【小川美潮・ディスコ・グラフィー・その2(ワハハ)】

 

  小川美潮さんはチャクラと平行して「ワハハ」に参加しました。ワハハは坂田明氏を中心にしたユニットです。
  どういう経緯で美潮がワハハに加入したのかは知りませんが,どちらかというと美潮さんはPOPS畑よりもジャズ畑の人に仲間が多いようです。
  ワハハは2枚のアルバムとライブアルバムを残して自然消滅し,次の「はにわ」につながっていきました。
  ワハハのアルバムには誰が何を演奏しているのか明確なクレジットがありませんでした。


○タイトル  :死ぬときは別 (日本コロンビア-YF-7018-AX) (2003/10/5追記)
 
○パーソナル :神谷重徳(guitar?),千野秀一(keyboad?),小川美潮(v?), 坂田明(sax,v?)
○ゲスト      :村上"ポンタ"秀一(drums),布施隆文(computer sound performance),仙波清彦(percussions)
○プロデュース:ワハハ
○発売     :1981年
○曲目      :1.INANAKI(坂田)
           2.WHAHA-WHAHA(神谷)
           3.ON THE FLOOR(神谷)
           4.TACTICS(神谷arr坂田)
           5.My Happiness is not Yours(千野&美潮)
           6.KOHMORI(神谷,arr千野)
           7.米と醤油(坂田&千野)
           8.ZOO(坂田)
 ※コメント :

 坂田明氏のユニットということから想像すると,ワハハは本格的なジャズ・グループと予想されますが,そうではありません。
 何とも形容しがたい摩訶不思議なユニットでした。
 そのサウンドは,筒井康隆→山下洋輔→坂田明という人脈から想像した方がよく,ハナモゲラ的なものです(?)。
 フリー・ジャズ的なお遊びとでも申しましょうか?
 美潮さんは全編にSEとボーカルで参加しており,3−4ではお得意のスキャットを披露しています。
 ワハハのライブはテレビ東京系でオンエアされたことがあり,運良くワタシはこれを録音していますが,録画でないところがちょっと悲しい。
 美潮さんの衣装はGパンだったな。WHAHA-WHAHAの演奏では観客に「明るくね!」などと歌唱指導する姿が印象に残っています。
 このアルバムにはメンバーの詳しい個人史が掲載されており,これは再発されたCDにも掲載されています。
 美潮ファンとしては,"On the Floor"等随所で聴かれるスキャットですね。馬の嘶きをやらせたら世界随一です(笑)
 二十歳そこそこで,個性的なミュージシャンを相手に堂々と立ち振る舞い,自分の世界を提示して見せた美潮さんは,真の天才か,何も考えていなかったのかのどちらかでしょう(笑) 
 このアルバムは,個人的に美潮さんのリズム感の良さとお茶目な部分を認識したものでした。

 ○Q盤 (OACA-12803) 1800円
  1995年に発売されたものです。帯掛けには,時代の扉をこじ開けた闖入者達とされています。
  LP盤では,一枚両面印刷だった歌詞カードと個人史が,6ページの折り込みタイプになってます。LP盤の方には,メンバー四人の写真とヘッドフォンを付けて並んだ姿の写真が掲載されていますが,Q盤では省略されています。

 ○AMJ盤 (ABCS-40) 2381円
  2003年9月26日に再発されたものです。
  Q盤と比較して,ジャケットの発色が異なります。下地は純白になり,女性の髪の毛の茶色が濃くなっています。指が赤っぽくなっています。また,当然ながら,Better Days のロゴが消えています。
  CD本体の色が白から黒に大変更されています。
  個人史も歌詞カードも省略したのは残念ですが,新たに写真が掲載されました。ヘッドフォンを付けて録音中のもので,Q盤に掲載されているものの別パターンの様です。
  ジャケット裏に表記されていませんが,ボーナストラックは"Whaha-whaha"。
  1981年4月のエッグマンでのライブで,これは前述したテレビ放送されたものと同じものです。坂田さんのパワー全開!
  音質の変更はよくわかりませんが,大きく変わっていないように思えます。リミックスしなおしていないかも。

 
○コロムビア・ミュージック・エンターテイメンツ盤(COCB53309) 1500円 2005年1月26日発売
  ボーナストラックは収録されていないようです。


○タイトル  :げたはいてこなくちゃ (Q盤-日本コロンビア-COCA-12804) (2003/10/5追記)

○パーソナル :神谷重徳(guiter?),千野秀一(keyboad?),小川美潮(v?), 坂田明(sax,v?),村上"ポンタ"秀一(drums),
          仙波清彦(percissions),川端民生(?)
○プロデュース:ワハハ
○発売     :1981年−1995年(Q盤CD)
○曲目     :1.AKATERE
          2.CHIC TAC
          3.NOJARI
          4.敬老の日々
          5.PART1:演説
            PART2:WHA-HA-HA ラジオ・シアター
            PART3:THE ONDOW
※コメント :
 本作はLP盤は持ってません。Q盤を購入しました。
  一作目よりもさらにお遊びの度合いが進んでおり,「モダン・チョキチョキズ」の東京ジャズ版の様にも思えます。
  5は20分を越える大作ですが,坂田氏と美潮さんとの掛け合い漫才のようです。
  どのようなものかと言うと・・・
      美潮「オカーさん,オカーさん」
     坂田「なんジャ」
     美潮「ネェ,フンドシ出して,フンドシ」
     坂田「フンドシ? 何するんだ,そんなもん」
     美潮「ウン,またにするの!」
 

  ともあれ,後ろから膝の裏側をつつかれたように力が抜けるギャグが満載のアルバムでした。
  美潮さんの「アー面白かった!」という言葉を最後にアルバムは終わっています。

