ドラマ系 PART4


「リービング・ラスベガス」
監督:マイク・フィッギス
出演:ニコラス・ケイジ エリザベス・シュー
会社をクビになり、妻子にも逃げられた男・ベンは、死ぬまで酒を飲んむと決めめ全財産を持ってラスベガスへ。そこで出会った娼婦。暴力的な彼と暮らしていた彼女は、ベンの優しさに触れ彼のもとへ。彼は酒をやめろと言わないことを条件に彼女と暮らすことになる。人生に失望したアル中と、そんな彼に共感を覚える娼婦の破滅的な恋を描く。身を削ってまで酒を飲む彼が荒廃して行くところを黙って見つめる彼女が悲しい。E・シューはとても綺麗。ニコラスはこれでアカデミー主演男優賞をゲット。ちなみに、アル中と娼婦はアカデミーの常連らしいです。



「エド・ウッド」
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ マーチン・ランドー 
”史上最低の監督”と呼ばれ、数々のB級映画を生み出した実在の監督、エド・ウッドの若き日を描いた作品。映画監督を夢見る彼は性転換を題材に映画を作る。そしてその中で街角で偶然出会った往年のドラキュラ俳優ルゴシを起用することにする。昔は大スターで今は単なる頑固オヤジ、完全に異色の人物ルゴシ、
エドは彼に次々とムリ難題を押しつけて行く。女装が趣味でやることは奇怪、B級映画を心から楽しんで作っていく、そんなどこか憎めない、かわいらしい(?)エドの人柄が、彼を愛するティム・バートによってとてもあたたかい視線で描かれている。こんなエド・ウッドの人柄を充分に表現しきったジョニー・デップはかなりの演技派だと思う。うまい。そして、そんな彼をさらに引きたてるルゴシを演じるマーチン・ランドーは恐ろしいまでの存在感を放っている。



「グレート・ブルー」
監督:リュック・ベッソン
出演:ロザンナ・アークエット ジャン・マルク・バール ジャン・レノ
ボンベなど道具を一切使わず素潜りでその深さを競う”フリー・ダイビング”。地中海に生まれた2人の男、若くして海で父親を亡くした天才エンゾとそのライバル・ジャックが次々とこれに挑戦し記録を塗り替えて行く。その桁外れの能力で驚異的記録を作るエンゾに対し、元世界チャンプのジャックは果敢にそれに挑戦する。海をこよなく愛する2人の男を通して、海に対する熱い情熱、ロマン、そしてその反面の恐ろしさをも存分に表現したすばらしい映画。シシリーはじめ地中海の素晴らしい、うっとりするような映像にも感動する。絶対オススメ。



「ラウンダーズ」       
監督:ジョン・ダール
出演:マット・デイモン エドワード・ノートン ジョン・マルコビッチ マーティン・ランドー
ラウンダーとは勝負師のこと。NYのロースクールに通いながら、学費はポーカーで稼いでいるという天才ラウンダー、マイク。ある日彼は、全財産の3万jを賭けてロシアンマフィアのKGBと差しの勝負をし、負ける。
もう2度とポーカーはしないと誓う彼だったが、出所してきた友人、イカサマギャンブラーのワームの登場で再びポーカーの世界へ。全体的にはわりと話が読めてしまい、もう一つのポーカー嫌いの彼女との話を軽く流してたかなと言う気がするが、勝負のシーンは見モノ。勝負に賭ける男の世界をスリリングに、そしてカッコ良く描いている。特に、最も”ヤバイ”男・KGB役のジョン・マルコビッチの演技は味があって良かった。それにしても、マット・デイモンはなんでこういう天才役が多いんだろう。やっぱ似合うんだろうね、ヒーローが。エドワード・ノートンは今年度アカデミー主演男優賞にノミネートされている。




「パッチ・アダムス」          
監督:トム・シャドヤック
出演:ロビン・ウィリアムス モニカ・ポッター フィリップ・セイモア・ホフマン
自分の進むべき道が見えず、一人悩んで精神科に通った”パッチ・アダムス”は、そこで”笑い”が患者を喜ばせ、心を開かせる、そして勇気を与えるのだと言うことを知る。患者を本当に救うことこそ自分の道だと信じ、彼は医師の道に進むことを決心する。「患者と直接触れ合う臨床こそ、一番重要。」と、自ら進んで病棟に足を踏み入れては患者に”笑顔”を、そして薄暗い病院に光を与える彼。しかし、彼の奇抜な行動は、次第に権力によって阻まれていくことになる。真実に基づいた話。「死を遅らせるのではなく、残された生命の質を高める」ため、医者と言う肩書きにこだわるず、”友達”として患者の心に入っていく彼の行動は、面白く(笑える)、また感動させられた。確かに、ちょっとオーバーに演出してある所もあるけれど、医療者を目指す者として胸に訴えかけられるものがあった。ロビン・ウイリアムスの捲し上げるような早口、微笑みかけるやさしい眼差しも良かった。これは彼ならではのモノでしょう。暖かい春にぴったりの(?)この映画、ぜひ見てください。




「セントラル・ステーション」
監督:ヴァルテル・サラス
出演:フェルナンダ・モンテネグロ マリリア・ペーラ
本年度アカデミー賞外国語映画賞・主演女優賞にノミネートされ、ベルリン映画祭ではグランプリに輝いたブラジルの映画。リオデジャネイロ(セントラル・ステーション)で代筆屋(字の書けない人に代わって手紙を書く人)をする元教師で独身の老女ドーラ。彼女は金と自分が大事で、預かっている手紙も実は全く出さない。そんな彼女の前に現れた一人の少年。彼は父が消失、目の前で母親まで亡くした。それでも決して弱音を吐かない彼をドーラは預かるが・・・。子供嫌いの彼女だが、ある事件をきっかけに2人は父親探しの旅にでる。旅を通して触れ合う2人の心。少年のけなげさは次第に彼女の心を動かして行く。ドーラ演じるモンテネグロの味のある表情には感動する。老女と少年の友情に静かな感動を覚える本当にイイ映画。実はこれ、NHKが世界の各地で良い映画を作ろうと繰り広げている企画の一貫として生まれた映画らしい。




「奇蹟の輝き」     
監督:ヴィンセント・ウォード
出演:ロビン・ウィリアムズ キューバ・グッティング・ジュニア アナベラ・シオラ
運命の出会いを果たした2人、クリスとアニー。彼らはやがて、2人の子供にも恵まれ、幸せに過していた。しかし、事故で2人の子供を、そしてクリス自身もやがて事故で他界する。クリスが行きついた先、それは自分の思い描く天国だった。彼は、アニーとの楽しかった日々に思いを馳せる。それもつかの間、自分のせい(監督不届き)で3人を亡くしたと考え、人生に望みを無くしたアニーが自殺を図った。自殺をした者が行きつく先、それは地獄だった。それを知ったクリスは、妻を助け出すため地獄へと繰り出す。まず目を引くのは、本年度アカデミー賞視覚効果賞を獲得したその映像美。ただ単にきれいなのではなく、絵画の世界の中にある天国、というアイデアと技術を駆使したきれいさ。天国と地獄という架空のモノをうまく表現している。その脚本から、”ゴースト”と比較されることが多いと思うが、内容的には熟年版”ゴースト”といったところか。天国・地獄まで行ってしまうところがまず違うが、夫婦の深い愛はこの映画の一番のテーマとなっており、それを飾る子供達への愛情・若き日の回想シーンと、”ゴースト”を若者向けの純愛モノとすると、その一つ上の世代に向けた大人の(少し円熟味を増した)ストーリーだと思う。