小川美潮さんが参加している新しいバンド「うずまきまずう」のアキシーによるライブ・レポート

○2000年1月28日:吉祥寺・Star Pine's Cafe

  2000年最初に見たライブは,やはり美潮さんでした。
  野暮用があって,19時35分に会場に到着。でもまだ始まっていませんでした。
  ダラダラと演奏陣が所定の位置に着き,流れの中で演奏が始まるってな感じでスタート。ワリカシゆるめのインスト曲でした。
  遅れて美潮さんが登場しました。白のパーカー(?)と濃いめの色のスラックスを着ています。ベレー帽みたいのをかぶっていました。
  今回はいつものメンバーの他,パーカッションにマック清水さんが加わっています。
  ステージに向かって左から清水,佐藤,大川,近藤,板倉さん。ちなみに佐藤さんと近藤さんのお顔は,ワタシからは演奏中にはほとんど見られませんでした。
  全体の感じは前回見たとき(8月31日)と似ていました。もはや定番的になった”どーなるセンター”もオープニングにやりましたね。
  前半はファンク的でダンサブルなナンバーでしたが,間奏部分がジャズっぽくアレンジされていた感じでした。
  板倉さんと近藤さんのソロ・パートが凄くカッコ良かったです。
  途中新曲が3曲くらい(?)披露され,板倉さんによるという曲(forget 何とかいうタイトル)は,低い方から高い方までドドドッと音域をめいっぱい酷使するメロディーを持つ懲りまくったナンバーでした。
  歌手冥利に尽きるというか,歌手泣かせというか,そういった不思議な曲でした。
  アンコールはなんと”人と星の間”で,これは嬉しかったです。
  ダブル・アンコールは”はじめて”をお馴染みのアカペラで披露してくれましたが,途中(2番)から佐藤さんのパーカッションと近藤さんがピアノをつけてくれました。
  歌詞を間違えてしまいましたが,ワタシにはこれが一番良かったです。
  最近アコースティック・ギターの良い音にまた惹かれているので,今度アンプラグド的なライブも見てみたいと思いました。
  美潮さんのお喋りは,高校生時代にマック清水さんとはじめて出会ったときのこととか,はじめて音楽をやっている人と関わったときのこととか,ずいぶん昔のことを語りました。
  正確に覚えておらず,間違えちゃうとヤバイので,ここでは書き込みません。いずれMLで確認出来ると思います。
  そうそう,MLと言えば,美潮さんのパソコンがウイルスにやられてしまったことを説明してました。イマイチよく分かんなかったけど(^_^;)
  演奏は安定感を増しましたが,中盤以後ちょっとだるかったかも(キレというか,緊張感に欠けるというか)。
  今回美潮さんの唄は最初から良かった気もしますが,最後まで完調ではなかったのかもしれません。
  ”はじめて”のアカペラを聴きながら感じたのですが,美潮さんの唄は,唄いながらノってくるというか,1曲の中でも最初と最後の方とで,変わってくる感じがしました。
  これはあくまでワタシの感じた感想なので,間違っていたらごめんね。
  次回も行けるかな?


○2000年2月23日:高円寺・ジロキチ

  この日はジロキチ25周年のライブの一環として行われたものです。
  また,美潮さんのお誕生日でした。おめでとうございます。佐藤さんも2月生まれなんですね。34歳とか。
  前日には,横浜のStormy Monday で2月生まれのミュージシャンが集まったパーティー・コンサートがあったそうで,美潮さんはその流れのせいか,最初から最後まで非常にゴキゲンな様子でした。
  19時40分過ぎジャズ的なインスト・ナンバーから演奏が始まり,15分ほどの休憩を挟んで,合計2時間位でした。
  ステージに向かって左から近藤(key)さん,清水さん(perc),佐藤さん(drums),大川さん(bass),板倉さん(g),そして中央に美潮さん。
  風邪でキツそうな板倉さんは,赤いスラックスと黒のジャケットにピンクのドレスシャツを着ていて,一人だけハデでした。
  近藤さんが着ていた,肩のところに模様があるシャツは,"europa"時代に着ていらしたヤツだったんではないでしょうか?
  美潮さんは白の上着にチェックの長いスカートで,一曲唄い終わった後に,「防寒用の靴下をはいてきてしまったので,脱いできます」とソデの方に一旦退場し,メンバーに「見えた!」等とからかわれていました。
  ウズマキマズウのお馴染みの曲の中で演奏しなかったナンバーは,”テンキ” ”不思議のTEO”かな?。
  久しぶりに聴くことが出来た”窓”(近藤さんのピアノがステキでした。清水さんがヘンな音を出して笑わせてました)や,再び”人と星の間”もやりました。
  清水さんはサスガに終始マイペースでした。大川さんは,”HPがウイルスに食われた”と言っていました。(正確には,食われたのはパソコン)
  板倉さんは咳き込みながらも熱演しました。
  演奏は前回よりも充実したいたと思います。
  前回初お目見えした板倉さんによる"forget me-not?"は,今回の方が良かったと思います。こちらに心の準備が出来ていたせいかもしれませんけどね。
  二部の最初に演奏されたスキャットのナンバーは,チャクラ時代に作ったそうです。超高音部を駆使する曲でした。
  美潮さんの唄は,歌詞の間違えが多かったですが,そんなことは些細なことだと感じさせるほど,テンションが高くて元気いっぱいでした。
  ワタシの位置は板倉さんの近くでしたので,板倉さんのプレーを間近で見れました。
  どの曲も細かいコードがたくさんあるな〜と思った次第。
  それと,”人と星の間”では,寝かせた置いたエレキ・ギターをボトルネックで弾き,ペダルスティール・ギター風に鳴らしていました。
  始まってすぐいきなりチューニングを始めた板倉さんでした。第一部で美潮さんがギターの音が聞こえないと言ってましたが,こっちにはしっかり聞こえていましたよ。
  今回の演奏はリラックスしたもので,かなり間違えもあったけど,全体に素晴らしく,どれがベストとも言えませんが,ワタシは”やっとだね”が良かったかな。
  アンコールは”宝だワタシ”。ダブル・アンコールは”デンキ”でした。
  さて,今回はビデオが全部で5台持ち込まれていて(うち2台は業務用のモノだったと思う),右奥に設置されたモニターでその様子が映されていました。
  最後の方で美潮さんが,”早く売り出したい” ”みんなに見てもらえるようにしたい”と言っていました。
  どういう形でリリースされるか解りませんが,期待したいですね〜
  それと,曲も揃ってきたことだし,何となく(勘ですが)レコーディングの方もそろそろなんではないかな?


