トウシューズをはこう


大人から始めても、トウシューズを手にすることはできます。ここでは、トウシューズのはき方や選び方、どのようにレッスンしていくかなど、私の経験から書きたいと思います。ただし、トウシューズほど、個人差が大きいものもないので、私の意見はあくまでも参考程度と思ってくださいね。


CONTENTS

トウシューズをはく前に1 トウの危険性2 トウをはく基準3 トウは痛いもの?4 トウシューズ VS ポワント
トウをはくのに必要なもの
トウのはき方
トウの加工法
トウの選び方1 トウシューズと足のタイプ2.私が試したトウシューズの種類3 トウシューズの感触の確かめ方
トウの練習法


トウシューズをはく前に

1.トウの危険性

これはとても忘れられがちなことのようです。トウシューズに憧れるあまり、このことが頭からすっぽり抜け落ちている人が、たくさんいると思います。
私はトウシューズは危険なものだと思っています。バレエシューズに比べると、足にかかる負担もかなり増します。また、思わぬけがやアクシデントに見舞われることも、バレエシューズに比べるとはるかに多いと思います。
もし、あなたがトウシューズをはくなら、その危険性を認識すべきです。必要以上に恐れることはありませんが、もし、あなたが体調や、足の具合がよくないなら、そんなときにトウシューズをはくのは自殺行為であることがあります。
そのようなときには、バレエシューズでやることだって必要なのです。また、バレエシューズでできないことが、トウシューズですんなりできることはまずないです。このことも忘れられがちですが・・・。つまり、バレエシューズであやしいことが、トウシューズでできるということは、ほんのまぐれみたいなものです。
あなたの足は、あなただけのものです。誰かにはきなさいと言われても、もし、自分の中で今日ははかない方がいいと判断したら、はくのはやめてください。時には、トウをはかない勇気を持つということも、身を守るためには大切なことです。

2.トウをはく基準

このHPを開いてから、トウシューズをはくときに自己申告制を取るという、稽古場があることがわかってきました。これは、私には驚きでした。なぜなら、うちでは、先生の許可が出ないと、トウシューズをはくことはできないからです。
もし、あなたがそのような稽古場に通っているなら、先生からの許可が出るまでは、トウシューズをはくべきではありません。たとえ、練習でも、やめた方がいいです。もしどうしてもやりたいなら、トウシューズをはくだけにしてください。もしくは、立つにしても、何かにつかまって。でも、もし万が一、足を痛めた場合は、あなた自身で責任は取らなくてはなりません。
さて、あなたのところが、自己申告制であったり、始めてすぐにトウシューズを許可する稽古場だった場合、あなたはどうしますか?
私が言えるのはただ一つ。はっきり言って、トウシューズをはくのには、最低でも半年は必要だと言うことです。それでも少なすぎると思います。もともと、新体操や他のダンスをやっていた方は例外です。何一つ運動をしていなかった、または、学校の体育しかやっていなかった人が、バレエを始めたとしても、よっぽど条件がよくない限り、筋力はありません。そんな人がトウシューズをはくのは、大変危険なことです。
私は1年以上くらいは、最低でもバレエシューズで経験してからの方がいいと思います。もちろん、レッスン回数などにも寄るので、年数は一概には言えません。
私なりに、足が強い基準となることは何か考えてみました。次のようなことができるようになれば、多分トウをはいても大丈夫でしょう。

1 バレエシューズで、両足シュ・スーでルルベして、5秒以上バランスを取ることができる。
2 バレエシューズでア・テールでパッセして5秒以上バランスを取ることができる。
3 バレエシューズでルルベでパッセして3秒以上バランスを取ることができる。
4 バレエシューズでア・テールでアラベスクをして5秒以上バランスを取ることができる。
5 バレエシューズでルルベでアラベスクをして3秒以上バランスを取ることができる。

5秒は本当は10秒くらいはバランスが取れる方がよいです。また、3秒は5秒くらいは・・・。これはあくまでも私が考えたことですが、結構理にかなっているような気がします。

3.トウは痛いもの?

