碧ヶ淵 〜夜伽の村のお嫁様〜
２００４年１月３０日発売 発売ブランド：ネル
全体的な感想
夜這い愛好者対応田舎系エロエロＡＤＶなんだそうです。商魂たくましいというか世も末というか
購入動機
このゲームの購入動機をパーセンテージで表すと、以下のような感じですか
田舎系……１％（べつにどうでもいい）
夜這い……１％（これもそういう趣味はない。夜這われるなら話は別だが）
キャスティングされた声優さん……３３％
タイトルの１文字目……６５％
もうね、廃人同然ですな俺。碧の文字だけで反応してしまうなんて。でもタイトルでいかに人を惹きつけられるかってのは重要だと思うのですよ。私だって碧って文字に惹かれてメーカーホームページ見てキャスティング見て購入決めたわけで。これが「緑ヶ淵」だったらホームページを見ることがなかったと思います。たぶん本来の購買層から全くかけ離れた人間だと思ってます
なんか物凄い言い訳じみてますか俺
お話のはじまり
医大生の主人公三上辰雄（名前変更不可）は、ゲーム冒頭でいきなり母を亡くします。そこに現れたのは喪服姿の姉妹。綾乃と梓と名乗った姉妹は、主人公がずっと前に死んだと思っていた主人公の父親がつい先ごろ死亡し、父親が当主を務めていた碧沢村にきてほしいと告げる。天涯孤独になった辰雄は翌日、望郷の思いから彼女らと碧沢村へ行くことに。村へ帰ってみれば辰雄が当主の座を継ぐ事が決まっており、婆さんからまずは花嫁を選びなさいと言われます。花嫁候補は梓を含めてついさっき会ったばかりの３人。決められるわけがないので、身体の相性を知るためにも彼女ら３人を夜這いして花嫁候補を決めることになったのです。
物凄く端折ってますが、これでもオープニング２時間弱を凝縮しています。ちなみに当主である本家の名字が「御来屋（ミクリヤ）」（三上は母方の名前なのだろう）、花嫁候補がいる３つの分家が「御島」「御國」「御園」となっていて全部「御」の字が冠してあって最初のうちはややこしいことこの上ないです。
キャラクター
御島せり（みしま せり） ＣＶ草柳順子
碧沢生まれ＆育ちの総天然田舎娘。家の畑で栽培しているトマトが大好き。いちおうパッケージの前面に押し出されていてメインなのかなーと思わせます。
他の２人に比べると「ろ」系。田舎っぽさを武器にして辰雄に迫ってきます。麦藁帽子とツインテールがチャームポイント。
ＣＶの人はＰｉａ３の朱美さんの中の人なわけですが、非常に可愛らしく演じております。年下系の声ではこの人が一番好きですな
御國梓（みくに あずさ） ＣＶ青山ゆかり
碧沢生まれ＆育ちだが、こちらは幼少のときより御来屋当主の許婚となるよう大切に育てられてきた大和撫子。
基本的に着衣は和服。黒髪ロングなのは言うまでもない。躾けられてきただけあって一通りの花嫁修業はこなせる。
ＣＶの人はお世話になりっぱなしの人です。こういう落ち着いた声も好きですが、この人の魅力はやはり美月のような元気娘かと。
惣流・アスカ・ラングレー
御園・アンリエッタ・ローゼンバーグ ＣＶ鷹月さくら
ドイツ人の父と御園家の母との間に生まれた自称ダブル（ハーフと言うと殴られる）。ずっとドイツ暮らしだったが花嫁候補のため緊急帰国。
通称「アンリ」。当然金髪碧眼。ナイスバディな勝気娘ですが、当然丸くなってくるわけです。
ＣＶの人は天いなのしーちゃんで初めて聞いたのですが、この人にツンデレを演じさせれば世界一だと個人的に思ってます。今罵倒されたい声優第１位。
沢渡なずな（さわたり なずな） ＣＶ野神奈々
御来屋家で働いているメイドさん。ドジっ娘小動物系。
ちなみに碧髪で碧眼です。碧に溢れてます。
ドジながらなぜ解雇されずに働いてこれたかというと、先代の特別なお目こぼしがあった模様。そういう関係じゃないと思いますが
御國綾乃（みくに あやの） ＣＶ白井綾乃
梓の姉。妖艶さを持つ大人の女性。御國家の人間ながら御園家にも出入りしていたりと、さまざまな動きを見せる。
梓をしっかりと躾させた張本人。
ところでＣＶの人と下の名前が同じなんですが……名前テキトーに付けてますか？
あとサブキャラとして御来屋のばあちゃんとか御園家の分家統領なんかがいますがああどうでもいいですか。でもばあちゃんは意外に良いキャラでした。
アンリはドイツ人とのダブルという設定なので、１ｓｔプレイ中などはプロローグ部分に独逸語を喋ってくれまして意味を確かめようとして慌てて５年間埃にまみれていた独和辞典などを引っ張り出してきたのですが、そういえば単語そのものずばりが辞典に載っているって独逸語では稀な話だったっけ（男性形女性形のような語尾の格変化があるので、どこまでがその単語なのか分かりにくい）。まあ単語分からなくてもなんとか大丈夫だろうと思ってたら、本編に入ったら独逸語全く喋らなくなりました。
そういえば辰雄君、医大生じゃないか。医学部だったら独逸語必須科目のはずなのに、ゲーム中ではなんでワカランとかぬかすんだ
