岳南鉄道への小旅行

結局何しに行ったんだかよくわかんない旅行です。一応就職試験が名目だったのですが、心はもうそこから離れていたりして(^^;。ちなみに乗車券は山手線内〜吉原の学割往復です。時刻表は持参しなかったので、特に帰りはかなり気まぐれだったり。


<00年7月16日>

635東京−こだま441号−三島731    100(16)
742三島−427M−沼津748       113(4)
1306沼津−767M−吉原1321      113(4)
1343吉原−岳南鉄道−岳南江尾1404  7000(1)    7002
1425岳南江尾−岳南鉄道−吉原1446  7000(1)    7002
1455吉原−452M−熱海1535      211(3)→(6)
1600熱海−3766M快速−品川1723    211(15)

〜午前中〜 新幹線と試験

 もう梅雨明けしたかのような暑さが続いており、寝苦しい。前日は午後10時半に床に入ったはずなのだが、午前1時半に目が覚めてしまった。いくら早く出発するといっても1時半起床はなかろう。そう思ってまた寝ようかと思ったのだが結局眠れず、出発時間までをインターネットして時間を潰す。

 午前5時過ぎに出発。駅前のサンクスで朝食を買い出す。これは行きの電車の中で食べるとしよう。乗るのは5時23分発の電車。始発3本目である。何気にこの電車は、コミケに行く時に乗る電車だったりする。つまり1ヶ月後も私はこの電車に乗っていることになる。今日はさすがに空いていたが、コミケ当日は既に座れないに違いない(コミケの場合は乗るのは1駅区間だけだが)。

 松戸と日暮里で乗り換え、東京駅へ。ここで新幹線自由席特急券を買う。乗車券のほうは前日あらかじめ買ってある。1680円の出費。乗車する「こだま441号」は18番線発車。1〜7号車と14〜16号車が自由席だ。6号車の山側に座る。売店に新聞を買いに行く。まだ朝刊を読んでいなかったのだ。普段の旅行ならば朝日新聞などに無難に抑えるところだが、昨日阪神が勝ったとなればデイリースポーツ1点買いしてしまう。今日の試験は筆記試験だけなのだが、もし抜き打ちで面接試験などあったら大変だ。「今日の朝刊の1面はなんでしたか?」と聞かれた場合、「『待ってたぜ桧山 319日ぶり1号本塁打』です」と答えなければならない(笑)。

 などとバカなことを考えているうちに「こだま441号」は東京を出発、やがて新横浜に停車。目の前にシュウマイの駅弁屋を発見し「これにすればよかったかな」などと後悔するもあとのまつり。サンクスで買ったおにぎりを食べる。そういえばさっきから対向列車を見かけないなーと不思議に思っていたのだが、よく考えればまだまだ早朝。対向列車はほとんどいなくて当たり前だ。やがて小田原に停車。そろそろ後続に抜かれるかと思ったが抜かれることはなく発車。次の熱海には退避設備はないので、三島まで抜かれないことになる。早朝とはいえなかなかの走りっぷりだ。丹那トンネルをすぎて三島に到着。ようやくここで5分停車し後続に道を譲る。しかし私は三島で下車。1時間近く走って都合1本も抜かれなかった。こだまらしくないこだまであったが、この区間こだまには10年以上乗っていないと思うので(前に乗った時は0系の転換クロスシートだった)、なかなか面白かった。今度九州辺りに行く時は、かつてサークルの先輩がやった「東京〜小倉こだま号の旅」をやってみたい。

 在来線で1駅、沼津まで行く。ボックスが空いていたのだが1駅では座る価値もないのでロング部分に座る。沼津では御殿場線から来た313系+211系4両という妙な編成を見る。313系を肉眼で見たのは初めてだが、できれば今日1回乗りたいなーと思う(結局無理であったが)。駅から試験会場までは徒歩20分ほどの距離。タクシーで5分とあるのだが、金がもったいないので歩くことにする。時間帯もよく、会場に向かうと思われる人も沢山いる。この人達について行けば大丈夫だろう。しかし制服姿の女子高生が多い。彼女らも試験を受けるのだろうか。しかも会場となる市立沼津高校に近付くにつれてさらに制服が増えていく。いくら自分とは階級が違う(私は大卒程度)とはいえ、これだけの人数が受けたら倍率もかなりのものになるのではないだろうか、と危機感を抱き始めたとき、高校手前の広場で高校生がたむろっているのを発見。しかもバスが止まっている。修学旅行にしては軽装過ぎるし、ひょっとして高校生クイズ?(この日は高校生クイズ関東大会の日であった)しかしよく考えると静岡県は中部大会になるだろう。全くワカラン。そして会場となる校内に入ったら、またバスが止まっていた。前面に「市立沼津高校野球部」と張り紙がある。そうか、高校野球か!しかし静岡大会は昨日に始まったばかりのはず。緒戦からこれだけの大応援団で出かけるとは、この野球部は結構強いのだろうか。明日の新聞を楽しみにするとしよう(17日の新聞によると、市立沼津高校14-19で負けてました(笑))。

