変態女と美少年シリーズ

「コギャル二人の挑戦」

その9

「君恵様、それではウンコの方をお持ちになってよろしいですね」

「そうね、頼むわ」

君恵が五つの皿全てにウンコを終えて少しした頃、
係の女性がそれを受け取りにやってくる。
女性は皿の上のウンコを一つずつ確認しながら
フランス料理などでよく見るお椀型の蓋をかぶせていく。

「とても素晴らしいウンコでございますね…。
 私も、このようなウンコを一本でも出せたらといつも思っております」

女性が、君恵の控え室に入ったとき、
すでに部屋一面に行き渡り、行き場を失っていた君恵のウンコの悪臭が
開いたドアから一斉に通路へと流れ出す。

その臭いは女性の鼻孔にも流れ込んでいた。
女性も当然その悪臭に目が眩むような感覚になったのではあるが、
その悪臭がスカトロ女王のものであると思うと
その感覚は憧れへと変わる。

(この臭さ…!これでいつもあの美少年を苦しめている…)

たんなる会場の一係の身では美少年をペットにしたくても、
まず先立つものが無い。さりとて売り物ではない美少年を誘拐してくるだけの
力もないと来れば、出来ることは痴女的な軽いイタズラ程度しかない。

変態女も、皆が皆、美少年をオモチャにしたり
誘拐したりといったことを平然と行うことが出来る者ばかりではなかった。
スカトロ女王のウンコの臭いを覚え、自分がそのウンコをしたつもりになって
美少年を苦しめる妄想に浸って楽しむ、この女性のような変態女もいるのである。

 

「それでは、この後すぐに再びの会場入りとなりますので、
 ご支度をお願いいたします」

係の女性が皿の全てを台車に乗せ部屋を去るまで、
君恵はずっと台の上で美少年に尻を見せつけたまましゃがみ続けていた。
そして、ウンコを全て吐き出した後のポッカリと開いた肛門も、
そのまま美少年に誇示するかのように飛び出させ続けていた。

「さて、そろそろ出ようかしら…」

君恵がそう呟いた瞬間、肛門がゆっくりと縮みだし
やがては元通りに尻肉の間へと戻っていき、
無数の皺が密集する窄まりへと姿を変える。

「ふふ、お前、あのウンコ全てを食べろと言われなくて喜んでいるんじゃないのかしら?」

「そ、そんな…!」

ゆっくりと腰を上げる君恵が、ふと美少年に意地悪そうに話しかける。

「さあ、どうかしらねえ…。どうせあれを食べさせらる事はないと思って
 何とでもいうことができるものね…」

なおも続く君恵の意地悪な言葉に美少年は何も答えることができない。
自分の忠誠を証明しなくてはいけないのに、
証明しようとする行為自体が君恵に逆らっていると見なされ
怒らせてしまうのではという恐怖が、美少年の気持ちを封じているのである。

「そうね…。じゃあ、代わりに私の肛門を舐めて綺麗にしてちょうだい。
 それが出来たらお前の忠誠を認めてあげてもいいわよ」

ちょうど中腰状態になっていた君恵は、
美少年の気持ちも確認しようとはせずにそう言うや、
いきなり尻を美少年の眼前、まさに尻と美少年の顔が触れる寸前にまで突きつける。

大きな尻がいきなり迫ってくるその迫力に美少年は一瞬たじろぐが、
それでも怖さを必死に堪えて自分の視界をふさぐ尻を見つめ続ける。
その視線は、尻の谷間の中央にひっそりと存在しながらも
大きな存在感を持って呼吸をしている肛門へと注がれているのである。

「さあ、私の肛門を舐めなさい。それがお前が私に出来る唯一の証明。
 まさか逆らうなんて事はないでしょうね、命が惜しいのなら…」

君恵はそう言いながら尻肉を鷲掴みにし、
左右に広げて美少年によく見えるように肛門をさらけ出す。
尻肉と一緒に引っ張られて拡がった肛門には、
ほんの少し前に吐き出されたウンコのカスが肛門の周辺から
直腸内にまで付着しているのがハッキリと見える。

もともと肛門に染みついている肛門臭に、
さらに出したてのウンコの汚れの臭いが加わり、
その臭いたるや想像を絶するものがある。
しかしこの美少年には、その臭いも初めてのものではない。

