変態女達の日常・2 始祖、ジュリアナギャル

女が強く、それに虐げられるのが美少年という世界。強く凶悪な女の代表といえば、やはりギャルと呼ばれる女達である。常に落ち着いた余裕の佇まいで、大がかりな悪事を実行できる大人の女のような器の大きさには欠けるが、引くことを知らぬ勢いの強さでどこまでも凶悪でいられる大胆さではギャルに軍配が上がるだろう。

時代によってめまぐるしく移り変わるギャルのコスチュームと行動パターンだが、上半身よりもむしろ尻と太股という下半身を強調するボディコンに身を包み、夜が明けるまでディスコで踊り狂っていたジュリアナギャルこそ、悪のギャルの始祖に相応しいと言えるだろう。


かつては周囲にイケてるギャルと呼ばれたい女達がこぞってディスコに繰り出し、頭がおかしくなっているかのように腰を振り、尻をくねらせていたが、いつしかギャル達は自らディスコを去り、ボディコンが消えていった。そして学生服に身を包んで無法に振る舞うコギャルの時代が訪れていく。

金髪、そして日焼けした褐色の肌というコギャルの特異な風貌はまさにアウトローそのものであり、狙われる美少年にとっても、まずその見た目が恐怖の対象であったが、何よりも恐ろしいのは、どのような場所であっても美少年を襲いたくなったら人目も憚らず襲ってしまえる傲慢さであった。

同じ変態女の属性を持つ仲間の中でも自分達コギャルが一番と高言してしまえる度胸で、変態女の序列を無視してしまう生き方に共感を得た同世代の女達は次々とコギャルを名乗り、情け容赦ない責めで次々と美少年を再起不能にしていった。

あまりにも直線的すぎるコギャルのやり方に、ギャルと呼ばれる変態女達は嫌悪し、一時は変態女の中で論争も起きたぐらいだが、さらに時代が流れるとお互いに妥協し、今ではコギャルとギャルがそれぞれの思想で共存する世界となっていた。

その中で、今ではすっかり消え去った存在と思われていたジュリアナギャル達だが、まだボディコンもあのディスコでの狂った光景も健在であった。それも美少年に最大の恐怖と確実な死を与える放屁責めの儀式の場として。


夕暮れの時間、一際華やかに輝き出す大都会の繁華街といった雰囲気の街並みの中を、色とりどりのボディコン姿に派手な貴金属を身に纏ったギャルの集団が闊歩している。手にはあのジュリ扇を持ち、ブランドのバッグ等をひけらかすかのように歩く姿は今や風格すら漂っていると言っても過言ではない。

ボディコンによって引き締められ、自慢のくびれた腰や胸の谷間のラインもセクシーではあるが、それはむしろ変態女のジュリアナギャルにとっては引き立て役のようなもので、ボディコンの最大の目的は上半身をスリムにすることで今にもボディコンの裾からはみ出しそうな巨大な尻の丸みと、剥き出しになった太股の肉を強調することにある。

重量感と弾力性を兼ね備えた巨大な尻と、太くとも決して弛まない太股の安定感は見るからに逞しい印象を与え、その下半身があってこそ更に放屁の威力も増すのである。棒立ちの状態よりも中腰で、中腰の状態よりもしゃがみ込んで行う放屁の方がより攻撃的な放屁になるように、放屁の強さを支えるのは下半身の逞しさが重要であり、ギャルがおしなべてスリムな体系を維持しながらも下半身はグラマラスになっていくのは、全てはより強烈な放屁のためであった。

そんなジュリアナギャル達だが、集団の中には金髪や日焼けした肌など、かつてのジュリアナギャルには存在しなかった風貌の者も多い。現在進行形のジュリアナギャルというべきか。

威風堂々と繁華街を練り歩くギャル達は、やがてジュリアナギャルの行く場所らしからぬこぢんまりとした建物の前にたどり着き、入口で受付を済ませて地下へと向かう階段を下りていく。『ジュリアナワールド』と看板があるだけのこじんまりとした建物ではあるが、それはあくまで外観でのこと、その地下にはジュリアナギャルの巣窟として相応しい広大なディスコの空間が広がっていたのである。

