたいが、希瀬楽達コギャルを止める力は自分には無い。洋子は、ただ美少年の運命を謝ることしかできなかった。


自宅での夕食。スポーツで動かした体とお腹には夏場であっても食べることが心地良い楽しみな時間。いつものようにテキパキと箸を動かしていると、ふと美少年の食事のことを考えてしまった。

食事はこうやって美味しいものを食べるのが普通なのに、美少年はあんなコギャルの臭くて汚いウンコを食べさせられなければいけない。もし自分が美少年だったらどうなるのだろうか。そう思いながら食べると、思わず吐き戻しそうになる。

夜もずっと洋子は美少年のことを考えていた。いや、美少年のことというよりも、美少年が食べさせられるウンコのことを考えていたと言った方が良いだろうか。

洋子は希瀬楽のウンコを見たことはない。もちろん他の女のウンコなら見たことがあるというわけでもないのだが、自分のウンコなら良く見ている。それも、観察と言えるぐらいじっくり眺める癖がある。臭い、汚い、醜い。そう思いながらもウンコに顔を近づけ、臭いを確かめてしまう。

仮に自分のウンコで想像するとして、どうひいき目に見てもこのウンコを食べろと言われて食べる気にはなれない。果たして美少年は臭いに耐えてウンコを口に運べるのだろうか。

(それよりも味だわ。ウンチってどんな味なのかしら?実は美味しいなんて事は無いだろうし、絶対に不味いわよね。それを食べるなんて…食べさせる方も食べさせる方だわ)

まるで当たり前の発想のように、ウンコを食べさせるということを思いつく希瀬楽の考えが洋子には理解できない。どうして自分のウンコを食べさせようと思うのか。自分のウンコが食べられるのは恥ずかしい行為ではないのかと、洋子は悩み続ける。

しかし、それでも洋子は嫌悪しながらもウンコのことばかり考え続けていた。なぜウンコを食べさせるのかと考え続けながら、ウンコを食べさせる光景はいったいどういうものなのだろうかと、まるで夢中になっているかのように想像を止めることが出来なかった。


-2-


一夜明けた朝。ソフト部の練習は9時から行われるのだが、洋子はそれより1時間も早く学校に来ていた。いくらキャプテンとはいえ、そんなに早く来る必要も無いのだが、部室でたった一人になっている美少年のことが気になったというのが大きいだろう。

だが洋子が特に心配するまでもなく、美少年は無事にグッスリと睡眠を取っていたようだ。洋子が部室に入ってもまだ仰向けに寝ていただけではなく、美少年特有の無防備な証拠である寝勃起が、洋子に悲鳴を上げさせるぐらい逞しくそそり勃っていたからである。

「ご、ご免なさい…!でも、すぐには直せなくて…」

洋子の悲鳴で目を覚ました美少年は、自分の勃起を指摘されて慌てて洋子に背を向けるが、勃起をコントロールする術はなく、ただ時間が過ぎるのを待つしかなかった。しかも間の悪いことに希瀬楽がこんな早い時間にやってきたのである。

いつも練習開始時間ギリギリでやってくる希瀬楽らしからぬ、あまりに早い登校に洋子は一体どうしたのかと素で問い質してしまうが、希瀬楽もまた美少年のために早く登校して来たのだ。自分のウンコを早く食べさせたいがために。

「うっせーなー。朝起きたら超ウンコしたかったから早く学校に来てしようと思ったんだよ。ほら、お前来いよ。行くぞー!」

美少年の首輪に繋いであるリードを掴み、勃起が治まるのを待つ美少年に構わず引っ張ると、その勢いで転びながらも必死についていこうとした美少年がまだ治まる気配のない勃起を希瀬楽に晒してしまう。