トウシューズが痛いものだというイメージは、多分漫画などから来ているのではないでしょうか。血染めのトウシューズとか、痛くても我慢して、そして初めて一人前のバレリーナになるのだ・・・といった描写が、鮮烈に私たちの頭にあり、それが当然というイメージが定着しているのです。
けれど、それは今は昔の話。昔のトウシューズと今のトウシューズは、素材も違うし、種類の豊富さや、技術の進歩などにより、昔ほど、トウシューズで痛い思いをすることは少なくなっています
まず、痛かったら合ってない・・・と思うこと。自分の足が悪いのではないと思うことです。例外は、外反母趾や、元の足の構造により、骨が痛い場合です。でも、そういったことに対しても工夫次第で、痛みを軽くしていくことは可能です。どうぞ、恐れずに、痛かったら他のトウを試したり、工夫する勇気を持ってください。まめを作り、血を流しながらやる、根性がなければできない・・・というのがバレエではないのです。
ただし、長時間はく場合には、どうしても窮屈だし、リボンで締め付けているので、足がむくんできたり、だるくなったり、しびれてきたり・・・。そういうのは仕方ないですけど。でも、まめがこすれたりする痛さ、体重が指全体にかかって痛いことは、私たちのトウの選び方や工夫次第で避けることができるのです。

4.トウシューズ VS ポワント

トウシューズという呼び名は、日本独自のものみたいですね。なんだかよくわかりませんが、バレエをやっている人の大体の人がポワントと呼んでいると思います。ただ、これも稽古場とかによるみたいです。私がいるところではトウシューズというのがいまだまかり通っているので、私もそういう呼び方をしていますが、どっちでも通じればいいのですよね。ただ、多分ポワントと呼んだ方が、何となくバレエやってるーという感じにはなるかもしれません。
ちなみに私がポワントという言い方をするときは、トウシューズで立つという意味のときと、どっかのオープンクラスのポワントクラス・・・という名称を呼ぶときの2つくらいなもので、やっぱり気づくとトウと呼んでいます。


トウをはくのに必要なもの

トウシューズをはくのに必要なものは何でしょうか? ここでは、それについてまとめます。

1.トウシューズ

トウシューズには色々な種類があります。日本製のもの、外国製のもの・・・。一番最初のトウシューズには何がいいのか・・・これも、一概には言えないのです。でも、教室によっては、先生が指定しているところもありますから、もしそうなら、まずはそれをはいてみましょう。合うか合わないかは、天のみぞ知る・・・。

2.トウパット

トウシューズをタイツの上から直にはく人も、中にはいるようです。床をつかみたいから・・・などというのがその理由。でも、普通の人がそれをやると、多分とても痛いことでしょう。トウの中は固く固められていますから、そこで皮膚がこすれると豆ができたりするわけです。
ということで、登場するのがトウパットです。昔の人はストッキングや、生肉を入れた・・・などといいます。今でもストッキングを使っている人もたまに見掛けます。まあ、こんなのは、痛くなければなんでもいいのです。
でも、今は、いろんな素材を使って、いろんな物が出ています。厚みも様々。ゼリー状のものなど、ユニークなものまで。このへんは、自分で好きなものを選んでください。

3. リボン

外国製のトウの場合、リボンがついていることは、ほぼありません。自分でリボンを用意しましょう。大体はソレ用のリボンが別売りで売っています。リボンにも色々な種類があります。太さや色、つや、など・・・、全く違います。とりあえず、色はトウシューズの色に合わせるのが普通です。


トウのはき方

さあ、早速トウシューズをはいてみましょう。はき方は・・・決まっているという人もいますが、自分の好きでいいのではないかと私は思います。自分なりに、はきやすいはき方を探してみましょう。

1. トウパットをあてる

まずはトウパットを足にあててください。自分でいい位置になるようにしてください。

2. トウの中に足を入れる

このとき、指はすべて伸ばします。曲げたままトウシューズの中に入れては絶対にダメです。もし、ハンマートウなどで指が曲がってしまう人は、豆ができることを覚悟してください。
このときのはき方も小指側からこするように・・・という人もいますが、私はそのまま普通に真っ直ぐ足を入れています。
足を中に入れたとき、もしどこか当たっていたいような所があるなら、そのままにして置くと、大変です。もう一度はきなおして、痛くない位置に足を持って来てください。また、指を重ねてはいてしまった場合なども、大変なことになりますので、もう一度トウパットを当てるところからやり直してください。