広大なダンスホールはあの頃の世界がそのまま残っている。今はまだ照明も音楽もないが、ひとたび踊りが始まればすぐにあの熱狂が蘇るだろう。初めは店員しかいなかった空間に、続々とジュリアナギャル達が集まり、踊りの始まりを待ちながら下品な会話を繰り広げている。

もちろん下品な会話の内容のほとんどは、今日の生贄がどんな美少年なのかということや、美少年をどうやって責めるかという期待や、自分が今まで泣かしたり殺したりしてきた美少年の自慢話で占められている。放屁の臭さ、大便の不味さ、ギャルはその手の話題なら一日中話し続けることが出来るほど、話題には事欠かない。

踊りの開始の時間が近づくにつれ、ギャル達はそろそろ時間を気にし始め、口数も少なくなって静かに始まりを待つようになる。ここジュリアナワールドでは、まずオーナーの挨拶が行われてから踊りが始まることになっている。オーナーはもう熟女側に属しても良い年齢ではあるが、ギャルの気持ちが分かる女として評価され、結果として店を成功させている。


やがて予定されていた時間になると、ホールの照明が消えて辺り一面が真っ暗になってギャル達も静まりかえり、スピーカーを通してのオーナーの挨拶が始まった。

「皆さん、本日はジュリアナワールドへようこそ。本日は皆様のために3人の美少年を用意させて頂きました。今宵も美少年の命尽きるまで存分に踊りをお楽しみ下さい」

オーナーの挨拶に答えてギャル達の軽い拍手が起こり、それにオーナーが有り難うございますと返す。その後はこの店が初めてのギャルのために会場の説明や、踊りの流れを説明し、いよいよ美少年を待ちきれないギャル達のために、さっそく捕まえてきた美少年の紹介を始めることにした。

ダンスフロアーにスポットライトが当たり、そこへ事務所から店員に連れられて後ろ手を縛られた3人の美少年が上げられる。縛られているということは、当然合意でここに連れてこられたわけではないだろう。大勢のジュリアナギャルに囲まれた3人の美少年達は皆一様に不安げに怯えた顔をしている。

美少年の登場でギャル達は歓声を上げ、まだ何も始まってないというのに撫で回すように見つめて釘付けになるのも仕方がない。美少年達は当然のように皆フルチン姿に剥かれており、下手なギャルよりも滑らかで瑞々しい肉体をさらけ出されているからだ。

後ろ手を縛られてフルチン姿ということは、美少年が最も他人に見られたくない恥部であるペニスを隠すことも出来ず、ギャル達の前で完全な無防備を強制させられてしまうということだ。それはギャル達を喜ばせるのと同時に、美少年の逃亡を防ぐという意味合いもある。

「うわー、ちっせぇー」

「おおー、ツルツルじゃーん」

人間が服を着ているべき場所に、全裸でいるという奇異な光景。ギャルも初めは3人の美少年の全身を眺めていたが、次第にその視線は本能的に美少年の股間に頼りなく垂れ下がっているペニスに集中していく。

自分達を見つめているギャル達の姿勢と視線が下がって行く事で、美少年達は自分のペニスが注目されていることを悟り、それでも隠せない恥部に体をもどかしくくねらせる。

ただでさえ恥ずかしいペニスを見られている上に、ペニスの小ささや陰毛の無いことを指摘されると更に恥ずかしさは増していく。別に美少年達がペニスの優劣を気にしている訳ではなく、ペニスを見られ、それを笑われれば何を言われても恥ずかしい筈なのだが、「大きい」「モジャモジャ」と言われるよりも「小さい」「ツルツル」と言われる方が何倍も恥ずかしさを感じるというのは、第三の性別である美少年達にも、男の本能が密かに眠っているということだろうか。

「なお、誤解の無いよう説明しておきますと、この3人の美少年に陰毛が生えていないのは決して剃ったという訳ではありません。彼らは皆、中学校に通っている年齢でありながら未だに陰毛が一本たりとも生えてきていない、正真正銘の美少年なのです」

美少年には陰毛が生えない。この世界では既に真実として認められている節であり、周囲に美少年として見られ、国に正式に美少年と指定されている少年の陰毛は必ず生えていないという統計がその節を後押しし、どんなに外見を取り繕っても陰毛を調べさえすれば美少年が本物かどうかを判断できるとまで言われている。