スーーーーーー…  ペロ…ピチャ、ピチャピチャ…

美少年は、まず君恵の肛門の臭いを大きく吸い込む。
君恵の肛門の臭いを嗅いでいることを、君恵に服従していることを証明するために。

そして、肛門周辺から直腸の中にまで下を這わせ、
唾液をたっぷりと舌に含ませながら音を立てて舐める。
より君恵の肛門に刺激を与え、音を立てることによって
これもまた君恵への服従の証を誓うように。

脅迫めいた君恵の言葉の割には
美少年は落ち着いた表情で肛門を舐めている。
君恵の言葉は、脅迫であって脅迫ではないのだから。

ペットの美少年は絶対に君恵に逆らったりはしない。
君恵もそれは十分すぎるほど確信し、美少年もそれを裏切ることはない。
お互いにそれを認識していながらも
君恵は美少年への威圧的な態度を崩さないし、
美少年は常に君恵の言葉を真剣に受け止めてるのである。

この緊張感のある関係を君恵は求めているから、
時に暴力的な雰囲気を臭わせながら美少年に接し、
何度も美少年が服従した瞬間を楽しむのである。

ヌヌヌ…ズヌ…ビチャッ、ピチャッ…

「あっ、はぁぁ…う…あ…」

尻の割れ目に必死に顔を埋めながら肛門の奥深くへ舌を入れ、
直腸の中のウンコの汚れを舐め取っていく美少年の、
その必死さに君恵の興奮と快感が高まる。
汚れた肛門を当然のように美少年に舐めさせる。
この優越感が、何よりもたまらなく快感なのである。

 

「…ふふ、もういいわ。止めなさい」

本当ならこの状態のまま数十分は舐めさせていたいところであるが、
今は時間が無い。美少年を屈服させる快感を楽しんだ所で
肛門への奉仕を切り上げさせた。

「…そうだわ、ちょっと待ちなさい。
 顔を私の尻に近づけたまま…いいわね?」

「はい…」

美少年が君恵の命令通りに
突き出された尻の前から顔を離さないで待とうとした瞬間、
君恵の肛門が急激に拡がった!

プブブゥ〜〜〜〜〜〜ッ!
ブォ〜ッ!ブウウウウゥ〜〜〜〜〜〜〜ッ!!

「うぐぉ…!あ…が…あぁっ!!」

君恵に時間がないことは美少年も分かっていた。それが災いした。
まさしく予定調和ではない不意打ちでの放屁を喰らってしまい、
そのガスを何の準備も無しに吸い込んでしまったのである。

「おぅ…!おご…!ごぁ…あっ…!」

今すぐに失神してしまってもおかしくないぐらいに
白目が剥き出しになりかかっている美少年を振り返って微笑む君恵。

「どうかしら?この私からお前へのご褒美よ。
 いつまでも一人で喜んでいないで、お礼の言葉でもよこしてごらんなさい」

「おぉ…お……は、はい!…と…とても…素晴らし、い…香り…です!」

「うふふふふふ。嬉しいわ。涙まで流して喜んでくれるのなら、
 私も褒美をあげた甲斐があるというものね」

君恵の喜ぶ声を聞いたか聞かないか。
それを確認したかのようにギリギリまで耐え抜いて
ついに失神した美少年を背に、君恵はようやく立ち上がり控え室を出ていく。
寝転がるように倒れた美少年だが、実は、
苦しみの表情の中に恍惚の表情も浮かべていたのであった。

 

(そうよね…私のオナラはアイツをあんな簡単に失神させることが出来る臭さよね…)

会場への通路をカツコツとヒールの音を鳴らして歩きながら
君恵は先ほどのオナラ対決での自分の毒ガスの事を考えていた。

(私は本気のオナラをあのボンベに詰めたはず…。
 それが何故あんなにも長い時間美少年を我慢させてしまったっていうの…?)

結果が出てしまったことを愚痴ってもしょうがないが、疑念は消えない。

(私のオナラが衰えたとでもいうの…?
 それとも…あんなコギャルのガキ共が私より臭いオナラを…まさか!)

