WINE

ワインの歴史 世界各国のワイン
飲み方 醸造法原料
利き酒のポイント  
保存と管理貯蔵 ok
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貯蔵

 ワインは極めてデリケートな酒類で、貯蔵方法が悪いと酸化が進んだり、生気

のない萎えたワインに変質するなどの品質劣化が起こります。このため、ワイナ

リーなどでワインを貯蔵する場合には、次のような点に配慮しています。

温度

 ワインは高い温度下では酸化が促進されるので、

1215℃の比較的涼しく、温

度差の少ない場所におくこと。年間の温度の変動が少ないことが人切です。

 日光はワインを極度に変質させ、酸化をすすめるので、暗い場所におく、ことが

大切です。

空気

 ワインには空気が大敵です。このため、コルク栓が乾いて外気が侵入することの

ないよう、びんを寝かせてコルクを常に湿らせておくことが大切です。

振動

 ワインは振動を与えると、せっかく熟成した香味のバランスをくずします。び

んを静かに保ち、熟成をつづけさせることが大切です。

家庭での保存法

 上にあげた諸ポイントが基本であるとしても、家庭では酒庫や地下室を用意す

ることができません。次のことに心掛ければ、保存状態のよいワインが気軽に楽

しめます。

●直射日光をさけ、暗く冷たいところにびんを寝かせておく。

●温度変化の少ない場所をさがし、さらに断熱性の高い箱に入れておく。

●栓を抜いたあと飲み残したワインは、小びんに移しかえて冷蔵庫に入れ、なる

べく早めに飲んでしまうこと。

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利き酒のポイント

 ワインの利き酒で大切なことは、並酒と高級酒の次元を変えて対処することで

す。さらに、ワインのタイプ、産地等により、利き酒の基準を動かすことが必要

となります。例えば、同じ白ワインでも、ドイツワインとフランスワインとは別の

タイプであると認識することから始まります。また、同じフランス産の赤ワイン

でもブルゴーニュ産とボルドー産とは性格が違うワインであるとわかって、はじ

めて利き酒ができるわけです。

 ところで、ワインの利き酒において特に注意すべき点があります。「欠点はな

いが特徽もないというワインは、並酒以外の何物でもない」ということです。上

級に格付けされるワインの利き酒ほど、産地、原料ぶどう品種、醸造法、醸造年

度の特性が、素直にワインに表現されているかどうかが重要なポイントになりま

す。

 なお、醸造技術者と流通関係者、さらにレストランで客にワインをすすめるソ

ムリェの立場では、どのポイントに比重をかけるか、それぞれ異なります。また、

熟成による付加価値の上昇や料理との相性、格付けとの整合性が利き酒の対象と

されることもありますし、ワインを楽しむということに徹するすることも少なくあり

ません。

 