3. リボンを結ぶ

リボンの結び方には、2種類あるようです。両方をクロスさせてから巻く方法と、1本を巻いてからもう1本を巻く方法です。私は後者の方を使っています。
リボンは結んで巻きつけたリボンの下に入れます。このときの結び方も、人によって色々あるようです。私は普通に二回結んだあと、リボンの下に入れています。もちろん、蝶結びをしている人などもいるようですから、それでもいいのです。リボンが出てこないようにしてください。
リボンを入れる位置は本当は小指側のくるぶしの下がいいとか聞きます。それは、バレエがアン・デオールするものだからです。けれど、私はやりにくいので大体内側のくるぶしの方に入れています。リボンの端が出なければ、どちらでもいいでしょう。ただし、かかとの部分には結ばない方がいいです。なぜかというと、アキレス腱に当たって痛いからです。大丈夫な人は、それでもいいでしょう。
また、リボンの巻き加減は非常に難しいですが、きつすぎると血が止まって痛くなってきますし、緩すぎると脱げてしまって危険です。リボンを結んだものをリボンの下に入れることも考え合わせて、ちょうどいい具合に結んでください。
このへんはもう、経験で覚えていくところで、どのようにしたら上手に結べるかは練習してください。特に舞台ではリボンの端が出ていると、だらしなく目立ちますので、気をつけてください。
そうそう、言い忘れましたが、トウの周りのきつさはあらかじめ自分で調節してくださいね。ひもやゴムがついているものは自分で調節して、蝶結びにして、その結び目は必ずトウの中に入れます。結び目を外に出しているとみっともないので気をつけてくださいね。
トウシューズのはき方で、足が美しく見えるかどうか決まります。どうか、キレイにリボンを結んで美しくトウシューズをはいてくださいね。


トウの加工法

さて、トウシューズというのは様々ですが、必ずしも自分の足に合っているわけではありません。ここでは、どのようにトウを加工することができるのかについて、述べましょう。

1. 指の付け根に当たる部分を柔らかくする

特に外反母趾の人は、親指の付け根あたりがかちんかちんのトウをはくと、必ず痛くなりますから、この部分だけは柔らかくしましょう。でも、外国製のトウでなければ、そこまで固すぎるということもないので、この作業はやらなくてもよい場合もあります。また、気をつけなくてはならないのが、立つ部分、つまり、指の付け根よりも先の部分です。ここを柔らかくするとつぶれてしまって立てなくなるので、あくまでも、付け根の部分の当たっていたい所だけを柔らかくするようにしてください。

2. ソールを曲げる

これもかなりの人がやっている作業だと思います。ソール(底)の部分を自分の土踏まずにあわせるように手で曲げます。これも加減によっては折れてしまったり、あまりやりすぎると、柔らかくなりすぎて使い物にならなくなるので、気をつけてください。
特に注意すべきは甲が出る人です。甲が出る人はこの作業をやりすぎると大変危険なことになることがあります。このせいで足がつったり、もしくは甲が出すぎて危険になりますので、最初はあまり柔らかくしない方がいいと思います。特にはきたての頃は足が強くないので、あまりに自分の足とフィットさせすぎると逆に足がつったりとか、筋力がなさ過ぎて立てないというようなことになるので、そういう人はこの作業はせずにまっすぐなままで使った方がいいでしょう。
最近新たな発見をしました。指の付け根のちょっと上あたりの部分を折り曲げると、土踏まずのところを曲げるよりも更にフィットし、すごく立ちやすくなるんです。ただ曲げる場所が難しいような気がします。指の上あたりから折り曲げられて、バランスよく立てる感じ。興味のある方はやってみてください。

3. ポワント部分にレース糸などを貼り付ける

ポワント部分は回ったりすると、すぐにほつれてきて、特にサテンの場合はぼろぼろになります。そして、このぼろぼろした部分は、滑ったりして、時に危険なことがあります。
このようになってきたら、ぼろぼろの部分ははさみなどで切ってしまった方が安全です。そのまま使ってもらってもかまいませんが、長持ちさせるためには、レース糸で編んだものや、レザー地のもの(どちらも売っている) などをボンドで貼り付けるといいでしょう。
私はレース糸を丸く編んで、最後の部分だけ板状にして、鍵穴みたいな形にして貼り付けています。(編み方はこまあみというので、円になるよう、できたこまあみに引っかけていくやりかたなのですが、編み物に詳しくないため、説明できません)
ボンドは木工用ボンドを愛用しています。このいい点は、多少なりとも音を吸収するということと、ごつごつしたトウの感じが柔らかいものに変わることです。ただし、すぐにつぶれてしまうようなトウには、もったいないのでやらない方がいいです。長持ちするトウにはこのような工夫をすることで、さらに長持ちさせることができるということですね。ちなみに、この部分にレース糸でかがる方法もあるようです。こっちの方が長持ちするそうなんですけど、すごく難しそうで、できません。

4. 甲の部分をかがる

これは、甲が出る人などにオススメの方法です。ヴァンプ(トウの一番甲側の部分から爪先までの部分)が短いトウを指が長く甲が出る人がはくと、指にとっても大変よくない状態になり危険です。こういう場合など、つまりはヴァンプを長くすればいいことで、そのために甲の部分を靴紐を結ぶようにレース糸などでかがると、とてもはきやすくなります。
これは、ちょっと指の付け根からかかと側に移る部分が細目の人で、どうしても指の付け根あたりがぴったりフィットしない人にもオススメです。間違えて幅が広いものを買ってしまった場合などにも使える方法です。