「ひゃははは!お前、チンチンすっげーガチガチに勃ってんじゃん!あんなちっこかったのがねー」

洋子と違って美少年の勃起にも堂々とした希瀬楽だが、笑えるぐらい小さかった美少年のペニスが目を見張るほどの大きさにまで勃起していた膨張率は感心したようだ。しかし、勃起したペニスを見てもそれはあくまで美少年を恥ずかしがらせるための行為でしかなく、それによって自らの身体が性的な反応を示すことは一切ないのが変態女だ。だからただ笑い飛ばして終わりに出来るのだろう。


部室にトイレはないので、校舎の中の一番近いトイレにやってきた希瀬楽はさっそく美少年を個室の前で待たせながらウンコをしようとする。美少年が心配な洋子もそのまま希瀬楽についてきていたのだが、希瀬楽はそれすらお構いなしだ。

「ね…ねえ、本当にするの?」

ここまで来て今さらな洋子の質問を鬱陶しそうにあしらうと、希瀬楽は個室のドアを開けたまま便器を跨ぎ、Tバックのパンツを下ろしてスカートを捲る。そして日焼け肌に水着の白い日焼け跡がクッキリと浮かぶ艶めかしい尻をストンと落下させた。

完全に洋子に背を向けた状態で、尻を剥き出しにしてしゃがむことに何の抵抗も感じない希瀬楽の堂々とした後ろ姿に、洋子だけではなく美少年も呆気にとられて言葉が出なかい。

開けっ放しのドアの外で立ちつくす洋子と美少年にまったく振り返ることもせず、しゃがんでからすぐさま放尿を行う希瀬楽。普通なら個室の中で用を足すためにしゃがむ姿は滑稽で恥ずかしい姿でしかないのだが、ここまで堂々と太々しくしゃがみ込まれると、その後ろ姿がかえって威圧感さえ放つようになるのだからコギャルは恐ろしい。

「あ、やっべー!ションベンすんのにペットボトル持ってこなかったよー。わりーわりー」

ひとしきり放尿を終えてから、美少年に飲ませるために尿を汲んでおく容器を持ってこなかったことに気がついた希瀬楽が、ここでようやく後ろを振り向いて美少年に口先だけで謝りつつ屈託無く笑っても、美少年はただ返事をするだけで精一杯だった。

美少年の返事を聞くより早く顔を前に向けると、希瀬楽はいよいよ本格的にウンコを力み始める。洋子達に丸聞こえなぐらいに鼻息を荒くしながら小刻みに何度も力み声を漏らすと、伸びきった肛門を塞いでいたウンコの固まりが顔を出し始めたことによって出来た隙間から、ウンコに堰き止められていたガスがプシューと音を立てて漏れた。

尻の中に詰まっていたガスが漏れ出して酸素に混じると、ガスは酸素を瞬く間にオナラへと変化させる。ネットリと湿り気を帯びたオナラはゆっくりと希瀬楽の後方へと漂い、洋子と美少年の微かな呼吸の流れを見逃さずに、その流れに乗って鼻孔へと侵入する。

ほんの少量でしかなかったオナラが、最も効率的な経路で無駄なく周囲にいる人間の鼻孔を責める。まさにコギャルは他人に迷惑をかけるために生まれてきたような才能を持っているのだろう。柔らかくも刺々しい希瀬楽のオナラに襲われた洋子と美少年は、ここまで臭いが来るとは予想していなかったことで不意打ちを喰らい、オナラの規模以上に感じる不快感で顔を歪ませた。

オナラに襲われて後ずさりする洋子と美少年の不快な顔には目もくれず、希瀬楽は尻がブルブルと震えるぐらい激しくウンコを力み、両足で踏ん張っている。

「フーッ! くぅぅ……おっ! あくっ…! くっ…んはぁ!」

どんな変態女でも、ウンコをするときには何かしら力むものだが、肛門からウンコを吐き出すのに難産であれば難産であるほど、自分のウンコの凄さに酔うような快感を味わえるという変態女や、太いウンコを事も無げにスムーズに出してこそ変態女としてのプライドを刺激されて興奮するという変態女など、ウンコを出す姿一つとっても様々な主張やスタイルがあるようだ。

希瀬楽はまだ変態女としてはなり立てという状態であり、コギャルという変態女としての力に長けた生き方をしているとはいえ、まだ確固たる希瀬楽のスタイルというのは確立していない。しかし、希瀬楽は既に自分のウンコを誇ることをはっきり快楽として認識しており、今はただ心の赴くままに、自由にウンコをすることを楽しんでいると言えよう。もしくは、それがコギャルという変態女のスタイルなのかもしれない。

ミリミリミリ…! メチメチ、ピチ、グチ… ミチミチミチミチ…!