 試験は9時開始。冷房が入っていなくて暑いのだが、それ以上に眠気がひどい。さすがに試験日に1時起きはするもんじゃない。一通り解き終わったら40分ほど時間が余ったので、机に顔を突っ伏して寝る。しばらくすると「君大丈夫?どこか具合悪いの?」という試験官の声で目が覚めた。どうやら私に聞いているらしい。「いえ、大丈夫です」と答えておいたがまさか「寝ていました」と答えるわけにもいくまい。おかげで教室中の注目を浴びてしまい、再び机に突っ伏して寝ることができなくなった。ふらふらしながら試験終了を待つ。試験終了後、再び駅まで歩く。今回も迷わずに駅までつくことができた。

 

〜午後〜 岳南鉄道へ

 ただ家に帰るのもつまらないのでどこか未乗の線区はないかと事前に探していたら、岳南鉄道を発見した。ここは93年にダイヤの乱れから泣く泣く乗れなかった経緯がある。三木奇山宅を襲撃したいのもやまやまなのだが、彼は今日不在との事なので仕方有るまい。そんなわけで沼津から東海道線下りに乗って岳南鉄道の起点吉原に行くことにする。少々時間があるので、昼飯を購入。駅弁屋を覗き、1番安い「奥駿河の磯ちらし(580円)を購入。安かったことも購入理由の1つだが、それ以上に「奥」駿河と「磯」という正反対な言葉が並んでいるのにも興味が湧いた。20分ほどで吉原着。岳南鉄道への乗換口は1番前。見るとちょうど電車が出ていってしまったようで、次まで20分ほどある。ベンチで「奥駿河の磯ちらし」を食べつつ時間を潰す。なんのことはない、ただのちらし寿司だった。しかも海老やタコなど磯の食材が多い。私の中の奥駿河のイメージは井川や寸又峡のそれなのだが、違うようだ。よく考えると京都から見た駿河の奥のほうという意味で、静岡東部のこの地域を指すのかもしれない。

 乗換連絡口で往路の切符を渡し、岳南江尾までの切符を購入。硬券だった。片道350円。やがて列車が到着。井の頭線3000系のお下がり、7000系である。3000系を両運転台化しワンマン設備を取り付けたものだ。BOSSコーヒーを飲んで7000系に乗りこむ。初乗り乗車の前面かぶりつき、これは鉄則。客を10人ほど乗せて出発。次の日産前までの間に新幹線をくぐる。次の吉原本町はかなりの町で、アーケード付きの商店街がある。乗車も結構多い。本吉原は岳南鉄道本社がある駅。交換設備があるが、列車交換はしない。駅前にTUTAYAとBOOK OFFが同居した店があり今にも降りたくなったのだが、グッと我慢する。次の岳南原田で列車交換する。吉原出発時と日の入る向きが逆になっている。180度回っていることになる。次の駅は比奈……ってこれは鳩野比奈の比奈ァ?!聖地巡礼地じゃん!三跪九叩頭の礼!!<注:鳩野比奈……F&Cゲームの主にロリキャラ担当声優。「PALETTE」の萌木玉緒や「With You」の鳴瀬真奈美など。あの声は一種の麻薬である(^^;>

 気を取り直して、次の駅は岳南富士岡。車庫があり、古い電車が保存されている。7000系の先代であるアカガエル(元東急5000系)や、アオガエルがそのまんままで置かれっぱなしになっていた。次の須津で客がかなり降りた。残りは4人。神谷と終点岳南江尾の間でまた新幹線をくぐる。新幹線はほぼ1直線だから、これで270度回った事になる。岳南江尾は新幹線のそばに位置する。無人駅で、切符はワンマンの運賃箱に回収される。少し歩くと新幹線の高架をくぐる。富士急バスのバス停を発見。吉原中央行き、沼津行きのバスが走っているようだ。20分ほどの時間をフラフラと過ごし、再び同じ電車に乗り込む。ちなみに運転士も同じである。きっとマニアに見られたに違いない(マニアなので言い返す術もないが)。帰りもかぶりつきの位置に座ったが、比奈で三跪九叩頭の礼をしたのは言うまでもない(笑)。全体的に見て、本数のわりに列車交換可能駅が多かった。しかも構内はかなりの広さがある。これは貨物輸送に対応してのことだと思う。実際のところ工場の専用線を多く見かけたし、吉原などでは電気機関車が止まっていた。