1:外観

 ワイングラスの脚の部分を持って、色調と透明度を見ます。グラスを向う側へ

傾けると、微妙な色の差が読み取れます。グラスを軽く回すと、内壁面にワインの

滴の筋がてきます。これを「脚」または「涙」といい、アルコール分及びグリセ

ロール含量の高いワインほど、摘がゆっくりと落ちていきます。

2)香り

 ワインの香りは高級になればなるほど、経時的に変化します。ワインの「脚」

を見る前に、香りの第一印象をみます。ここで、まず、低沸点の香気成分や化

合物の香りを捉えることができます。次に、グラスを

56度回して「脚」を

見てから、香りをみます。エステル香はじめ、この時点でワイン中に存在する

かなり多くの香りが確認できます。さらに、やや強めにグラスを回して、ワイ

ンの底に沈んでいる香りを引き出します。熟成香等重い香りは、ここで確認さ

れます。

 なお、ワインを口に含んだ時、あるいは口から吐き出したり喉を越した後の香

りは、口中香として評価の対象となります。

 ワインの香りは、原料ぶどう品種に由来する品種特性香の「第

1アロマ」と、

酵母や細菌が生成する香気成分から構成される「第

2アロマ」と、熟成により発

現する「ブーケ」に大別されます。高級酒は第

1アロマが高く、第2アロマと調

和しています。「第

2アロマ」が「第1アロマ」よりも高いものは、例え清酒の吟

醸番と共通の香りであったとしても、高級ワインとしては良い評価は得られませ

ん。

3)味

10

15mLのワインを口にいれます。そして、ゆっくりと舌の上全体にワインを

広げます。口に入れてから

15秒程度の間、微妙に変わる味の変化を把握するよう努

めます。さらに、口から吐き出すかあるいは喉を越した後の印象を「余韻」とし

て捉えます。甘味、酸味、アルコールの強さ、全体のバランス等を時間をかけて

解析します。

4)利き酒結果のまとめ方

 酒質を総合的に採点する方法と、外観・香り・味・全体の調和等の各項目毎に

採点し加算する方法があります。総合点方式には

100点法、20点法、10点法、7

法、

5点法、3点法がありますが、5点法(あるいは5段階方式)で採点に慣れ

ることをすすめます。加算方式は各項目の評価点の重み付けの根拠が明確でない

ため、優れた方式とはいい難い面があります。

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飲み方

  ワインの飲み方を考える時にも、気楽 に飲む「並酒」と構えて飲む「高級酒」

 に区別して対応する必要があります。並酒は並酒の良さを、高級酒は高級酒の素

 晴らしさを生かす、そういった「美味しくワインを飲む方法」があるはずです。

  並酒についていえば、敢えてワイングラスで飲む必要はありません。コップで

 もよいのです。白ワインはもとより、渋みの少ない赤ワインならオンザロックで

 飲んでもかまわないのです。水で割って飲んでもエチケット違反ではありません。

 魚料理に赤ワインでも良いし、肉料理でも白ワインで楽しめばよいのです。

  並酒は、一般に酒質の軽いタイプのものが多いので、低めの温度で飲んだほう

 が美味しいといえます。赤ワインでも渋みのしっかりとした赤ワイン以外は、

15

℃以下に冷やしたほうが口当たりが良くなります。

 近年、国産ワインなどのボトルの裏には甘辛表示をしてあるものが多くなり、

 これによってワイン選びが便利になりました。好みのタイプがどれか体験的につ

 かんでおけば、ワイン選びが楽に、しかも正確になります。

  ところで、ワインを美味しく飲むためには、ワイングラスが必要です。並酒の

場合はコップでもよいといいましたが、同じワインでしたらコップよりもグラス

で飲んだほうが、美味しく感じるから不 思議です。ワイングラスは無色透明で、

心持ち上の方が少ししぼんだ形のものが 適当です。この形のグラスを用いると、

ワインの香りがわかりやすいといえます。 また、ワイングラスは脚付きが一般的で

すが、手のぬくもりでワインの品温を上げないために大切なデザインといえます。

 栓の抜き方

 

ワインは横に寝かせて貯蔵されているので、びんの側面に滓がたまっているこ

とがあります。この場合、びんはクレードルに寝かせたまま栓を抜きます。抜栓

の順序は一般に次のとおりです。

1

・びんの口のフォイルをナイフで切りとります。

 

2・コルクスクリューをコルク栓の中心にいれます。

 

3.抜くときはぐらぐらゆすらないで、慎重に抜きます。

 

4.びんの口をナプキンでふきます。

 注ぎ方

 ワインを注ぐときは、ラベルが見えるようにびんの下を持ちます。注ぐ量は、

グラスの

6分目くらいが適量です。こうすれば、ワインを口に含む前に、そのワ

インの色や香りを味わえてより愉しくなります。

 なお、ワインは非常にデリケートですから、グラスにまだ残っている上に注ぎ

だしをすると、温度が変わり、微妙に味も変わってしまうものです。

 

ワインサービスの順序

 

2種以上のワインをサービスする時は、愉しく飲み、おいしく食事をいただくた

めに、順序を考えた方がよいでしょう。

家庭であれ、レストランであれ、料理や人数、予算に合わせて本数や種類を考え

ます。

 

1.味わいの軽いワインは先に、重いワインは後で飲みます。

 

2.より良いワインほど後にだします。

 

3.同種(赤なら赤)のワインでも、若いものは古いものより先にあけます。

 

4.料理の出る流れが魚、鶏、肉料理の順であるとしたら、できればワインも

     白、赤の順に飲みます。

 5.ロゼは魚、鶏、肉の料理にこれ1種類で通すこともできます。

 この順序は、一応の基準であって絶対的なものではありませんから、こだわり

  すぎる必要ありません。ロゼ一種類だけにするとか、メインの料理に合わせて

選ぶとか、気楽にワインを考えた方が良いでしょう。

 

   味わう順序

 

1.グラスのステム(脚)をもって、光 にかざしてワインの色合いの美しさを見て

     

みます。       、

  

2.グラスの中でワインを軽くゆすって、 香りがたちのぼるようにします。

  

3.グラスを鼻に近づけて、じっくりと香りを愉しみます。

  