大粒の石がひしめき合っているようなデコボコのウンコが、出入りを繰り返しながら徐々に肛門から吐き出され、そのおぞましい全貌を明らかにしていく。ゴツゴツしているウンコ特有の、直腸の粘膜と響きあう奇妙な音を奏でながら吐き出されるウンコは、既に全体の半分以上姿を現していながら、なおも肛門にぶら下がり続けている。

並のウンコならすぐに途中で千切れて落下してしまうのだが、希瀬楽のウンコは凄まじい重量感を持っていながらウンコの粒同士の結合力が高く、千切れそうな気配すらない。

プッ…  ベチンッ!

とうとう最後まで千切れることの無かった希瀬楽のウンコが、完全な形のまま肛門から滑り落ち、便器に叩きつけられる。その音からでもウンコの重量感が分かるぐらい固く、重そうなウンコだろう。

口を開けた肛門と、空洞になった直腸がゆっくりと締まっていく快感を味わいながら大きな溜息をつき、力みきった全身を一休みさせる希瀬楽だが、まだ出し切ってないウンコの固まりを直腸の中に感じると、全身を踏ん張る体勢に戻し、再び力み始めようとする。

「へへっ、もう少し出そうだから待ってろよ。もうすぐうめーウンコを食わせてやるからな」

頭だけ後ろを振り向いて美少年に声をかけると、希瀬楽はまた身体を震わせながら尻に力を込めるが、既にメインディッシュとなるウンコをし終えた後だけに、ウンコが通過することでヌメりを帯びた直腸と肛門は残りのウンコを実にスムーズに滑り落としていく。

…ビチッ! ゴトッ! …デンッ!

山道などに転がっている、歪んだ石のようなウンコの固まりが三つ、立て続けに肛門からスルリと落下し、便器の底で小気味よい音を立てる。大粒ではあるが、最初に吐き出された極太ウンコのようなおぞましさよりも、ツヤのあるコロコロとしたその形はむしろ滑稽にすら見える。

しかし、極太ウンコの側に添えられたその三つの大粒ウンコは、やはり見た目は滑稽でもコギャルのウンコらしい威圧感を放ち、極太ウンコを飾る重要なアクセントとして輝く。たった一粒で見ればコギャルのウンコとしては物足りなさを感じるが、極太ウンコと一緒に見れば「あんな凄いのを出してまだこれだけ出るのか」と驚きになるのだから不思議だ。

一本、一個の極太ウンコで完結するのも一つの美徳ではあるが、それだけでは留まらないウンコを作り出す力を美少年に印象づけるという意味が、この大粒ウンコには込められているのかもしれない。

とにかくウンコせずにはいられない。肛門から吐き出しても吐き出しても尻の中にどんどんウンコが溜まっていく。過剰なまでのウンコを作り出す力は、希瀬楽がウンコをするために生まれてきた存在であることを示すかのようだ。

『ウンコ製造機』という言葉がある。一般的には存在価値のない人間という意味での罵倒や、美少女に対して「可愛い顔をしていてもウンコは人並み以上」という意味で辱めるための言葉であるが、こと変態女に関してウンコ製造機という言葉は、褒め言葉以外の何物でもない。


「さあ来い。食えよ」

全てのウンコを肛門から吐き出し終え、立ち上がって美少年達の方へ振り返った希瀬楽の表情は、今までの饒舌でだらしのない希瀬楽のイメージとは違った、美少年にウンコを食べろという死刑宣告を、何の躊躇もなく行える非情な変態女の顔になっていた。

