森に着くと、トラップが手を離した。 「い、一体何しようって言うのよ!」 「な、なにぃ? もしかしてトラップ、彼女のこと男だと思っていたわけぇ?」 「ねぇ、トラップ」 「無駄骨おったわけだな」 「……おめぇさえよければ――」 顔を寄せ、耳元で囁く。 「え……?」 トラップが走り出した。わたしはそれを追いかけた。
――いつもおめぇのそばにいる。……おめぇさえよければな――
その言葉と、振り返ったトラップの、ゆでタコのような真っ赤な顔は、一生忘れない。 END |
クルミさまと知り合ったのは、かつての深沢先生の公式ホームページの小説掲示板でした。そこでクルミさまの書かれていた「1日だけ、16歳」のあらすじ書き職人募集に図々しくも名乗り出た際、そのお礼として頂いてしまったのがこの小説です。 「リクエストはありますか?」 の問いに、 「それじゃあ……切なくって甘々なトラパスを……。それで、『切ない』っていうのは『気持ちが伝わらないもどかしさ』にしてください」 ……更に図々しさ大爆発のリクエストをしてしまったわたし(爆) こんなわがままなお願いをこんなに素敵な創作にしてくださって、ありがとうクルミちゃん!!! 感激です〜(ToT) さてさて。勘違いしてやきもち焼いてるトラップがかわい〜〜(はぁと) |