そんな純度の高い美少年を3人も責め殺せるという喜びに、ギャル達は早くも歓喜の雄叫びを上げ、その声が静かな店内に渦のようにこだまする。美少年達はそんなおぞましい存在であるギャルの集団を目の前にし、ただ怯えるばかりであった。


「それでは、会場の準備を始めさせて頂きます。皆様、フロアー奥のお立ち台をご覧下さい」

かつてはジュリアナギャルの憧れの舞台であったお立ち台。それは今でも変わってないのではあるが、それに美少年にとっての処刑の場という役割が増えていた。お立ち台と呼ばれる横長のステージは美少年が3人並んで大の字になれる広さで、床には美少年を固定するための枷が備え付けられている。

その枷は、ちょうど美少年が大の字のままで身動きが取れないように、首と腰、そして左右の手首と足首の6カ所を固定するようになっている。裸を極度に恥ずかしがる美少年がフルチンに剥かれた時には、全裸でありながらも少しでも露出を減らそうとする防衛本能によって、まずペニスを隠そうとするために手が動くと自然と腋の下がしまり、そして内股になって自分の身を小さくしようとする。

美少年にとって、フルチン姿で腕と足を大きく広げて開放するのは最大の無防備にして羞恥であり、仲の良い親友とふざけあって遊んでいる時でもそうそうできる行為ではないのに、すぐ近くに見知らぬ女がいるとあれば、それは自殺にも等しい行為になってしまうだろう。そんな恥ずかしがり屋な美少年に自分の体を開放させてしまうのだ。

フルチンの美少年を大の字で固定するということは、単に羞恥を与えるというだけではなく、完全に無防備な体勢に固定することで美少年の抵抗心を奪い、観念させるという効力もある。自分の体はもはや開放されて当然の物であり、見られ続けることが当たり前なのだという環境を認識させてしまうのである。

ステージに固定されようという時には、さすがの美少年もうろたえて多少の抵抗を見せるものの、店員の手を振り払うまでの度胸はなく、嫌だ嫌だとか弱い声を出しながらも、おとなしく大の字に固定されていく様は、とても哀れでギャル達の嗜虐心をそそる。

「これで準備は整いました。後は思う存分踊り、美少年達の顔に放屁を行って下さい。決して、美少年を生きて返すことのないように…」

オーナーの言葉の意味を理解できずに、美少年達が顔をキョロキョロさせていると、突然オーナーの声に変わって大音量の曲がホール中に鳴り響く。いよいよジュリアナギャル達による放屁責めの儀式が始まるのであった。


儀式の始まりに、ギャル達は一斉に叫ぶような掛け声を上げながらダンスフロアーに散らばり、ハードテクノの音楽に乗って踊り始める。その踊りは、上げた両腕を軽く振りつつ、ひたすら左右に大きく腰を振るという単調なものであるが、尻の大きなジュリアナギャルが腰を振るというだけで、その重厚な威圧感は人を圧倒するものがあった。

ジュリアナギャル個人が放つ威圧感だけでも相当なものなのに、その場にいる全てのジュリアナギャルがまったく同じ踊りをしているという異様な光景が、威圧感を更に増大させていた。

皆が同じように腰を振り、同じように大きく尻が揺れる。スピーカーから流れる曲に混じって、ユサユサと尻が揺れる音が聞こえてきそうなぐらい、幾つもの巨大な尻が右に左に揺れ動く様は凄まじいものがあった。

やかましい音楽と、ジュリアナギャル達の巨大な尻から放たれる威圧感、そして美少年達に対する殺意でホールは異様な熱気に包まれ、すぐに蒸し暑さを増していく。踊っているギャル本人はともかく、大の字にさせられている美少年達までがいつの間にか汗をかき始めていた。

この熱気はいったい何なのだろう。うるさい曲とギャル達の熱狂は手首の枷のせいで耳をふさいで防ぐ事も出来ず、首の枷のせいで天井を見上げることしか出来ないので、いったいギャル達が何をやっているのかはほとんど知ることも出来ない。しかし、その光景を目にしたとしても、美少年にはギャル達がいったい何のために踊っているのかは、理解できないだろう。

