ラジオクラブは,サックス奏者の本多俊之を中心にしたジャズ的なグループです。
大ヒットしたマルサの女の音楽を担当したので,映画ファンであればあのエキゾティックなメロディーを持ったサウンドを耳にしていることでしょう。
小川美潮さんは西尾美汐名義で参加し,作詞,ボーカル&コーラスを担当しました。
4枚のアルバムといくつかのシングル盤を残しています。これらを2001年になってからゲットしました。
ラジオクラブのCD・レコード
【アルバム】
○タイトル:Toshiyuki Honda
Radio Club
○リリース:1987年(東芝EMI CA32-1494)
○パーソナル:本多俊之(Sax, Flute, Key),
是方博之(Gt), 鳴瀬義弘(Bas), 東原力哉(Dr), 西尾美汐(Vo)
○曲目:
1.Moonlight Dance/月のテラス (M:本多, W:Mishio)
2.The Woman From Marusa (Radio Mix)/マルサの女(ラジオミックス)
(M:本多)
3.Breezing/森の祈り (M:本多, W:Mishio)
4.Black Eye (M:本多, W:Mishio)
5.Good-bye Pork Pie Hat (M:Chales Mingus)
6.Time Beyond The Door (M:本多, W:Mishio)
7.My Boy (M:本多, W:Mishio)
8.Am (M:本多)
9.I Wish −恋心....−(M:本多, W:Mishio)
○コメント
ジャズなアルバムを予想していたのですが,そうでもありませんでした(^^;)
バレエを踊るお人形さんの手を取ろうとするジャケットが,とても可愛らしい。
ナルチョのベースは,いつものブイブイ言わせるフレーズは控えめ。
月のテラスは,アジア歌謡っぽいキュートな佳曲。
マルサの女は,あの馴染み深いメロディーを美汐さんがスキャットで奏でます。
My Boy
は”ならでは”視点で,明治生まれのお爺ちゃんのことを綴った優しい歌詞を持つポップな曲。
Good-bye Pork Pie Hat
は,チャーリー・ミンガスの名曲ですが,個人的にはジェフベックのバージョンが馴染み深い。短めでちょっと軽いアレンジ。
Amは,本作でもっともジャズらしい曲ですが,途中から入るコレちゃんのギター・ソロはロック的。
I Wishは,ピアノとサックスとボーカルの静かなバラード。美汐さんの優しい歌声が,暖かく響きます。
○タイトル:マルサの女2/GADIS(映画マルサの女2サウンドトラックより)
○リリース:1988年(東芝EMI
CT32-5091)
○パーソナル:本多俊之(Sax, Flute, Key),
是方博之(Gt), 鳴瀬義弘(Bas), 東原力哉(Dr), 西尾美汐(Vo),
野々田マンテル(Sax)
○曲目:
−Radio Cliub−
1.Tidak Bisa (W:美汐)
2.Magic/夜の魔法(W:美汐)
3.Gadis(娘) (W:美汐)
4.Big Deal(W:美汐)
5.Black Honesty(W:麻生圭子)
−Marusa−
6.Love & Threat
7.Slow
8.Langue De Chat
9.Film B
10.Les Morts Ont Toujours Tort./愛のテーマ/死人に口無し
※全曲の作曲とアレンジ:本多俊之
○コメント
ラジオクラブ・サイドはちょっとラテンチックでライトな感じ。美潮さんの歌は,この全曲で聴かれます。
1と3は謎の外国語? 4は途中チャールストンみたくなるダンサブルで楽しいアレンジ。
5は美潮さん自身による厚いコーラス・ワークが美しいポップなナンバー。シングル・カットすれば良かったのにね。
マルサ・サイドはインストものです。ちょっとミステリアスな雰囲気が良い感じ。
コレちゃんのギターが冴える8はちょっとプレグレっぽい展開。「Langue
De Chat」ってヨックモックのお菓子の名前だよね。フランス語でネコの舌だっけ?
