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合成清酒

歴史

 合成酒は、昭和15年の酒税法の改正にともない制定された酒類です。戦前の

日本では、米余りの今と異なりお米が不足する時代であり、清酒製造に振り向け

られるお米は制限されていました。特に不作の年は、米価が急騰し国民を苦しめ

た時代でありました。

 大正7年には、富山県下に端を発した米騒動が全国各地に起こりました。この

ような状況から米を使わない清酒の製造法の研究がはじまりました。

 鈴木梅太郎博士が全く米を使わないで酒を合成する研究を行い、糖液にアラニ

ソ等のアミノ酸を加え酵母で発酵させると、清酒に類似した芳香が生じることを

見いだして特許をとりました。この成果を基に、大正10年理化学研究所が「理研

酒」の製造を始めたのが合成酒の始まりです。

 その後、この「理研酒」の製造法の他にいろいろな製造法が研究されました。

昭和15年に合成清酒が税法上認められると、合成清酒を製造する酒造会社が多数

出てきました。

 合成清酒の製成数量の推移を調べると、昭和15年には59kLでしたが、戦中、

戦後の米不足を反映し、合成酒酒の製成数量は飛躍的に増加し、昭和35年には11

3kLと最高を記録しました。しかし経済の発展と清酒の増産の影響で、その

後合成清酒の生産は減少し、現在では年間絢2kL程度の生産となっています。

 合成清酒の品質は、戦中から戦後の数年間は、諸原料が粗悪であった上に量も

不足気味であり、あまりよくありませんでしたが、次第にアルコールを初めとす

るぶどう糖、水飴、コハク酸、乳酸等の品質が良くなり、また昭和26年には米で

「香味液」と呼ぶ酒を造って加えることが認められたので、合成清酒の品質は急

速に改善されました。現在では、このような技術の進歩により、その香味は大変

活酒に近いものになっています。特に最近は清酒が端麗なタイプになってきまし

たので、きき酒で清酒と見分けるのが難しい合成酒酒も販売されています。

 

原料

 合成清酒の原料は、酒税法、酒税法施行令、酒税法施行鋭則および酒税法基本

通達で定められていますが、簡単に整理しますと以下のようになります。

アルコール: 原料用アルコール

酒   類: 清酒、しょうちゅう

糖   類: ぶどう糖、水飴、でんぷん質分解物

穀   類: 米、麦、あわ等

アミノ酸類: グルタミン酸ソーダ、グルシソ、アラニン等

酸   類: 乳酸、コハク酸、クェン酸等

無機塩類 : 食塩酸性燐酸カルシウム等

粘ちょう剤: グリセリン、デキストリン等

そ の 他: タンパク質、色素、香料、酒顆の粕、ビタミ

ン類、核酸分解物など

以上のように、合成清酒の原料は、天然物に由来する物品と、食品添加物とし

て認められている物品が使用できます。米の使用量については、厳しい制限があ

ります。米の使用量は、アルコール分20%の合成清酒の重量の5%を越えては

ならないことになっています。

 

製造法

 合成清酒の製造法は、前述のようにいろいろな方法が研究され、各社によって

その製造法は異なっているものと思われます。大別すると次のようになります。

1)純合成法

 アルコール又はしょうちゅうに糖類や酸類等の各種の原料を混合して、清酒の、

成分に近いものとし、香味、色沢を活酒に類似させる製造法。

2)醸造物混和法

 アルコール又はしょうちゅうに清酒と同じような芳香と濃味をつけるため、清

酒すい又は清酒粕など醸造物と、その他の調味原料を混和する製造法。

3)発酵法

 清酒粕、みりん粕、砕米、白糠、ぶどう糖その他の糖類、でんぷん質物分解物、

タソパク質もしくはその分解物、酸類、塩類、色素又は香料等の単独物、又はこ

れらの混合物を発酵させて、清酒類似の香味を生成させ、これにアルコールを添

加して製造するもの。

 現在は、醸造物混和法、発酵法が一般的に使われています。

保存・管理のポイント

 清酒と同じく、光に当てたり、温度の高い所に長く保管しますと、品質が劣化

します。

 直射日光に当たりますと、日光臭と呼ばれる独特の香りが付きます。

 保管温度が高いと、着色の増加が著しく、老香と呼ばれる独特の香りが付いて、

さらに味も雑味が増加し、品質が劣化します。

 閑栓後は、空気による酸化反応も進み劣化が起こりますので、なるべく速く飲

酒するようにします。長くなる場合は、冷蔵庫で保管し、品質の劣化を防ぐこと

が必要です。

利き酒のポイント

 清酒と同じです。香味のバランスが品質の良否のポイントになります。    

 合成清酒は、清酒のように発酵によって生成する種々の物質が不足するため、

緩衡態が少ないことが観察されます。従って、きき酒で合成清酒と清酒をき

き分けるポイントは酸味によるシュウレソ性の有無になります

 

味醂

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歴史(味醂)