5. 中底、または底を切る

かかとの方まで長く中底があるトウだと、たまにかかとにその部分が当たって痛かったり、どうしてもア・テールのときにごろごろしてしまってやりにくい・・・という場合があります。こういうときはトウの中底、もしくは底の部分を切る方法がオススメです。ただし、私は底の部分を切ったことはありませんが。中底の方は先っちょを切るだけでだいぶかかとが当たらなくていい具合になるトウもありました。
ただし、この作業は自分がトウに対してどうしてもやりにくいという場合だけにとどめた方がいいでしょう。切るときはかなりしっかりしたはさみやカッターを使ってください。結構かたかったりするので、けがをしないように注意してくださいね。

6. かかとにゴムをつける

トウシューズをリボンで結んだだけではどうしても脱げてしまう人は、かかとの部分にゴムをつけましょう。ゴムは別に白いそこらへんで売っているゴムでOKです。
つけるときに気をつけたいのは、緩くつけすぎても意味を成さないということです。なので、必ずはいて、少しきつめかな・・・くらいの位置でゴムを切るといいでしょう。ただし、あまりにもきつすぎで切ってしまうと、縫い付けたあとに足が入らないということにもなりかねないのでご注意。
つける位置はどこでもいいと思うのですが、中にはかかと部分ではなく甲の方につける人もいるようです。

7. リボンをつける

これは外国製のトウに必要な作業です。リボンをつける位置は、本来自分の足に合わせた方がいいと思うのですが、どの位置につけたら一番やりやすいかというのはその人によって違うので、これは省略します。
ただし、一般的に言われている位置というのは決まっているようで、かかとの部分を折り返してみて、その折り返した部分が当たる所がリボンの位置だそうです。よくわからない人はここにつけておけば間違いないかも。持っている日本製のトウで、どの辺にリボンがついているかを見てみたりするのもいいでしょう。

8. ポワント・ハードナーやニスなどを塗る

これはやったことがないのですが、ポワント部分がすぐに柔らかくなってしまってはけなくなってしまう人にはいいかもしれません。ただし、つぶれるとき、ソールが柔らかすぎて駄目になるなどという人は、この作業をやっても無駄ですから、やめた方がいいでしょう。(というより、無駄な作業は面倒なだけ・・・)
聞いた人の話によると、コツはどうやら使う前に塗っておくということのようです。柔らかくなってから使ってもあまり意味がないとか。また、塗りすぎるとポワント部分のサテン地にしみてしまい、斑模様がついてしまうみたいですので、その点、気をつけた方がいいかも。

9. リボンにゴムをつける

これもやったことはないのですが、アキレス腱の部分にリボンが当たってとても痛い・・・という人は、リボンを切ってちょうどアキレス腱に当たる部分に普通のゴムを数センチに切ったものをつけると、アキレス腱に負担をかけず足首が痛くならないそうです。ただし、すごく面倒そう・・・。


トウの選び方

トウの選び方といっても、ものすごい種類のトウがあるし、私もすべてを試したわけではありません。そしてなにより、どうやら、足の形にはタイプがあって、そのタイプによってもどのようなトウが合うのかというのは違うようなのです。私も足のタイプとトウについてはよくわからないのですが、一般的に言われていることと、また、私がはいてきたトウシューズについてご紹介しましょう。