4.一口含んで舌の上にころがし、味がひろがってから静かに喉におとし、口中香

      と味をみます。

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世界各国のワイン

 ワインは現在、世界各国で醸造されており、年間の製成数量は約

3500kL

も及びます。主な生産国はフランス、イタリア、スペイン、ソ連、アルゼンチン、

米国などの国々です。

 

フランスのワイン

 年間の生産量は約

700kLで、品質の高さと種類の豊富さは欧州随一といえま

す。ノルマンデイ半島と北の一部地域を除いては、ほぼ全土でぶどう栽培が可能

です。赤ワインとロゼワインが

75%を占め、他の25%が白ワインというのがフラ

ンスの種別構成です。

 フランスワインは、ワイン法に基づいて醸造されていますが、ぶどう栽培から

ワイン醸造、さらにエチケットの表示にいたるまで、それぞれの産地により、原

産地呼称統制法により細部の規定がなされ、INAO(国立原産地呼称研究所)

によって管理されています。

 

ボルドー地方

 ボルドーワインの中心地はボルドー市で、古くからワインの集荷、積出し港と

して栄えました。この地方は世界でもっとも有名なワインの生産地です。ボル

ドーの赤ワインは別名クラレットと呼ばれています。

 ボルドー地方には、シャトーとよばれる醸造場がいくつもあって、何世紀にも

渡って自家のぶどうで醸造、熟成、びん詰した高級ワインを販売しています。

 なお、ボルドー地方では、

A0C・ワインをフランス全土の3分の1

生産しています。ボルドー地方は、多くの栽培地区に分かれますが、メドック、

グラーブ、ソーテルヌ、サン・テミリオン、ポムロールなどが有名です。

 

メドック ボルドー市の北に位置し、ジロンド川河口の左岸一帯がメドックで

す。赤ワインだけの最高級産地です。なか、この地区だけは村名には、サン・テ

ステーフ、サン・ジエリアン、マルゴー、ポイヤック、ムーリーなどがあります。

 

ゲラーブ ボルドー市の南に位置し、中世以来すばらしいワインを生んできま

した。赤と白の高級ワイン産地です。

 

サン・テミリオン ローマ時代から有名で、高級赤ワインを産しています。

 

ポムロール ドルドーニュ川右岸の小さな産地です。サン・テミリオンとメ

ドックの中間的な酒質の赤ワインを産するといわれています。

 

ソーテルヌ ガロンヌ川左岸にあり栽培面積は少ないのですが、貴腐ぶどうか

ら造られる独特の甘口白ワインの産地です。

 

ブルゴーニュ地方

 ボルドーと並び称せられる銘醸地で、ここのワインは英語でバーガンデイーと

呼ばれ親しまれています。

 ブルゴーニュワインは、北西に飛び地しているシャブリと、デイジョン市から

 南の低い丘陵の斜面のコート・ドールで栽培されるぶどうから造られます。コー

ド・ドールと呼ぶのは、〃黄金の斜面〃 という意味からです。

 ブルゴーニュのぶどう園は、ボルドーのシャトーに相当するような大ぶどう園

ではなく、栽培面積が小さいため、ネゴシアン(酒商)や畑の名を冠して販売し

ています。なお、ブルゴーニュの

A0C・は@畑名のA0C.A村名

+畑名の

A0C.B村名のみのA0C・C地区名、D地方名(ブルゴー

ニュ

A0C・)の順にランクされ、畑名のもめほど高級です。

 ブルゴーニュの赤ワインは、力強い男性的な味わいを持っています。

 

シャブリ ブルゴーニュの「黄金の門」とたたえられる地区です。ここでで

きるワインは、シャルドネ種から造られる白ワインだけで、やや緑かかった黄金

色をした新鮮でドライなワインです。

 

コート・ド・ニュイ すぐれた芳香をもつ世界的名声を得ている赤ワインの産

地です。

 

コート・ド・ボーヌ 優雅でバランスのとれた味の赤ワインと、辛口で渋味が

ない白ワインを産する地区です。

 

ボージョレー 大衆酒のボージョレーワインの産地で、このワインは多産系の

ガメー種が使われており、軽い赤ワインに人気があります。

  シャンパ

ーニュ地方

 パリの北東にあり、フランスのぶどう栽培地域の北限になります。ローマの昔

 から良酒の産地として知られ、シャンパンを造りはじめたのは

17世紀以降のこと

です。 この地方は、気温の高低が品質に大きく影響するため、ブレンドをするこ

 とで毎年一定の水準を保っています。

  

ロワール地方

 フランス中央部から大西洋に流れるロワール川の流域地帯です。辛口の白ワイン

とロゼワインの産地として親しまれています

特にシュール・リ一方式で醸造さ

れた辛口白ワインは、最近とみに市場での人気商品となっています。

 