○タイトル:Something Coming On
○リリース:1988年10月26日(東芝EMI
CT32-5320)
○パーソナル:本多俊之(Sax, Key, Voice),
是方博之(Gt), 鳴瀬義弘(Bas), 東原力哉(Dr), 西尾美汐(Vo),
岡野さなえ(Vib.,Mar.), 野々田マンテル(Sax), 鳥山敬治(Sys.
Operating)
○曲目
1.Bagus(W:美汐&梶原浩史)
2.Exoticism(W:美汐)
3.A Palanquin
4.Bells
5.Hello, Hello(W:美汐)
6.Parade
7.Before Conclusion
8.936 Broadway(W:美汐)
※全曲の作曲とアレンジ:本多俊之
○コメント
タイトル通り,期待感が膨らむ元気で明るいアルバム。
1,2,5は美潮さんによる謎の外国語のナンバー。
1はナルチョのブイブイ・ベースをバックに,雲の向こうから美潮さんのボーカルが光来する感じ。ジャケットでは爆弾が落ちてくるんだけどね(笑)。
2は「感じたら思う通りにやって」(対訳より)と唄われるポジティブなナンバー。「sapi-sapi
komat komat menyendigkan」は「牛はもぐもぐする」の意味だそうです(^^;)
3はポリスみたいなドラム・リフが聴かれるインスト曲。4と6は歯切れの良いリズムのインスト曲。美潮さんのスキャットが聴かれる6は何となくテクノ的。これらはこのメンバーだと凄くきっちり演奏する感じ。
5は悲しみくれる人に呼びかける静かなバラード(対訳より)。
7は本多氏のサックス・ソロが冴えまくるバラード。
本作最大の聴きもの8は,速い4ビートのチャールストン。コレちゃんのギターと本多さんのサックスの掛け合いも楽しいし,美潮さんのノホホンとしたスキャットが凄いです。
○タイトル:東方見聞録
○リリース:1989年(東芝EMI TOCT-5597)
○パーソナル:本多俊之(Sax,
Voice, Key),
是方博之(Gt), 鳴瀬義弘(Bs), 東原力哉(Dr), 小川美潮(Vo)
ゲスト?:鳥山敬治(Sys. Operator, Voice)
○曲目:
1.Eastside(W:本多)
2.Coconuts Milk
3.韋駄天
4.Meridian(W:麻生香太郎)
5.Winds
6.Guarasuco
7.On The Noon(W:麻生香太郎)
8.美しい日本語(W:麻生香太郎)
9.Formless People
10.Border Beyond
11.Last Ballad
※全曲の作曲とアレンジ:本多俊之
○コメント
ジャケット写真はサックスを抱えた本多さんのお姿。本多さんの色彩がより強くなり,歌詞を提供していないなど,美潮さんの印象は後退。
1と2と6は明るく歯切れの良いちょっとリゾート・ミュージック的なインスト・ナンバー。1は美潮さんのヴォイスが挿入。
3はナルチョのベース・ラインが印象的な軽快でリズムの速い曲。小鳥の様に囀る美潮さんのスキャットがキュート。
うって変わって4はちょいとヘビーな演奏に,美潮さんのコーラスが挿入されるナンバー。麻生さんによる歌詞が私好みでして,「おいしい花,おいしい昆虫,おいしい両生類,おいしい爬虫類,おいしい花で作ったビール」などと,食文化に鋭く迫ったもの(笑)。
5はCMで聞き覚えがあるエキゾチックなナンバー。
7は優しい美潮さんのボーカルが聴かれる,海辺が似合う日本語のバラード。
8は古い日本語?(古典苦手)の歌詞が付いてます。美潮さんのボーカルはとても柔らかい。Secret
Book の原点でしょうか?