希瀬楽の宣告に、美少年は一瞬の沈黙の後、覚悟を決めて無言のまま歩いて便器の手前で跪いて希瀬楽のウンコを覗き込む。洋子も、ついにこの時が来たと固唾をのんで成り行きを見守るが、美少年のあまりにも早い決断にある疑問を感じていた。

どんな虐げられていたとしても、どんなにお腹が空いていたとしても、ウンコを食べるということをそんなに早く許容できるものだろうか。ましてや好きな人のウンコでもなく、無理矢理美少年をペットにするようなコギャルのウンコなのである。

前日から命令されていたからなのか。一日中悩んだからこうやって決断できるのか。だとしても早すぎる。そんなに早く決断できるほど美少年はまだ切羽詰まってはいない筈だ。


美少年は、まず粒のウンコから食べて舌を慣らすようなこともせず、便器の底に伸ばした両手はまっすぐにメインディッシュとなる極太ウンコを掴み取っていた。

始めは掴むように持ち、そして両手ですくい上げるようにして便器から極太ウンコを離す。変形させないように恐る恐る両手で極太ウンコを持ち上げている様は、まるでウンコを敬っているかのようでもある。

希瀬楽のウンコであるのだから、乱暴に扱うわけにはいかないという気持ちもあるのだろう。変態女がウンコを口の中で噛み砕くことは喜んでも、ウンコを変形させたり強く持ちすぎて指の跡をつけてしまうのは許さないだろうからだ。

もちろん変態女のウンコなら、美少年のか細い指で持ったぐらいではへこんだりしない固さを誇っていて当然なのだが、変態女は美少年に対して余計にウンコをいじくらせたりはせず、ただひたすらウンコを食えという無言の命令がその背景にある。

美少年は初めてウンコを食べるのに、まるで既に変態女の好みを知っているかのようにウンコを食べる作法をこなしているのも、洋子に強い印象を与えていた。もしかしたら、この美少年は自分がこうなるためにこの世界に存在したのだというのを始めから悟っていたのではないかと。

だから、ペットという自分の立場を抵抗もせず受け入れているのではないか。希瀬楽の尿を飲み、ウンコを食べるというのも、いつかこうなることを分かっていたのではないか。美少年は変態女にウンコを食べさせられるものだという変態女の観念を、美少年自身も持っているのではないか。

変態女が世界を支配し、美少年が虐げられる世界で、哀れな美少年は自らを守るために武装するのではなく、それを甘んじて受けることで生き残ろうとしているのではないか。変態女のウンコを受け入れることで、ウンコの臭いと味によるショック死を防ぐために。

洋子は、自らの身体を張ってでも美少年にウンコを食べるのを止めてとは言い出せなかった。希瀬楽の報復を恐れているのではない。美少年の運命の流れに逆らうことができなかったのである。

(食べるの…? 今からこの子はウンチを食べるの…?)

美少年は、再びウンコを乗せた両手を持ち替え、今度は縦笛を吹くように両手をずらした持ち方で、いよいよ極太ウンコの先端を口元に運ぶ。遠目からはホットドッグを食べようとしているかのように見えるが、あくまで美少年が手に持っているのは希瀬楽の極太ウンコである。

夏の気温だというのに、ほんのりと湯気が立っているのが見えてくるような出し立ての極太ウンコを受け入れるべく、美少年は小さな口を精一杯大きく開き、その空間にウンコを三分の一ほど押し込み、ゆっくりと、しかし力強くウンコを噛んだ。

ガブ……、ブツツッ!