 みりんが造られるようになったのは室町時代以降と考えられています。みりん

は原料にしょうちゅうを使いますから、しょうちゅうが普及してから製造が始

まった日本独特の酒です。

 それ以前には、清酒にもち蒸米や麹を仕込んで甘口の酒を造る方法がありまし

た。できた酒は練酒(ねりざけ)などと呼ばれて貴重品でしたが、アルコール度

数が低いため変敗し易かったと思われます。その後清酒の代わりにアルコール度

数の高いしょうちゅうを使う方法が工夫され、保存性の良い、甘味の強いみりん

ができるようになりました。

 江戸時代に入ると甘口の酒として広く飲まれるようになりました。初めは甘口

のしょうちゅうといったものでしたが、次第に糖分が多くなって現在のみりんの

タイプに変わってきました。

 それと同時に料理に使われるようになり、江戸時代後期には本格的になりまし

た。特に関東地方では好まれ、そばのつゆ、うなぎのたれ等になくてはならない

ものになりました。明治以降、調味料としての使用がさらに普及し、現在では家

庭でも広く使われています。

 

原料(味醂)

みりんの原料は、うるち米で造った麹と、掛け米に使うもち米、しょうちゅう

(又はアルコール)が本来の原料です。酒税法ではこの他副原料の使用が認めら

れています。もち米は、うるち米より高価ですが、みりん酵のような初めからア

ルコール分が

20%以上も存在する状態では、うるち米は麹の澱粉分解酵素によっ

て溶解・糖化されにくいため、溶解・糖化の良いもち米が使われます。

 みりん麹は、うるち米を原料として一般に黄麹菌を種麹として造られます。み

りん麹の酵素は清酒麹に比べてα一アミラーゼ活性が

2倍くらい多く、蛋白分解

酵素は

10倍程度高いという特徴があります。このためもち米の澱粉、タンパク質

が分解され、糖類、アミノ酸、香気成分などが生成し、みりんの風味を造ります。

 焼酎は、仕込み直後のモロミのアルコール分を高め、腐造乳酸菌が繁殖するのを防

ぐことが大きな役割ですが、香りの形成にも役だっています。焼酎には、甲類と

乙類があり、本みりんの原料は一般的に甲類が使われます。乙類(本格焼酎)を

使うと香味が複雑になります。焼酎は、アルコール度数

3540%程度のものを使

いますが、仕込み直後のアルコール分は

20%以上となり、腐造乳酸菌の繁殖を防

ぎます。

 

製造法

 麹は、精米歩合

8085%位のうるち米を使い、蒸米とした後に種麹菌を添加し、

清酒とほぼ同じ方法で造ります。種麹菌は、みりん用のものを使います。

 掛米は、精米歩合

8085%位のもち米を使い、洗米、捏潰の後蒸しますが、大

部分の工場では圧力をかけて蒸す方法を採用しています。みりんを料理に使う時

に煮切りを行いますが、この際に濁りが生じることがあります。圧力をかけて蒸

すことにより蒸米蛋白が変性しますので、このような煮切り混濁を防ぐことが出来

ます。

 

仕込配合の一例は、次のとおりです。

もち米 2500 kg

麹米(うるち米) 500 kg

40%アルコール l800L 

(しょうちゅう)

  みりんの場合の麹歩合は、もち米に対する麹米の割合で表しますので、この仕

込み配合では麹歩合は

20%となります。また清酒の汲水歩合に相当する原料米の

重量に対するアルコールの容量の割合をアルコール歩合といいますが、この仕込

み配合では、アルコール歩合は

60%ということになります。仕込みは、40%アル

コールを汲んだ仕込みタンクに、麹ともち蒸米を撹拝しながら加え、仕込み温度

2530℃に仕込みます。

 この温度で

4060日間モロミを熟成させます。この熟成期間中に麹の酵素によって

もち蒸米が酵素分解されます。モロミでは熟成と共にもち蒸米の澱粉や蛋白質が酵素

で分解されボーメが増加します。また熟成にともなって液分が増加するため、ア

ルコール分が少しずつ低下してきます。熟成の初期は

20%以上のアルコール分の

存在で、酵母による発酵や腐造乳酸菌による腐造を防ぎ、モロミの後期は高い糖浪度

とアルコール分(約

14%)の相乗効果で腐造を防ぐことになります。またいろいろ

なオリゴ糖やペプチド、アミノ酸が生成し、香気成分も化学的な反応によって生

成し、みりん独特の風味が形成されます。

 モロミが熟成すると圧搾機でしぼって固液分離を行います。みりんモロミは清酒モロミに比

べてエキス分が

40%以上と非常に濃厚なため、この圧搾機による囲液分離は時間

のかかる作業です。その後滓引き、濾過、調合、火入れを行い、タンクで貯蔵しま

す。瓶詰めの段階でも熱殺菌を行います。みりん粕は、濃厚な液分を含むため、漬

物に使われる他、こぼれ梅といいて食用にする地方もあります。

 

分類

 みりんは、税法上「本みりん」と「本直し」に分けられます。

 

1)本みりん

 エキス分

16度以上のみりんで一般にみりんというのは、本みりんのことです。

市販のものは、アルコール度数

14度前後、エキス分4548度前後で非常に甘く、主

に調味料として使われます。みりんの一般成分は副原料の使用の程度によってか

なり異なりますが以下のような蹟度です。

 