彼方から美潮さんのスキャットが速いリズムの9はとても短い曲。
10は細かいリフを刻むナルチョのベースに,コラージュ的に色んな楽器の音や美潮さんのコーラスが挿入されるエキゾチックなナンバー。
静かなバラード11では,艶っぽい本多さんのサックスが聴かれます。
なお,本作からクレジットが小川美潮に戻っています。
【シングル盤】
○タイトル:「CRY/BLACK&RED(赤と黒)」
○リリース:1988年?4月29日(東芝EMI
RT-07-2082(EP))
※CRY=TBSテレビ「代議士の妻達」テーマ曲。作・編曲:本多俊之
※BLACK&RED=ハウス・カリー・ザ・ホットCMソング。作詞:西尾美汐,作・編曲:本多俊之
○コメント
「CRY」は確かにテレビ・ドラマっぽい?曲。美潮さんのスキャットと英語による語りが聴かれます。
「BLACK&RED」は「326Broadway」の兄弟曲みたいな感じの速いチャールストン。美潮さんの早口のボーカルとスキャットが楽しいナンバー。
○タイトル:「ヨコハマ・ドラゴン・サンバ(YES'89)/EXOTICISM」
○リリース:1988年10月7日(東芝EMI RT-07-2203(EP)
※他にシングルCDも出ている模様
※A面は横浜博覧会のテーマソング(作詞:阿久悠,作・編曲:本多俊之)
○コメント
(一部で不評と聞く)「横浜ドラゴン・サンバ」は,曲頭に中途半端に中華っぽいメロディーを持つ不思議で楽しいポップス。
こういう言い方をするとかなり問題なのだが,手を○いた曲を美潮さんとラジオクラブが強引にこっち側に持ってきた感じ(笑)。
あ,やばいこと書いちゃった(^^;) でもけっこう好きですよ。これ。
○タイトル:「EASTSIDE/WINDS」
○リリース:1989年10月18日(東芝EMI
RT07-2428(EP))
※パロマ・イメージソング,AB面とも作・編曲:本多俊之。
【本多俊之さんおよびラジオクラブのCD(旧作)】
○FootPrints (CT32-5427,1989.04)
※本多俊之ベストアルバム。
1.RAKUEN, 2.MACHI NO KISEN, 3.DREAM COMES TRUE, 4.MODERN,5.RAPSODIE DE LA
RUSSIE,6.CAN'T TAKE AWAY FROM ME,7.THE WOMAN FROM MARUSA, 8.MOONLIGHT DANCE,
9.TIDAK BISA,10.BAGUS, 11.GOOD EVENING
※美潮さん参加曲:8,9,10
○カメレオン(TOCT-5852,?)
1.phantom of the earth, 2.hara-hara,
3.gimmick mask, 4.mosaic city, 5.cerezo rosa(goblin version), 6.half mirror,
7.quiet jungle, 8.time is dream, 9.the new glove, 10.quiet×enter
※美潮さんは参加していません。
○ライブ・カメレオン(TOCT-6089,1991.4.26)
1.mosaic city, 2.gimmick mask, 3.phantom
of the earth, 4.hara-hara, 5.good evening, 6.a-ge man, 7.the woman of MARUSA, 8.
Meridian, 9.a palanquin, 10.idaten,11.cerezo rosa, 12.the new globe, 12.half
mirror
※美潮さんは参加していません。
○シンバイオシス(TOCT-5726,1991.7.24)
「あげまん」より:1.あげまん, 2.モンド, 3.序曲, 4.破局,
5.愛
「マルサの女」より:6.マルサの女, 7.金に群がる男達,
8.黄昏のワルツ, 9.ラブ・テーマ#1
「マルサの女2」より:10.悪のサンバ, 11.メイン・テーマ ラブ・アンド・スレート,
12.愛のテーマ 死人に口無し, 13.死人に口無し
※伊丹十三さんの映画のサウンド・トラックを集めたコンピレーション・アルバム。
※美潮は,マルサの女2のvoiceで参加。
○SAX HLIOC(Moon/AMCM-4081,発表年次不明)
○シャングリラ(EWJ-90013,CP38-3019,ZR28-826,1982.11.21)
○モダン(EWJ-90029,CP35-5001,ZR28-1209,1984.8.18)
○セプテンバー(EWJ-90021,WR28-1093,1983.9.21)
○サキソフォン・ミュージック(EWJ-90038,CA32-1221,1985.5.22)
○ドリーム(EWJ-90027,CP38-3105,ZR28-1145,1984.3.21)
○本多俊之フィーチャリング・スーパー・カルテット(EWJ-90047,CA32-1259,1986.6.4)
※情報提供:yamさん,takさん
最終更新日:2002年2月28日