1. トウシューズと足のタイプ

A.甲のあるなし

トウで立ちやすい足は、昔から甲のある足・・・と言われています。確かにそうかもしれません。が、実は甲がある足というのにも何種類かあるようです。
つまり、甲の部分だけが盛り上がっているタイプと、足首の部分からなだらかに盛り上がり、甲の部分まで達しているものとです。そして、後者は生まれつきのものですが、前者については、バレエをやる上のトレーニングによって、甲のない人でも段々骨が出てくる傾向にあると言えます。
私の足はどうやら後者に近いようですが、そういう人でもバレエをやっていると、段々甲の骨も出てきます。だから、甲がない人もあきらめずに甲を出すトレーニングを積み重ねてください。そして、こういうトレーニングによって得られた甲の方が、私はとても貴重で立つのに必要な条件ではないかと思います。
甲があり、さらに足首なども鍛えられた人の場合は、ある程度前にいってもそれに耐えられますが、甲があっても足が鍛えられていない人は、前にいくと足が折れますので、気をつけてください。
確かにバランスをとるのには甲があったほうがいいかもしれませんが、実際に踊るときはバランスをとるというよりも動きになってきますので、甲がある人の方がやりにくい動きというのも存在します。また、甲がある人は足に乗って踊ってしまうらしく、引き上げが身につかないようです。
さて、私の経験から言って、甲のある人で、足首が鍛えられていない人は、あまりにも前に行くトウをはくと危険なので、多少前重心くらいのトウをはくといいかと思います。後ろ重心のトウをはくと立てません。(私だけかも)
それから、あまりにもソールが柔らかいものをはくのは危険です。また、前に行ってしまう人はヴァンプの長さにも気をつけてください。自分の足の指の付け根より、少し上までヴァンプが来ているものならば大丈夫ですが、短すぎるものをはくと、危険だと思います。
甲がない人の場合、どうしてもポワント部の底側の部分で立ってしまいがちです。これは、立っていると言うよりかは斜めになっている、つまり床を押して立つと言うより、立ち切らずに乗っているというような状態です。見ていると大変危険で怖いのですが。
まず、ポワント部にきちんと乗れるようなトウを探すこと。甲が出なくてダメな場合は、ソールの柔らかいものや甲を押し出すようなものを選ぶことです。といっても、実は自分が甲がないタイプではないため、このへんになるとよくわからないのです。

B.指の長さ

指が長い人はヴァンプが長めのものをはいた方が安心です。短い人は短いものの方が多分やりやすいでしょう。自分の指の付け根よりも少しだけ上のあたりにヴァンプの先端が来るようなくらいがちょうどいいのではないかと思うのですが。

C.足の幅

日本人は大概足幅が広い人が多いです。けれど、中には細い人もいるので、自分の幅には敏感になることが必要です。幅広の人が狭い靴をはくと外反母趾などが進む原因になります。
足の幅というのもすごく難しいのですが、親指の付け根の部分の一番幅が広い部分が当たらず痛くないくらいの幅がいいのではないかと思います。ただし、この部分がパカパカしてしまう場合は、広すぎですから、そのサイズは合わないかもしれません。
また、この部分だけ幅が広くて指の方にいくに従って細くなる人は、ずん胴型のトウシューズ(つまり付け根の幅からポワント部分の幅までがほぼ一緒のトウシューズ)をはくと、指が落ちていって、指が床につく感じがしてしまって、痛くてはけない場合があります。こういう人はどうやら、幅が広いけれど、ポワント部はある程度細くなっているようなトウを選ぶといいかもしれません。

D.ポワント部の広さ

ポワント部分が広いトウと狭いトウがあって、一般的に広い方がバランスが取りやすく、狭い方がピルエットなどを回るのにはやりやすいとされています。
これはそのとおりかなと思いますが、Cでも触れたように、足の指が付け根の幅よりもきゅっと狭まっている人は、ポワント部の広さが広いものをはく場合、そのまますとんと指が落ちてしまって、痛くなってしまう人がいますので、そういう人はポワント部の広さはある程度あるものの、きゅっと先が細まっているトウを選んだ方がいいでしょう。

E.ポワント部の削れ方と足

ポワント部の削れ方はどうやら足のタイプによって違うようです。
甲がある人の場合、親指側が削れ、ない人の場合は小指側が削れると聞いたことがあります。私もその例に漏れず、親指側がどうしても削れていってしまい、どんどんどんどん、斜めに傾いていってしまいます。
こうなってくると、足がまっすぐでなくなるため、足首に負担がかかり、ものすごく危険でした。そこで、あるとき、削れ方が少ない方を親指側にして、交互にはくようにしてみたら、ものすごくこれがよかったようで、足首にも負担はかからないし、同じ方だけを使わないから、つぶれ具合も2倍遅くなり、なかなか重宝しています。
たいていの人はトウシューズの右左を決めていると思いますが、もし、どうしても、削れ方が激しい人はやってみてもいいかもしれません。
いい立ち方は真ん中が削れる立ち方で、本来こうあれば、このような苦労をする必要はありません。