  ボーメ     1920 度

  アルコール   135144 %

  糖分      3742 %

  エキス分     4548 度

 酸度      03 前後

 アミノ酸度   16 前後

 

2)本直し

 本直しは、本みりん又はそのモロミに、焼酎又はアルコールを加えて糖分を適度に

薄めて飲み易くしたものです。柳蔭、直しなどと呼ばれ、江戸時代や戦後間もな

いころは大変人気がありました。最近は他の酒類に押されて、ほとんど姿を消し

てしまった感があります。本直しの一般成分は以下のようです。

  ボーメ    

  2 度

  アルコール分 

  22 %

糖分 8-10

エキス分 9-11

アミノ酸度 0.4

 

甘味果実酒.4                                                                                  TOPへ戻る

 生成酒または醸造途上の果モロミに、ブランデー、グレープ・スピリッツを添加し、

アルコール分を

1522%としたものです。甘口のものはデザートワインとして、

辛口のものはアペリティフとして飲用されます。

1)シェリーSherry

 スペイン・へレス地方の特殊な製法による白ワインです。色調は黄色から褐色

まで、辛口から甘口まで各種のタイプがあ′ります。グレープ・スピリッツを添加

してアルコール分を約

18度まで上昇させます。原料ぶどう品種の大半はパラミノ

種と、ペドロ・ヒメネス種です。その製法からフィノの系統とオロロソの系統に

大別されます。

 フィノ系のシェリーである「フィノ」と「アモソテイヤード」が高級酒とされ

ます。以下に古典的なシェリー醸造法を記します。

フィノ 

Fino

 シェリー酵母が貯蔵中のワイン表面に薄い皮膜をつくって、独特な香味が付い

たものです。

 主原料はパロミノ種で糖分は

25%くらいになります。一日天日乾焼して軽く

搾った果汁に石膏を加え、樽の中で発酵させます。生成ワインの中で酒質良好で、

アルコール分が

14145%であるものを(足りない場合はグレープ・スピリッツ

 で補強します)ソレラ・システムを組ん だ上段の檜に

4分の3ほど入れ、ワイン

 の表面にシェリー酵母の皮膜を形成させ ます。 これをフロール(花を咲かせる)

 といいます。皮膜が形成されるにしたがい、独特なフロール香が生成し、色も薄

 くなります。フィノとは色が薄いという意味です。これにグレープ・スピリッツ

を加えて

1820%にして、時には果汁を加えて甘味を調節して製品とします。

 ソレラシステムと呼ばれる貯蔵方法は数十個の樽を

1組とし、34段に積み

重ね、いずれの樽にもワインを

4分の3ほど入れておきます。フロールの半年か

1年ぐらいの新しいワインができたら、一番下の樽から4分の1ほど出して移動、

一番上の樽に新しいワインを入れます。どの樽にもシェリ−酵母の皮膜がはいって

おり、この皮膜をこわさないように静かに移動します。

アモンチラード 

Amontillado

 フィノと同様な製法をとります。製品化の際は、グレープ・スピリッツを補給

してアルコール分を

18%くらいに、また甘味を調整して卵白による清澄処理など

を行ってびん詰めします。アモンチラードはフィノよりも濃色で甘味がある濃醇

な酒でしたが、最近は辛口のタイプが多くなりました。

オロロソ 

010rOSO

 原料ぶどうを天日乾燥させて糖分を高めたのち、搾って発酵させます。アル

コールが

15%程度でた頃に、グレープ・スピリッツと天日乾操のペドロヒメネス

種の果汁が加えられ、アルコール分を

1820%にして、熟成は樽詰めで行われ

ます。が、ソレラによる場合もあります。オロロソには辛口と甘口があり、色は濃

い。以上のようにオロロソはシェリー酵母のフロールをはやさないで造られます。

 なお、フィノとオロロソをブレンドして甘味を付けた濃厚なシェリーにクリー

ムシェリーがあります。また、オロロソの製造途中で区分けして上等でないもの

はアモロソと称し、料理用に使われます。

2)ポート Port

 ポルトガルのドウロ河上流域で造られ、下流のオボルト港で貯蔵・熟成してから

出荷される、アルコール分が

1920度、糖分が1015%の甘口が主体のデザート

ワインです。最近は辛口のものに人気が移行しています。

10

数種の黒系ぶどう果を赤ワインの仕込み方法で混醸します。残糖分が10%に

なった時点でグレープ・スピリッツを添加して、果モロミのアルコール分を

18%位ま

で上昇させると、ワイン酵母はアルコール耐性が低いので、果モロミの発酵は停止し

ます。圧搾後、滓引き、樽貯蔵し、翌春、オボルト港の貯蔵庫に運び熟成させます。

熟成の方法によって、いくつかのタイプに分かれます。

 

ホワイト・ポート White Port

 白系ぶどう果を原料としたもので、黄金色をしています。

 

ルビー・ポート Ruby Port

 比較的若いポートやホワイト・ポートを調合したもので、ルビー色をした普及

品のポートです。びん詰前に樽で数年間熟成させます。

 