その他の地域

 コード・ド・ローヌ地方、プロバンス地方、アルザス地方などがよく知られて

います。

 

フランスのA0C.について

 フランスでは、ワインの品質を保持するため、

1935年に国法「原産地呼称統制

法」(

Appellation dorigine ControleeA0C.)が定められ、にせラベルの

横行、粗悪ワインの混入を防いできております。この法律には細かい規定があり、その

規定に適合しているワインだけが、その定められた名称を名乗ることができます。

この種のワインは

A0C.ワインと呼ばれます。この法律によるワインの格

付けは地方、地区、村(コミューン)と範囲が小さくなるにつれて規制が厳しく

なり、それだけランク(品質)が上になります。例えばボルドー地方の

A0

C

・ではメドック地区のポイヤック村で造られたワインではアペラション・ポイ

ヤック・コントローレが最上で、次がアペラション・メドック・コントローレで

アペラション・ボルドー・コントローレは最下位にランクされたワインを表して

います。

 なお、

A0C.で格付けされない新しい地区などに優良酒ができた場合は、

一定審査に合格すると上質指定ワインX・

DQS.の証紙をはることが許

されています。また、これよりさらにランクの下るものに日常消費ワイン(ヴア

ン・ドゥ・ターブル)があります。この中にはアルコール分だけを表示すること

を義務づけられたヴアン・ドゥ・クーパージュワイン(

EC諸国間のワインの

ブレンドは許されている)と、それより格の上のヴアン・ドゥ・ペイがあります。

後者はいわゆる地酒で、定められた品種から造られ、県名、地域名などの原産地

名付きの特権が与えられております。

 

ドイツのワイン

 ぶどう栽培の北限にあるため、日照条件の良い峡谷が選ばれています。栽培面

積は紛

8万ヘクタールで、生産量はフランスの10分の1の約70kLです。そのう

85%が白ワインです。

 ライン川流域のラインワインと、その支流であるモーゼル川流域のモーゼルワ

インが中心となります。

 発泡酒はゼクトと呼ばれています。 ドイツのワイン生産地域は

11の指定地

域から成り立っています。

 

ライガウ地方

 ライン川の中流地帯で銘醸自ワインの産地です。カビネットやシュペートレー

ゼの名称が初めて使用されたのも、この地方の畑のワインです。リースリングの

個性が最も適確に表現されたワインが出来ます。

 

モーゼル・ザール・ルーヴァー地方

 モーゼル川とその支流であるザール、ルーヴァー川の地域に広がる地方です。

ぶどうは川に面した急斜面に栽培されています。銘醸白ワインの産地です。

 この他、ア

ル、ミッテルライン、ナーエ、ラインへッセン、ラインファル

ツ、へシッシェ・ベルクシュトラーセ、ヴェルテンベルク、バーテン、フランケ

ン地方が指定産地です。

 

ドイツのワイン法について

 ドイツでは、ワインの品質を保持するため、

1971年に新ワイン法を制定、更に

1982

7月に改定しました。品質は@ターフェルヴァインAラントヴァイン

(地酒)B上級ワイン(

QbA.)C称号つき高級ワイン(QmP.)のい

ずれかを表示しなければなりません。

QbA.とQmP.は原産地指

定がされています。また、公的機関による管理を受けています。

QmP.(ク

ヴアリテーツヴァイン・ミット・プレデイカーツ)は果汁の比重(エクスレ

度)によって、次の格付けがなされます。

   1.カビネット

  2.シュペートレーゼ

  3.アウスレーゼ

  4.ベーレンアウスレーゼ

  5.アイスヴァイン

 6.トロッケンベーレンアウスレーゼ

 イタリアのワイン

 イタリアワインはバラエティーに富んでおり、世界のワイン生産数量の首位を

フランスと常に競争している国でもあり、北はアルプスの裾野から南はシヂリアま

で、ほぼ全土でぶどう栽培が可能です。 フランスと同称、原産地呼称統制法に

よりぶどうの栽培、ワインの醸造、ワインの表示等が管理されています。フラン

スの

A0C.に相当するものにD0C・、D0CG.があります。

 また、発泡酒はスプマンテと呼ばれています。ワインの産地としてはピェモン

テ、ヴェネト、トスカナ、ラツィオをはじめ、ロンバルデイア、エミリア・ロ

マーニャ、ウンブリア、マルケ、シチリアの各州が代表的です。

 スペインのワイン

1970

年からフランスの原産地呼称統制法と同称のD0.が制定されました。

スペインのワインの約半分はラ・マンチャ等のスペイン中央部で生産されます

が、高級ワインの産地としては北部のリオハと北東部のペネデスが有名です。ま

た、イタリア半島南端のヘルス・デ・ラ・フロソテーラを中心に造られるシェ

リレーは酒精強化ワインとして有名です。 スペインの発泡酒のうち、

D0.に

指定されたものはカヴァと称することが出来ます。

 