もちろん、美少年を殺すためではあるのだが、何故踊る必要があるのか。何故ジュリアナギャルの踊りでなければいけないのか。美少年でなくとも疑問に思うことだろう。しかし、その踊りこそがジュリアナギャルがしぶとく生き残り続けていた最大の要因なのである。


まるで放っておかれているかのような環境に、怯えを通り越して後はただ時間が過ぎるのを待っている美少年を余所に、十数分ひたすら踊り続けていたギャル達に新たな動きが起こる。ギャルの中の一人が突如ステージを駆け出してお立ち台に登り、3人の中の中央の美少年を選んで上を跨ぎ、そこでまた踊り出す。

お立ち台に登ったギャルは皆の視線と歓声を一斉に集め、誇らしげに腰を振りながらタイミングを窺うかのように何度か自分の腰のあたりを確認している。

「うあー!来る来る来る!出そう!屁ーイクよ!屁ーイク!」

揺さぶっている尻の中心で窄まる肛門に張りを感じたギャルは、皆に向かってそう叫ぶや、ボディコンをめくり上げてパンストに包まれた下半身を剥き出しにすると一気にしゃがみ込んで、まるで下で大の字に寝そべっている美少年が和式便器であるかのように跨った。

「わあっ!ちょ、ちょっと!何これ!?」

ギャルが自分を跨いで踊っているだけなら、まだ黙って耐えることが出来た美少年も、突然顔の上に巨大な尻を突き付けられてきては声を上げて驚くしかない。しかし、巨大な尻が迫ってくるだけなら、ただ驚くだけで済むのだが、激しく腰を振った事で汗をかき、しっとりと蒸れたパンスト越しに漂う尻の割れ目の悪臭に鼻孔を襲われるのは、美少年にとって想像できない事態であり、どう反応して良いかも分からないことだろう。

「おーい、あんま暴れるんじゃねーって。屁ー出来ねーだろ!あー?どれが鼻だ?ここかー?」

ギャルは放屁を邪魔されたくないと、訳も分からないまま尻の悪臭に苦しみ、咳き込みながら必死に首を振る美少年の顔へ巨尻を乗せて動きを封じると、美少年の鼻の位置を感触だけで探すように尻を擦り動かしていく。

ほどなく美少年の鼻と思われる突起物の感触を確認するや、すかさず肛門をそこにあてがい、パンストとTバックの下着越しに美少年の鼻に肛門を密着させる。ギャルの尻の割れ目に顔を埋められ、強烈な悪臭で容赦なく鼻孔を痛めつけられる美少年は、口まで閉じて呼吸を必死に堪え、尻の割れ目の悪臭を嗅がないようにしようとするが、それでも自らの意思で閉じることの出来ない鼻孔の中には悪臭が我が物顔で漂っていた。

美少年はまだ悪臭を体内には吸い込んでないものの、それに鼻孔内を占拠されていることによって、強烈に臭いという刺激を脳が無視することは出来なかった。すぐに美少年の意識は、「とにかく臭い」という思いでいっぱいになり、なおさら呼吸をすることが出来なくなって息苦しさと臭さという二重の苦しみで頭が混乱してきている。

とにかく臭い、とても呼吸が出来ない。早く酸素を吸い込みたい、でも今は鼻孔の中に悪臭しか存在していない。早く、早く臭いお尻がどこかに行ってくれないと。

美少年の頭の中を言葉にするとしたらこうなるだろうか。ちょっとでも油断すれば悪臭を全て吸い込んでしまいかねないぐらい呼吸が切羽詰まっているのに、無理矢理それを食い止めている美少年の苦しみは如何ばかりだろうか。

そんな美少年の葛藤を誰一人として心配する者もいないギャル達は、今日一発目の美少年への放屁は今後の盛り上がりのためにも聞き逃すまいと、踊りを続けながらも美少年の顔を跨いでいるギャルに注目していた。

大音量で曲が鳴り響いているホールの中で、放屁の音を聞き分けるのはかなり難しいことと思われるが、そこはしっかりと店が準備しており、首の枷に仕込まれている集音装置が美少年の声やギャルの放屁の音をスピーカーに送るようになっている。これでギャル達は音楽に乗って踊りつつも放屁の音や美少年の呻き声を簡単に楽しめるのだった。

「よーっし!屁ーイクぞー!」

ブ、ブゥゥゥゥゥッ! ブゥーッ! ブブブッ!

