記事タイトル:生物学漫談,再び 


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お名前: akisy(家主)    URL
8月8日に,航空力学が専門の東大名誉教授の東昭先生が出演して,
「空とぶイカ,海面を走る貝」というNHKの番組がありました。
トビイカの飛翔のビデオも良かったですが,ウミショウブの雄花が
海面を倒れないでスイスイと動く映像とメカニズムの解説が楽しか
ったな。
本題はホタテ貝が貝殻を開いて風を受け,海面を移動する,という
ところでしたが,映像は得られず,本当かどうかはまだ確認できな
いってところで終わりました。
私も見てみたいな〜
[2002/08/09 19:04:26]

お名前: akisy菅野彰重   
サメ本読書中。
「サメ 軟骨魚類の不思議な生態,矢野和成著,東海大学出版会」
風邪ひいたので,頭クラクラしながらこたつでこれを読んでます。
サメは頭ワリィというのが,即座に嘘だと分かりました。
それどころか低周波や匂いなどのキャッチなどに関しては,たいへんな能力の
持ち主で,非常に素晴らしいセンサーをお持ちのようです。
また体重比の脳味噌の重さも大きなほうだそうでう。
これを読むと,”サメの脳味噌を持つ男”というのは,たいへんな誉め言葉と
いうことが分かりました。
やはり元総理は大物だったのですね。気がつきませんでした(^^;)

※生物学漫談は面白いので,参加者を募集しております。
[2001/12/09 21:51:58]

お名前: akisy(家主)   
ゆくさん,まいど。
稚拙な知識しか持ち合わせていない生物おたくは,かなりムチャを言っても許されるとこが素晴
らしいですね(笑)。

ヒラメの目がどの様な過程を経て寄っていくのか,という話。
あんまり寄っていくと,目が二つある意味がなくなっちまうような気がします。
はたまた,このまま寄り続けていくと,目が一つに合体することもあり得るのでしょうか?
ひとつライフワークとして,検証していただきたいところであります。
昔読んだ本(ローレンツだか日高のおやじだかの本)に,馬の進化の話が出てたのを想い出しま
した。
馬の祖先を辿っていくと,馬ってのは巨大化・巨大化に向かって進化の方向が定められてきたと
のこと。
進化というのは,方向性が定まると,迷いなく進む場合があるんだそうです。
類似したものに,何で蛇はあんなにまで長くならなきゃいけないのか?とか多数あります。
一方で,何でお前は長い間進化せずにいるのか? ってなヤツもいます。
身近な例ですと,ゴキブリ君など。
遺伝情報伝達の仕組みが生物全体で同じなら,何でやたらに進化してしまうヤツと,進化せずに
さぼっているヤツがいるのか,よく分かりません。
いったいこの差はなんなのかと?
ひるがえってみると,こういう説明出来ない謎は,地球の長い歴史をほんの1万年
くらいの視点でしか捕らえていない人類がアホだからだと思います。
人類は宇宙から来たので,他の生物とは違うという人がいます。
これが成り立つんだったら,蛇だって,ヒラメだって,ゴキブリだって,十分宇宙起源説で説明
する資格があるヤツらだと思います。

先日食虫植物の栽培の話を伺っていたら,ウツボカズラは別に昆虫を与えなくても十分生活できるとのこと。
そればかりか,あの食虫部分(ウツボ部分?)に蓄えられる水分は,定期的に補給してやらない
と枯れてしまうそうです。
そんなあまり役に立たない器官を,わざわざ備えていなければならん理由があるんでしょうか?

個人的な説としては,生物は無駄がないとイカンのではないかという意見。
生物無駄本意説(笑)。
人間の脳味噌なんぞ,ほとんど休んでるわけでして(^^;),無駄以外の何者でも
ありません。
ふと思い立ったときにワケもなく進化したり,ワケもなく妙な器官を作ってみたりと,
ガイアの意志は気まぐれなのであります。
そういった意味において,経営の合理化とか,情報の効率化なんてのは,愚の骨頂なんであります。
無駄こそ生物本来の目的。気まぐれこそ生物の本能。
ほらほら,情報の効率的な伝達手段だとかヘンな理屈をこね回して,インターネットだって,
こんなどーでもいいようなことばかりやってるじゃんか(笑)。
[2001/12/07 01:21:38]

お名前: ゆく   
>サメといえば,サメの脳味噌を持つ男と呼ばれたヤツがいましたな。
これはもしかしたら,失礼なんではないかと思ってました。サメに。

 サメに(笑)。
 サメの学習能力に関するテーマも、前出の本に載ってましたよ。
細かい内容は忘れましたが。確か、「餌=ゴールの迷路」の実験をした
ら、マウスと同程度の学習能力を示し、記憶の持続も確認されたとか。
 その他、サメ・エイ(軟骨魚類)の体についての基礎知識、凶暴だと恐
れられるサメの実態(実はそんなに人食いはしてない?)、生殖につい
てなどなど。一般向けの啓蒙書ですので、写真も多く、分かりやすい本
だと思います。
シュモクザメ(あのデメキンみたいなサメ)の胎児の写真なんてのも載
っています。ちゃんと胎盤やへその緒があるんだから、単なる卵胎生と
は一味違うみたい、すっごいっす。

