一口健康メモ

不眠

眠れないと訴える老人が増えて睡眠薬を飲んでいるひとが多くなっています。人の脳の中には松果体という組織があって特に子供では大きく発達しています。年齢が進むと石灰が沈着したりして退化してきます。松果体は何をする組織か長く分かっていませんでした。メラトニンという物質が脳の中で作られそれがヒトの日内周期(サーカデイアンリズム)を作っており、睡眠作用があることが認められました。そのメラトニンが松果体で作られている事が分かりました。幼児が良く眠る事、睡眠と覚醒ががはっきりしている事はメラトニンの量が多い事と関係があるようです。歳を取りますと松果体が退化してメラトニン生成が減少し睡眠の減少して、睡眠と覚醒のリズムがはっきりしなくなります。深い眠りががなくなり、起きているのか眠っているのか良く分からない様な状態になります。眠っているのに眠った満足感がなく全然眠れないと訴えるようになります。歳を取る事と眠れないと言う事は一体のもので、ある程度は避けられません。睡眠薬を飲む事は取り敢えずの解決法かもしれませんが薬の副作用で頭が痛くなったり、ふらついて転倒したりする可能性があります。夜を良く眠れるようにするためには昼間の時間の使い方が大切です。昼間になにか満足するような『仕事』をしてその疲れで眠るような一つのリズムを作る事が大切です。デイケアに出掛けて、色んな人に会い、ゲームをしたり入浴したりすることでその日のテーマをこなして満足して床に就くと言う風になれば夜は眠れるようになります。一日のリズムがなく昼間もうつらうつらしながら過ごすと夜は眠れません。メラトニンを補給すると眠れるのではないかと考えて薬品として飲むようにしたものがインターネットなどで販売されていますが飲んでメラトニンが効くという裏付けはないようです。眠れないならば逆に考える事も出来ます。1日8時間の眠りを取っていると人生の3分の1は眠って過ごすことになります。もし5時間しか眠らなければ同じ75歳で死んでも起きている時間はずっと長く、長生きした事になります。眠れない事を煩うよりプラスに考え生かす道もあります。最近は眠れない事の多いとそんなことを考えてしまいます。