負けても女王の威厳は崩すまいと平静を装ってはいたものの、
自慢の毒ガスが思ったような効果を現さなかったことによる不安は
君恵の中で悶々と残り続けたのである。

(次よ…ウンコ対決で絶対に決着を付けなくてはいけないわ。
 たまたま…。そうよ、たまたまオナラはミスをしただけだったのよ。
 本当なら私が負けるはずがない…スカトロ女王のこの私が!)

しかし最後には、ペット美少年を失神させたことが彼女の不安を解消していた。
変態女の欲求をぶつけるためだけに存在しているかのような美少年は、
変態女が優越感と自信を保ち続けるための存在なのでもある。

 

(君恵がウンコをしている頃のコギャル軍団の控え室)

「それでは、この五つの皿全てにウンコを出して…」

「分かってる分かってるって〜!任せときなよ!」

「そうそう!要するに樹里がウンコしとけばいいってゆうか〜」

君恵の部屋に行ったのとは別の女性が樹里に説明を行っているのだが
樹里も瑠華も細々とした説明を嫌って適当にあしらっている。

「それでは!時間が経ちましたらもう一度来ますので
 その時までにウンコを出しておいて下さい!」

色々と説明するのは結構大変だというのに
その努力を無視された係の女性はヤケになって
説明もそこそこに出ていってしまう。

「ったく、うるさいっての。
 …よっし、瑠華がオナラで勝ったんだからアタシはウンコで絶対に勝たないとさ」

「本当ならアタシがウンコ勝負もやっていいんだけどね〜。
 ま、二人でアイツをぎゃふんと言わせなきゃ面白くないからっていうか」

二人とも自分のオナラやウンコには相当な自信を持っていることは
すでに分かっているが、それだけに互いにどっちが一番かと
衝突するのではないかという疑問もあるかとは思う。

しかし二人には喧嘩やトラブルもない。
互いに若くして変態女としての嗜好を持ち合わせている相手を認め合い、
かけがえのない親友という繋がりは、そこらのコギャルよりも深いのである。

『別にどっちかが一番なんて考えたこと無いってゆうか〜』

『アタシ達はどっちもウンコとオナラは最強だよ。
 一人でも最強なのに二人が一緒ならもう世界最強じゃん』

TVを見ながらオナラやウンコで美少年を苦しめ、
殺してしまっても代わりがいくらでもいるからお構いなしの
好き勝手な生活を送る夢を語り合っている二人。

『てゆうかさあ、いつか二人でやってみたいよね。
 一人の美少年をさ、二人で代わる代わるオナラしまくって
 10分でも1時間でもずっと苦しめてやりたいってゆうか』

『ウンコは全部美少年に食べてもらおうよ。
 アタシ達の出したウンコをムシャムシャ食って
 「美味しい」って笑顔で言ってくれる美少年にね』

今でも女子高生として好き勝手といえば好き勝手な生活を送っているが、
過去はあってもこれからの年齢は増えない夢幻大陸では、
女子高生という存在でこの世界に登場してしまったが最後、
一生変態女にはなれないという現在の流れを変えたい野望が生まれていたのである。

もっとも、「女子高生にも変態女と認めてもらえる権利を」
などと叫ぶわけではない。
自分たちが認めてもらえればそれでいい野望なのではあるが。

 

「それじゃあウンコするからさ。
 瑠華〜、鼻つまんでないとアタシのウンコの臭さでぶっ倒れるって」

「ギャハハハ!今さら何言ってんだよ〜!
 いつも嗅いでんじゃん、慣れてるって!」

「っていうかさあ、今日のアタシのウンコ、マジモードだよ。
 スッゲー臭い!超臭いって!」

「んじゃさ、樹里がウンコしたらアタシもオナラしとく?
 オナラの臭いでバリア張っとくよ」

「なんだよそれ!この部屋マジ臭くなるね。
 誰か入ってきたらヤバイよ。速効で死ぬんじゃない?」

二人にはスカトロ女王と戦ってるのだという気負いは微塵もない。
先のオナラ対決での勝利がそれを勢いづけてるのだとはいえ、
この威勢の良さが、オナラとウンコの臭さに
繋がっているのだと考えてもおかしくはない。
その自信に満ち溢れた姿は、まさしく変態女のそれと同じであった。

変態女はどのような形であれ、プライドの高さが
大きく影響する生き物なのである。

 