 

〜夕方〜 東海道を上る

 吉原から運良く熱海行の電車に乗れる。沼津で大量乗車、と思ったらそれに合わせてか、前に3両増結。6両でも立ち客がかなりいる。3両だったらとんでもない混雑だったに違いない。その混雑も三島で大量下車し、やや閑散とする。函南という駅はいつか降りたいと思っているのだが、今回もそのチャンスがなかった。熱海到着前に、快速アクティーが停泊しているのを発見。211系の15両か。考慮しておこう。

 この熱海からは幾つか選択肢がある。順に挙げていくと、(1)新幹線を使う、(2)小田原から小田急線、(3)普通電車で帰る、(3')普通のグリーン車に乗る、(4)快速アクティーを使う、(4')アクティーのグリーン車に乗る、(5)特急踊り子を使う、という感じである。乗車券からして(2)は却下できる。また金銭的余裕と旅を楽しみたいという気持ちから(1)も却下。普段から青春18きっぷを使っている身としては、(3)及び(4)はなんとも味気ない。だから普通及び快速で帰るならばグリーン車に乗ろうという気になった。さらに残りの選択肢は、熱海についた時点で決めることにしていた。

 この後の上り列車の発車予定は、15:52発普通、15:56発特急、16:00発快速と3本も控えている。快速は普通を小田原で抜かすようだから、普通は却下して特急か快速に絞る。56分発の踊り子は臨時列車だから空いている可能性は高い。しかし臨時であるがゆえに車両が転換クロスそのまんまという可能性も残っている。その分アクティーはさっき見たように211系15両編成。2階建てグリーン車がついているのも確認した。さらに熱海始発なので座れるだろう。いくらグリーン券を買っても座れなければ意味がない。早目に乗車口に並んでおけばいいだろうということでアクティーグリーン車に決定。上の段落の選択肢でいうなら、(4’)に当たる。そうと決まれば早速行動開始。改札口を出てコンビニを探し、ミニペットを購入。グリーン車に乗るのに旅のお供は必要だ。続いてグリーン券を購入し早速ホームに上がって並ぶ。ちなみに買ったグリーン券は品川まで。東京まで買うと100キロを越えてしまうので料金が跳ね上がってしまうのだ。しかしこの券で東京まで乗ってしまおうという魂胆であるのは言うまでもない(笑)。

 こんなことを考えてしまうのも、ひとえにこれが私が自費で乗る初めてのグリーン車だからである。グリーン車に乗るのは都合3回目。1回目は中央線「あずさ」だが、これは私が幼稚園児のときなので記憶がないに等しい。もちろん金を払ったのは親である。2回目は播但線でのこと。阪神大震災直後のことで、迂回ルートになっていた播但線に臨時快速が設定されていた。その車両がキハ181系だった。車掌に聞くとグリーン開放しているというのでありがたく座ったのである。開放なのでグリーン料金は必要なかった。そして今回である。いかに私がケチケチの旅行をしていたか、おわかりいただけるだろう(^^;。

 まだ52分の普通の到着前だが、早いに越したことはない。日頃の成果か、先頭をゲット。普通特急と去り、アクティーが入線、ドア扱い。もちろん目指すは2階席である。実は昼間の2階席にまだ座った事がない。1回だけ215系に乗った時は男のロマンを求めてしまった(^^;し、個室寝台「ソロ」に乗った時も全て下段だった。2階席の進行方向右側窓際席というこれ以上ない席に座る。混雑度はざっと40%の座りか。最初の停車駅湯河原で人が乗ってくるが、いい席は全て占領されている。やはり始発から乗るのが鉄則だ。根府川付近では右側に太平洋が映える。進行方向右側に座った理由はもちろんこれである。これを見ないと東海道線に乗っている感じがしない。小田原で先程の普通を追い越す。グリーン車にも人が乗ってくる。しかしまだ隣は空いている。平塚でもう一本普通を追い越す。さすがにここからグリーン車には乗って来ないだろうと思ったが、乗ってきた。しかも私の席の隣に座ってしまう。横浜からが降車圏らしく、横浜で人が結構降りた。川崎の次はいよいよ品川。当初は東京まで行ってしまうつもりだったが、車掌がさっきから頻繁にチェックしにくるので品川で下車することにする。たかだか7キロ乗り過ごして追加料金700円を取られたのではかなわない。品川からは京浜東北線。上野で常磐線に乗りかえるが、さすが休日、こんな時間でも席はまだまだ空いていた。(了)


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