アメリカ・カリフオルニアのワイン

 アメリカのワインの

90%はカリフォルニアで生産されています。歴史は約200

年余ですが、

1960年後半からの業界の発展には目を見はるものがあります。

 ワインはヴアラエタル・ワイン、ジェネリック・ワイン及びプロプライアタ

リー・ワインに大別されます。醸造法と表示についてはワイン法により管理され

ていますが、ぶどう栽培については特に規定されていません。ワイン産地の中で

は、ナパとソノマが有名です。

 

オーストラリアのワイン

 オーストラリアは南半球に位置するため、ぶどうの収穫時期が北半球とは

6

月ずれています。白のテーブルワインが全体の約

80%を占めています。ワインは

ヴアラェタル・ワインとジェネリック・ワインに

2大別されます。ヴアラエタル

・ブレンドワインも高級ワインとして位置付けされるようになりました。

 その他の国のワイン

 この他、オーストリア、ハンガリー、ブルガリア、南アフリカ共和国、アル

ジェリア、ペルー、チリー、アルゼンチン、ニュージーランド、中国など、世界

各国でワインの醸造が行われています。

赤ワイン

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歴史

■文献による最初の登場は

  古代バビロニアの法典

 ぶどうの栽培は、今から

6000年くらい前にすでに行われており、紀元前400

0

年の青銅器時代の墓からは、ぶどうの種子が発見されています。

 ワインが文献に登場する最初は、古代バビロニアの法典の中であり、地方、古

代エジプト王朝の中であり、地方、古代エジプト王朝のナクト墳墓の壁画からは、

ぶどうの栽培、発酵、地下貯蔵の様子を知ることができます。

 ぶどうのルーツは、小アジアのユーフラテス川とカスピ海にはさまれた一角、

アルメニアからメソポタミアー帯が原産地とされています。ここからヨーロッパ

に、シルクロードなどを経て、中国に伝来したものでしょう。

 

■ローマ時代から繁栄していたボルドーワイン

 紀元前

1000年も昔、ギリシャ人がワインの魅力のとりこになりました。彼ら

の飲み方は、蜂蜜を混ぜるとか水割りで飲み、生のままで飲む異民族を野蛮人と

考えたほどです。その後、ギリシャ文明がローマへと伝播するにつれ、ワイン文

化もローマへ入って行きます。ローマの軍事力と文化はアルプスを越えて北へ西

へと拡がって行きますが、これに伴ないローマ人のワイン自給と民心をおさえる

ために、各地でぶどう栽培と、ワイン造りがひろめられ、定着して行きました。

ボルドーのワインも、ローマ時代にすでに繁栄しており、その時代の詩人アウソ

ニウス(

4世紀頃)は、ドルドーニュ川近くの丘にぶどう園を所有し(現在の

シャトー・オーゾンヌ)、この地のワインの素晴らしさを詩に歌っています。

■ヨーロッパのワインは

 教会、修道院中心に発展

 なお、これより前にヨーロッパ中にワインを拡げたもう一つの力がありました。

キリストがワインをわが血とよんで与えたことから、キリスト教の普及とともに、

修道院を中心にぶどうが栽培され、ワインが醸造されるようになりました。

10

世紀頃から修道院の勢力が大きくなると、ぶどう畑も次第に増えて行きまし

た。フランスでは

12世紀頃、エレオノール女公が、イギリスのへンリー2世と結

解したことから、ボルドーを含むぶどう産地が一時英王室の所有になり、ボル

ドーワインは英国民にとってもなじみ深い酒となりました。

 一方、ドイツにおいても

2世紀にはすでに野生ぶどうの栽培が行われていまし

たが、シャルルマーニュ大帝(

8世紀頃)の治世によってワイン造りは教会、

修道院を中心に発展し、

12世紀の始めには有名なヨハネスペルグぶどう園が修道

士達によってつくられました。

 

