角川スニーカー文庫 全3巻
おおまかなお話 |
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砂漠を隔てて対峙する大国レーンドラとユハリシュ。大陸制覇を求める二国の争いは長く続いていた。 レーンドラの王女、サウラに仕える侍女・アゼルは突然のサウラ自殺の報に驚く。しかし更に驚いたことにはサウラはレーンドラの秘術で生き返らせられるというのだ。生き返ったサウラは別人のように変貌し、「聖女」と呼ばれる所以であった予見の力もなくしていた。 死ぬ直前のことを全く覚えていないサウラの、最後の記憶に残る美貌の男。唯一の手掛かりである彼を探してアゼルとサウラは旅立つ。 ちょうどその頃、大陸の各地では美しき予言者が「災厄」――この世の終わりを説いていた……。 |
りあるの超個人的感想文 |
個人的に、世紀末に出会ってよかった、と思えた本です。ひとつひとつの言葉が、わたしたちの甘い「世紀末思想」に疑問を投げかけてきます。 そして、胸に突き刺さり疼きます。 この話に出てくる人たちは皆、精一杯の今を生きぬこうとしています。 ちょっとだけ余談ですが。 全てを知る予言者のセリフはあまりに痛いものばかりです。穏やかだからこそ、余計に突き刺さります。 「新世紀」です。1999年の7の月はもうすでに終わってしまいました。 |