固いウンコに美少年の歯が食い込み、極太ウンコを真っ二つに噛み千切るまでの音が洋子にははっきりと聞こえた。それは、まるで洋子の人としての思考回路が千切れた音でもあるかのようだ。

洋子は、美少年がウンコを食べ終わるまで何も考えることができず、ただ目の前で起こっている光景と、聞こえてくる音を感じるだけの状態になってしまっていた。


−3−

美少年がウンコを噛み千切った瞬間、美少年の口の中に固いウンコの表面に閉じこめられていたウンコの本当の香りが急激に広がっていく。出し立てのウンコ自体は元々物凄い臭いではあるものの、固いウンコ特有の質感によってウンコの表面はコーティングされたように光沢を放ち、放たれる臭いの量を制限されているのだ。

凶悪な変態女はウンコの臭いだけで美少年を殺せるともいうのだから、制限されているといってもそのままのウンコの臭いを侮れるというわけではない。充分すぎるほど臭いウンコの表面の中にはもっと凶悪な臭いが籠もっており、その臭いは美少年がウンコを噛み千切った時に、初めて口内から感じることが出来る貴重なものだ。

下痢便などの軟らかい未完成のウンコの刺々しい臭いに比べて、固く完成されたウンコは表面の固さ故に臭いながらも下痢便と比べればまろやかな感じを受けてしまう。変態女が下痢をすることなどはあり得ないが、仮に変態女がそうなったとしたら、その下痢便の臭いは化学兵器と呼んでもおかしくない殺傷力となる筈だろう。


「うぐっ…! ん…んっっぐ!」

生温かいウンコの食感、痺れるように苦いウンコの味。そして閉じこめられていたウンコの芳香。たった一噛みで口の中に三つの苦痛を受けた美少年は、一秒と経たないうちに吐き気を催し、こみ上げてくる何かを必死に堪えて頬を蛙のように膨らませる。

「何ふざけてんだよ!早く食えよ!」

頬の膨らみを必死に戻し、吐き気を我慢するのが精一杯で口がまったく動かなくなってしまった美少年に、希瀬楽は容赦なくさらにウンコを噛むことを強要する。その恫喝に美少年は一瞬の震えで反応するものの、美少年の口の中は既に強烈な痛みが溢れそうになっており、ウンコを食うという意志の衰え以上に、痛みで口を止められているのだ。

しかし、ウンコを入れたまま口の動きを止めることは、かえって自らの苦しみを長引かせるだけではなく、より一層の苦しみを増やすことになる。ウンコを頬張ったまま噛むことも飲み込むこともしない事で、口の中に溜まっていく唾液がウンコの表面を溶かし、ウンコの味が混ざった唾液が、ウンコを飲み込むことをより困難にしてしまう。

口の中のウンコの固まりを我慢することで余計に自らを苦しめるのなら、まだウンコを噛み砕いて飲み込んだ方がマシなのかもしれない。ウンコは軟らかくなれば軟らかくなるほど不味くなるのだが、その不味さはウンコの本質的な味とは違う不味さであり、変態女が望むウンコの不味さではない。

変態女のではなくても、軟便は臭くて不味く、ウンコを食べることのできる美少年でも嫌悪してしまう物体だ。それで美少年を苦しめても変態女のプライドが許さない。いかに完成しきった固いウンコで美少年を苦しめるか、それが変態女の拘りなのである。

希瀬楽が美少年に早くウンコを食べることを強制するのは、もちろん美少年に苦痛を堪える時間を与えないためであるが、ウンコ本来の臭さと不味さ、そして固い食感で苦しませたいという意識も働いているのだろう。固いウンコでこそ、ウンコをした変態女の力の差がハッキリと出るのだから。


「うぷっ…。ぐ…んううう…!」

美少年はウンコを噛むのを止めるわけにはいかない。口の中を切り裂かれるような刺激という苦痛をいつまでも受けているのなら、固いウンコを噛み、飲み込むという行為に没頭してしまった方が良いのかもしれない。ウンコを頬張り続けるのも、ウンコを食べるのも同じ地獄なら、通り過ぎてくれる地獄を選ぶべきなのだ。

ブツツッ…! ボコッ…! ポコッ!