ギャルが大声で皆に叫び、尻に力を込める。窄まっていた肛門が急激に伸び、美少年の鼻を飲み込まんばかりに口を広げるや、低音を響かせながら巨尻に詰まっていた毒ガスを一気に噴出した。その放屁音がスピーカーから曲よりも大音量で聞こえるや、他のギャル達の上げた歓声は凄まじいものがあった。とうとう美少年を生き地獄に足を踏み入れさせたのだから。

「ゴフッ! ゲホ!ゲホッ! …アッ、ハ!ハァッ! うあぁぁ!ああああぁ!」

ギャルの巨尻の下で何度も激しく咳き込み、苦しみに悶える美少年。自由を封じられ、のたうち回ることもできない美少年が、唯一毒ガスの悪臭から逃避できる行動は叫ぶことしかなかった。とにかく無我夢中に叫ぶことで臭いという意識を感じないようにするしかなかった。

怒濤の勢いで噴出されたギャルの放屁は、呼吸を止めていた美少年の我慢をあざ笑うかのように鼻腔へとなだれ込み、美少年の脳へ強制的に悪臭を認識させる。臭いという感覚を忘れようとしていた美少年も、尻の谷間の臭いを超える暴力的な放屁の悪臭には敵うわけが無く、一瞬にしてパニック状態に陥ってしまう。

混乱した美少年の脳は、もはや毒ガスに対する防衛反応も働かず、ただ悪臭を為すがままに受け入れる事しか出来なくなっていた。鼻腔を突き抜け、美少年の体内へと進入した毒ガスは、いつも新鮮な酸素を吸い込んでいた美少年の呼吸器官に大きな衝撃を与え、美少年を苦しめる。

「あああぁぁ…!うあぁぁぁ…ああぁぅ…!」

時間を掛けて毒ガスは少しずつ体内で浄化されつつあるが、毒ガスのあまりの衝撃的な臭さは、毒ガスが完全に浄化されても美少年の脳にイメージとしてこびり付いている。体が毒ガスの衝撃から落ち着いてきても、脳内には未だに臭さが残っていた。

力なく呻き続ける美少年の上で、誇らしげに手を高々と突き上げ、様々な歓声を受けながら堂々とお立ち台から下りていったギャルは、再び他のギャル達に混じって踊り始める。この時点で、ギャル達の熱狂は加速度的に高まっていった。

「ねえ、ねえ!何なのこれ!いったい何をしてるの!」

美少年の顔を跨いでしゃがむギャルと、恐怖すら感じる放屁の音。そして美少年の悲鳴という異様な展開に、他の二人の美少年は訳が分からないものの、言い様のない恐怖を感じ取り、まるで助けを請うかのように大声で問いかけるが、ギャル達は踊りに夢中で騒ぐばかりで誰も答えてはくれなかった。というよりも、意識的に無視したと言ってもいいだろう。

「うぅぅ…。助けて!誰か助けて!誰かー!」

自分の声が無視されたことで、いよいよ恐怖を感じてきた美少年はとうとう助けを呼び始めるが、もちろんその叫びも徹底的に無視されただけではなく、ギャル達にとっては美少年の叫び声も曲の一部であるかのように楽しまれてしまっていた。


美少年の叫び声に乗りながら、腰の振りをますます激しくさせていくギャル達は、次々と巨大な尻の中に毒ガスを溜めていき、一人、また一人とお立ち台に上がっていく。既に毒ガスを吸い込んだ中央の美少年のみならず、他の二人の美少年もすぐにギャル達の巨尻に顔を覆われて同じ苦しみをあわされていくのだった。

ブブプ…ブフォォォォッ!

「ゴハッ!ガフッ!…アッッブ!ブハッ!…ぶっ!ぶぇぇぇ…!」

美少年の顔を吹き飛ばさんばかりの重い放屁を体内に送り込まれ、美少年の出すものとは思えない醜い声で苦しむ美少年。美少年達が自分が美少年だというイメージを意識して大事にしているわけではないが、可愛い美少年の発する声がここまで醜くなってしまうぐらい、ギャル達の毒ガスは凄まじい悪臭であった。

プーゥゥゥゥゥゥゥゥー! ブプーゥゥゥゥ! プゥーウッ!

