第5章 若者の団体活動に関する調査

調査の目的と項目の選定

近年、地域や職場の団体に参加する若者は減っているといわれている。しかし、阪神・淡路大震災ボランティアに参加したのは20代と30代の若者が多く、全体の57%を占めた。(ながた支援ネットワーク調べ)このことを理解するには、団体活動に参加することについての若者の意識調査が必要である。また、しずおか未来づくりネットワーク参加4団体のヒアリング調査(第3章)でも、「若者の参加を期待するものの、どうすれば若者が入会するかわからない」といった答えが目立った。

そこで、目的型コミュニティに参加する立場である若者側の意識と実態を把握することを目的として、20代から30代の人を対象にアンケート調査を実施することにした。さらに、同時に本研究の結論の柱の1つとする若者エネルギーの活用方法についての提案を募集することにした。

なお、我々の考える「目的型コミュニティ」の定義が一般にはわかりにくいことから、意識調査部分については、「ボランティア活動」に置き換えて調査している。

質問項目は、以下のとおりである。

  1. 仕事以外の団体についての加入状況
  2. 入っていない場合、その理由
  3. 入っている場合、その団体の活動内容(スポーツ、ボランティア他)
  4. 入っている場合、その団体の種類(職場、地域他)
  5. 入っている場合、その団体に加入した動機
  6. ボランティア活動についての意識

また、フェイス(属性)質問項目は以下のとおりである。

  1. 性別
  2. 年齢区分(20〜24歳 25〜29歳 30〜34歳 35〜39歳)
  3. 未既婚の区別
  4. 子供の有無
  5. 職業

調査の方法

回収効率を上げるため、共同研究グループ「Modern-chick」のメンバーの知人等を通じて、直接、間接的に対象者に調査票を配布した。また、分析に最低限必要な 300件以上の調査票回収を目標としたため、配布数は 500件とした。概要は以下のとおりである。

  1. 調査対象 20歳以上39歳以下の男女
  2. 調査方法 メンバーの知人等を通じて、直接、間接的に調査票を配布、回収
  3. 調査期間 平成8年11月〜12月

調査結果及び分析

配布数 500件に対して、有効回答数 351件、有効回答率70.2%であった。また、回答者の像は以下のとおりである。

項  目 内           容
性  別  男性 194人(55.3%),女性 157人(44.7%)
年  齢  平均 28.1歳(クラスの中央値×度数から算定)
結婚・子供の有無  独身 247人(70.4%),子無72人(20.5%),子有32人(9.1%)
職  業  官公庁 166人(47.3%),民間 137人(39.0%),他48人(13.7%)
  1. 仕事以外の団体についての加入状況
性  別 男 性 女 性 合 計

 χ2 値 12.08463  自由度  1  P 値 0.000508  (有意水準)

入っている 104  55 159
入っていない  90 102 192
合  計 194 157 351

男性の方が、仕事以外の団体に加入しているといえそうである。

年齢区分 20〜24 25〜29 30〜34 35〜39 合 計

 χ2 値 2.067871自由度  3  P 値 0.55854  (有意水準)

入っている  37  63  34  25 159
入っていない  55  77  32  28 192
合  計  92 140  66  53 351

20歳から39歳までの年齢区分では、団体加入に有意差はなかった。

結婚・子供の有無 独 身 既婚子無 既婚子有 合 計

 χ2 値 6.542538  自由度  2  P 値 0.037958  (有意水準)

入っている 101  40  18 159
入っていない 146  32  14 192
合  計 247  72  32 351

結婚していることや子供がいることは、必ずしも団体加入の妨げとはならないようである。

職  業 官公庁 民間企業他 合 計

     χ2 値 46.65421自由度  1      P 値 8.47E-12      (有意水準)

入っている 107  52 159
入っていない  59 133 192
合  計 166 185 351

官公庁の方が、民間企業等よりも団体に加入しているといえそうである。

  1. 入っていない場合、その理由 (複数回答、率は非加入者全体に対する割合)
1 団体活動をする時間がないから 78人 40.6%
2 団体活動をするのがわずらわしいから 75 39.1
3 適当な団体を知らないから 90 46.8
4 勧誘してくれる者がいないから 16 8.3
5 関心がないから 68 35.4
6 金がかかるから 4.2
7 その他 0.5

非加入の理由は、「適当な団体を知らない」「時間がない」「わずらわしい」 「関心がない」がそれぞれ4割前後を占めている。特に「適当な団体を知らない」については、これだけの情報過剰な中で適当な情報を見つける困難さを示していると考えられる。また「時間がない」については、仕事と余暇の両面において、活動の場と機会が多様化して多忙になっている現代においては、当然の結果だろう。

  1. 入っている場合、その団体の活動内容 (率は加入者全体に対する割合)
1 スポーツ 104人 65.4%
2 趣味・教養 55 34.6
3 親睦・情報交換 25 15.7
4 ボランティア 26 16.4
5 社会活動(自治会、住民運動など) 32 20.1
6 その他   8 5.0

活動内容では、「スポーツ」が圧倒的に多く、その半分が「趣味・教養」、以下「社会活動」、「ボランティア」、「親睦・情報交換」と続く。

  1. 入っている場合、その団体の種類 (率は加入者全体に対する割合)
1 職場の団体 75人 47.2%
2 学校の団体 5.0
3 地域の団体(職場や学校の団体以外) 96 60.4
4 全国的な団体(職場や学校の団体以外) 19 11.9
5 その他 11 6.9

団体の種類では、「地域の団体」が最も多く、「職場の団体」が続いている。 「その他」のうち、8人がパソコン通信であり、地理的制約を超えた新しいコミュニティの種類といえるだろう。

  1. 入っている場合、その団体に加入した動機 (率は加入者全体に対する割合)
1 特技を身につけ生かしたいため 34人 21.4%
2 余暇を有効に過ごすため 88 55.3
3 よい仲間を得るため 80 50.3
4 自分の人格向上や成長に有益であるから 52 32.7
5 義理だから、頼まれたから、やむをえず 42 26.4
6 ただ何となく 12 7.5
7 その他 20 12.6

団体への加入動機では、「余暇を有効に過ごすため」と「よい仲間を得るため」が、それぞれ50%を超えている。また「義理だから、頼まれたから、やむをえず」や「何となく」といった消極的な動機が、合わせて30%を超えている。