信州の鎌倉。温泉の街 別所温泉♪長野 上田電鉄編


「東急1000系が上田電鉄にとらばーゆされた。」

2008年の6月。そんな話が飛び込んできました。でも東急1000系といえば平成生まれの車輌です。
まさかまだ15年そこそこしか走ってない車輌がとらばーゆに出されたとはさすがに驚きです。
でもその嫁ぎ先の場所が長野の先のまた奥の上田電鉄。6月の時点ではまだ試運転を始めたばかりなので「営業運転を始めたら行こう」と
青春18きっぷシーズンに突入した8月。「8月1日より、上田電鉄 新1000系営業運転開始」と発表され、
2008年2月から本格的に「鉄道むすめ」にすっかり魅せられ毒されきった駅長は

「よし!新1000系に乗りに行こう!どんな改造されてるか気になる!」

という具合に1000系を言い訳に八木沢まいちゃん巡礼も含めて日帰り強行で出掛けるのでした(笑)

8月14日。世間ではお盆真っ只中。そして夏コミ前夜。でもどうしても時間の都合で今日しか予定をつけられず日帰りで上田電鉄へ・・・。

行く前に時刻表とにらめっこ。ご存知のように青春18きっぷは普通電車と快速電車しか乗れません。
中央本線下り始発 中津川行きは6:15発。そこから順調にしなの鉄道に乗り継いで上田着が12:15。
逆に日帰りで名古屋に戻るには・・・。・・・上田を15:45に出なきゃならない(滝汗)・・・マジで強行だな・・・。
今回は移動時間に大いに時間を取られます。「水曜どうでしょう」みたく
「我々は10時間移動してるんですよ。たとえ編集されて映ってるのが3秒でも。」という具合にこの旅行記でも
ほんの1行2行で書かれてても私も同じように6時間かけて移動してます(^^;;)
なにはともあれ朝イチの中津川行きに乗って長野に向かってごーれっつごー♪

6:15「今日の中津川行き始発は6両編成か。」
7:35「げっ!?松本行きは2両だけかよ!」
8:07「南木曽でしなのに追い越されるのか。しかもここから所々単線だし行き違い多いなぁ・・・。」
9:22「・・・・ZZZ・・・・(木曽福島通過)」
9:50「洗馬を通過したら次は塩尻か。よし乗換えて松本まで先回るか。」>実は塩尻で19分停まるんです。
10:01「よし。乗換えして正解。松本まで先回りできた。」
10:20「あのまま乗ってたら乗換え3分しかなかったもんあ。余裕で乗り換えれた。」
10:35「松本を出発。篠ノ井まではほぼ1時間か。姨捨でちょっとは停車するかな?」
11:15「さすが日本三大車窓の姨捨。いつ来ても絶景ですなぁ。」
11:32「篠ノ井到着〜。ここからは しなの鉄道に乗換えか。」
11:47「恋しくて〜♪咲いた花〜♪舞い散らす〜♪春の風〜♪涼しげな〜♪蒼いそら〜に〜う〜かぶ♪夏のゆめ〜♪
_____寂しくて〜♪綴るのは〜♪コトノハと〜秋の詩〜♪あたためて〜♪ほしいのな〜ら♪ここへ♪ふーゆーのー街〜♪♪」
12:15「上田に到着ーっ」

名古屋から実にまるっと6時間。上田電鉄の始発駅。上田駅に到着です。ここから上田電鉄に乗換え。上田12:30発 別所温泉行きに乗換えです。
(小説版がんばれ!鉄道むすめでも記者の赤石達が乗ったのもこの12:30の電車です。)



上田電鉄上田駅へ乗換え。長野新幹線の開業により高架駅となった上田駅。ホームにはすでに1000系が停車中。
なんとこの1000系は平成生まれの車輌では全国で始めてのとらばーゆ車輌となりました。でもこの1000系はもういっこ初めてがあります。
それは長野県内私鉄では初導入となるVVVF制御の車輌なのですよ。JRには居るんですが私鉄には今まで居なかったんです。