その10

「瑠華?何やってんの?」

「うん。暇だからウンコ出るとこでも見てるっていうか」

「ひゃはは。何か肛門くすぐってーよ!」

樹里も君恵と同じく控え室に用意された台の上に乗って排便を行う。
この台はただの台ではなく、凹型になっているくぼみのところに
ウンコを吐き出す皿を固定できるようになっており、
さらに今回の対決には関係のない小便を溜める器もセットできるようになっている。

いくらウンコをほぼ自由にコントロールできる変態女とはいえ、
さすがに小便を止めたままウンコをすることはできない。
最初にウンコを出すときには、どうしても小便も出てしまうのである。

 

「んっ…」

チョロチョロ…プシャァァァァァジョ〜〜〜〜〜〜ッ!

樹里が小さく呻くと、まずは真っ黄色に濁った小便が勢い良く吹き出す。
濁った色とは正反対の真っ直ぐ飛ぶ綺麗な水流の小便が
器の中にジョボジョボと音を立てて溜まっていく。

「お、垂れてきた垂れてきた。
 樹里〜、肛門オシッコまみれになってるって」

「え?やっぱりっていうかマジムカツクよな!
 ちっくしょ〜、肛門に垂れるなよションベン〜、こういうときぐらいさぁ!」

勢いが良かったとはいえ、小便の出だしで
どうしてもアソコに雫が溜まってしまい、
そこからダラダラと雫が垂れだしてしまう。

幾筋の黄色く濁った雫が股間を伝い、肛門へと流れていく。
ほのかに膨らんだ肛門の直前で無数の雫が合流し
一つの大きな流れとなって肛門を湿らせ、小便浸しにしていく。

ビクッ!…ヒクッ、ヒクッ、ギュゥッ!

その温い小便の感触に樹里の肛門がビクッと動く。
さらに間髪を置かずに次々と雫が肛門に垂れるや
何度もヒクつきを繰り返し、最後にギュッと肛門が締まる。

「あ〜もうウンコ止めなきゃ!
 ティッシュティッシュ!せっかくのウンコが濡れたら勿体ないからね」

今日はいつものウンコとは違う。
肛門とウンコが小便浸しになろうがお構いなしにウンコを吐き出している樹里でも、
対決用に使われ審査されるとあっては慎重になるというものである。

ふっくらと盛り上がり中央が開きかけている肛門を必死で閉じたのはよいものの、
一緒にアソコまで締めてしまい、今なお尿道から出ている小便がひっかかってしまった。

「うわ!マジヤバイ!」

ギュッ、ググググッ!

「スッゲ〜!樹里の肛門いきなり引っ込んでったよ!」

ビタビタになった股間や肛門を察知した樹里がより一層肛門に力を入れると
入り口が閉まっただけでなく膨らみが一気に尻の割れ目に引っ込んでしまった。

「面白い〜。もう一回やってみてよ!」

「ふざけんなって。やりたくてやってんじゃないんだから」

小便の勢いが弱まったところでティッシュを取り出し
アソコから肛門にかけて丹念に拭いていく。
適度に拭いたところで、今度は指で触れて湿ってないかどうか確認する。
指で股間をなぞって少々感じてしまったようだが
渇いたのを確認するといったん尻を浮かし、
気合いを入れ直すべく再びドッカリと腰を落とした。

 

「いや〜、何かこんなに丁寧にケツ拭いたの何日ぶりだろ?」

正直に久しぶりだったのか
瑠華の前でアソコを小便浸しにして慌てた照れがあったのか
そんなことを呟いてから肛門に力を入れ始める樹里。

「く〜うっ…!う〜ぅんっ!」

グイィィィ…

もともと肛門の入り口付近にはすでに一本目のウンコが下りてきていたので
樹里が力み始めるとすぐに肛門が再び盛り上がり、
心地よい音と共に入り口が開いていく。

メチプチ…ピチ…ムチミチ…!
ブスゥ…、ムリ…ムリムリ…

「出てきた出てきた…、うは〜っ!クッセ〜〜〜!」

若さ故か、ウンコの後汚れたままにしていようとも
正真正銘のピンク色であることは変わらない樹里の肛門が
ガスの放出と共に大きく口を開け、固そうなウンコを吐き出し始めた。

ムリリ…ムリリムリムリリプッ! …ゴトッ!

