名セリフ集

里中満智子『天上の虹』より大津皇子名セリフを紹介します。


「もしもの時はぼくたちが戦うんだ。そのためにしっかりしなくきゃいけないんだよ。」(7巻)

 桑名で草壁、忍壁と食事をしているときのセリフ。壬申の乱の結果が心配で食べたくないと言いだした草壁に大津はせっせと食べながらこう言ったのです。さすが大津!


「忍壁…おまえって大人だなあ。いつもおだやかでさ。」(7巻)

 頼りない草壁のことを忍壁と一緒に語っているときのセリフ。忍壁は大津の気持ちを理解しつつ草壁を思いやる発言をします。それを聞いて大津がこう言ったのですが、「大人」っていうのは9歳の子どもの言う言葉じゃないと思うな…。大人なのは君の方だよ、大津。


「きょうだいでも男ならだめだといわれたってかまうものか!!逢いにいくよ!」」(7巻)

 大伯が伊勢斎王に任命されたことを知ったときのセリフ。斎王は男性に逢うことを禁じられているのですが、そんなことはおかまいなしの大津。『天上の虹』では、大津はその後数回大伯に逢いに行っています。本当に規則にこだわらないんだね。


「気をつけるよ。ぜったいにこんどから誰にも見つからないように行くよ。」(8巻)

 忍壁に初瀬にいる大伯皇女を訪ねたことがばれたときのセリフ。忍壁が大津を心配して「行動に気をつけた方がいい。」と言っているのに、大津はこういうことを言います。忍壁は常に大津を心配しているというのに…。忍壁って悟りすぎという気もするけど。


「わたし大津はあなたが大好きです!!全力を尽くしてあなたを愛します!」(8巻)

 山辺のもとへ毎日のように通っているのに逢わせてもらえない大津が、家のどこかにいる山辺に向かっていったセリフ。こんなこと言われたらみんなよろめいちゃいますね(笑)常に前向きに突っ走っていく大津らしいセリフ。


「うらやましいなあ。おれも山辺の隣に座りたーい。」(9巻)

 星祭りの席でのセリフ。たくさんの人が集まっている場所にも関わらず、大声でこんなことを言っています。おおらかだねー。


「見慣れておいたほうがいいぞ。」(9巻)

 裸で采女の前に出てきたときのセリフ。大津…あなたって人は…。山辺がせっかくフォローしているのに。これは迷セリフですな。


「立場なんて気にしないさ。人生は積極的に楽しまなくちゃ。」(9巻)

 忍壁、川嶋と一緒に飲んでいるときのセリフ。こういうところが大津の魅力なんだけど…。最終的にはこれが裏目に出るんだよね。


「そのおりこうさんの名はなんという?他の男のものになるなよ」(10巻)

 大名児との会話で出てきたセリフ。「暗さに惑わされるようなばかな女ではありませんわ。」という大名児に対してこういう切り返しができるあたり、やっぱりただものじゃない(笑)


「発言に気をつけなければいけない世の中はまちがっている。そのまちがいに自分の心をむりやりあわせる気はない。」(10巻)

 忍壁、川嶋と一緒に飲んでいるときのセリフ。3人でつるむのがすっかり定着しています(笑)忍壁の弟の磯城がこのグループに加わるようになったのがここから。磯城はちゃっかり大津から酒をもらっています。このセリフ、大津の言っていることってもっともだなあと思いますね。


「母さまの匂いだ。」(10巻)

 伊勢の大伯のもとを訪れたときのセリフ。山辺を選んだ理由は大伯に似ているからで、大伯は母の大田によく似ている…。基本的に大津は母を求めているということがよくわかります。大津にとって大伯は姉というより母なのです。


「部下を危険から守るために一番前に出るのがおれの義務だ。」(11巻)

 狩りでのセリフ。こういう上司のために働きたいものです。上司の鏡!!


「勇気を出して、自分はこの道を歩いていけるんだと信じて、思いきって歩きはじめようと思う。」(12巻)

 天武天皇の病状が悪化しているときのセリフ。どんな状況でも前へ進もうとする大津はやっぱりかっこいい。


「眠るのがもったいなくてね。起きているといろんなことに気がつくから。」(12巻)

 死を賜る日の朝のセリフ。何気ない日々の暮らしの音にいつも気づかずにいるけれど、死を前にするとこういったことにも愛おしさを感じるのかもしれません。


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