>生物学といえば,映画のエボリューションを見ました。
この映画では,10塩基対を持つ生物としてエイリアンが描かれています。
10塩基対持ってると,何故そんなに速く進化するのか? てことは謎なんですね(笑)。

 来ましたきました!!その映画は見てませんが、僕もそのことでよく悩んでいます(笑)
〜「突然変異だけで進化できるのか??」
 先日、ヒラメ(Japanese flounder,Paralichthys olivaceus)の仔魚の変態過程
をスケッチする機会がありました。ヒラメの眼は、成体では、両方とも体の左側にありま
すのね?でも、それは最初からではなくて、仔魚期から稚魚に成長する過程で、左右対称
であった目がだんだんと寄って行き、皆さんご存知のあの姿に変わります。これを含めた
仔魚の成長過程を変態と言います。そして、重要なことは、その右目の移動が「連続的」
に進むということです。つまり、右目はだんだん左側に寄っていくわけです。
 なんで、それが重要なのかというと・・・

 例えばヒラメが、突然変異によって祖先型の魚から現在の姿に進化したとします。
つまり、「突然変異が起源」である遺伝的多様性から、色んな顔の「ヒラメの先祖」
がいた〜眼の遠い者、目の寄ったもの〜その中で、ある一族は海の底で横向きに泳ぐ
生活を始めた(始めざるを得なくなった)。そしたら、左側に眼の寄ったやつほど生
活に有利だったので、多くの子孫を残した。その習慣が何万年も続く間に、さらなる
突然変異が積み重なって寄り眼の形質がエスカレートし、今のヒラメの姿となった。

 現在広く考えられている突然変異+自然選択の考え方で説明するならば、単純に
言うと上のようになります。

 ところで、個体発生は系統発生を繰り返すという言葉があります。人間で言うと、
胎児には最初鰓や尻尾のようなものがあり、成長するにつれだんだんと人の姿に近
づいていくというのを指した言葉です。
 僕は、ヒラメの個体発生で、右眼がだんだん反対側に寄っていく過程を観察しま
した。ここでちょっとした疑問が湧いてきます。
 ヒラメ先祖の寄り眼が突然変異によるものだったとすると、本来の左右対称に眼
を造る形質が少し変わってしまい、少なくともその個体の見かけ上は眼の対称性が
失われ、眼が寄った(個性または奇形)。その子孫は時を経て、もっと眼が寄った。
これらは表面上、眼を対称に造る遺伝要因を持っていないように見えます。ならば
こいつらは、発生の過程でいきなり左側に両方の眼ができるはずです。
ところがそうではなくて、発生の過程を見ると、現在のヒラメでも、目を対象に造
る遺伝要因をちゃんと保存していることがわかります。
 このことから、突然変異(表面上の個性や奇形)だけが原因で進化がおこるのな
ら、自然選択される前の形質を何故保存しているのか、説明できない気がします。
選択とは、変異のバラエティーの中から良いものが選ばれ、不利なものが捨てられ
たというとですから。

 突然変異進化は、突然変異する以前の形質もいちいち保存するのか?
進化で選択が働いてきたのならば、それはおかしい。
じゃあなぜ、なぜ個体発生が系統発生を繰り返しているように見えるのか??
進化の要因となった突然変異は、全て、発生過程での変化を促してきた「変異」
だったからなのかな??
 〜なーんか、ほんとわからなくなります。
と、思っていたら、非常に興味深い本を見つけました。

「生物は重力が進化させた」西原克成 講談社ブルーバックス
 
 筆者は、ホヤの幼生(脊索を有するオタマジャクシ幼生)を、着底させない、
つまり脊索が失われることなしに変態させ、脊索を持ったホヤ成体(?)を作り
だしたり、また、硬骨魚類の祖先だと考えられている軟骨魚の現生子孫であるサ
メに、ある実験を施して硬骨と骨髄を誘導させてしまったり(!)、それだけで
も非常に面白そうな実験を多数やっていて、この本で紹介しています。
 そして、それらをまとめて筆者が主張していることは・・「突然変異と自然選択
だけで進化を説明することには無理がある。生物は重力・力学対応によっても大き
くその姿を変え、そしてその獲得形質は、遺伝子が変化せずとも、環境ごと次世代
に受け継がれることで「保存」される。そして、その変化は、化学的に連続であり
、突然変異など持ち出さなくとも説明可能である。その後、何らかの機構により、
遺伝子は獲得形質に後追いするかたちで変化するのではないだろうか?」