「くはぁ〜っ…出た〜っ!
 どう?アタシのウンコなかなか良いのが出たと思うけど?」

「うん、なかなかやるじゃん。
 これならOKっしょ。クセェ臭いがプンプンしてくるって」

樹里の出した一本目のウンコは
トラブルがあったのを物ともしない素晴らしいウンコであった。

表面にはいくつもの筋目が入っているが
全体がウンコの粒が密集したようなゴツゴツした形ではなく
僅かに先端だけが粒としてくっついているのが分かる
滑らかな棒状の一本糞である。

やや焦げ茶色の十分に健康的な色、
その見た目からも簡単に崩れたりはしなそうなウンコの固さも良く分かる。

指で押して出来たへこみも元に戻ってしまいそうな弾力を持つ樹里のウンコ。
きっと臭いでも味でもかなり美少年を苦しめることだろう。

「ハン、当然だねっていうか〜。
 この調子で行けばウンコ対決も楽勝だね。まあ安心して見てなって」

 

その後も樹里は順調に踏ん張り続け、
5本のウンコを全ての器に吐き出し終えていた。
5本とも色、形、ツヤ共にほとんど差のない見事なウンコである。

常識ならほとんど同じウンコを5本も出すことなど不可能なことであるが、
これが変態女はウンコやオナラを自由にコントロールできると言われる所以である。

頭の中でイメージした通りのウンコ、オナラを出す。
出したいウンコを、好きなときに、出したいだけ出すことができる。
形や固さだけでなく、臭いすら、味すらも自由にコントロールできる。

美少年を苦しめるだけにとどめておくウンコを出すのも、
殺してしまうオナラを出すのも、気持ち一つで自由にできるのである。
もちろん強力な臭さや味を出せるかどうかは素質の影響を受けるのだが。

果たして、樹里のウンコはスカトロ女王君恵にどこまで迫れるであろうか。
それとも、君恵を脅かすウンコとなるのであろうか。

 

(控え室前の廊下)

(ふう…。アタシがコギャル軍団のウンコを運ぶ係なんてねぇ)

君恵の控え室に向かったもう一人の係とは違い、
貧乏くじを引かされてしまったと思っている彼女は
コギャル軍団の控え室のドアを開ける前から落胆の色が有り有りであった。

変態女とはいえ、さすがに他人のウンコの臭いは敬遠する者もいる。
仲間のウンコの臭いはからかうために臭がったりもするが
嫌いな他の変態女のウンコの臭いはやはり嫌悪感を感じるものである。

だから敵だとハッキリ認識している
生意気なコギャルのウンコを受け取りに行くのは、彼女にとって非常に苦痛であった。
コギャルのウンコの臭いなど考えたこともないが、
想像するのも嫌ということであろう。

とはいえ、仕事は仕事でこなさなくてはならない。
とっととウンコを受け取って早く出てしまおうとする彼女がドアを開ける。

「時間ですのでウンコを受け取りに…」

その時!彼女がドアを開けた瞬間コギャル軍団の控え室中に充満していた
ウンコの臭気が廊下に向かって一斉に流れ出していった!

「んああっ!!なに!?」

廊下の綺麗な空気を浸食していくかのように
激しい勢いで流れ出していく樹里のウンコの臭気。

その黄色い空気の流れの速度は凄まじく速く、
新鮮な空気のあるところは逃さず犯しつくす勢いである。
もちろん臭気の流れは係の鼻孔を見逃しはしなかった。
まるで狙っているかのように鼻孔の中の酸素を破壊して進んでいく。

「グェッ!ゲホッ!ゴ、ゴホォッ!!」

愚痴をこぼしているうちに臭気への警戒を怠っていた係の女性は
忌み嫌うコギャルのウンコの臭いに我を失い激しく何度も咳き込む。

「あっれ〜?大丈夫〜?」

「ヤッベ〜、救急車呼んどく?」

あまりの臭さに意識も悶絶し、崩れ落ちて膝をついてしまった係に
ワザとらしく心配したようなそぶりをしながらも
手に持った情報誌は離さず
くつろいでいる椅子から立ち上がろうともしない樹里と瑠華。