12:30。上田駅を出発。
今回は時間の都合で外湯を制覇できる余裕はないので、出来たばかりの日帰り温泉施設「あいぞめ湯ったりきっぷ」を使います。

ではここから別所温泉まで沿線と車輌の説明をしながら、私、八木沢まいが「湯けむり慕情」と共に沿線案内をお送りいたします。


____「湯けむり慕情」
「鉄道むすめ」キャラクターソング Vol.5 八木沢まい
( 作詞・ゆうまお  作曲・Fanta  唄 八木沢まい(高橋美佳子) )

ぼんやーりながーめる湯けむりの♪さきにーある♪おーもーい♪まるまーどに♪好〜きと書いたのは♪いつのーこーとーでーしょ〜ぅ♪
四季折々の景色の中♪逢いに〜♪きーてー欲しいー♪ちくまーがわをー♪越えたらそこは♪ひみつー♪ふーるーさーとー♪
ゆ〜び折り♪数えて〜♪あ〜なたをただ待つ〜の〜♪そーんな恋もなぜか〜♪にーあう場所です〜♪
恋しくて〜♪咲いた花〜♪舞い散らす〜♪春の風〜♪涼しげな〜♪蒼いそら〜に〜う〜かぶ♪夏のゆめ〜♪
寂しくて〜♪綴るのは〜♪コトノハと〜秋の詩〜♪あたためて〜♪ほしいのな〜ら♪ここへ♪ふーゆーのー街〜♪♪

この1000系電車は老朽化した現行車輌の7200系の置き換えとして上田電鉄に導入されました。3編成が導入予定で現在は2編成が
上田電鉄での営業運転を開始しました。元々は東急電鉄池上線等で走ってた車輌なんですよ。でも向こうでは3両編成で走っていたために
上田電鉄用に1M1Tの2両編成化。ワンマン運転装置、運賃箱の搭載。回生ブレーキを廃止して発電ブレーキ化。
パンタグラフを2基搭載するなど、他にも長野は雪国なので雪国対応改造を受けて上田電鉄へやってきました。

加速する時の独特のモーター音を響かせて、塩田平の田園盆地を進んでいきます。車内は運賃箱や案内用モニターが付いたりの
改造はされてはいますがほとんど東急電鉄さんで走ってた頃と変わりません。運転台もワンマン運転用になってますが東急電鉄仕様そのままです。



コホン・・・。ようこそ!別所温泉へ。私が別所温泉駅駅長の八木沢まいです。いつもここで別所温泉へやってくる皆様をお出迎えしてるんですよ。
ここから歩いて10分ほどで別所温泉温泉街へ行くことが出来ます。ちなみに「あいそめの湯」は駅から道路を渡ればすぐですよ。



別所温泉駅には上田電鉄の前身。かつて上田交通と呼ばれてた頃に活躍した丸窓電車モハ5250型が静態保存されてて後輩を見守ってます。
中はちょっとした資料館になってます。ですが一般公開はされてないんですけどね。ここの他にも丸窓電車が展示されてるトコもあります。
こちらも資料館になってます。丸窓電車3両すべてが大事に保存されてるなんてすごく貴重でとってもステキですよね。



ひとに〜♪歴史〜♪あるといいます♪電車もおーなーじー♪モハ5250けい♪みまもーてーいーてー♪
耳慣れた♪レールのきしむ音♪今日はちが〜ぁ〜て〜♪聞こえるのは〜♪きぃとあなたが♪乗っていーるーかーらー♪
桃色唇〜♪どう〜じに〜うごきました〜♪「お久しぶりですね」♪潤んだ瞳〜♪
「逢いたくて」〜♪この想い〜♪打ち明けて〜みたかった〜♪襟元に〜♪托したこ〜い〜は〜♪やさし〜く〜ゆーれるー♪
変わらない〜♪微笑みは〜♪いつの日も〜♪大切ね〜♪「おかえり」と〜♪言えるしあーわーせー♪「湯けむり慕情」♪♪


ここ、別所温泉には日帰り用の外湯として「大湯」「石湯」「大師湯」「あいぞめの湯」「足湯ななくり」の5箇所があります。
他にも別所温泉周辺には温泉の他にもお寺などの神社仏閣が数多く点在してます。温泉街の真ん中には「北向観音堂」があって、
他にも常楽寺。安楽寺など。途中駅の下之郷駅には生島足島神社もあり、初詣などには多くの人で賑わいます。
この上田電鉄も年末年始になると終夜運転を実施して初詣参拝される方の足として皆さんご利用されてます。

上田電鉄は上田駅から別所温泉駅までは片道約30分。ほぼ40分おきで運行されてます。なので昼間などは2編成の電車が走ってるだけなんです。
今日は先ほど上田から乗車された1000系と7200系が交互に発着します。本当なら「まるまどりーむ号」をご案内をしようと思ったんですけど・・・。
・・・あ、そうだ。下之郷駅始発の電車がこの後にあるんですよ。もしかすると「まるまどりーむ号」で出てきてくれるかも知れません。
ぜひ下之郷駅へ行ってみましょう。ついでに湯たんぽも見ることができますし。それじゃ、乗降よしっ!しゅっぱぁっつ。