タウニー・ポート Tawny Port

 ホワイト・ポートとルビー・ポートを調合した普及品と得で

10年以上熟成させ

た高級品とがあります。新酒のときの赤い色が退色して黄裾色〜褐色となってい

ます。

 

ヴインテージ・ポート Vintage Port

 作柄の良い年のぶどうだけで醸造した高級品です。なお、ヴインテージ・ポー

トを

1015年間樽熟成させたものはレイト・ボトルド・ゲイソテージLate bott

ed Vintage

と表示することができます。

 

3)マデイラ Madeira

 大西洋上のポルトガル領マデイラ島で造られ、辛口から甘口まで、その製法に

より

4つのタイプがあります。甘口のものはポートと同じ製法です。洋引き、清

澄したワインを

23kL容の大樽に詰めた後、貯蔵室の温度を役々に上げ、最終

的に

50℃程度として1カ月貯蔵します。その後、常温でゆっくりと品温を降下さ

せ、濾過、びん詰を行います。本来、ワインに存在することが否定される、加温

によって生じた「老ね香」を、逆に商品の特性香としたものです。

 マデイラの主要原料ぶどう

4品種間での調合が行われることはなく、原料ぶど

う品種名がそのままマデイラのタイプ名として用いられ、辛口のセルシアル

Sercial

、やや辛口のヴェルデリヨVerde1ho、やや甘口のボアルBual、甘口のマー

ムジー

Malmseyに大別されています。

4)マルサラ Marsala

 イタリアのシチーリア島の西端にマルサラの町があります。この町で造られる

酒精強化ワインをマルサラといいます。暗色の甘口のデザートワインです。

5)マラガMalaga

 スペインの地中海岸にマラガがあります。ここでつくられている酒精強化ワイ

ンがマラガで、ペドロ・ヒメネスやムスカテルを原料ぶどうとした濃厚な甘い暗

色のデザートワインです。

フレーバード・ワイン

 ワインに草根木皮を投法したり、蜂蜜、糖類、香料、グレープ・スピリッツ、ブ

ランデー等を添加したもので、炭酸ガスを含有するものもあります。

 

1

)ベルモット

 イタリアとフランスが主産地です。前者は北イタリア、ピエモソテ地方のトリ

ノの町が中心で、後者は南フランスのアゲイニヨンからマルセイユにいたる地域

から産出されます。イタリアのものは濃色甘口ですが、フランス産は淡色辛口で

す。ワインにいろいろな草根木皮を浸潰し、それらの成分をワイン中に浸出させ

たものです。草根木皮としては、アニス、肉桂、ういきょう、キナ、丁字など

20種類以

上のものが用いられています。アルコール分は

1420度です。

 

2)スイート・ワイン

 ワインにアルコール、糖類、蜂蜜、香料、色素、水等を加えてつくったもので

す。米国では、若者を中心にこのタイプのものの消費が伸びました。日本でも、

ワインというとスイートワインを連想する高齢者の人が少なくありません。

 

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スピリッツの定義

 「スピリッツ」.という言葉は、多様な使われ方をしていますので、注意が必要

です。広義の「スピリッツ」は、ウイスキーやブランデーを含んだ蒸留酒全体を

指す言葉です。

 英語で“

WineandSpirits,,という表現を使いますが、この場合はまさにこの

広義のスピリッツの意味です。日本の酒税法では、ウイスキー、ブランデーおよ

びしょうちゅうを除いた蒸留酒を指す意味で使われています。

 なお、原料用アルコール(アルコール分

45度をこえるしょうちゅう)とスピ

リッツを合わせて「スピリッツ類」とよんでいます。

 

スピリッツの歴史

 スピリッツをつくるには、まず様々な穀類原料や糖質原料を発酵させた発酵液

をつくります。たとえば大麦を原料としたビール類似のもの、果実を原料とした

ワイン類似の発酵液などです。これらの発酵液のアルコール分だけを蒸留という

操作で分離して、アルコール度数の高い酒にしたものが蒸留酒、つまりスピリッ

ツです。この蒸留という技術は中世において錬金術師たちがつくったものです。

錬金術師たちは、この蒸留という科学的操作により様々な試みを行いました。蒸

留酒は、その連金術の試みの中で偶然に生まれた酒です。蒸留酒の第一号は、南

欧でワインを蒸留したブランデーであり、次いでこの蒸留技術が北上して毎を渡り

アイルランドに伝わりビールを蒸留したウイスキーが生まれました。またこの蒸

留技術が東進してロシアに伝わりウォッカが誕生し、更にインドに伝わりアラッ

クが生まれ、タイから琉球に伝わり泡盛や焼酎が生まれました。また西インド諸

島では、さとうきびを原料としてラムがつくられ、メキシコでは竜舌蘭を利用し

てテキーラが生まれました。

 欧州大陸では、南欧から西欧諸国に蒸留技術が伝わり、オランダではジンとい

う香りつきのお酒が生まれました。北欧では、ドイツから輸入したワインを蒸留

してアクアヴィットが生まれ、後にワインが輸入できなくなると寒冷地に強い馬

鈴薯(じゃがいも)を原料としてアクアゲイットが生産されるようになりました。

 以上のように、蒸留酒の歴史は蒸留技術の伝播の歴史でもあります。蒸留技術

が伝わっていく先々で、その土地の特産物を利用して、様々なスピリッツが生ま

れました。

 以下に、代表的なスピリッツであるウォッカ、ジン、ラム、テキーラ、アクア

ゲイットについて説明します。

 