口からウンコが溢れそうになるのを堪えながら、ゆっくりと口を大きく開け、そして覚悟を決めて閉じる。極太のウンコを奥歯を使って噛むと、一瞬固いウンコの弾力という抵抗を感じたが、すぐにそれも千切れ、その勢いでウンコの粒々の固まりが音を立てながらバラバラになっていく。

グチッ、ネチッ、グヂッ、グムッ、

バラバラになったウンコの固まりをさらに噛み砕いていくと、口の中でウンコを噛む音がだんだん湿った音になっていくのが分かる。三人しかいない静かな空間とはいえ、それはウンコを食べている美少年だけでなく、洋子と希瀬楽にも聞き取れるぐらいの音を立てていた。

クチャッ、グチャッ、クチャッ、グチャッ

(ほ…本当にウンチを食べている…!)

美少年の後ろに立ちつくしている洋子には、美少年が希瀬楽のウンコを食べている表情を見ることはできないが、美少年の口の中で響いている音を聞くだけで充分美少年がウンコを食べている様子を感じることは出来た。

今、美少年がウンコを噛み千切った。今、美少年の口の中でウンコが砕けた。今、美少年が噛み続けているウンコがどんどん軟らかくなっている。目を背けたいぐらいの光景の筈なのに、想像したくもない感覚の筈なのに、洋子の意識は常識とは裏腹に美少年がウンコを食べるという行為に全ての神経が集中し、あらゆる情報を知りたがっていた。

頭の中に次々と入ってくる、ウンコを食べる美少年の行為に関する情報に、足を震わせながらもそれを止めることができない。初めて知る常軌を逸した世界に、逃げるどころか意識が前に進んでしまう自分が分からなくなっているのか、それとも自分を見失っているのか。

ただ、動揺の色が体に出ているのは洋子だけではなかった。希瀬楽もまた自分のしている行為にどこまでも冷静ではいられないようだ。

「マジスゲーじゃん、お前…。ホントにウンコ食ってるぜぇ…」

人前で平気でウンコができる等、コギャルとしては一人前であるかもしれないが、変態女としてはまだ場数を踏んでない希瀬楽は、どんなに知識はあっても初めて美少年にウンコを食わせるという行為には変態女のプライドを保つことはできなかった。とはいっても、それは洋子のような動揺ではなく、こみ上げてくる嬉しさを抑えきれないといった体の震えとニヤけた笑顔ではあったのだが。

いつもの豪快に笑い飛ばすコギャルらしい笑顔ではなく、美少年がウンコを噛み砕く度に全身に感じる想像以上の快感と興奮で、口元はピクピクと痙攣するような笑みを浮かべ、こみ上げてくる喜びを必死に堪えているかのようでもある。

グチャッ、グチャッ、グチャッ。  ………ゴクンッ!

口の中のウンコを満遍なく噛み砕き、固いウンコの臭いと味を完全に開放し終えた所で、美少年はこれだけ噛めば希瀬楽も納得し、もうウンコを飲み込んでも良いだろうと判断して口の動きを止め、しばしの沈黙の後、一気にそれを飲み込んだ。

美少年の口内は噛めば噛むほど溢れ出すウンコの臭いと味で充満し、舌の痺れと鼻に抜けてくる悪臭で相当な痛みを受けていたが、ウンコが口の中にあるだけなら、ただ我慢すれば耐えることは出来た。しかし、飲み込むとなると気持ちだけではどうなるものではない。

ウンコが美少年の喉を通過した瞬間、当然のごとく美少年の体内は即座に拒否反応を示し、ウンコが胃に到達しようという時、まるで固い床にゴムボールを叩きつけたかのように胃に跳ね返されたウンコが凄まじい勢いで上昇する。

「うごっ!おごおぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!」

今度こみ上げてくるのは「何か」ではない。逆流してくるウンコを察知した美少年は、喉を遡ってくるウンコの嫌な感触と強烈な拒否反応を示す胃の痛みでおぞましい悲鳴を上げながらも咄嗟に口を強く結び、すんでの所でウンコの逆流を防ぎきった。