「わぁぁーっ! カハッ!グブッ!…ウブッ! おぇ、おえぇぇぇぇ!」

音を聞いたギャル達も思わず爆笑してしまう滑稽な放屁音も、美少年にとっては笑い事では済まされない。長時間鼻孔内に送られ続けた毒ガスは、気持ち悪くなった美少年がどんなに吐き出そうとしても臭いを体内にこびり付かせ、美少年の拒否反応をも徒労に終わらせる。藻掻いても、藻掻いても、美少年は毒ガスの臭さから逃れることはできない。


儀式はますます盛り上がりを見せて、お立ち台の上は美少年への放屁を行う順番待ちのついでに踊るギャル達の群れで埋め尽くされていた。寝かされた美少年の顔面に放屁を行っているギャルの周りで、他のギャル達がひたすら腰を振り続けている様はもはや異様を通り越した不気味さを感じるぐらいであった。

ギャル達は自分の順番が来ても、まず美少年の上でゆっくりと腰をくねらせてから放屁の体勢にはいるため、余計に順番待ちの時間が長くなるのだが、どのギャルも必ずそれを省略しようとはしない。

なぜギャル達は腰をくねらせ、尻を大きく揺さぶるのか。それは、この世界で今や密かな流行と呼べる勢いにまでなっている、とある説に起因していた。そして、それこそがジュリアナギャルが今なお勢力を誇っている所以でもあったのである。


ある女がTV番組で一つの説を発表した。『ゆっくりと大きく腰を振り、尻をくねらせることは、美少年を殺すためのオナラの濃度をより高める作用がある』というものである。さらに補足すれば尻をゆっくりと振り回すことによって、変態女の尻の中に詰まっている毒ガスの成分をかき混ぜる事になり、体内で分離していた毒ガスの濃い成分と薄い成分が良く混ざって、最初から最後まで最高の悪臭を維持し続ける毒ガスを噴き出させることができるという。

ドレッシングと同じ理屈と例えれば分かりやすいだろうか。保存しておいたドレッシングをそのままかけてしまっては薄い部分ばかり出てしまって、底に沈殿している濃い成分が残ってしまうのを防ぐために、まず容器を良く振ってからかけるのと同じ事だ。満遍なく臭く、殺傷力の高い放屁を行うためには必要なことだ。

もちろんこの説も変態女の誰もが納得するわけではなく、馬鹿馬鹿しいと一蹴する向きは多い。しかし中にはその意見を積極的に取り入れる変態女も多く、特にギャルには興味本位という意味でも受けたようだ。

そして、女は尻を激しく振る動作の具体例として、かつて栄華を誇ったジュリアナギャルのダンスが最も毒ガスと呼ぶべき放屁をするのに相応しい動作だと述べたことで、数の減ったジュリアナギャルが見直されて、現在に至ったのだ。


ジュリアナギャルの持つもともとの毒ガスの悪臭に、踊りによる毒ガスの殺傷力の増加が加わったことによって、美少年がギャルの放屁によって受ける衝撃はとてつもなく大きくなっていた。さらにそれを一人十発以上も受け続けているのだから、3人の美少年はもはや疲労困憊で助けを呼ぶ声を上げることすらできなくなっていた。

それでもまだ生き続けようとする美少年の肉体は、容赦なく鼻孔内に送り込まれてくる毒ガスから身を守ろうと拒否反応を起こし、美少年に悲鳴を上げさせ、毒ガスを少しでも口から必死に吐き出そうと咳き込ませる。

「ゴホッ! ゴホッ…ゴホッ!  …ママ、…ママ」

力ない咳き込みが止まると、美少年は何か言葉を呟き続けている。自分の母親を呼ぼうとしているのか、それとも既に母親の幻覚が見えているのか。美少年は追いつめられた時、最も大きな心の拠り所である母親を無意識に探してしまうものだ。三人の誰が言い始めたわけでもない、気がつけばいつの間にか三人とも母親を呼び続けていた。