ウォッカ 

 ロシア生まれの蒸留酒です。澱粉質を糖化、発酵させたのち、連続式蒸留機で

蒸留、そのニュートラルなスピリッツを白樺炭に通してさらに精製した無色透明

・無味無臭のスピリッツです。

歴史

 ウォッカという言葉は、ロシア語で「生命の水」を意味する 

Zhizenniz

Voda

Voda(水)から転じたものとされています。VodKaという言葉が現れ

るのは、

16世紀にイワン皇帝の時代が最初といわれています。

 昔のウォッカは、蒸留を簡単なポットスチールで行いましたから、雑味が多く、

ウスケボ(ウイスキー)同様、香草によって香り付けしたようです。現在でも、

茅(かや)の一種であるズブロッカ草のエキスをウォッカに配合した「ズブロッ

カ」にそのなごりがみられます。

19

世紀になって、連続式蒸留機が発達するにつれて、ウォッカはスタイルを変

え、雑味のないタイプに変化していきました。ソ連を中心にポーランド、ドイツ

で主に造られ、アメリカでも大量に製造されているホワイトリカーです。

製造法

 原料には、馬鈴薯(ばれいしょ)、大麦、小麦、トウモロコシが使われます。

大麦麦芽で糖化し、発酵させてから、精留し、アルコール度

95%以上のニュート

ラルなスピリッツを留出させます。さらに白樺炭を詰めた教本の銅製またはステ

ンレス製のカラム(塔)をゆっくり時間をかけて流します。雑味や雑臭が白樺炭

に吸着され、その結果、無色、無臭、無味という、酒の中で最もクセのない酒と

してウォッカが仕上がります。

 

飲み方

 ウォッカをストレートで飲む場合には、冷蔵庫の冷凍室でよく冷やし、冷やした

グラスに注いで飲むことが多く行われます。よく冷やすとアルコールのもつ刺激

がやわらぎ、甘味が一層増します。

 ウォッカは性格がおとなしいだけにカクテルベースとして幅広く使われていま

す。オレンジジュースで割ったスクリュードライバーを初めとしてソルティ

ドッグ、ブラデイマリーなどが有名です。

 

ジン Gin

 穀類を原料とする蒸留酒に杜松(ねず)の実などの成分を抽出して香りをつ

けたお酒です。無色透明でさわやかな香味をもった辛口のスピリッツです。

歴史

 ジンをつくりだしたのは、

1660年、オランダのライデン医科大学の医師シル

ヴィウス教授(本名=

Francis de LaBOe)です。彼は杜松の実の油に利尿作用

があることに目をつけ、スピリッツに杜松の実を加え再蒸留したものを薬として

販売しました。ところが杜松の実のさわやかな香りが評判を呼び、薬としてでは

なく酒として飲まれるようになりました。ジンが発達したのは、

17世紀の終りから

18

世紀にかけてのイギリスで、呼び名もGenevaGeneverからGinとなりまし

た。

 オランダからイギリスに渡ったジンは、連続式蒸留機の発達とともに酒質そのも

のがオランダ・ジン(ジュネヴァ)と異なり、名前もロンドン・ジンと呼ばれる

ようになりました。

製造法

ジェネヴァ 

Genever ジンの生まれ故郷、オランダでつくられているジンの原

型で、他のジンよりも香味が豊かです。トウモロコシ、ライ麦と大麦麦芽で醍を

造り、ポットスチルで蒸留したアルコール度数の低いスピリッツに、杜松の実を

加えて再度ポットスチルで蒸留して製造します。

ロンドン・ジン

 LondonGin イギリスのジンは、トウモロコシ主体の原料から

連続式蒸留機でグレンウイスキーのようなスピリッツをつくり、

60%に加水した

のち、ポットスチルを用いて再留します。さらにジンヘッドをもつスチルで再留し

ます。ジンヘッドには杜松の実をのせ、アルコール蒸気が通過するときに杜松の

実の香気成分を抽出しながら凝縮するようになっています。イギリスのジンは、

オランダ・ジンに比べて風味が軽くて芳香性が強く、カクテルベースとしても非

常に適しています。

日本のジン

  ほとんどライセンス生産が主体です。ロンドン・ジンのタイプで、

トウモロコシ、麦芽などの穀類を原料とし、連続式蒸留機で留出させた高純度の

スピリッツに、杜松の実を中心に橙皮その他香草類を加え、ポットスチルて蒸留

してつくられます。

その他のジン

  ジンはイギリス、オランダの他にさまぎまな国でつくられてい

ますが、特徴あるものにはシュタインへ−ガー 

Steingager (ドイツ)があ

ります。杜松の実を発酵させ、蒸留したのちアルコールを加えて再留したもので、

風味的にはオランダ・ジンとロンドン・ジンの中間的なものです。ジンはこの他

にも、やや甘味のあるトム・ジン

TomGin(イギリス)、色づけしたピンク・ジ

Pink Gin(イギリス)などがあります。

飲み力

 ストレート、オンザロックの他にトニック割りで飲まれています。また、カ

クテルベースとしても広く使われています。ジンをベースにしたカクテルには、

マティニ、ギプスン、ギムレット、ジンライム、ジンフィズ、ジン・アンド・

イット、オレンジ・ブロッサムなどさまざまなカクテルがあります。

 