再び頬をパンパンに膨らませてしまった美少年は、逆流したウンコを飲み込むためにまた覚悟を決めなければいけない。しかし、ウンコと一緒に逆流してきた胃酸の味によって、むしろウンコの刺激が薄まり、最初よりも飲み込みやすくなっているという奇妙な現象が起きていた。

胃酸のおかげで、さほど覚悟を必要とせずに再びウンコを飲み込めた美少年だが、ウンコが再び胃にさしかかったところで又も体の内側からの激しい抵抗と痛みを感じる。だが、美少年がすぐにウンコを食べることに順応できたように、美少年の胃もウンコへの適応は早かった。

美少年の心と同じく、ウンコを食べ物として受け入れるには苦痛を伴うが、それでも食物としてウンコを取り込むことは出来るようになっていた。今度は逆流させることもなく、美少年の体は何とかウンコを胃に収めたのであった。

「ごっ! おっ、おぉえっ…!」

また吐き戻すのではないかという悪寒と、ウンコを必死に受け入れようとする胃の痛みに苦しむ美少年ではあったが、それは次第に治まっていき、とうとう完全にウンコを食べ物として胃に収めることに成功したのである。

「おぉーっ!スゲー! マジ飲み込んだ!マジウンコ飲み込んだよー!」

美少年を嘲るためでもなく、洋子に告げるためでもなく、希瀬楽は自分のウンコが美少年の胃に収まったことを単純に驚き、喜んでいた。ウンコを食べる美少年を気持ち悪く思うことなど全く無い。自分のウンコが美少年の体の奥深くに進んでいく度に、興奮は高まるばかりだった。

本人は認めはしないだろうが、もしかしたら美少年を褒める気持ちも希瀬楽にはあったのかもしれない。彼女の喜びには、非情でありながらも無邪気なコギャルの笑顔がそこにあった。


美少年が口内のウンコと格闘しながらもしっかり持ち続けていた希瀬楽の極太ウンコの残りは、まだ冷めることなく温もりを残し続けていた。体内の苦痛との格闘がようやく一段落ついた美少年は、手に感じる温もりによってまだ半分以上もウンコが残っていることを気付かされる。だが、一度ウンコを胃の中に収めてしまえば、後は覚悟も決めやすい。

ガブッ…!  クッチャ、クッチャ、グッチャ、クッチャ ……ゴクンッ!

噛み切れるような、噛み切れないような。固さと柔らかさを兼ね備えた不思議なウンコの弾力は、美少年の慣れと決意を持ってしても容易に噛み砕けるものではなかった。それはウンコの味という刺々しい刺激のせいなのか、美少年は決して口の動きを止めることはないものの、その一噛み一噛みは慎重で、かなりの力を込めているようであった。

美少年が力を込めてウンコを噛み砕く度に、自然にその噛む音は口から漏れ、静かなトイレの中で響く。ガムを噛んでいる音と似てはいるが違う。もっと重く湿った、不気味とも言える音だ。もっとも、ウンコを噛んでいる音だと知ればどんな音であっても不気味に感じるのだろうが。


美少年がウンコを噛み砕く音の一つ一つが洋子の脳に揺さぶりをかけていく。これがウンコを噛んだ音だという衝撃もさることながら、人間が生きる上で絶対に聞くはずのない音が発生しているということが洋子の価値観を破壊していく。

(この子は、ウンチを食べさせられるために生まれた子…!だから、こんなにも頑張ってウンチを食べている…!ウンチを噛む音、ウンチを飲む音。この音は、この子が存在している証…!)

