2003年04月の徒然草紙


「徒然草紙」2003年04月版です。
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2003/04/29

朝日ソノラマ文庫刊行、小川 一水著「強救戦艦 メデューシン(下)
そもそものコンセプトに無理があるんじゃなかろうか、と思わせる強襲救助戦艦。
その無理すら物語の中に入ってたのには脱帽。
その戦艦に勤める看護婦たちの話。
キレイにまとめたな、というのが感。
いくら赤十字ががんばっても戦争は終わらないけどな、とか思ってたら確かに政治的に戦争を終わらせてたのがよかったところ。
無論、それに主人公たちがしっかりと絡むところなんかも。
最初、戦場を強襲して負傷者を救助する戦艦の話、と聞いた時にはここまで複雑というか、陰謀が背後にあるとは思いもしなかったが。
赤十字を舞台にこれはこれでいいのかもな。
あるいはシャドウランのそれこそドクワゴンチームの話とか。


2003/04/27

富士見ミズテリー文庫刊行、吉村 夜著「真・女神転生 V −NOCTURNE−
前の同作者の真・女神転生はダメダメだったが、今作一作目の「廃墟の中のジン」に通じるものがった。中々の良作ではないかと。
コンセプト的には同じものだったりするんだけれどもな。
もしかすると、この作者、こういうハードボイルド的なものを書かせたほうがよいのかもしれない。
単純にそう思ってしまった。
ゲームのほうはやっていないのだけれども、外伝的な内容にしているのは同じで、どうもこのレーベルから出す
真・女神転生のシリーズはそれを狙っているのかもしれない。
それはそれでよし、とかおもったが。


2003/04/26

富士見ファンタジア文庫刊行、嵩峰 龍二著「雷の娘 シェクティ
大人買いの最たるもの。これに読書時間を喰われていた、とも。
全七巻からなる長編シリーズ。ただし、刊行は平成元年らなのでもはや14年も昔のもの。
当時、結構人気があったのではなかろうか。
一気に読んでみると作者のオカルト好きな部分が宗教臭く感じられてやな気分にはなったが、それなりのもの。
同作者の別作品が途中で止まっているのだけれども、あれも確かオカルトじみたところがあったな、と思い出した。
そっちはSFで読んだのがずいぶん前なのでうろ覚えなのだが、ここまで宗教臭くはなかった気もする。
ただ、北欧神話を絡めているので今読むともしかすると宗教臭がするかも。
このシリーズはファンタジーということもあってよりそれを強く感じた。
なんだかんだ言いながら、結局神様の掌の上の話だったし。


2003/04/20

電撃文庫刊行、中村 恵理加著「ダブルブリッド [
ひどく久しぶりなスプラッタライトノベル。
事態が混迷しすぎていて、かつ前作から(リアルな)時間がたちすぎていてよくわからなかったり。
ただ、前々から意識していた、この作者の非人間を非人間として書いてる部分は今回もすごいな、とか思いながら読んでた。
食事中読んでて、食事シーンが出てきたとき、思わず本を閉じたしな。
それにしても微にいり細にいり描写しなくともよかろうに、とも。
それがこのシリーズの売りなのかもしれんがね。


2003/04/19

富士見ミステリー文庫刊行、雑破 業著「なばかり探偵団
大人買いその2。
ミステリー文庫なのだけれども、全然ミステリーしていないシリーズ。
「さくらの季節」「雨のちカゼ」「消えた短冊」の3冊が出ている。
ミステリーを楽しむ、というより中学生の主人公とヒロインのらぶこめに萌えるというか悶えるというか転がるというか。
そっちのほう主体(笑)。
初々しくていいねぇ、とかおじさんなこと考えながら読んでしまっていた。


2003/04/13

富士見ファンタジア庫刊行、冲方 丁著「カオス レギオン 0 招魔六陣編
先月読んだ「カオス レギオン」のさらに過去の話。主人公は前作の主人公の従者がメインか?
連載していたらしいのだが、記憶にない。
この出版社の月刊誌は買わなくなったので、最近の連載なのかもしれないが。
まぁ、普通にファンタジーというか、前作より萌え度UPというか。
普通に読めたものでしたな。
もっとも、これだけありきたりな題材で普通に読める、というのは最近なかったりするので、
ある意味作者の力量がわかろうというもので。
期待買いをする作者になったかも。


2003/04/12

本業で忙しいので色々遊んでいたせいもあっておよそ一月ぶりの更新。
一月間読んでた本を一気にまとめ書きする。
ハルキ文庫刊行、小川 一水著「導きの星 T〜V
この一月、じつはこういう大人買いをしていた。
ソノラマの「メデューシン」で何気に気に入ったので同作者のシリーズのうち、ネットで評判の高いもの。
とはいえ、マイナー系作者ではあるな。
外宇宙で発見された初期文明に対して健全な発達をするように誘導する人類、というそもそもの基点が
ちょっとまてお前ら、といいたくなるような設定なのだが、それはそれで面白かったりする。
「目覚めの大地」「争いの地平」「災いの空」と巻が進むにつれて文明が発達していく感がなにやらシム・ガイアを思い出してしまった。
昔のPCゲームで地球を管理して文明を育てよう、というゲームだったハズ。
(ヒトデが文明もったこと覚えてるが)
まぁ、主人公がヘタレだったのが成長していったのはよかったのではないか、と。
まだ完結していなくて、3巻目でとんでもない事態が発覚するのだが、さて、一体どうやって
落とし前をつけてくれるのだろう。と楽しみにしてたりする。
メデューシンの時もそうだったが、あまり甘ちゃんなことはしない作者のようだから、
よけいに楽しみ。


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