ラム.Rum

 甘薦(サトウキビ)汁や糖蜜を原料として発酵・蒸留・貯蔵してつくる蒸留酒 

です。タイプによって色・味・香りは異なりますが、甘い香りと一種独特な風味

のある酒で、西インド諸島を中心に発達しました。

 

歴史

16

世紀頃から西インド諸島で飲まれていたともいわれています。また、17世紀

半ば、バルバドス島にスペインからサトウキビが移植され、その糖蜜からつくっ

たともいわれています。この島から西インド諸島の他の島々に技術が伝えられ、

今日のジャマイカ・ラムなどの繁栄につながりました。

 ラムの名前の由来には、さまざまな説があります。サトウキビの学名が

Sacch

arum

f ficinarum(サッカラム・オフィシナラム)であるところからきたとする

説、“飲んで楽しく騎ぐ’というスペイン語

rumbullionからきたとする説、イギ

リス毎軍のヴァーノン提督が乗組員の壊血病のためラムを飲ませたので彼のあだ

01d Rummy(酔っばらいおじさん)から由来したとする説などがあります。

 

製造法

 サトウキビの茎を圧搾して甘煮汁を採取し、この搾汁を濃縮して砂糖を結晶化

して分離しますが、砂糖の溶解度が常温でも大きいため砂糖を分離したあとの糖

蜜に多量の糖が残留します。この糖蜜が先の甘煮汁とともにラムの原料として用

いられます。

 糖蜜に水を加え、適度な糖度(

1216%)のモロミとし、発酵させます。発酵終了

後、蒸留します。現在サトウキビは、熱帯地方の各地で広く栽培され、それぞれ

の国でラムが生産されていますが、発酵法、蒸留法、熟成法、ブレンド法などの

違いで種々のタイプのラムが生まれます

 

ラムのタイプ

 ラムはヘビー 

heavy、ミディアムmedium、ライト1ightとに分けられま

す。ヘビーはジャマイカラムに代表され、糖蜜に蒸留廃液などを加えたものを自然

発酵させたのち、ポットスチルで蒸留し、さらに得中で

3年以上熟成したもので、

色が濃く強い香りを持っています。

 ミディアムはデメララ、マルティニク、アメリカン、バージンラムなどがあり、

ヘビーより色が淡くて香りも低いのが特徴ですが、原料に蒸留廃液は用いません。

 ライトはキューバラム、プエルトリコラムがあります。糖蜜を原料に純粋培養

酵母を用い、蒸留には連続式蒸留機が使われます。色は無色から淡黄色で、香味

は軽くやわらかです。また、ブラジルのビンカ酒もラムの一種です。

飲み方、

 ラムはカクテルベースに使われることが多くなっており、ヘビーラムよりも無

色で軽いタイプのホワイトラムが消費の中心になっています。ホワイトラムを

ベースにしたカクテルとして有名なものに、ダイキリ、ブルーハワイ、ピニャ・

カラダなどがあります

0なお、ラムは飲料以外に製菓用として広い用途をもっています。

テキ一ラ 

Tequila

 メキシコ原産のスピリッツで、蒸留技術は

16世紀にスペイン人が持ち込んだも

のといわれています。

 原料は、ヒガンバナ科の多肉植物である竜舌蘭(リュウゼツラン)です。竜舌

蘭を

10年ほど育成させたのち、葉を切り落とすと、巨大なパイナップルのような

形をした

4070kgの茎部が得られます。この茎部を蒸し、甘い汁液を採取し、発

酵させたのち、単式蒸留機で

2回蒸留したスピリッツをメスカルMescalといい

ます。このメスカルの高級品はテキーラ村の周辺でつくられ、特にテキーラと呼

ばれ、原料もアカベ・アスール・テキラーナと呼ばれる特別な種類を栽培して

原料としています。

 テキーラは独特な個性を持った酒で、メキシコでは塩をなめながらストレート

で飲まれることが多いようです。しかし、近年はアメリカを中心にマルガリータ、

テキーラ・サンライズなどのカクテルベースとしての人気が高く、これがテ

キーラの消費を急増させています。

アクアヴィット 

Aquavit

 アクアヴィットは、北欧諸国の特産酒で、ジンと似た酒です。原料は主に馬鈴

薯が使われています。製造法は、馬鈴薯を蒸して、大麦麦芽の酵素力で糖化した

後発酵を行い、蒸留します。そしてキャラウェイシード(ウイキョウ)などの薬

草、香草で香味つけをします。この香味つけや熟成の方法が各社によっって異な

るため、ライ トタイプからヘビー・タイプまで様々なアクアヴィットが生産さ

れています。

 アクアヴィットは冷蔵庫で冷やし、よく冷えたグラスに注いで飲むのが一般的

です。ビールとともにこれを一杯というのもよく行われている飲み方ですが、軽

い食事とともに飲まれることが多いようです。

 