 ○AMJ盤 (ABCS-41) 2381円
  2003年9月26日に再発されたものです。
  Q盤に比較して,ジャケットの発色が変わっており,濃淡が強くなっています。AMJ盤のジャケットはどこからスキャンしたんでしょうかね?
  歌詞カード裏面の文字は,CDにしてしまうとほどんど読めないほど小さくなってしまっていましたが,AMJ盤では,タイプ打ちしたものが中折り掲載されています。
  AMJお得意の誤植もありますが,Q盤ではなかった曲毎のインフォメーションもあります。これは親切ですね。
  ボーナストラックは,「女でよかった」が収録されています。帯掛けには,未発表テイクとなっています。mishio.comのBBSでも指摘されていましたが,シングル・ヴァージョンと同じでは?  

 
○コロムビア・ミュージック・エンターテイメンツ盤(COCB53310) 1500円 2005年1月26日発売
  
ボーナストラックは収録されていないようです。


○タイトル  :LIVE DUB (日本コロンビア,YZ-123AX) (2003/10/5追記)

○パーソナル :MISHIO,AKIRA SAKATA, SHIGENORI KAMIYA, SHUICHI CHINO, SHUICHI"PONTA"MURAKAMI,
          KIYOHIKO SEMBA, DONBE NAGATA)
○ライブ収録データ :渋谷エッグマン,1981年4月
○発売     :1981年9月
○曲目     :SIDE A(boiled side), SIDE B-(scrambled side)

※コメント   :
 1999年12月3日に,このアルバムを中古盤で入手しました。45rpmのミニアルバムです。
 内容はどんなんかな〜と言うと,ワハハのライブでした(^_^;) こういう不定形な演奏を表現するのはとても難しい。
 フリージャズの演奏に,美潮さんのボイス&ボーカルがコラージュされていきます。即興の他,サンプリングも使われている模様。
 既発表曲もモチーフとして使っている感じ。B面では仙波さんのドラムが凄いです。
 んで,笑い声やお客さんの拍手もモチーフとして使ってしまっている感じ。拍手の著作権無視の暴挙(笑)
 真っ黄色のジャケットも混乱している感じを伝えます。もっとも演奏者は混乱してないんでしょうが。
 チャクラのさてこそのベーシスト,Donbe Nagata(永田どんべい)さんが参加しています。後に矢野顕子さんのマネージメントを手がけるDonbe(Donbey)さんは,同時期に坂本龍一のB2-ユニットのライブに参戦していました。
 B2-ユニットもダブでしたよね。
 あーだこーだと能書きを語るよりも聞いていただいたほうが早いんですけど,CD化されていないようなので,そうも行かないのが残念です。
 美潮さんが本作を紛失して欲しいと言っていましたので,神保町の中古屋で仕入れて,ジロキチで売りつけたことがありました(笑)

 ○AMJ盤 (ABCS-41) 2381円
  というわけで,ようやくCD化されました。2003年9月26日に発売さました。
  ジャケットはアルバムをそのまま縮小したものですが,例によって発色が鮮明になっています。
  アナログ盤に比べて,音質はクリアになっていると思います。
  元々歌詞カードが封入されていないアルバムですが,本作ではヘッドフォンを付けた写真がジャケット裏に掲載されています。
  解説文が寄せられています(無記名)。また,Wha-ha-haの歴史がまとめられています。
  ボーナストラックは,やはり81年のエッグマンのライブから,"My Happiness"。冒頭,坂田さんのハナゲモラですね。
  これを聴くと,タモリを思い浮かべる人も多いと思いますが,この様なジャズ的な芸は,坂田さん達が楽屋や飲み屋でやっていたのをタモリが表舞台に引っ張り出したと見るようであります。  
 


○タイトル  :女でよかった/Wha-ha-ha音頭 (日本コロムビア,YH-10-N(BD) シングル盤


○発売    :1981年12月
○女でよかった(作曲・坂田明),Wha-ha-ha音頭(作詞・作曲:をしみわがお)

※コメント
 う う う・・・うれそうにない(笑)・・・


○Title:WHA HA HA: Wha Ha Ha (vinyl) (12inch/45rpm) (2004/5/2&5/29追記)

○発売    1983年9月
○曲目
 Side:A 1) Akatere 2) Chic Tac 3) Nojari 4) Keiro no hibi 
 Side:B 1) On the Floor 2) Radio Theatre theme 3) Inanaki 
     4) Radio Theatre extract 2 5) On the Floor (Live Dub) 6) The Ondow

※クリス・カトラー(ex.ヘンリーカウ)主催の英国Recommended Recordsからリリースされた編集盤です。
 A面は「下駄はいてこなくちゃ」をほぼそのまま収録。
 B面は1,3が「死ぬときは別」から。2,4,6が「下駄はいてこなくちゃ」から。5が「Live Dub」から。
 アートワークは「死ぬときは別」を元にクリス・カトラーがリミックスしたものだそうです。

※購入後追記
 ワハハのベストアルバム的な内容でした。
 「下駄はいてこなくちゃ」のオリジナル・アナログ盤は持っていないので,正確に比較することが出来ませんが,音は良い様に思います。
 アートワークもなかなかオシャレです。
 本作のクレジットには,小川美潮(Mishio Ogawa)の名前は,いっさいありませんでした。
 あるのは,日本語で
「をしみ」,英語では「Oshimi Wagao」の表記だけです(笑) 

  
         ジャケット表               ジャケット裏

   
            中折                         中折表
  


 ※情報提供:金星ガニさん
 



2005/2/8