「ハーイ悪いねー、ママはここにはいませんよー。だからアタシのオナラで我慢してねー」

しかしギャル達は美少年の悲しみなどお構いなしで、なんの遠慮もなく巨尻で美少年の顔面を押し潰しては、鼻孔に毒ガスを送り込んでいく。悲しみ、泣く暇すら与えてもらえない美少年は、断続的に押し寄せる放屁の衝撃の度に、体を痙攣させることしかできなかった。

もはや美少年には自分で物を考える意識はなくなっていた。脳は何も考えられず、体は放屁の衝撃で痙攣するだけ。もはや口だけが機械的にママと呟き続けているだけの状態で、後はただゆっくりと死んでいくだけであった時、中央にいる美少年のペニスがやおら勃起し始めた。

「皆様、お待たせいたしました。いよいよ哀れな美少年の最期の大勃起が始まろうとしています」

ギャル達は放屁に夢中で気がついていなかったが、密かに記録していた三人の美少年の心電図をずっと眺めていたオーナーは、中央の美少年の心電図が死ぬ間際の状態になったのを見計らってホールにアナウンスを送り、それを聞いたギャル達は一斉に踊りも放屁も止めて美少年のペニスに視線を集中させた。

最期の大勃起とは、無意識な勃起が非常に起こりやすい美少年特有の勃起で死ぬ間際に体が力を失っていくのとは逆に、ペニスだけが固く大きく勃起してしまうことである。まるで最後の命を振り絞るかのように勃起したペニスが、より凄まじい剛直に見えることから大勃起といわれるようになった。

中央の美少年が、まさに今最期の大勃起を迎えようとしている。ゆっくりと、しかし力強く勃起していくペニス。こうして勃起している間に、美少年の心臓の鼓動はどんどん小さくなり、体の力は一気に抜けていく。それでも逞しく勃起していくペニスが、完全に勃起仕切った時、美少年の心臓が止まったことを示す事になる。

美少年の勃起を、まるでカウントダウンのように胸を高まらせて見つめているギャル達。美少年の死が、さながら年越しのイベントのようなつもりなのか。

やがて完全にそそり立った美少年のペニスが、直立したままピクリとも動かなくなる。哀れな美少年は、自分の死をもジュリアナギャルに弄ばれながら、その命を終えた。

「皆様、おめでとうございます。今、一人の美少年が完全に死亡しました」

オーナーの声に、ギャル達は一斉に歓喜の雄叫びを上げる。まさに目出度い新年を迎えたかのような騒ぎだった。大はしゃぎで喜びの言葉を掛け合うギャル達は、あまりの嬉しさにしばし放屁のことを忘れるぐらいであった。

それにしても、悲劇の死を迎えながらペニスを勃起させている美少年の姿のなんと滑稽で恥ずかしいことか。変態女に拉致され、過酷な責めによって儚い命を終えた美少年の死体が発見された時、その死体のほとんどは完全に勃起したままだという。美少年の母親は、我が子を失った悲しみと一緒に、勃起を晒してしまった我が子の恥ずかしさまで味わわなければいけない羽目になる。

変態女達の欲望の餌食となるために生まれてきた美少年。彼らは死ぬ時でさえも羞恥の運命から逃れることは出来ないのだった。


「さあ、美少年はまだ後二人います。彼らにも皆様方の思う存分の放屁で死を与えてあげて下さい」

非情なまでのオーナーの言葉と共に、再びジュリアナギャル達の踊りは始まった。つい先ほどまで皆が勝手に思い思いの感情を爆発させていたというのに、踊りが始まるや皆が一斉に同じ振り付けで踊り出すのだから恐ろしいものだ。

しかも、ついに美少年が死んだことによって感情も最高潮に達していたギャル達は、腰の振り方までもが寸分たりとも狂わなくなっていて、巨尻が左右に揺さぶられるタイミングがまったく同じになっている。全てのギャルの巨尻がまったく同じように動いているその光景は、それだけで見た者を圧倒するだけの威圧感と殺気を放っていた。

もはや生きてはいるものの思考回路は完全に止まっている美少年達は、白目を剥いたままママと力なく呟き続けているままだった。しかし体内の毒ガスの影響は徐々に薄れており、心臓の鼓動は落ち着きを取り戻してきている。