ＢＧＭ、オープニング
ゲームタイトルにもなっているオープニング曲「碧ヶ淵」はなかなかいい曲です。サビなどは印象深くて手早く覚えることができます。サウンドモードで聞くことができまして、これがＣＤトラックとして入っていれば言うことなかったのですが残念ながらそんなことはなく。
曲に沿って流れるＯＰムービーもなかなか。ＣＧ使ったりして「頑張ってるじゃないか」と思わせる出来です。ただこのムービーを鑑賞するモードがないのが残念。実際にこのムービーが流れるのはプロローグ部分中盤、つまり碧沢村への出立を決めてからとなるので、この直前でセーブしていない限りさくっとムービーを見ることが出来ません。
でその後の調査でこのＯＰ曲とそのムービーがメーカー通販で頂けるスペシャルＣＤにコンテンツとして入っていることが判明。中古屋さんなどで実際にパッケージなどを見て購入を決める人間にとって、メーカー通販なんて危険な賭けはめったにしないので悔やむことしきりです。ブロードバンドではないこともあってデモや体験版は落とさないのですが、これだけの出来だったらスペシャルＣＤは欲しかったかも
（追記：メーカーホームページより情報を得て主題歌着うたをダウンロード済）
システム
セーブ箇所は多すぎるとも思える９９箇所でそれとは別にクイックセーブも可能。セーブするときに自分なりのメモを残すことができるのは好感触。メーカー側がつけたシーンタイトルも同時に登録されるので、ユーザー側にとってはダブルで分かりやすい。一定期間をおいたあとでもメモやシーンタイトルでどこら辺のセーブデータか分かるわけで。
いろいろな設定も変更可能で至れり尽くせり。音声設定は男声と女声でオンオフが決められ、効果音設定では「フェラ音」「射精音」「キス・舐め音」「挿入音」「打ちつけ音」がそれぞれオンオフ設定できます。
さらにさらに、射精選択なる設定も可能。例えば挿入時に中に出すか外に出すか、フェラのときに口に出すか顔に掛けるか、そういった選択を選択肢を表示させるか既にどちらか一方に決めてしまうかという設定です……なんつーおバカな。
シナリオ
期間はプロローグを除いて７日間。最初の３日間で各候補の家に夜這いに順番に行き、後半４日間は誰の家に行くか選択できます。また、後半では夜這いをしない選択もできます。この後半４日間で誰かの家に通いつめれば通常ルート、全く誰の家にも行かず引き篭っていればトゥルールートに行きます。通常ルートと言ったって各個人ルートごとの分岐はほとんどなく、最終日の選択でヒロインが決まる感じです。つまり終盤まで一本道です。なので４日目時点でセーブしてその後は誰かのエンディングを見れば、２周目以降の昼はそのまんますっ飛ばしてもＯＫなのですが、時間のない社会人にとってはこういう分岐のほうがありがたい一面もあります。
じゃあこのゲームは都合７回しかＨシーンがないのかと言うとそうではなく、昼間に突発的にＨシーンに入ったりします。「田舎は性に大しておおらか」だからだそうなんですが、いきなり水車に引っ張り込むとか神社の中とか屋敷内はだエプとかはどうなんでしょう。ちなみに夜は夜這いだけではなく夜這われるほうもあったりしますので自分的には満足です。
各ヒロインにもグッドエンドバッドエンドがありますが、これも最後の選択肢がそれとわかる作りになっているので簡単というよりありがたい。ちなみにバッドは選ばれなかったヒロインが云々というものですが、これだってパッケージに「そして、花嫁に選ばれなかったヒロインを襲う恐ろしい因習とは？！」と書いてあってその真上に輪姦のＣＧがあったら余程のおバカでもない限りどんなことになるのかわかるってもんです。
トゥルールートはヒロインルートとは違った趣を見せ、碧沢村の更なる陰部が明らかになってきます。もともとこの村は媚薬（のようなもの）で商売することによって古くから生きてこれたのですが、それ以外に村の特産品がもう１つあったという設定です。面白かったと思いますがややシリアス方面に走っているので、エロ目的の人には評判はよくないかもしれません。私は別にエロ目的ならヒロインルートに入っていけばいいと思っていたので気になりませんでしたが
結論として、エロとシリアスが程よくミックスされた作品であると言えます。もちろんトゥルールートだってサブキャラ２人のＨシーンもあったりするのでシリアス一辺倒ではないし、エロのなかには輪姦もあってそういうのが苦手な人もいるでしょう。ただ、輪姦は選択肢によって回避できるので困ることもないかと思います。少なくとも声と漢字目当てで買った自分にとっては「案外」楽しめた作品でした。
最後に
男キャラ声オフにしておきながらあるシーンで声がオンになってしまうのはどうかと思った。修正ファイルは出ているみたいですが
個人的且つ主観的評価
キャラクター：８２点
シナリオ：８０点
サウンド：７８点
システム：８２点
総合：８１点
（最終更新２００４，５，５）