気がつくとこんなに書いてないのか。
読んでいるんだけどね。いや、ドラクエ7が(苦笑)
10年以上前の本の再版というか、装丁を変えて、会社もかえての再度の出版。再版か。
徳間デュアル文庫刊行、菅 浩江著「<柊 ひいらぎ の僧兵>記
」
初版刊行は1990年である。10年前の作品。にもかかわらず読める、というのは、作者を誉めるべきか進歩しない周りor自分を責めるべきか。
いや、菅 浩江という作家はよい作家だとおもうんですよね。
この時期のこの人の作品で「ゆらぎの森のシエラ」というのがあるのだけれども、これも好きな話ではあったし。
砂漠の民の中に白い子供としてうまれた主人公はその姿形と貧弱さゆえに周りからのかっこうのいじめの対象となっていた。
ところがそんな彼の環境が一変する。
神の山とのギリギリの線で共存をしていた人類の前にその人類をせん滅すべく謎の集団が現われたのである。
人々に知恵をさずけ、技術を授ける「柊の僧兵」を探して全滅した村を後にする主人公とヒロイン。
その彼らが体験するのは人類の命運をかけた戦いだった。
ちと大仰な気もしないでもないが、あらすじ的にはこんなもの。
言ってしまえば少年の成長物語。ストレートど真ん中といった感じのひねりも何もないもの。王道といえば王道。
菅 浩江という作家の長編デビュー作という話だが、今の若手作家の大半よかよっぽど読ませるな、ともおもったりして。
素人でしかない自分がこういうのは失礼にあたるだろうか。でも今の作家にもうまい人はいるんだけどね。ちゃんと筆力のある人とか。
最近、とみにこのリバイバルが多い。10年前くらいの作品の再版とか。
高千穂 遙の「クラッシャージョウ」の第一巻もなんか再版してたし。(加筆訂正あり、だとか)
商売うまいよな(苦笑)
久しぶりにハヤカワのSFを一気読みをした。
ダン・シモンズ著。ハヤカワ文庫刊行「ハイペリオン」
どこに魅かれたかイマイチ不明なのだが、タイトルを目にした瞬間、手にしてた感がある。
28世紀の未来、転送ゲート --つまりはどこでもドア --で各居住惑星を結んだ<ウェブ>を作り上げた人類。
<ウェブ>に組み込まれていない惑星は「辺境」と認知され、コールドスリープと亜光速航法によってタイムラグはあるものの、
結ばれ、人類はその手を銀河系へと広げていた。
辺境の星、ハイペリオン。
「時間の墓標」とよばれる奇妙な遺跡とシュライクと呼ばれる人を殺戮する未知なる存在。
そういったものがある不思議な星へ、アウスターと呼ばれる無法者集団が攻め入ったきた。
そんなさなか「時間の墓標」への巡礼を行う7人の男女がいた。
てなわけで、長編ではなく、ハイペリオンを中核においた中編集である。
それ故に各中編はさまざまはジャンルに及んでおり、アクション、ホラー、サイバーパンク、ラブロマンス。
ありとあらゆるエッセンスが盛り込まれており、しかもその中編がばらばらにあるのではなく、
ちゃんと「ハイペリオン」という星に集約されていっている。
このまとまりようこそが「SFの集大成」といわせしめたのだろう。
ハヤカワのシリーズ、総じて海外SFの多くは緻密な描写が多く、わたしが普段読むライトノベルにある
スピード感が犠牲になっているものが多いと思っている。
いや、この本もそうなんだけれども、多種多様な物語のありようが飽きさせず、一気によませてくれた
全ての原因だろうとは踏んでいるが。
上下2巻というボリュームにさすがに時間をとられはしたけれども。
恐るべき事に、ハイペリオンに到着した男女が、目的地である「時間の墓標」のある谷へと降りて行くシーンで終わっている。
未完。
・・・・・・むぅ。