 ほんとかな、でも、読んでてとっても面白かった。
[2001/12/06 22:19:28]

お名前: akisy   
ゆくとさん,まいど。
>ところで、いい本見つけました!
 「サメ・ウォッチング」平凡社
  
これはまだ読んでません。サメは専門外につき(専門は何だっけかな?)。
サメといえば,サメの脳味噌を持つ男と呼ばれたヤツがいましたな。
これはもしかしたら,失礼なんではないかと思ってました。サメに。
このあたりの疑問を解き明かすネタ本として,探してみます。
サメの脳味噌と言えば,ワケあってユニコーンの旧作を聞いていたら,
ハヴァナイスデーというアルバムの中に,”魚の脳を持つ男”という曲がありました。
1990年の作品。奥田民生もたいしたもんだ?
生物学といえば,映画のエボリューションを見ました。
地球のの生物が数十億年かけて遂げた進化を,一ヶ月足らずで成し遂げてしまう生物を描いた超大作です?
映画ではこれをさらに100分で描いてしまっているわけでして,たいしたものであります。
この映画では,10塩基対を持つ生物としてエイリアンが描かれています。
10塩基対持ってると,何故そんなに速く進化するのか? てことは謎なんですね(笑)。
ラストは,セレニウムを含有する家庭用製品によって退治されます。
巨大生物の肛門に,ある家庭用製品を大量に浣腸するわけです。
我々生物オタク?にとっては示唆に含む貴重な作品と言えましょう。
エイリアンの猛烈な進化は主人公達が防いでくれたので,わざわざ映画館に行かず
とも,レンタルビデオを待ってもよろしいか,と思います。

>大学の研究室に配属しました

い〜な〜
勉強してれば怒られないんだもん(笑)。
[2001/11/19 22:06:15]

お名前: ゆく   
>>最近はというと、大学の研究室に配属しました!
応用集団遺伝学という部屋です。水産関係の育種と集団解析
をやっています。PCRやDNAシークェンサーも使うので、まず
機材の使い方を覚えなくては、という所です。

ところで、いい本見つけました!
 「サメ・ウォッチング」平凡社
  V・スプリンガー,J・ゴールド
  中谷一宏訳 
「イカもしゃべれば空を飛ぶ」のサメ版・・という
例えが適当かどうか分かりませんが、とにかくそんな
感じです。
でもなぁ、AKISYさんなら、もう読んでるのかもなぁ・・ 
[2001/11/19 18:59:14]

お名前: akisy   
ゆくとさん,お帰りなさい。
どうしてましたか? 私は相変わらずです。

ビョーク良いですね。
サルバーナネットワークに来てくれる人は,(間接的に)ビョークのファンが多いようです。
レベッカ何とかは,往年のポップバンドかと思ったら,違うんですね。
知らないです。映画の方も見てない。機会があったら探してみましょう。

>アキシーさんはよく寄生虫博物館にいらしているそうだと

大嘘ですよ〜
一回しか行ったことありません。駅からかなり歩きますね。
どうでもいいか。

>いったい何をなさっているんですか??

今は小川美潮忘年会対策委員会が,主な業務です(笑)。

しかし,どこが生物学漫談なんでしょうかね〜
[2001/11/14 21:37:22]

お名前: ゆく    URL
お久しぶりです。
アキシーさん、日記に音楽のこともかなり書かれていますね。
あれを参考にCD探してみよう、なんて思っています。
なかなか自分で見つけるのって、限界ありますもんね。

僕が最近良いなと思ったものも、、良かったらどうぞ。

・ビョ-ク/Selmasongs
 今秋公開された映画、ダンサー・イン・ザ・ダークのサントラで、
全編、本人の歌/打ち込みと、オーケストラサウンドのミクスチャー。
不思議なダンス?ミュージック。ビョ-クの他の作品からしてかなり異色
です。ノイズからクラシックまで色んな音楽の雑多煮状態、しかし音の
洪水の中から風景が浮かぶ。そのムードは映画とよくリンク。
すごいと思いました。もうレンタル出てると思います。

・REBECCA’S EMPIRE/atomic electric
 オーストラリアのバンドです。映画「女と女の井戸の中」の主題歌で使
われていましたが、なんと彼ら、音源製作をホンとの宅録でやっています。
そのためか、妙に生々しく素朴な音。クリムゾン「太陽と旋律1」やイエス
の「3」に近い雰囲気の音で、現代的なラウドロックを録ってる。これが
案外気持ちいいです。
女性ヴォーカル。楽器もギターだけでなく色々使っていて面白いです。

すいません、長くなってしまった(笑)。
本題なんですが、
アキシーさんはよく寄生虫博物館にいらしているそうだと、シゲノーさん
から聞いたのですが、、
いったい何をなさっているんですか??
教えて欲しいです!
面白そう!
[2001/11/14 16:48:36]

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