【美潮さんのジャンルと音楽の表現方法】

  美潮さんのことが書かれているサイトを見ると,その音楽を表して”カルト”とか”ヘンな”とか表現しています。
  この頃よく使われることがあるモンドという言い方はしませんね。
  音楽のジャンル分けというのはたいてい便宜的であったり,私的であったりするわけですが,美潮さんが作ってきた音楽を一言で表すことは,他の音楽家と比べても難しいことだと思います。
  ワタシ自身は美潮さんの音楽を”ちょっとヘンな”とは思いますが,”カルト”だとは思っていません。
  だけどチャクラや美潮さんをカルトだと断言する人がいても,まあいいやという感じです。
  美潮さんの音楽を支えてきたミュージシャンは,ジャズ畑の人が多いようです。
  シークレット・ブックやワハハなどは,ジャズと呼んでも良いと思います。
  しかし音の外見上では,チャクラやソロアルバムは決してジャズではないですね。
  美潮ワールドは,一言では括れません。
  ワタクシは,こういう簡単に括れない音楽というのが案外好きなんですけどね。
  森高千里さんなんか大好きなんですが,森高もジャンル分けするとなると,森高ワールド,ジャンルは森高というのが一番適切かもしれません。
  女性ボーカルを誉める言葉の常套句で,ワタシも使った覚えがある言葉に”清涼感溢れる”とか”清々しい”などがあります。
  清々しい小川美潮の歌声とか,清涼感溢れるリンダ・ルイスの声質とか言うわけです。
  これはワリカシ納得するんですが,”んじゃ,清涼感も清々しくもない女性ボーカルはまったく駄目なのか?”と反語されると,そゆわけではないとしか応えることができません。
  ジャニス・ジョップリンはどうした,と思ってしまいます。
  
  さて,音楽を聴いたり見たりして感動したとき,それをどういう風に表現するのか,なかなか難しいです。
  最も使い古された表現に”カッコイイ”というのがあって,ワタシもよく使います。
  でもブライアン・セッツアーを聴いて感じたカッコ良さと,コールドカットを聴いて感じたカッコ良さは,かなり大幅に違います。
  自分で書いてて,陳腐だな〜と思ったりします(・_・メ)
  音楽を聴いて,誉めたり貶したりするのが職業の音楽評論家は(もちろんそれだけが仕事じゃないけど),これについて苦労しているプロです。
  CDの批評などをチェックすると,音楽を回りくどく誉める表現がなかなかたいへんなモノだと,感じ入ったりします。
  この頃だと,”クール”という表現をよく見かけます。どんなのがクールなのかというのも,聴き手によって隔たりがあるかもしれんので,油断なりません(笑)。
  小川美潮はクールだ,と言っても誰も信じやしない様な気もします。でもSecret Book はちょっとクールかも。
  TLCはクールだと言えば大多数の人が納得すると思われ,シキシャがクールだとワタシが思っても,同意する人が多少いると想像されます(←根拠はどこにあるんじゃ?!)
  こういった表現しにくい感動を与えてくれる音楽が好きだったりすると,その感動をどう伝えるのか,非常に苦労してしまいます。
  まあ,ウダウダ言ってないで,聴いてみるのが一番良いわけですけどね。