あ、やっぱり下之郷駅に丸窓電車が寝ちゃってますね。でも後発の電車で出庫してきますから少し待ってましょう。
この下之郷駅には上田電鉄の本社と車庫があるんです。なので電車もここから出庫発着するんですよ。
上田丸子電鉄時代には多くの路線があったんですが、どんどん廃止されてしまって、今はこの別所線だけになってしまいました。
あっ。ほら見てください。向こうから「まるまどりーむ号」が出てきてくれましたよ。



「まるまどりーむ号」は現在走ってる7200系電車に昔、別所線で活躍した丸窓電車を再現しようと当時の塗装とカッティングシートで
戸袋窓がない7200系では窓をそのまま加工して、丸窓電車を再現したんです。



ほら。車内からこの丸窓を通してみる外の景色もまた違って見えるでしょ?この窓から眺める塩田平の風景が私は大好きなんです。
でも残念な事に別所温泉駅に留置してる丸窓電車も架線電圧の関係でもうこの線路を走ることはないんですよ。
架線の電圧を600Vから1500Vに昇圧した時、東急電鉄からやってきた5000系電車と5200系電車に全て置き換えられたんです。
5000系電車ってのは元東急デハ5000のことで「あおがえる」と呼ばれてたちょっと丸顔のかわいい電車なんですよ。
下之郷車庫に1両残ってたんですけど今はキレイにお色直しされて東京の渋谷駅前に里帰りしたんです。
あとで聞いたら上田交通にいた5000系は東急5000系の第1編成だったそうです。公園に置く際に三分の一ほど切り取られてしまって
短くはなってしまいましたけど、今まで解体されること無く、古巣へ里帰りできたなんて素晴らしいじゃないですか。
でもこの子の兄弟も殆どが廃車解体されてしまい、今は2両を残すだけなんです。あ、でも熊本電鉄で登場時の色に戻されて今も元気に
走ってるんですよ。でも同じ親戚にあたる5200系はすでに殆どが解体されてしまってもう静態留置してる2両しか残ってないんですけどね。

あ、さっき言ってた湯たんぽの話ですか?それはですねぇ。実はこの車庫にヒントが隠れてるんですよ。
ちょっと車庫の裏手に廻ってみますか。そうすると・・・ほらっ。あそこに見えませんか?
そう。あのステンレスの車輌が湯たんぽの正体。元5200系電車です。なんで湯たんぽって呼ばれるようになったかっていうと今の新型電車は
殆どがステンレスで出来てますよね?今はこの側面いっぱい一枚のステンレス合金板を作ることが出来ますが、昔は細長いステンレス板を
何枚も溶接して繋ぎ合わせてたんです。でも溶接跡が表に出ると不格好だったため、その溶接跡を隠すようにしたために側面がこのように
コールゲート溶接が行われ、側面がまるで湯たんぽのように波立ったように見えることから5200系は「湯たんぽ」って呼ばれるようになったんですよ。
今は倉庫として使ってるんですけどね。冷房装置のついた7200系電車がやってくるまでは別所線で活躍したんですよ。

あ、そろそろ帰られる時間でしたよね?上田駅までお見送りしますんで「まるまどりーむ号」に乗って丸窓から望む景色をいっしょに楽しみましょ♪
本当はもっともっとこの上田電鉄のことについていろいろと案内をしたかったんですが、それはまたいらした時にでもゆっくりご案内致しますね。
もっともっとこの魅力ある上田電鉄をぜひ見ていってください。あ、上田といえば真田幸村公を忘れてはいけませんよ?
あ、もうすぐ上田駅に着きますね。信州の鎌倉のこの上田と信州の奥座敷の別所温泉。また来てくださいね。ぜひお待ちしてます。

恋しくて〜♪咲いた花〜♪舞い散らす〜♪春の風〜♪涼しげな〜♪蒼いそら〜に〜う〜かぶ♪夏のゆめ〜♪
寂しくて〜♪綴るのは〜♪コトノハと〜秋の詩〜♪あたためて〜♪ほしいのな〜ら♪ここへ♪ふーゆーのー街〜♪♪

「また逢えますか?」


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