2003年06月の徒然草紙


「徒然草紙」2003年06月版です。
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2003/06/29

ハヤカワ文庫刊行、冲方 丁著「マルドゥック・スクランブル The Second Combustion - 燃焼 -
2巻目。前巻のシャドウランばりな銃撃戦とうってかわって静かな戦い。
いや、こういう戦いもあるんだなぁ、と再認識。
まあ、1巻目の銃撃戦をシャドウランにたとえるのも双方に申し訳ないというか、 飛来する銃弾を銃弾で迎撃するなんてのはな。
しかし、2巻目のような静かな戦い、というのもハタで見てる分にはすっげー面白いな。
改めて感じてしまった。


2003/06/28

角川ホラー文庫刊行、五代 ゆう著「晴明鬼伝
一時期はやった安部晴明もの。
ちょっと毛色かわっているけどね。
なにしろ、最後で、「あっ」といってしまったくらいに。
ライトノベル、とは少し言い難いのかもしれないけど、まぁ、目先変えて
たまにはこーゆーのも読もうかな、と。


2003/06/22

富士見ミステリー文庫刊行、上遠野 浩平著「しずるさんと偏屈な死者たち
病弱でずっと入院をしている美少女の元に友人がもたらす世間を騒がす怪事件の数々。
それを、友人の言葉とマスメディアの報道だけを頼りに謎解きをしてゆくいわゆる、安楽椅子探偵もの。
事件の謎的にはおそらく本格ミステリーファンにはものたりないのではないだろうか、 とおもえるようなものなのだけれども、
とりあえず、しずるさんかよーちゃん萌えろ、という作品かもしれない。
イラストもイラストだしな。
テーマがどうこういう作品ではなく、暇つぶし的な一作ではあった。


2003/06/21

富士見ミステリー文庫刊行、吉村 夜他著「真・女神転生NOCTURN アンソロジー
真・女神転生3のアンソロジー小説である。
本編とは関係のあまりないところでの短編を数人の作者が書いたもの。
中でもやはり吉村 夜氏の書いた短編がお気に入り。
登場人物の一人に的を絞ってのハードボイルド風。
まぁ、こういう本が出てくることからして評判いいんだろうね。
確かに私自身ハマってはいるけどな。(苦笑)


2003/06/20

電撃文庫刊行、川上 稔著「終わりのクロニクル 1 [上]
都市シリーズの著者の新シリーズ。
決してはやりとなる、万人に受けられる小説ではないけれども、一部のコアなファンは つく、都市シリーズ
を見限ってか、あるいはネタ切れか。著者とイラストレーターを変えずに新シリーズである。
まぁ、この著者と絵師は同じ会社の人間らしいからな。
新シリーズの本意がどこにあるかは知らないけれど、相変わらずの読む人間を選ぶ小説ではある。
物語の流れ、というよりもその語り口が原因なのだろうか。
でも、都市シリーズの気に入った自分としては続きが楽しみなシリーズではある。
うう。こうして買う本がどんどん増えていくのだな・・・
なるんじゃないだろうな。


2003/06/15

電撃文庫刊行、時雨沢 恵一著「キノの旅 Z - The Beatiful World -
最近、主人公であるキノ自身ではなく、その師匠や別口で出てきた旅人の話がちらほら見れるようになってきた作品。
相変わらずのブラックさというか、主人公の容赦のなさというか。
いい味だしてるな、という思いとそろそろマンネリ化してきたかな、という思いとがごちゃまぜになってしまっている作品。
となるとどうしても主人公であるキノの謎に包まれた過去を暴いてゆく話をかかざるを得ないわけで。
今回もそうした過去話がひとつ。いいんだかわるいんだか。
相変わらず「あとがき」相当文章には笑わさせてくれますが。
そのうち「あとがき」相当分がメインで本文が従になるんじゃないだろうな。


