2002年3月の徒然草紙


「徒然草紙」2002年3月版です。
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2002/03/24

電撃文庫刊行、上遠野 浩平著「ビートのディシプリン SIDE 1[Exile]
ブギーポップと同一の世界で書かれる物語。いやまぁ、もしかするとこの人の書くもの、異世界舞台を別にして
全部同一世界である、という感になきにしもあらず、なんだけれども。
この作品はストレートに同一世界。というか、幕引きをしてくれるブギーが出てこないだけのブギーポップ、といってよいかも。
電撃Hpという季刊誌で連載されているものを集めたものだけれども、幕間として少々書き下ろしがある。
この幕間が登場人物から話から全部が意味深で、興味を引くというか。
幕引きをしてくれる、ある意味最強のキャラであるブギーがいないこの話で、どう幕を引いてくれるか、
でもそろそろまったく違う話を書いてもよさそうなもんだけどなぁ。
なんとなく、初期の新井素子を見てるような気もしてきた。


2002/03/23

富士見ファンタジア文庫刊行、秋田 禎信著「魔術師オーフェンはぐれ旅我が館にさまよえ虚像
まぁ、そろそろおわりかなぁ、と思える展開で。
意味もなくダラダラと続いて欲しくはないなぁ、と惰性買いをしている身としては思うわけで。
いままでのいやになるくらいな後ろ向きな主人公の行動が多少改善されて、まぁ、少しは
読みやすくなったかな、と。
うう・・・書くことねぇ・・・(苦笑)


2002/03/17

電撃文庫刊行、川上 稔著「都市シリーズ 電詞都市 DT (上)
新たな都市である。微妙に他の都市との連携もできてきて、シリーズ通して読んでもよくわかなかったりするのが難点なのだけれども。
DTはデトロイト。ヴァーチャルリアリティの世界。マトリックスといったほうがよいか。
なんとなく現在のネットワーカーに対するイヤミとかありげでなんともいえなかったりもしたりする。
それを除けば最近の都市シリーズの「わかるやつだけついてこい」なノリで読んでて楽しい
のだけれども、これ新規客はつかないんだろうなぁ、などと愚にもつかないこと考えたりする。
早いところ(下)が出ることを望むのみ。


2002/03/16

電撃文庫刊行、時雨沢 恵一著「アリソン
「キノの旅」の作者による初の長編。
キノの旅で見せたあの毒舌というか、ブラックユーモアが丸まる一冊!とかおもうと少しげんなりしていたのだが、
実の所そんなこともなく、ごくごくまっとうなライトノベルであった。
ライトノベル、というよりジュブナイル、に近いか。
ラピュタかあるいは田中芳樹の「アップフェルラント物語」をなんとなく想像して しまうような、
主人公とヒロインの宝捜し冒険談、というのが今回の長編。
ま、本当に「普通」のライトノベルだよな。
とはいえ、昨今、ここまで正当派は読んでいなくて、懐古主義というかなんというか。
「懐かしい」という感じは確かにした。
それでいて実は現実世界にたいするブラックなジョーク、皮肉を作中に込めているのは この作者らしいな、と。


2002/03/12

過去遡及。
電撃文庫刊行、甲田 学人著「Missing 4 首くくりの物語 完結編
何気に気に入ってたり。
いや、本格的なホラーはあまり好きではなかったりして、このあたりのライトノベル的ホラーが
自分にはちょうどいいのかな、などと思ったりもして。
あいかわらずの「そんな奴ぁいねぇ」をいってるので、そこらを無視して読める人であればなんとか。
美形揃いのイラストの影響からか、耽美のかほりがするんですが、そんなわけもなく。
容赦なく脇役は死ぬが、主人公たちはなんとかかんとか(ある意味御都合主義的に)生き延びている
ところなんかもいっそライトノベル的で潔し。
まぁ、殺せないんだろぉなぁ。などと勘繰りもするけどもね。
それはそれで。


2002/03/09

しばしハヤカワの長編を読んでいてお休みしてましたが、いまだ読み終えてなかったり。
とはいえ、同時進行で数冊読んでたりするので、今回はそれを。
角川スニーカー文庫刊行、三雲 岳斗著「ランブルフィッシュ B 場外乱闘恋心編
なんというか、ますますもってパトレイバー化してきたというか。
話のつくりはさすがにこなれたもので、まあこれだけとんでもない速度で作品量産していれば慣れてもくるのか。
とはいえ、あんまりに早い刊行速度にちとその質に不安があったりもするけど。
家電とかじゃないんだから量産すればいいってもんでもなかろうに。
いえ、それで質さえ落ちなきゃいいんですよね。私にとっての質が。
他の読者にとっての質がどんなもんだかしらんから一般的評価はどうでもいいんだけど。正直。
とはいえ、この調子だとレベリオンと同時期におわったりしないだろうなぁ?(苦笑)


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