美少年の口の中にウンコが入り、喉を通過していく。その時に鳴るゴクンというウンコを飲み込む音は、ウンコがただの汚物から食物へと変化した瞬間を示す音であり、美少年が変態女によって、肉体や内臓だけでなく人としての運命までも汚される、言わば人生を処刑されてしまった事も意味する悲しい音でもある。

美少年がウンコを噛む音、美少年がウンコを飲み込む音。今もっとも異常な体験をしているのは美少年であるが、自分のウンコを食わせている希瀬楽もまた、それを命令している事で異常な体験をしてると言えよう。その意味では、このトイレの中で洋子だけが異常な空間から取り残されているかのようであった。

しかし、洋子は希瀬楽と美少年の異常な空間からそのまま取り残されてはいなかった。洋子もまた、最初からずっと美少年のウンコを食べる音に耳を傾け、ウンコから放たれる香りから鼻を背けない事で、自分もその異常な体験に加わっていたのだ。

傍観者ではなく、参加者として。ウンコを食わせる希瀬楽とウンコを食べさせられる美少年のどちら側でもない、二人の異常な行為を見届ける立場でその異常さを共感し、洋子自身も美少年がコギャルにウンコを食べさせられるという事を容認してしまうという異常を行っていたのであった。


……ゴクンッ!

「おぐっ! お…ごっ! くっ、うぅぅ…!」

最後のウンコの固まりを飲み込んだ後の胃の苦しみとしばらく格闘するも、時期にそれも治まり、大きく溜息をついて一休みする美少年。気がつけば、とうとう美少年は希瀬楽の極太ウンコを全て食べきり、飲み込むことを成し遂げていた。

とはいえ、極太ウンコを食べ終わってもまだ便器には大粒のウンコが三個残っており、美少年はいつまでも休んでいるわけにはいかなかったのだが、メインディッシュと呼ぶに相応しい極太ウンコを食べ終えた今の美少年にとって、このぐらいのウンコはさほど苦痛も感じないのだろう。

ダメージは相当あるはずの胃の状態に躊躇することもなく、大粒のウンコを一つずつ口に運んでは何度も噛み砕き、飲み込んでいく。飲み込んだ瞬間に多少の呻き声は漏れるものの、胃の拒否反応はほとんど起こらないようだ。

喉は最後までウンコが通り過ぎる感触に慣れることは無く、胃もウンコを受け入れることは出来たものの、それが痛みを伴うのは最後まで変わらない。それでも、美少年は希瀬楽のウンコを食物として完食した。美少年は、変態女のウンコを食物として口にしたという汚点を、その瑞々しいフルチン姿の全身のみならず、内臓にまで刻み込まれたのだ。



ウンコを完食した美少年が希瀬楽の反応を窺うべく、しゃがんだまま上目遣いで希瀬楽を見上げると、希瀬楽は実にニヤついた表情を浮かべており、笑いを堪えきれないという様子だったが、結局はウンコを食わせた喜びを我慢できずに、美少年や洋子に構わず一人で笑い出した。

「うはははっ! やった!アタシのウンコ食った!アタシのウンコ食ったよ! スッゲー、お前スッゲーよ! うっわー、マジ嬉しー!」

冷徹な変態女の威厳もすっかりなく、一人で大はしゃぎする希瀬楽に美少年も洋子も唖然としていた。どんなに悪ぶっても希瀬楽は美少年にウンコを食わせたのは初めてであるし、それが念願の行為であったのなら、希瀬楽の喜びもひとしおだったのだろう。これがあの太々しいコギャルなのかと思うぐらいの純粋な笑顔だった。

「それにしてもさー、アタシのウンコが食えるなんてお前、相当な幸せもんだぜー。…だけどまだ終わりじゃねーからな」

ひとしきり喜び、ようやく落ち着いた希瀬楽は再び悪ぶった口調に戻り、美少年にさらなる苦痛を強いようと下着を脱ぎ始めた。

「お前にアタシのケツの穴を舐めさせてやるよ。食後のデザートみたいなもんだろ?ひゃははは! アタシがいいって言うまで舐めるの止めるんじゃねーぞ、ホラよ!」

下ろしたTバックの下着を右の足首に残し美少年に背を向けた希瀬楽は、尻を突き出しながらガニ股気味に足を開き、手を膝に当てて中腰の体勢で踏ん張るという、まるで相撲取りが四股を踏むような姿で美少年の顔に自分の肛門を突き付けた。

(続く)