○2000年12月30日:高円寺・ジロキチ


 【パーソナル】
  小川美潮(
Vo,中央), 大川俊司(B,中央奥右),板倉 文(G,右),石井為人(Key,左),藤井信雄(Dr,中央奥左)

 【曲目】
  1.Opening 〜 どーなるセンター
  2.4 to 3
  3.良心力学(?)(つじつまのじつの改題作)
  4.シャンバラインU
  5.花の答え
     −休憩−
  6.檸檬の月
  7.On the Road
  8.Forget me not?
  9.12月21日
  10.宝だワタシ
     −アンコール−
  11.タイトル不明(軽快なスキャット)
  12.やっとだね
     −ダブル・アンコール−
   13.はじめて(アカペラ)
  14.4 to 3

 【感想】
  うずまきまずう,20世紀最後のライブを観ることが出来ました。
  この日は美潮さんのテンションが高く,最初から好調でした。いつもの何だかよく分からないおしゃべりも絶好調。
  ファンキーな”どーなるセンター”では,アドリブの歌詞も冴えて,ゴキゲンな歌と演奏でした。
  シャンバラインUは,檸檬の月に入っていたスキャット・ナンバーで,ライブ初演とか。もちろん私もライブでは初めて聴きました。
    予想外な選曲で,嬉しい誤算でした。
  良心力学は改題,難しいメロディーを持つ12月21日は歌詞を変えたそうです。
  アンコールで演奏されたスキャット・ナンバーは,歌詞を付けたいと言ってましたが,どうやって付けるのか難しそうなメロディーの曲で,軽いファンクな感じ。
  歌も演奏も即興的で,ボーカルとキーボード&ギターと掛け合いながら進行。
  こういうのはいつまでも延々と聴いていたい。まとまってこないうちに聴けて,かえって良かった感じがします。
  ダブル・アンコールでは,アカペラで”はじめて”を歌ってくれました。舞台の袖で文ちゃんがギターで伴奏をつけました。
  美潮さんは途中からマイクを持って,口元から外したり,文ちゃんに向けたりしました。
  そして,一回目にうまく行かなかったという説明で再演曲に選ばれた4 to 3が演奏され,この日の公演は終わりました。
  今回からドラムスとキーボードが佐藤一徳さん,近藤達郎さんから変わりました。しばらくはこのメンバーで固定するそうです。
  近藤さんはワタシがヒイキにしているので,ちょっと心配でしたが,パーカッシブな近藤さんのプレーに比べてベテランの石井為人さんのプレーは丸みがある感じで,よりいっそう美潮さんのボーカルを引き立てている感じがしました。
  藤井さんのドラムスは,手堅くて控えめな印象でしたが,後で録音したものを聴き直すと,細かく刻まれるスネアとシンバルが素晴らしく思いました。
  何度もチューニングしていた文ちゃんのギターはいつもとてもカラフルで,気が付くと手元を見ていました。
  ミュージック・マンのベース(?)を奏でる大川さんは,どーなるセンターやアンコール曲のタイトルが付いていない曲等,体格に似合わずとても軽快でした(笑)。
   
 【美潮さんの音楽と仲間】
 20世紀の終わりにうずまきまずうのコンサートを見ることができ,終了後,美潮さんや大川さんに挨拶することが出来ました.
 コンサートが終わったあと,今まで何度か美潮さん達に話かけるチャンスがあったにも関わらず,根っからシャイな性格が災いして,声をかけることが出来ませんでした.
 でも今回はMLで知り合えた仲間(と呼ばせてもらいます)と共に,思い切って声をかけることが出来ました.
 特に大川さんと美潮さんには,気軽に話をしてもらい,とても感激しました.
 みなさんと知り合えて幸せです.

 ソロ作に限らず,美潮さんが参加している音楽を聴く毎に感じていることがあります.
 それはちょっと変わった曲を演っているとか,高度な演奏や楽曲であるとか,他に誰も真似できない特徴のある歌声だとか,そういった表面的なことではありません.
 他の人がどう感じていらっしゃるかは分かりませんが,一貫していることは,言葉や譜面では表すことが難しい,独特の浮遊感,聴いていて幸せで豊かな気持ちになってくるようなことです. 
 こういう心持ちは,他の人の音楽ではなかなか得られないことです.
 何かうまく説明することが出来ない,心を揺さぶるようなことです.
 もしかしたら,こういうことが音楽にとって一番大切なことなのではないでしょうか?
 ”魔法”って奴なのかも.
 ご一緒していただいた方々は,みんな優しそうな人達でした.私が一番ヤな奴だったかも.
 美潮さんの音楽や歌声は,年齢や時代や流行を越えて届いていると感じました.
 会場にいらした全ての人達,会場には来られなかったけど色々な形で関わっている人達に,感謝します.
 みなさんのおかげで,素敵な21世紀を迎えることができました.ありがとう。