F.足の形とトウシューズの向き不向き

足の指の長さと形には、3種類ほどあるらしいです。そのうち、一番トウシューズにふさわしい足は、5本の指すべてがほぼ同じ長さのスクエア型の足・・・と言われていましたが、トウシューズの形から言うと、どうやら違うようです。最もトウに適している足は、どうやら、親指、人差し指、中指の3本の長さが、ほぼ同じくらいの足だそうです。
特にトウシューズと言うのは、指を伸ばした状態で、きゅっとくっつけるものですから、普通の状態での指の長さではなく、そろえてくっ付けてみたときの長さが3本そろっているのが望ましいようです。
一番不利な指の形は、人差し指だけが長い足だそうです。これは、人差し指という細い足だけで体重を支えることになるからです。このため、人差し指だけが長い場合は、まめうんぬんと言うより、体重全体が1本の指にかかる痛さがあるらしいのです。
とはいえ、普通に伸ばしたときに人差し指が長い人でも、3本の指をくっ付けてみたときには、案外同じくらいの長さの人が多いと思います。これは、あくまでも、くっつけたときの長さなので、悲観しないようにしてください。
また、人差し指だけが長くても、バレエを続けている人もいますし、工夫次第では、痛くないこともあると思うので、恐れずにがんばってください。

G.3/4(4分の3)ソール

3/4(4分の3)ソールというのが売っています。何となくやりやすそうなイメージです。私も買ってみましたが、いまいち足に合わないのです。どうも土踏まずの位置と3/4ソールの部分が合っていないので、立ちにくいことに気づきました。つまり、3/4ソールというのは、底が短くなっている分、土踏まずの部分がそれより下にある人が、その部分を折り曲げようと思っても、固くてなかなか折れないということです。
この間、この疑問に決着がついた・・・ように思いました。というのは、あるメーカーのパンフを見ていたときに、そのダンサーの足はまさに足底の3/4のところで折れ曲がっていたからです。どうも人間の足の土踏まずの位置が、人によって違うのではないかという結論に達しました。(間違ってるかもしれないけど)
足を伸ばして土踏まずの位置を見てみると、私の足は足底のちょうど1/2のところに土踏まずの最もへこんだ部分が来ています。こういう人は、3/4ソールは合わないということだと思います。3/4ソールが合う人は、足底の3/4のところに土踏まずの最もへこんだところが来る人なのではないかと思います。
一度自分の足底を見てみてください。土踏まずの位置が1/2のところにある人は、多分3/4ソールを買っても合わないと思います。こういう人は多分、フルソールを買う方がいいです。その方が、自分の土踏まずの位置に合わせて底を曲げることができるからです。