「く…!だ、大丈夫よ!…それではウンコを持っていきますから」

ムッとする気持ちを懸命に堪えたものの、つい怒鳴り声になってしまうが
それでも臭いに慣れると何とか冷静な口調に戻ることができた。
勤めて呼吸を我慢しながら早く仕事を済ませようと
テキパキと皿に蓋をかぶせ始める。

(くっ…。蓋をかぶせるのまで私がしなくちゃいけないなんて…)

蓋を一皿一皿にかぶせる度に臭いも弱くなっていくような気がして
一息つける気がした係だが、コギャルのウンコを見るのはやはり苦痛であった。

(…しかしコギャルのくせに結構良いウンコしてんじゃないの。
 ほぼ全てが均等のウンコを5本も出せるなんて…)

とはいえ変態女の性か、樹里の出した艶の良いウンコを見て
思わず感心してしまいそうになる係だが、ふと我に返って心の中で慌てて否定する。

(私がこんな奴のウンコに感心してどうするのよ!
 何としてもスカトロ女王に勝ってもらわなくちゃいけないのよ。
 私ったらアイツらのウンコの臭いで頭がどうかしたのかしら?)

ともかく自分の仕事はこのウンコを運ぶことだと気を入れ直して
容器を台車に乗せていく。
すでに彼女には目もくれず、お喋りにふける樹里と瑠華に
一礼もせずにそそくさと部屋を出る。

廊下に出ると新鮮な空気の美味しさを改めて感じる係。
そうなると今度は控え室の臭気を思い出して、頭がズキズキと痛みだす。
想像するだけで頭が痛む臭さというのは、さすがコギャルだと
悪い意味合いで感心する彼女であった。

その後、君恵の控え室にウンコを回収しに行った係と合流し、
女王のウンコは良かっただの
コギャルのウンコは臭かっただのと談笑しながら係用の待合室に入っていった。
ここで次のウンコ対決が始まるまで器を保管し、
合図があり次第、メイド衣装の係がそれを対決舞台へと運んでいくのである。

 

ところで、ウンコを出すなら対決時に
審査員や美少年達の目の前でウンコを吐き出した方が
出したての強烈なウンコを食べさせ、
臭いも判定してもらうことができて良いと思うだろうが、その心配はいらない。

変態女は出したいウンコやオナラをコントロールできると言ったが
それだけが変態女の力の全てではない。
変態女のウンコは、普通の女が出したウンコよりも
はるかに長時間に渡って出したての状態が持続するウンコなのである。

変態女のウンコは表面が酸化することもなく色も固さもそのままで、
出したての状態より衰えていくのはせいぜい温もりぐらい。
しかも、その温もりすら変態女のウンコに込めた気持ち次第では
1時間以上熱を保ち続けていることも可能なのである。

変態女のウンコは、空気で酸化して臭気を発するのではなく
ウンコ自体が芳醇なガスを放っているのである。

オナラはウンコほどは気持ちを込めることはできないが、
それでも美少年を苦しめるために出したオナラなどは
美少年の鼻孔に侵入するまで、黄色い空気となって辺りを漂わせることもできる。

変態女の力とは、それがあくまで素質のみに寄るものなのか、
思いや願い、気持ちが強いことが大きく影響しているのかは定かではないが、
この世界上では、どちらの説もあり得る事というのだけは確かであった。

 

「…さぁて皆さんお待ちかねぇーーー!
 いよいよです!いよいよこの対決のメーンイベントであります
 ウンコ対決が今!始まろうとしています!」

勝ちを譲った形となったスカトロ女王君恵が本領を発揮するのか!
オナラ対決の勝利がまぐれや演出でないことを
コギャル軍団が変態女たちの前に実力で示すのか!

「それを判定するのは…この4人の哀れな美少年達と審査員の方々です!
 ウンコの迫力!臭さ!そして…ウンコの味!!
 果たして、どちらがより強烈なウンコを出すことができたのでしょうかーっ!」

入場した君恵と樹里が会場の中央で肩を並べて立ち、
それぞれが出したウンコが運ばれてくるのを待つ。
そして今、会場の入り口からウンコが乗せられた皿を手の平に抱えた係が
続々と入場してくるのであった。

 

(続く)