サウンドノベルにおける
B G M
を考える

 サウンドノベルというゲームにおいて、文章やSEと同様に忘れることのできないファクターが音楽、いわゆるBGMでしょう。
 そこでこのコーナーでは、サウンドノベルで使用されているBGMに関して考察をしてみたいと思います。

弟切草
 サウンドノベル第1号であるこの作品には、さほど多くのBGMは使われていません。微かな音が響いていたり、どちらかといえば効果音に近いようなシンプルな音が流れていたりする場合が多いのです。舞台が「無人とおぼしき洋館」だということを考え合わせれば、これは非常に妥当な演出だといえるかもしれません。
 逆に話の要所では、あの古典楽器(パイプオルガンあたり?)を思わせる荘厳な曲で気分を盛り上げてくれます。メリハリがきいているという点から考えても、なかなか計算されたやり方だといえるのではないでしょうか。


かまいたちの夜
 サントラCD(38曲入り)が発売されていることからも分かるように、前作「弟切草」と比較してかなりBGMが増加しています。穏やか・楽しげなものから緊迫感や絶望感を感じさせるものまで実に様々です。これが非常に場面場面にマッチしていて、効果抜群なのです。
 実際、もう特別に書くほどもないほど素晴らしいとは思うのですが、敢えてその中から一曲挙げるとすれば「遠い日の幻影」(いわゆるバッドエンドの曲)でしょうか。なすすべもなく死の淵に落とされた主人公の無力感や悲しみがこれ以上ないくらいに表現されている名曲でしょう。
 また、忘れてはいけないのが「吹雪の音」です。かなり多くの場面で自然と耳に入ってくる、言うなれば最もナチュラルなBGMであるこの音もまた、このゲームに不可欠なものですね。


夜光虫
 あまり知られていないような気もしますが、このゲームは作曲家の後藤次利氏が音楽を担当されています。
 シナリオの内容がやや暗めのものが多いせいか、BGMの方も緊迫感の漂う感じのものが多くなっているようです。明るい感じの曲がないということは、ストーリー自体にも明るく進行する部分が少ないということを表しているといえるかもしれません。
 また、BGMのない部分では機械音や汽笛などが聞こえていることが多いようです。まあ大型貨物船が舞台なわけですから、そういう音が船内どこにいても大なり小なり耳に入ってくるのはごく自然なことですね。




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