■植民地への入植とワインの伝播

15

16世紀の大航海時代には、新大陸や植民地への入植者たちは、本国から運

んだぶどうの苗木を育て、ワインを造りました。また、

17世紀末にはガラスやコ

ルクが今のようにでき上がりました。このようにして、ワイン醸造は順調に発展

してきましたが、

19世紀の中頃、突然アメリカから入ってきたフィロキセラが大

発生し、ヨーロッパのぶどう樹はほとんどの地域で枯死してしまいました。園芸

学者の研究の結果、アメリカ系のぶどうの台木にヨーロッパ系のぶどうを接木す

ることにより、フィロキセラに耐性のあるぶどう樹を育てることが可能なことが

わかり、この虫害は防がれました。その後ワインは、世界大戦を経て現在では多

くの国で造られています。

 

■日本のワインの歩み

わが国で事業として実質的にワイン造りが始まったのは明治初期ですが、技術

不足や市場の狭さなどから、ワイン産業は発展しませんでした。

 第

2次大戦後、ワイン普及の努力を積み重ねているうち、東京オリンピック、

万国博や潅外流行の活発化、食生活の洋風化などに伴って、ワイン需要が拡大さ

れてきました。

 昭和

52年には、日本でワインを造り始めて100年目を迎えました。

 また近年は、山梨以外にも北潅道、山形、福島、長野、兵庫、岡山‥‥‥という

ように、ぶどうの集約産地が増え、それぞれ個性のあるワインが生産されていま

す。

ステイル・ワイン(

Still Wine

通常、ワインといわれている非発泡性ワインのことです。一般に食事中に飲ま

れ、テーブルワインといわれることもあります。アルコール度数は

913度くら

いです。色では赤、白、ロゼがあります。また、味ではドライ(辛口)、スイート

(甘口)などの区別があります。

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原料

■ワイン用ぶどうの条件

現在栽培されているぶどうは大きくわけて、ヨーロッパ糸のぶどう(ゲイニ

フエラ種)とアメリカ系ぶどう(ラブルスカ種)があります。付加価値の高いワ

インの醸造に適しているのは、前者のヨーロッパ系品種です。

 ワイン用のぶどうの条件は、適度に酸味があること、糖度が高いこと、赤ワイ

ン用ぶどうについては、果皮の色調の濃いこと、ワインになったときに個性的で

かつ、貯蔵熟成により風味が向上することなどです。

 ワインは、ぶどう産地で醸造するのが原則です。優れたワインを造るためには、

優れたぶどう品種、良いぶどう、新鮮なぶどうが欠かせません。ぶどうの種類は

数千をかぞえるといわれています。

2000年以上にわたるさまざまな実験や経験

から、各地の風土に最も適した品種が選びぬかれ、改良されて現在に至っていま

す。

(イ)赤ワイン用品種

 カベルネ・ソーヴィニヨン

CabernetSauvignon:フランス・ボルドー地方の

代表的な品種。ワインは濃赤色で特有の品種特性香があり、渋味のしっかりした

貯蔵熟成型のものとなります。最優良品種。世界各地で栽培され、それなりの特

性が表現されています。

 ピノ・ノワール

Pinot noir:フランス・ブルゴーニュ地方の代表的な品種。貯

蔵熟成に伴い、華やかな香気と骨組みのしつかりしたワインとなります。最優良

品種。ブルゴーニュ地方以外で栽培しても、平凡なワインとなる傾向が強いよう

です。

 メルロ

Merlot:フランス・ボルドー地方の品種。カベルネ・ソーヴィニヨソの

味を補う目的で混醸または調合されます。単品では長期の熟成にはむきません。

 ガメー

Gamay:フランス・ボージョー地方の代表的な品種。ボージョレー

・ヌーボーの醸造原料。熟成によって付加価値の向上は期待できません。

 マスカット・べリレ

A MuscatBailey

A

:日本の育成品種で、日本では赤ワイン用としてもっとも多く栽培されていま

す。

(口)白ワイン用品種

 リースリング

Riesling:ドイツの代表的な品種。優雅な果実香と爽やかな酸味

に特徴があります。最優良品種。ドイツ.ラインガウで栽培したときに、最も個

性がはっきりします。ラインガウ、モーゼル以外で栽培しても、平凡なワインと

なってしまいます。

 シャネルド

Chardonnay:フランス−ブルゴーニュ地方の代表的な品種。幅の

ある豊かな香りとこくのある味を特徴とする最優良品種。世界各地で栽培され、

それなりの特性が表現されています。 セミヨソ

Semillon:フランス・ボル

ドー地方の代表的品種。ソーテルヌ村の貴腐ワインの原料用ぶどうとして有名で

す。

 ソーヴィニヨソ・ブラン

Sauvignonblanc:フランス・ボルドー及びロワー

ル地方の辛口ワイン用品種。独特の風味があります。

 甲州種:山梨県を中心に栽培されている日本の代表的な在来品種。品種の個性

 は強くありません。

 

