読書感想文「高天原なリアル」


ピンポンパンポーン。
この本をお読みになる前に「ときめきメモリアル(PS版)」をプレーしてハマって下さい。
さうすればあなたもこの小説の登場人物の一員(その他大勢ですが)になれるでしょう。

はいこんばんわ。ギャルゲーマーどろっぷです(笑)。今回感想を書く「高天原なリアル」はオタク官僚様のページで紹介されており、なかなか感想が面白そうに感じたので緊縮財政でありながら買ってみようと思い立ちました。

 

購入まで

オタク官僚様から、作者:霜越かほる、出版社:集英社スーパーファンタジー文庫、という2つの情報を得て買いに出かけました。集英社スーパーファンタジー文庫(以下SF文庫)というのは昔本屋でバイトしていた関係で名前だけは知っていたのですが、「どうせ富士見ファンタジアの集英社版だろう」と思っていたら、これが大間違い。詳しくは後述

ところが、まず本探しが一苦労。まず御茶ノ水の丸善。ここは当然ありません。次に線路沿いに歩いて水道橋の旭屋。個人的にはあると思ったのですが、SF文庫からありませんでした。仕方なく神保町に下って書泉グランデへ。ここではSF文庫を発見。ただ発見した場所が悪かった。だって角川ルビー文庫とか講談社X文庫とかの近くで発見しちゃったもんで。「ひょっとして問題の本もそっち系の本なのか?俺も遂にやおいデビューか?」などと思ってしまいましたが、肝心の「高天原〜」は店頭に無く、店を後にしました。次は「絶対にある」という確信があった書泉ブックマートですが、なぜかSF文庫を見つけられず。仕方なく「まず無いだろう」と思って入った三省堂神田本店に問題の本があったときは、「人生こんなもんだよなあ」とか思ってしまいました。さて、ここで気になるのが表紙。バリバリそっち系の絵だったらどうしようとか思いましたがそんなこともなく、無事にレジに持っていくことができました。あとで見ると、イラストはいしかわじゅんさんでした。この時点で、俺のお尻の危機は免れたなと確信しましたね(笑)

 

ストーリー概略

主人公は大きく見ると2人います。1人目は女子高生毒島(ぶすじま)かれん。たぶんこちらがメインの主人公です。彼女は幼くして父を亡くし、母親と2人で暮らしています。母子家庭ゆえの貧乏さから携帯やルーズソックスもなく、そういう意味では「あまり普通でない女の子」ですね(笑)。ただ彼女が普通の女子高生と違っている最大の点は、母親(42才)が「24色のパステルくらいの声色を持つプロの声優」であるということ。母親の芸名は二階堂弥生といいますが、そんなことはどうでもいいです。ある日母親がいつもよりも分厚い台本を持って帰ってきました。母親もよくわからない役のようです。なんでも女子高生になりきって同級生の男の子と会話していると思って演じるそうです。この辺りでイヤ〜な予感が頭を掠めました(笑)

もう1人の主人公は、ゲーム会社「ビッグ・ウエイブ」第4開発課勤務の神代(くましろ)美代子。社命により外注でゲームを開発することになったのですが、その会社は普段エロゲーを作っている会社だった。もちろん家庭用ゲーム機には出せないので、企画していたエロゲーからエロの要素を取っ払い、純愛シミュレーションとして世に出すことになりました。

ここまで読んでピンと来たあなた、鋭いです(笑)。たぶん予想通りの展開が待っているでしょう(大笑)。

というわけで、かれんの母親がヒロイン「高天原かほり」を演じた純愛シミュレーションゲーム「高千穂学園」は、大方の予想を裏切り爆発的なヒットを記録したのでした。早くも次世代ゲーム機への移植の話が持ち上がります。PCエンジンで出されたと○メモがPSで出されるようなものですね。

ところが問題になったのが、声優さん。ヒロインの声を演じていたのが42才のおばちゃんだった、なんてことが知れたらゲームのイメージダウンに繋がりかねない。PCエンジン版の藤○詩織の声が金○真美さんではなく実は42才のおばちゃんだったら、皆さんどうします?なぜかこのお母さん、ゲームには二階堂弥生とは別の芸名で出ていたんです。その名前がなんと「ぶすじまかれん」。ここで娘であるかれんに白羽の矢が立ったのでした。幸いかれんの声が母親と似ていたため、「高千穂学園2」のアフレコから極秘裏に声優さんが娘に変わることになったのです。

こうしてかれんは女子高生でありながら高天原かほりを演じる声優として、かほりの分身として、かほりの付属品として業界に入っていくことになります。マネージャーになった神代美代子と大手広告代理店の木戸という男のもと、ラジオのパーソナリティーを努め(かほりの名前で)、続編ゲームの主題歌を歌い(かほりの名前で)、さらにはイベントでその姿をさらします。一方かほりもゲームの世界を離れて1人歩きし、骨髄バンクのポスターに出たり、政府広報のポスターに出たりします。人気絶頂のかほりですが、その人気はどこまで続くのか?そしてかれんの運命やいかに?(ベタ)

 

テキストとイラスト

全部で23章からなります。両主人公の視点からものが書かれます。具体的には、奇数章がかれん、偶数章が美代子の視点で書かれています。交互になっていることが判れば、それほど読み辛くはありませんでした。特に難しい表現もなかったと思います。

イラストは前述の通りいしかわじゅんさんですが、数は少なめです。

 

読後の感想

読後も何も読んでる最中から笑いを噛み殺すのに大変でした(電車の中とかで読んでいたので)。もし家で読んでいたら1日中笑い転げていたでしょう。なんで面白いかっていうと、やっぱり私が昔ときメモにハマったからでしょうね。特にグッズに群がるオタクどもに対しては一種の共鳴感すら抱いてしまいました。(このあたりは自虐的な笑いすら)

お話的には思いっきりと○メモをパクっています。旧機種は8ビット、「高千穂学園2」が出る新機種は32ビットになっていますし。ただ新機種にはモデムを買うとインターネットに接続できるって機能がついており、このあたりはドリームキャストが入っている感じです。元ネタで笑わせつつ、とんでもない方向に走っていく「高千穂学園」は読んでいて面白かったです。

困ったことに、読んでいる内に自分の中で、「高天原かほり」と「毒島かれん」はこんなキャラクターだろう、という一種の妄想が出てきてしまったのです(笑)。イメージ的には「RoomWithRina」の原画さんが新しく出したゲームのキャラクター(タイトル忘れた。昨日ソフマップでみたのになー)みたいな感じで。この手のゲームを三年も嗜んでいるとこんな特技も出来てしまうんですねー。

また、クライマックスからエンディングに至る過程は一部すっきりしないながらもサクサクと進み、エンディングでクライマックスの謎が明かされるくだりはなかなか良い感じでした。一応のハッピーエンディングなので読後感も良いです。

ちょっと残念に思ったのは、悪役の人の狙いが弱かったこととかれんの日常生活、特に学校生活があまり書かれなかったということでしょうか。クラスメイトがギャルゲーのヒロインを演じていると知った野郎どもの変化とか見たかったですが。

全体として、ギャルゲーマーならば1度読むことをお勧めします。あとは最近神経質になっているコ○ミから訴訟されないことを祈るのみ(笑)

 

最後に

この本が電撃文庫あたりで出ていたら、もっと話題になっていたに違いない(笑)


かほり:今日はとっても楽しかった。また今度誘ってね