リキュール類                                    TOPへ戻る

歴史

 スピリッツをベースとしたリキュールの誕生は、まず薬草から有効成分を抽出

し、医薬として利用することから始まりました。そのためヨーロッパにおいて僧

院で創製されたものが多くみられます。

 

原料・製造法

 リキュールは、蒸留酒に、主として植物性の香味成分を配し、甘味や着色料を

加えてつくるお酒です。リキュールを香味成分の起源となる原料によって分類す

ることは、多くの場合数種類の原料を混合して使用しているために厳密には困難

ですが、主として草本・花曹系、種子系、果芙系及び特殊タイプに分けることがで

きます。リキュールの製造法は大きく分けて香味液の製造と調合・出荷の

2段階

に分かれます。

 

 香味液の製造

浸出法 果実系や草本系のリキュールで多く用いられる方法です。原料をアル

コールやブランデー等に浸漬して、香味成分を抽出します。

 

蒸留法 柑橘系や種子系のリキュールでが考案されています。そして15世紀頃か

ら酒を飲み易くために、花などの香りをつけることが始まり、現在ではいろいろ

なタイプのリキュールが生産されています○またわが国の屠蘇酒、梅酒、薬味酒

もリキュールの仲間に入ります。

多く用いられる方法です。原料をアルコールやブランデー等に浸漬し、次に原

料を浸漬したまま、あるいは原料を除いた浸漬液をポットスチルで蒸留し、香味

成分を含んだ蒸留液をとります。

エッセンス法・香料(エッセンス)を用いて香味液を製造します。

調合・出荷

 香味液にアルコール、ブランデー、ウイスキー等の酒類や、砂糖、蜂蜜、果汁、

有機酸等の香味成分、色素、水などを加え、短時間熟成させたのち清澄・濾過を

行い、びん詰・出荷します。

 

分類

草本・花蕾系リキュ←ル

ベネデイクティン(

Benedictinリキュールの古典といわれています。1510

にノルマンデイー・フェカソプの僧院で創製されたもので、

27種類の香料等に

よって風味がつくられています。

シャルトリユース(

Chartreuse) ベネデイクテンとともにリキュールの古典と

いわれています。シャルトリユースの僧院で

1605年に創製されたといわれ、130

種類の香草等により香味が構成されています。

クレーム・ド・マント(

Cram deMenthe)(ペパーミント(Pepermint))