2003/06/14

電撃文庫刊行、高瀬 美恵著「真・女神転生V NOCTURN 地の巻
電撃ゲーム文庫と呼ばれるメディアワークスの出す文庫のレーベルのひとつ。
どうも、真・女神転生3は人気があるようで、派生商品が山のように出てくる。
一応、ゲームを元ネタにした小説で、同じような作品が富士見ミステリーで出ていたが、
小説の出来としてはミステリー文庫のほうが上。
ネタバレをあまりせずに、あの世界観をうまく利用した形で男の生き様のひとつを見せてくれた。
こっちは、マネカタと呼ばれる種族の少女を主人公に、ネタバレ全開で話が進む。
ゲームの展開がわかるのはいやだ、という向きは読まないほうがよい。
あと、ゲームの主人公と密接にからむせいで、ゲーム内のマネカタの存在意義とか思考形態とか常態とか、
結構大事な部分なのに、違和感が出てしまう。「ここにもいるぢゃん」ってな感じで。
まぁ、気にしすぎなのだろうけど。


2003/06/07

角川スニーカー文庫刊行、横手 美智子著「.hack//ZERO Vol.1 ファントム・ペイン
ゲームを主軸に、アニメ、漫画とマルチに展開してきた作品の小説第二弾。
といっても昨今、マルチに展開しない作品のほうが珍しいんだけどな。
TVアニメ(最初のほう)の後から始まり、ゲームをつなぐ作品、だそうで。
ゲームのほうはやってないのでわからないが、アニメをとりあえず話のラインとか登場人物とかわかる程度に見てれば
懐かしい面々が出ててそれで楽しめるかも。
ヒロインというか、主人公がとんでもねー設定し、これはどうかと思いもしけがね。
.hackが好きならどうぞ、ってな感じですかね。


2003/06/06

角川スニーカー文庫刊行、浅井 ラボ著「されど罪人は竜と踊る 2 灰よ、竜に告げよ
タイトルは一部で有名な名作のパロディだろぉな、これは。
魔法システムが独特な一作。こういうの好きだよな、オレ。
話もどちらかというと、巨大な権力や陰謀に主人公たちはひたすら振り回される という、
ライトノベルというよりハードボイルドに近い作風を感じたりもする。
そこがいいんだが。
ま、漢字も多いし、読みづらさというのは確かにあるので、人を選ぶ作品だろうな、というのは相変わらずで。


2003/06/05

一つ前の本といっしょに買ったもの。こっちのほうがハヤカワらしい。
とはいえ、それでも今までのものより、よりライトになってる気がするけど。
ハヤカワ文庫刊行、冲方 丁著「マルドゥック・スクランブル The First Compression - 圧縮 -
命の危機にあるとき特定で、法的に禁止された科学技術による蘇生や救命が認められるが、
そのかわりにその技術によって生きながらえることが社会にとって有用である、と証明しなければならない、
とまるで正義の味方を生むためのようなシステムではあるが、それだけにライトノベルにしやすい、というか。ライトノベルか、これは。
最近やっているゲームのシャドウランを想像してしまったのだけれども、まぁ、そこまでハードボイルドではないっていうか、
やはり大前提の「有用であることを証明する」ってのがいい感じではたらいているのかな。
最後のほうでは技術に溺れたヒロインが技術に拒絶される、というシーンもあって何気に危機。
もひとつのほうより自分的には合ってたかも。いや、デスタイガーもいいっちゃいいんだけどね。


2003/06/02

ハヤカワ文庫刊行、荻野目 悠樹著「デス・タイガー・ライジング1
・・・え?ハヤカワ?と一瞬思ってしまった。トクマのほうがあってそう。
この作者は多分、田中芳樹氏に師事してるのだろう、と確証ないけど思った。読んでてすっごい田中色を感じたせい。
ライトノベルよりの銀英伝、て感じか。
まだ1巻目。異星で行われる2つの文明の激突、なんだけど、まぁ、地球人類の影がちらほらと。
先の巻に進んでいかないとわかんないけどな。


2003/06/01

前月と比較すると今月はラッシュだったりする。全部書くことは多分しないけど。
電撃文庫刊行、甲田  学人著「Missing8  生贄の物語
ううむ。実は、イチバンのお気に入りだった先輩が敵役と確定、ちと残念。
主人公が誰なのかイマイチよくわからないのだけれども、とりあえず主人公っぽい(苦笑)
少年が少女のために変わろう、と決意するところあたりなんか確かにターニングポイントだな、と。
最近のライトノベルの傾向、なのか、結構これでもダメダメだったりするんだけどね
目が離せなかったり。


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