2.私が試したトウシューズの種類

トウシューズ名 メーカー 値段 コメント ドゥミ
シルビア・普通トウ シルビア 4000円台 一番最初にはいたトウ。細目なので、足幅が広い人は、ワイドまたはワイドワイドを注文するとよいでしょう。もしくはサイズをワンサイズ上げてください。この加工は特注ですが、確か500円程度しか違わなかったと思います。また、ソール部分についてもソールハード、ソールソフトの特注も受け付けていて、私はソールハードを愛用しています。ソールソフトはものすごくぐにゃぐにゃするほど柔らかいそうなので、本当に甲の出ない人にはいいかも知れません。重心は普通の重心。オーソドックスなトウです。 うるさい 固い
マイセシオン シルビア 5000円台 国産のトウで私が愛用しているトウ。このトウはどちらかというと前重心で、シルビアの普通トウよりも前に重心が来ます。甲がある人にはオススメです。また、普通トウよりも若干幅が広めです。 うるさい 固い
フロリナ シルビア   新しく出たので試してみたら、立ちやすく安定感があるように思う。なかなか長持ちしそうな感じ。ただし、かかとの部分にあたるソールの端が痛くてジャンプすると突き刺さるような感じでちょっと厳しい。 うるさめ  
アヴィニオン アヴィニオン 5000円台 ここのトウはとても私には柔らかかったようで、一回はいただけでつぶれた・・・。けれど、ソフトな感触などから愛用者は多数いますし、持つ人には長持ちするようです。ちなみにシルビアはすぐつぶれるという人が多いのですが、私はそうじゃないので、そういうことから言ってもこのトウは私にはダメだっただけでしょう。    
バレリーナ・EX(?) バレリーナ 4000円台? 最初の頃にはいたのですが、このトウは前に重心はない。とても立ちにくかったので、すぐにやめてしまったのです。甲がない人にはいいかもしれないです。    
フリード フリード 8000円台? イギリスで買ってきたので、日本の値段はよく知らないのですが。高いのと種類が豊富すぎて、自分に合うトウを探すのが非常に大変そうです。私はイギリスで買ってきたものが、一回でつぶれたことから、あまりにも不経済でこのトウは使えないと思ったので、それ以降は試したことがありません。    
サンシャ サンシャ 3000円台 もっと安かったかも。中国製のトウで、愛用者も多いです。サテンだけでなく、デニム地のものなどもあります。安さが取り柄です。バンブー(竹)をソールに入れて、強化するというものもあり、長持ちさせるのにはいいようです。このトウは上に重心が来るので、多分普通の重心でしょう。私は中で指が動くらしく、このトウで豆が結構できたということと、ピルエットのときに小指をねんざしたことから、使わなくなりました。けれど、このトウが合えば、とても経済的なはず。 しない  
コンテンポラ カペジオ 5000円台 このトウはかなり有名なトウで、合う人が多いです。甲がある人にはオススメですが、固いので慣らすまでがちょっときついかなという感じです。ただし、慣れるととても立ちやすく、さらにバランスが取りやすいです。(逆に降りられないという欠点もある) 重心はどちらかというと前 する 固い
ギャンバ 92 ギャンバ 5000円台 とても柔らかいトウだったのに、知らずに折り曲げてしまったら、ものすごい前に行ってしまいました。とはいえ、とても立ちやすい。すぐに柔らかくなってしまうので、甲がある人は注意が必要。私もバランス等は取りやすいけれど、回ったり動いたりする場面では、足をひねりそうで怖くてはけなくなってしまいました。底ハードを選ぶといいかも。重心はとても前に行く。 しない 柔らかめ
ギャンバ 97 ギャンバ 6000円台 ギャンバ97 3/4ソールを試してみました。3/4ソールがどうやら足に合わないみたいで、いまいちでした。前に行きすぎないかと思ったのですが、逆に土踏まずにフィットしなさすぎた感じ。そうこうするうちに湿気にやられてべこべこになってしまい、高かったのに・・・(ToT) という結果に・・・(^^;) しない 柔らかめ
ソナタ ブロック 4000円台 このメーカーは元が幅広ならしいのに、それを知らずE幅にしたら、すごいことに。特にこのソナタは靴先が広いので、私のような幅は広いものの先に向けて細くなる足には向いていなかったようで、すぐに指がついているような感触がして来て、とてもやりにくく、友達にあげてしまいました。 しない 柔らかい
シュープリマ ブロック 4000円台 このトウはマイセシオンに似ているそう。確かにマイセシオンが合う私にもピッタリ。そして、シルビアほどドゥミの部分が固くないので、ソフトではきやすい感じ。重心はどちらかというと前です。柔らかいからか、すぐにつぶれるのが難点かも。 しない 柔らかい
シルフィード ブロック 4000円台 説明によるとシュープリマより少し大き目な作り・・・とあります。シュープリマと確かに同じような感じですが、やっぱりシュープリマの方がはきやすい気がします。 しない 柔らかい
フェッテ グリシコ 5000円台 最もグリシコの中ではかれているのがこれかもしれません。とても固いです。調節の紐がついていないのでやはりちょっとかがったりする必要があるかも。重心はやや前のように思います。
かなりはきやすくなったなーと思った頃、つぶれてしまったけれど、このトウは確かに多くの人がはいているだけあって、慣れるとすごくやりやすい気もしました。
うるさい 固い
エリート グリシコ 5000円台 このトウはグリシコの中では一番幅広で、ヴァンプが最も短いものです。指が長く、幅広なものの先端が細い私の足には、まったく合わないようで、やはりすぐに指がついているような感触がして、痛くてはいていられなかったです。    
ワガノワ グリシコ 5000円台 ここのトウを買う時は、いつものトウより0.5センチ大き目の方がいいかもしれません。つまり、普通の靴よりも1センチくらいは大き目の方が無難でしょう。とても重いのが難点のような気がする。固いけれど、グリシコの中では一番やりやすい。が、先が細すぎるようではいているうちに指がしびれてくるのが難点、というか、そのせいで私には使えないのだ。   固め
マヤ-I グリシコ 5000円台 形はフェッテと同じで、底がスウェードになっていてフェッテより軽いらしい。ソールソフトを試してみたけれど、やはり固い。特にドゥミの部分が固く、なかなか柔らかくならない。その部分がクリアできればかなりよいトウだと思う。あと、グリシコのトウはどれも音がうるさすぎるのがすごく難点だと思う。 うるさい 固い
イノベーション イノベーション 6000円台? 吉田都さんも愛用というコピーにだまされて、ついつい試してみたくなって買ったトウ。悪くはない。重心はどちらかというと上。外国製のトウは、どれも日本製のトウよりもバランスが取り易いような気がします。もう少し前に行く感じがあるとなおよかったのですが。 しない  
ラ・バヤデール レペット 6000円台 土踏まずの部分がフィットしてくると、トウに助けられて体が上に上がる気がします。また種類が豊富なようなので、様々な注文にも答えてくれるでしょう。重心は前です。かなり柔らか目なのか、つぶれるのも案外早いかも・・・。 うるさい 柔らか目
R-class R-class   友達からもらったのですが、重い。ちょっときつめだったのであまり大したことはわからないのですが。ロシアのトウは重たいように思います。   固め