だが、そんな状態をギャル達が許すわけがなかった。尽きることなく巨尻に充満させた毒ガスを踊りで充分にかき混ぜるや、即座にお立ち台に上がって美少年の顔面を押し潰し、放屁を行う。

美少年の顔面は、もう座布団そのものと言っても良いぐらいギャル達の巨尻を素直に受け入れ、めり込まれることを許し、美少年の鼻孔はギャル達の毒ガスに対して完全に開かれた状態になっていた。

そんな状態で毒ガスの強制注入を受け続けていては、美少年の体は悲鳴を上げる暇すらなく急激に死に近づいていく。ほどなく、ギャル達の放屁に合わせてリズミカルに痙攣を繰り返していた右の美少年が最期の大勃起を迎える事になった。

あれほど小さく、全体も皮に覆われていた美少年のペニスが、今や皮も引きちぎれんばかりに剥けきり、亀頭も松茸という形容が相応しい堂々たる姿と化し、ギャル達も美少年の恥ずかしい勃起を満面の笑みで見つめていた。

既に美少年は死んでいるが、この恥ずかしく勃起した自分のペニスが大勢のギャル達に晒されている事を知っていたら、それこそ死にたくなるぐらい恥ずかしがっていただろう。変態女にとって、美少年のペニスを見つめるということは、決してセックスの欲望を高めるためではなく、美少年を辱めるため、自分が精神的に優位に立つためだけのものであった。

かつては女を犯す凶器であり、また逆に女を魅了してしまう媚薬でもあった男のペニス。一方、それを人に知られることは最大の屈辱にして羞恥であった女の放屁。それが今や変態女の放屁は凶器となり、美少年のペニスは守ろうとしても簡単に人目にさらされてしまう羞恥となってしまったのである。


最後に残った美少年は、ここまで命を長らえたことは他の美少年達よりも幸運だったのか不幸だったのか、たった一人となってしまったことで壮絶な最期を迎える運命が待っていた。

ギャル達は選択をすることもなく、最後に残された美少年に放屁を行うために次々とお立ち台に上がり、お立ち台の上は放屁待ちの行列が出来てしまうほど混雑している状況だった。美少年はそれこそ一瞬たりとも酸素を吸い込む間もなく、次々と巨尻に押し潰されては毒ガスを注入され、次の瞬間にはもう次の巨尻に押し潰されているという地獄のようなサイクルに陥らされている。

逆流することも、吐き出されることもない毒ガスは美少年の体内に蓄積され、美少年の心臓をかろうじて動かす動力となる酸素を臭気で染めて消滅させていく。美少年はさながら毒ガスの海で溺れているかのような状態であると言えるだろう。

わずかに残っている酸素も次々と死んでゆき、全てが消滅した時、美少年の体内は毒ガスに完全に占拠された。どんなに元気な美少年であったとしても、酸素を全て失えば死んでしまうしかない。美少年の心臓が、静かに鼓動を停止する。そして最期の大勃起を迎えたことで、会場内にいる全ての女達に儀式が終わったことを告げる。


オーナーの終わりの挨拶がホールに送られる中、ギャル達は皆目的をやり遂げた達成感と心地良い疲労感で、だらしなく床に座り込んでいた。

「あー、なんかスッキリしたー」

「スゲー気持ち良かった。やっぱさー、みんなで屁ーこいて殺すから楽しーのかなー」

まるで美少年を放屁で殺すのが、単なる遊びや運動であるかのような爽やかな言動。彼女達にとってそれはもはや日常と同じような感覚なのだろうか。さして罪悪感を感じることもなく、気が済んだギャルから順に会場を後にしていった。

他人の目を引かずにはいられない派手な衣装で、夜の街を闊歩するジュリアナギャル。美少年を三人も殺した後だというのに、彼女達にはそんな気配がまったく感じられなかった。もっとも、普段から既に悪意だけを周囲に発散しているジュリアナギャルだからこそ、それを感じさせないのかもしれない。

もし、ジュリアナギャルがかつてのような大勢力を維持し、頂点を極めていたら、この世界の美少年は一月も経たないうちに全滅させられていたかもしれない。ボディコンルックはジュリアナギャルにとって、美少年を殺すという気合いを入れるための勝負服のようなものであり、美少年にとっては死神の着る黒衣のような恐怖の対象になるのだ。


(完)