最終更新 1999.11.01

私の本棚(別館)

この別館では、主として幼少から大学くらいまでに読んだ懐かしの本を取り上げています。 本館以上に個人的趣味が強くなっています。

本欄の性格上、どの本も推薦本です。段階評価はつけにくいのですが、
ひとまず、自分に子供がいれば(実際はいません)どの程度読ませたいかという基準で以下の評価 をつけてみました。

★★★できるだけ読むよう強く薦めたい本。
★★機会があれば読むことを薦めたい本。
無理には薦めないが読んでくれれば嬉しい本。



[書名をクリックすると短評に跳びます]
書名 著者 出版社 評価
赤毛のアン モンゴメリ 新潮文庫他 ★★★
メアリー・ポピンズ トラヴァース 岩波書店 ★★★
誰もしらない小さな国 佐藤さとる 講談社 ★★★
トーマの心臓 萩尾望都 小学館(萩尾望都全集−第一期−) ★★★
空の色に似ている 内田善美 集英社(ブーケコミックス) ★★
三国志 吉川英治 講談社 ★★
ドリトル先生アフリカゆき ロフティング 岩波書店 ★★
銀河パトロール隊 E.E.スミス 創元推理文庫他
ライオンと魔女 C.S.ルイス 岩波書店

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赤毛のアン(モンゴメリ/新潮文庫等)★★★

内容については説明不要。小学校5年の初読以来、折りに触れ読み返し、はたまた 少女趣味と笑われながらも人に勧めて回った作品。落ち込んでいるときに読むと元気が出てくる本。新潮文庫のシリーズでは「アンの娘リラ」まで10巻が出ているが、やはりアンが中心になっている1から3巻位までがよい。子供達が中心になる後半の中では「虹の谷のアン」が私の好み。

メアリー・ポピンズ(トラヴァース/岩波書店)★★★

これまた、説明不要の英国ファンタジーの傑作。日常世界の中に見え隠れするAnother Wonder Worldに踏み込む楽しさを教えてくれる。ジュリー・アンドリュースの映画はあれはあれで楽しい出来に仕上がっていたが、やはり原作の味わいは格別。

だれもしらない小さな国(佐藤暁/講談社)★★★

少年のこころを持ち続ける青年とコロボックルの交流を描く物語。我が国の生んだ最良のファンタジーの一つ(と思う)。5部作になっているが、第一部の本作品がベスト。

トーマの心臓(萩尾望都/小学館)★★★

私が少女漫画にはまるきっかけとなった作品。最初に読んだときに、 漫画というのはこういうことをも表現できる媒体なのだということを 強く印象づけられ、期末試験の前日であったにもかかわらず3回も読み返してしまった。 萩尾望都の作品は第二期の全集あたりまでしかフォローしていないが、やはり個人的にはこの作品がベスト(何といってもユリスモールが良い)。 もちろん、本作品に限らず読むべき作品は枚挙にいとまがない。萩尾望都に関しては、最近の活動も含めた非常に優れたデータベースサイト 「萩尾望都作品目録」があるので、参照の上、是非一度その世界に浸ってみてほしい。

空の色に似ている(内田善美/小学館)★★

内田善美は、もう一度作品を読んでみたい漫画家の筆頭。 緻密な描画と独特の空間表現は他に類をみない。ここでは、 作者初の長編(といってもコミックス1巻分)である「空の色に似ている」を挙げた が、「星の時計のリデル」、「草迷宮・草空間」、「かすみ草にゆれる汽車」等どれも素晴らしい作品群。作者の消息については、 クイックジャパン連載の大泉実成の「消えた漫画家」の最近の号で取り上げられたらしいが残念ながら未読。 内田善美に関心ある向きは、「内田善美 Fan Site」へ。作品リストとともに掲示板では彼(彼女?) に対する熱い想いが語られている。

三国志(吉川英治/講談社吉川英治文庫)★

吉川英治は「宮本武蔵」をはじめどれも読ませるがベストはやはりこの三国志。広大な舞台、多彩な登場人物、機略に満ちたストーリー展開等、長大な作品だがいったん読み出すとまさに巻を置くあたわずという言葉があてはまる。本書を読むと誰しもが、登場人物の誰かに感情移入し、将来このような人物になりたいと思うはず。私の場合は、諸葛孔明でした。ハイ。

ドリトル先生アフリカゆき(ロフティング/岩波書店)★

動物の言葉を話せる世界唯一の獣医、ドリトル先生の物語は、ファンタジーものとは違った意味でAnother Worldへの扉を開いてくれるもの。おそらく、ドリトル先生的動物愛護は現在の先端的な動物愛護活動家の立場からみれば、いろいろと問題は含んでいるのでしょうが、本作品をはじめ、シリーズ全12巻、全編動物に対する愛情が基本に貫かれていて楽しく読める。

銀河パトロール隊(E・E・スミス/創元推理文庫他)★

ともかく、銀河間を飛び回る空間的なスケールの大きさに魅かれた作品。 アリシア人とエッドール人の対立という極めてシンプルな善悪二元論的構図の下、 スーパーヒーロー、キムボール・キニスンが活躍するわかりやすいスペースオペラ。 いわゆる名作SFの範疇には入らないだろうが、私にとっては、狭い地球に縛りつけられず 宇宙を飛びまわりたいという夢をいだかせてくれた作品。

ライオンと魔女(C.S.ルイス/岩波書店)★

ナルニア国シリーズの第一作。キリスト教的道徳観が強くですぎているという批判がつきまとうシリーズだが、古屋敷の大きな洋箪笥の裏がもう一つの世界につながるという子供にとってはわくわくする設定が貴重。これもシリーズすべてを読まないまでも、第一作の本作品は必読。

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