3. トウシューズの感触の確かめ方

なぜ、トウが前重心なのか・・・などがわかったのか? と疑問をお持ちの方もいるでしょう。これは、利き酒などと一緒なのです。つまり、同じときに何度も違うトウに履き替えてみると、さっきまでとは全然感触が違ってものすごく違うということに気づくでしょう。
人間はトウシューズに合わせて、重心の位置を工夫して立っています。けれど、トウを履き替えた時は、前の重心の位置が残っていて、そこと同じ重心で立とうとします。が、トウシューズの種類が違えば重心が違うので、立った時にものすごい違和感があるのです。けれど、そのうちにその重心に慣れてきます。そんなときに、また別のトウに履き替えてみれば、今度はまた違う重心があることに気づくでしょう。(これはどんなに合うトウシューズを組み合わせて立ってみても同じです)
つまり、何足もはいてみないと、果たしてどのトウが自分に合うかというのも気づかないということです。もちろん1足目でフィットする場合もあるでしょうが、もしかしたらそうでないかもしれない。そう思い出すと、永遠に探求者として、色々なトウをあさってしまう人の気持ちがわかりますね。
とはいえ、やっぱりいつでもはけるトウというのは用意しておかなくてはならないものですから、3種類くらいメーカーを試してみたら、どこが一番だったかがわかると思うので、今度はそこのメーカーのものと他のメーカーのものを試す・・・というような感じで、まったくはけるトウがないということにならないように気を付けつつ試してください。


トウの練習法

さて、トウシューズをもらったら、まずは何をしますか? ここでは練習の方法について、簡単な説明をします。でも、一番大切なのは、あなたの習っているところと同じ方法を、早く身につけることです。あとは、自分なりに工夫して、早くトウに慣れるよう、がんばってみてくださいね。

1. トウをはいたら

まず、足にフィットさせることが大事なので、靴の中で足が変だと思ったら、はきなおすなどしてください。これを怠ると、豆ができる原因ともなるし、はきにくいままやっていると、思わぬけがにつながることがあります。
それから、まずはバーなどにつかまってでいいので、いったんポワントで立ってみましょう。そのときにどこか当たったりするところがないかを確認してください。もしこのとき、痛かったりする場合は、はき方が悪いかあっていないかですから、ちょっと考えた方がいいでしょう。
それから、松やにがあるところでは、滑らないように松やにを付ける方がいいと思います。

2. ドゥミを柔らかくする

トウシューズは固いので、立つのは簡単にできると思います。一番難しいのはドゥミを通ることです。
ドゥミの部分はトウによってはものすごく固いので、自分で体重をかけたりして、柔らかくしてください。

3. 足慣らし

トウシューズをはいたら、どこの稽古場でも多分、足慣らしがあると思いますが、ない場合は、自分で必ず足慣らしをした方がいいと思います。バーにつかまって行ってください。
また、エシャッペなど、簡単なことをして、その日の調子をはかるのもよくやられていることのようです。

4. パ・ド・ブレ

初心者の場合、一番最初にトウでやることは多分パ・ド・ブレでしょう。両足で進むものなので、最も怖くなくできるパです。簡単なようで、難しい。まずはこれでトウに慣れてください。

5. エシャッペなど両足で踏みきり両足で立つもの

次に簡単なのがこの類です。でも、バレエシューズとは違って自分の足と同じだけ上に上がりますから、今までよりも運動量が増えると思います。エシャッペなんかは逆にバレエシューズより楽とかも言いますが、最初のうちは結構つらいでしょうか。とにかく、何でも始める時はまずはバーからと思ってやってみてください。

6. 片足で踏み切り片足で立つもの

これが一番難しい。バレエシューズでは良くエシャッペとパッセの組み合わせなどをやっていたと思います。けれど、トウでやるとパッセというのは片足踏み切りで片足で立ちますから、かなり難しいのです。もっと高度になるとアラベスクでそのまま上に上がるとか、バロネなどになりますが、この辺はある程度以上、トウシューズに慣れないと難しいので、無理はしないで下さい。まずはバーから。

7. ピルエット等

この辺が一番動きがあって怖いかも知れません。どうしても初めのうちは先にポワントに乗ろうとして膝が曲がったりおかしな順番になったりしがちです。やっぱりまずはパッセでバランス・・・などから練習した方がいいかもしれません。