 水蒸気蒸留法で抽出されたハッカの葉の香気成分を使用したもので、緑色、無

色の他、赤色、青色のものもあります。アンゴスチラ(

Angostura) カクテル

に欠かせない苦味の強いリキュールです。ドランプイ(

Drambuie) スコッチウイ

スキーをベースとした香草系リキュールです。

アブサン(

Absinthe) にがよもぎの薬と芽を主原料として用いたリキュール。

にがよもぎには神経毒が含まれているため、多くの国で製造・販売が禁止されて

います。製造・販売を禁止している国々では、にがよもぎの代わりに主にアニ

シードを用いたものを「アブサン」と称して販売しています。

クレーム・ド・テ

()紅茶のリキュール。

グリーンティ・リキュール

GreenTeaLiqueur)紅茶のリキュール。日本で考案されました。

クレーム・ド・ローズ

Crm deRose) バラの花の香りと色をつけたリ

キュール。

クレーム・ド・ヴィオレ

Cram deViolet) スミレの花の香りと色をつけ

たリキュール。

屠蘇酒 

みりんに山椒、肉桂等7種の生薬を混合した屠蘇散を浸潰したもので新

年のお祝いに飲みます。

種子系リキュール

アニゼリト(

Anisette) アニス(ういきょう)の種子を用いたリキュールで、

水を加えると白く濁るのが特徴的です。キュンメル(

Ktimmel) キャラウエー

(ひめういきょう)の種子を用いたリキュールで、ドイツ、オランダで主につ

くられています。

クレーム・ド・カカオ

Cram deCacao) カカオを主原料にしますが、

多くのものはバニラを合わせ使用しています。

クレーム・ド・モカ

Cram de Mocha) コーヒー・リキュールを代表する

ものです。

カンパリ(

Campari ビターオレンジの果皮やキャラウエー、コリアンダー

(こえんどう)の種子、りんどうの根などを用いたイタリアを代表するリキュー

ルです。

果芙系リキュール

キュラソー(

Curacao) 西インド諸島キュラソー島のオレンジの果皮を原料と

して用いたのが名称の由来です。現在ではオレンジ・リキュールをキュラソーと

呼ぶことも多いようです。色調は褐色のものが最も多く、この他、無色、青色の

ものなどがあります。 コアントロー(

Cointreau)やトリプル・セック

Triple Sec)、グラン・マルニエ(GrandMarinier)もキュラソーの仲間

です。

チェリー・ブランデー(

Cherry Brandy)、マラスキーノ(Maraschino)、リ

キュール・ド・スリーズ(

Liqueur deCerise) さくらんぼを原料にしたリキ

ュールです。この仲間は赤色のものが多いようですが、マラスキーノは無色のも

のが多いようです。

ピーチ・ブランデー

PeachBrandy)桃を原料としたリキュールです。

アプリコツト・ブランデー

ApricotBrandy) あんずを原料としたリキュー

ル。

メロン・リキュール

Me10n Liqueur) メロンの風味をつけたリキュール

で、日本で考案されました。

クレーム・ド・カシス

Cram deCassis) 果すぐりの実を用いたリ

キュール。

クレーム・ド・フレーズ

Cr6am deFraise) いちごを用いたリキュール。

スロー・ジン(

SloneGin) スロー(すももの一種)をアルコールに浸潰してつ

くりますが、この名称が残っています。

プラム・リキュール

PlumLiqueur)プラムを原料としたリキュールです。梅

酒もこの仲間といえます。

 

特殊なタイプのリキュ←ル

エッグ・ブランデー(

EggBrandy)、

 

飲み万

 リキュールは、そのまま飲まれることもありますが、むしろカクテルの素材とし

て使われるることの多い酒です。カクテルの処方は数限りなくあるといっても過言

ではありまっせん。

また、バーテンダーのイメージと技術によって風味は千変万化です。従って評

判の高いカクテルを予め調整して販売すれば手間も省けますし技術的にいまだ充

分上達していない人にとっては大変便利です。バ−テンダーを料理人とすれば、

びん詰カクテルはいわば調理缶詰ということになります。

最近ではマティーニ、マンハッタンから各種フィズ類やトロピカルカクテルな

ど多くの種類が揃ってきています。この瓶詰カクテルも酒税法上リキュールに該

当します

 

雑酒                                              TOPへ戻る

 酒税法には「雑酒」とは、清酒、合成酒酒、しょうちゅう、みりん、ビール、

果芙酒類、ウイスキー類、スピリッツ類及びリキュール類以外の酒類をいうと定

義されています。

 上記

9種類の酒類に該当しない酒類を総称して雑酒としているため、雑酒には

共通した原料や製造法がありません。また、雑酒の品目は次の

3つに分類されて

います。

 @.発泡酒・‥‥・麦芽を原料の一部とした酒類で発泡性を有するもの。

 A.粉末酒・…‥溶解してアルコール分

1度以上の飲料とする

       

 ことができる粉末状のもの。

 その他の雑酒‥‥‥発泡酒及び粉末酒以外のもの。

 

3品目の代表的な酒類について説明します。

 

発泡酒                                            TOPへ戻る

 輸入ビールを数多く取扱っている酒販店の陳列ケースにここ

12年見かける

ようになったベルギー産の桜桃色をしたフルーツビールは名称からビールと思わ

れがちですが、日本の税法の分類では発泡酒に該当します。

 日本でも、現在は販売されていませんが、

78年前にアサヒビールがBeとい

う銘柄の発泡酒を発売したのを記憶されている人も居られると思います。本年に

なって、サントリーがビアカクテルという名称で

4種類(甘夏、バナナ、グレー

プフルーツ、マスカット)の発泡酒を発売しました。若い世代に香り、味、色、

 特に果芙の芳香が好評を得ているようでです。

これらの発泡酒はいずれもビールをベースに製造されますが、若干製造法が

異なりますので紹介します。

1lフルーツビール製造法

 製造工程の概略は図

2のとおりです。ランビックビールはブリュセル周辺のブ

リエーゲル地方で造られているビールです。その特徴は糖化後ビール酵母を添加

しないで自然発酵で造られるため、色々な微生物の作用によって香味の様々な

ビールとなります。フルーツビールはこのランビックビールにサクランボ、黒ス

グリやキイチゴ等の果実を加え、浸漬します

048ケ月経過すると果肉がくず

ます

048ケ月経過すると果肉がくずれ発酵します。果実の香味とアルコール

分が調和した時に液体(ビール)と個体(果実)をろ別しますがその時期は果実

を加えてから約

1年ぐらい経過しています。出来上がったフルーツビールをプレ

ンドして香味の調和を整え、炭酸ガス量を調整して、びん詰、出荷します。

びんの底部に沈殿物が見られることがありますが、これは簡易ろ過で取り除か

れなかった果肉や酵母で異物ではありません。

 

2)ビアカクテルの製造法

  ビールに果汁、砂糖、添加物を加え、さらにアルコール分を調整するためにス

 ピリッツを添加して、ブレンドをします。炭酸ガス分を調整するために炭酸ガスを

 補充し、容器に充填し、出荷します。マスカットの場合はブレンド後炭酸ガス分

 を調整しないで充填・出荷します。製造 法の概略は下記図のとおりです。

 発泡酒はビールをベースに種々の物を 添加することができることや嗜好の多様

 化に対応し易いことから、今後も色々な 発泡漕が開発されることと思われます。

  ビ ー ル

 

粉末酒

その他の雑酒

赤酒

濁酒

玄米酒

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