タカダワタル的ゼロ 公開記念オールナイトイベント
−小野和子ライブ−
テアトル新宿のオールナイト・イベントに行って来ました。第3部まで見て,最後の映画二本(「行く行くマイトガイ 性春の日々」と「ランボー一家の戦争」)は見ないで帰って来ちゃいました。
☆吉祥寺発 赤い電車 (1972年)
35年ぶりに半分だけ発掘されたフィルムです。16mmで撮影されたそうです。画質・音質ともなかなか良かった。
映画は斉藤哲男の「吉祥寺」がオープニング・テーマとして流れました。当時の吉祥寺駅周辺や井の頭公園の映像が流れました。当時のファッションや若者の様子がよく映し出されていました。
武蔵野タンポポ団のリハーサル風景,電車で演奏会場に向かう風景,高田渡のお喋り,三上寛,遠藤賢司や山本コータロー,そして小野和子の「アイスクリーム」のステージが映し出されました。「アイスクリーム」は絶品でした! 小野さんは美しいですね。
野外会場(日比谷野音か?)での観客のインタビューが挿入され,色々とブーたれています(^^; また,「たくろう(吉田拓郎)の出ないコンサート」の楽屋風景や出演者のインタビューもあり,拓郎さんには少し気の毒な内容でした。
後半部分は未だ発掘されていないそうですが,沖縄での高田渡の姿をロードムービーの様に描き,泉谷しげるも写っているライブを収録しているそうです。
映画の制作は大学生の手によるものだそうですが,コンサートの観客は中高生が多く,ちょうど僕の世代と重なりました。なんちゅうか,こっ恥ずかしいような気もしました。
☆出演者によるトークイベント
第二部は,小野和子,シバ,三上寛によるトークイベント。しゃべくっていたのは三上さんで,半分以上は喋っていた感じ。小野さんはあまり話しませんでしたが,当時の様子について(音楽舎にもURCにも所属しておらず)「居場所がなかった」とおっしゃっていました。
また,水戸に戻ってから小野さんのお店の「ぐぁらんどう」に渡さんが時々遊びに来ていたことを話しました。
☆ライブ
◆小野和子(Gt & Vo)
1)Don't Cry My Mind
2)不思議な日
3)アイスクリーム(途中まで)
4)忘れない ありがとう
◆シバ & シバ・バンド
◆三上寛
◆出演者全員で
生活の柄
小野和子さんの歌は生でははじめて見ました。ギターで弾き語り。
声量が豊かな人ですね。ときおりマイクを外して歌いました。声も美しくてよく通ります。素晴らしいシンガーです。ちょっとシャンソン歌手の様な歌い方も感じました。
加藤和彦さんの手による懐かしい「不思議な日」を聞くことが出来ました(涙)
この曲はホントに名曲です。以前小野さんと話す機会があったとき,「良い曲ですよね」と言ったら,(当時の)「私には過ぎた曲でした」とおっしゃっていたことを思い出しました。
最後はアルバム「歌綴り」から,渡さんに贈る曲で締めくくりました。短くてちょっと残念でした。
ともあれ,小野さんの様な女性シンガーは,日本には他にいない,と言えるほど力強い素晴らしい歌を披露してくれました。35年前にも素晴らしいシンガーだったけど,今はさらにスケールアップして,円熟味を増していると思います。
漫画家でもあるシバさんは,武蔵野タンポポ団の懐かしい曲も演りました。ゆる〜い感じのカントリー・フォーク。昔と変わってないな〜
三上寛さんはセミアコのギターで,一番長く演奏しました。知る人ぞ知るアクの強い歌なわけですが,個人的にはどの曲も同じに聞こえちゃって,ちょっとアレですが・・・
最後に全員がステージに上がって渡さんの曲を歌いました。小野さんはコーラスだけでした。
小野和子というシンガーは,当時流行していた四畳半的なフォークとは相容れない様な気がします。才人加藤和彦氏は,それを見抜いていたのではないかな。
ルックスも美しく,声量もテクニックもある小野和子さんが,ちょっと違う時代に登場していたら,あるいは別のスタンスで活動していたら,ずいぶん違った音楽をしていたのではないか,と想像しました。
それも人生か・・・
今になってみると,ボクがフォークを熱心に聞いていた時間というのはホントに短かった。2年くらいかな〜
叶うことなら,サポート・メンバーを入れて,フルサイズのライブを演ってほしいところです・・・