ぶどうの収穫

 

ぶどうの取り入れは、秋晴れのカラッとした目を選びます。朝露が乾きはじめ

たことから取り入れを開始するのが理想的です。これは、ぶどう果の品温が上昇

すると、仕込品温が高くなる危険があるためです。

 

醸造法

 ワイン醸造法の細部については、産地、法律により規制、醸造場の方針等によっ

てきわめて多様であるため、以下特に断らないかぎり、日本において行われてい

るごく一般的な方法について述べます。

 

 ■赤ワインの醸造法

 除梗・破砕 果梗を取り去った後、果皮を破り、中の果汁を洗出し易くするた

めに、果実をつぶします。この際少量の亜硫酸を加え、有害菌の繁殖をおさえ、

酸化による色素の退色を防ぎます。

 発酵

 発酵タンク果皮・果肉・種子を含んだ果汁を一緒に入れ、ワイン酵母で

発酵させます。酵母は主にサッカロマイセン・セレビシェというワイン酵母が使

用されます。なお、ヨーロッパでは純粋酵母を使用しない醸造場もみられます。

果汁の糖分が不足している場合には砂糎、ぶどう糖、果糖で補うことがあります。

 発酵温度は

2227℃が最適で、アルコールが生成してくると、果皮から色素

が、種子からタンニンが溶出して、赤ワイン特有の色と渋味をだします。

 

圧搾 510日間の発酵により、目的の色と渋みになったところでタンクの底

からワインを抜き、果皮部を圧搾機にかけます。プレス・ワインの一部はフリー

テンに調合することもあります。得られたワインはタンクに貯蔵します。

 

引き タンクの底に沈澱したを分離します。

 樽熟成 

高級ワインではタンクから取り出したワインを樫の樽(225400L容

量)に詰めかえて熟成させます。貯蔵中ワインは常に満量に保ち、

23ケ月に

1

回は滓引きします。貯蔵温度は1215℃が適当で、期間は12年です。この

樽貯蔵中に乳酸菌が繁殖してワイン中のリンゴ酸を分解して、乳酸にかえさせる

現象が起こる場合があります。これはマロラクティック発酵といい、高級赤ワイ

ンのほとんどではこれが生起しています。 タンクで貯蔵する場合は上部の空間を

窒素等の不活性ガスで置換し、好気性の微生物の繁殖と酸化を防止します。

 びん貯蔵

 樽での熟成が終わった高級ワインは濾過し、最後の仕上げともいえ

るびん貯蔵を行います。びんに移され横積みにされたワインは長い眠りに入りま

すが、この過程で更に奥深い芳香味が生まれるのです。

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■白ワインの醸造法

 

破砕 赤ワインと同様です。

 

圧搾 前述の破砕果粒に亜硫酸を少量加え、有害菌の繁殖をおさえ、果汁の褐

変を防ぎます。この破砕果粒はできるだけ早く圧搾機にかけ果汁をとります。こ

の際、フリーラン・ジュースとプレス・ジュースができますが、前者を用いたワ

インはきめの細かいワインとなります。

 

発酵 発酵タンクに果汁だけを入れ、赤ワインの際と同じように必要な場合は

補糖し、酒母を加えて発酵させます。白ワインの場合、発酵温度が大切で通常、

赤ワインより低温(

1018℃)に保ちます。

 

発酵停止 残存する糖分の違いによって、ドライ(辛口)とスイート(甘口)

に分けられます。ドライなワインは糖分が完全にアルコールに変化したワインで

あり、スイートなワインは目的の糖分のところで発酵を停止させたものです。

 

引き 赤ワインと同様です。

 

熟成 リースリング、シャルドネを

原料としたワインでは、赤ワインと同様に樽に貯蔵することによって酒質の向上

が期待されます。期間は通常半年から

1年です。フルーティーな白ワインを造る

ときには樽に貯蔵しません。

 びん貯蔵

 赤ワインと同様です。

 

■ロゼワインの醸造法

 発酵前の操作は赤ワインと同様に行います。仕込みが終り、果皮や種子を入れ

たまま

12日間発酵させ、液に薄い赤色がついたところで、果皮や種子を除き、

渋赤色の液のみで目的とする成分になるまで発酵をつづけます。滓引きを数回く

り返した後、約半年間の熟成を経てびん詰します。また、赤ぶどうと白ぶどうを

混ぜて赤ワインと同様に発酵させたものもあります。

 日本では赤ワインと白ワインの調合により、ロゼワインとすることも行われて

います。なお、ブラッシュは赤ワイン用ぶどうを用いて白ワインと同様の操作を

行って醸造します。

■発泡性ワイン(

SparkingWine

 ワイン中に炭酸ガスを含んでいる発泡性ワインの総称です。フランスではヴア

ン・ムスーと呼ばれ、とくにシャンパーニュ地方のものはシャンパン

Champag

ne

といいます。ドイツではゼクトSekt、イタリアではスプマンテSpumanteと呼

びます。これらのワインは、本格発泡性ワインとも呼ばれます。この他、発泡性

ワインには、マロラクティ ック発酵によって生成した炭酸ガスを含むゲイニョ

・ベルデ、人為的に炭酸ガスを噴き込んだカーボネーテッド・ワインがあります。

醸造法

 スパークリング・ワインの製造は大きくわけると三通りの方法があります。一

つはびん内で酵母の二次発酵を行わせる方法(例:シャンパン)、一つはタンク

で密閉発酵した後、びん詰めするもの(例:ゼクト)、最後の一つは人工的に

炭酸ガスを噴き込んだもの(カーボネーテッド・ワイン)です。なお、これ以外

に炭酸ガス圧は低いが、マロラクティック発酵により生じた炭酸ガスを含む酒に

ヴィニョ・ベルデがあります。

瓶内二次発酵法

 シャンパンは

17世紀の終わり頃、′シャンパーニュ地方のホービェ僧院の酒倉係

をしていたドム・ペニリヨンという坊さんの発明といわれています。

 シャンパン用のぶどうは赤のピノ・ノワールと白のシャルドネです。辛口ワイ

ンを醸造後ブレンドして品質の均一化を行い、びんに詰めます。びん内の酒には

糖分が

25%ぐらいになるように補糖し、シャンパン酵母を加えて再発酵させます。

ビンは王冠で密栓します。発酵が終わると酵母が下に沈んでしてきますから徐々

にびんを逆さに傾けて酵母をびん口に沈降させます。つぎにびんの口元だけをマ

イナス

25℃に冷却した槽につけ、内部を凍らせたのち栓を抜くと中の圧力で氷の

塊のおりが外へ飛びだします。次に空いた部分にすばやくワインまたは砂糖やブ

ランデーの入った調味ワインを入れ、味の調節を行った後コルク栓をし、針金で

しばって貯蔵します。なお、びん内発酵はシャンパンに課せられた醸造規格です。

びん内発酵後のワインを、炭酸ガスを逃さぬようにして一つのタンクにまとめ、

ろか・びん詰する方法(トランスファ方式)は一般のヴアン・ムストの製造法と

して認知されています。

シャルマー法

 シャルマーが

1907年に開発した大量生産に向いている方式で、再発酵をタンク

内で行うものです。辛口ワインに所定量の補糖を行ない再発酵させた後、これを

ガスが抜けないように濾過機にとおして別のタンクに移し、調合した後びん話し

ます。この方式は、ドイツのゼクト、イタリアのスプマンテで利用されています。

 

 ■その他のタイプのワインの醸造

 ワインは原料が単純なだけに、醸造法が変わることによって、いろいろなタイ

プのワインが出来上がります。

責腐ワイン

白ワインのタイプの一つで糖濃度が

10%以上もある、ごく甘口のワインです。

醸造法

 ぶどう果の熟成期に、不完全菌の一種であるボトリティス・シネレアが果皮に

繁殖して発生した貴腐ぶどうを原料として醸造した、付加価値の高いワインです。

ボトリティス・シネレアはぶどう果皮を保護しているワックスの層を溶かして、

果実中の水分の蒸発を促すとともに、グリセリンやグルコソ酸を果汁中に蓄積し

ます。この結果、果汁の糖濃度

3050mg/100mlにもなります。貴腐ぶどう

品種の対象となるぶどう品種は、リースリング、セミヨン、フルミント等です。

黒系ぶどう品種では、ボトリティス・シネレアの酸化酵素によって赤色の色素が

分解されるため、もっぱら防除します。

 ボトリティス・シネレア以外の微生物によって汚染されたぶどう果を除去して

から搾汁し、通常の仕込みよりも多めの量の亜硫酸を添加して、ボトリティス・

シネレアの酸化酵素の作用を抑制します。搾汁の糖濃度が高いこともあって、発酵

には数カ月要することもあります。

 ドイツのトロッケンベーレソアウスレーゼ、フランスのソーテルヌ地区のワ

イン、ハンガリーのトカイ・アスズ・エッセンスが有名です。

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