2000年05月の徒然草紙


「徒然草紙」2000年05月版です。
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2000/05/30

どうもこのままの雰囲気では今月もThe BESTは0冊とかいう話になりそう。
NiftyのSFフォーラム会議室でちょっと話題になった本に手を出してみた。

電撃文庫刊、中村 恵里加著「ダブルブリッド
ある意味イラストで損をしているのかなぁ、と。
比較的ホノボノした絵柄なんだけれども、内容はややスプラッタ気味。帯のジャンルも「ホラーファンタジー」となっている。

怪と呼ばれる異人類知的生命体が発見された世界での日本を舞台とした話。
一種の異人類と人類との交流話でもある。

とはいえ、主人公(多分女のほう)に対する男の気持ち、特にラスト部分での動きがまったく見えないせいで、やや不透明感を感じるのも確か。
そのせいではないだろうが、読んでて飽きのくる場面があるのが残念。そういった意味から、自分的にこの作品はライトノベル失格である。
The BEST にでないのもそのせい。

動物は他の動物を殺して始めて生きていられる。
自然界の掟ではあるが、これが人間に関わると歪んだ姿で出てくる。
そんな事をいいたかったのだろうか。
主人公が「人間」でないせいか、そんな部分が強く感じられた。


2000/05/18

電撃文庫刊、子安 武人 原案、瀧本 正至著「アグノイア 1

子安武人って聞いた事あるな、と思っていたら、本業は声優だそうで。
何やってるんだか(苦笑)

元々この作品はCDドラマとしておこされたものだそうで、原案の子安武人も出演している作品。つまり、これはノベライズもの。

話そのものはあまりにも序章すぎて何がなんだか(苦笑)
何か怪奇現象じみた事がおきているのはわかるし、ダンテとかスクバス(サキュバス)の名前を見ると
多少オカルトの入った幻想系かな、とはおもうのだけれども。

天球音楽とよばれる、星の公転軌道やら光のパルスやらを音に置き換えて音楽をつくる。
という部分に何やら秘密がありそうで、その天球音楽部に所属する高校生達が主人公となり、
悪魔じみたもの(そのものか?)と関わって行く話・・・らしい。

なんか・・・そのまんま女神転生(苦笑)それもTRPGのほうね。

星をイメージした音楽というのはいくつかあると思うけど、有名どころはホルストの組曲「惑星」かな?
それをイメージするといいんだろうな。
CDドラマということなので、この天球音楽なるものも音で表現したのだろうか?
・・・ちょっと興味がわいてきた(苦笑)


2000/05/16

仕事の拘束時間兼待ち時間に読んだ本。
結構長いシリーズで、惰性で読んではいるのだけれども、主人公があまりに直情的かつ
お馬鹿なせいか、読んでてイライラしてくる時もあったりする。
角川スニーカー文庫刊、安川 健太郎「ラグナロック 7 灰色の使者

何がいらつくって、主人公の何も考えずにひたすら目の前の敵をぶんなぐるその性格。
んでもって全てを救いたいとか甘ったれた事ぬかしてるところ。
いや、別に全てを救えない、とはおもってないけど。
小説だし。
でもあの主人公の無知蒙昧さで全てをすくわれたら世の中どうかしてるとか思ってしまう。

格闘ファンタジーとか銘打ってあったよぉなきがする。
血肉が飛び散る確かに銘に偽りなし、といったところか。
スプラッターファンタジーでも可(苦笑)

世界観がよくわからないところがあって。
鉄道は実用化されているし、飛行船も一部兵器として運用、銃も存在している。でも主流は剣?
古代の超文明の遺産ということで超兵器も山のように出てくる。

まぁ、超兵器がどこまでイケるか。それを目当てに読んでみるのも一興か。


2000/05/12

15巻を長いと見るか、短いと見るか。
実の所、いいかげんネタ切れっぽいな、という感覚はあったのだけれども、
最後の最後の14巻でなかなかよいところを見せてくれたのでちょびっとだけ期待したんだけれども。
富士見ファンタジア文庫緊急発売とやらの「スレイヤーズ!15 デモン・スレイヤーズ!
作者は神坂 一である。

第一巻のオマージュというか、対比構造というか。
というか、伏線もなしでそれかい!ってなもんで。
なんだか、中身がさらに薄くなったような・・・。

とはいえ、最終決戦では思わぬアイテムの使い方してくれたりとか(伏線がなかったともいう)
初期のスレイヤーズ!のように、力押しではなく、頭を使ってくれたのはなかなかよかったんではないかと。


2000/05/04

ゴールデンウィークなんだね。本来なら10日頃発売の電撃文庫がすでに発売されていた。
ということで、なんとなく目についた本。
三雲 岳斗著「レベリオン 放課後の殺戮者
バイオハザード、といっていいのか?特殊なウィルスによって特殊な能力をもった者同士の戦闘もの。あるいは格闘ものか。
なんか特殊能力にえらく仰々しいネーミングつけてるな、と。
スクリーミング・フィストとかインビジブル・ブリッドとか、あるいはブラスティング・ハウルとか。
順に水晶拳,水鉄砲,雄たけびで十分とか。(苦笑)
最後の叫ぶやつは昔の作品、秋津 透の「ルナ・ヴァルガー」ででてたような気がする。
超音波で対象を破壊する雄たけび、という奴だ。

ああ!こんなんしか印象にのこってないぞ(苦笑)


2000/05/03

富士見ファンタジア文庫。Wizardryにかまかけて読むのが少し遅くなった本。
秋田 禎信著「魔術師オーフェンはぐれ旅我が絶望つつめ緑
なんか・・・くもり空なライトノベルである。
主人公のやりたいことがイマイチ見えてこないで、いや、究極的にははっきりしているのだけれども、
当面のやらなきゃいけないことがよく見えない、というか。
なんか状況にながされているだけというか。

世界の状況もよくわからない。
対立するさまざまの勢力があって、その勢力が何を目的に行動しているのかがねぇ。
究極的なところの目的ってのはわかるんですよ。では今回の行動って、その目的からするとどういうもの?
わかるのは少しでも多くの仲間を集めようとしていた勢力くらいかなぁ。
むろん、そのために協力を強要するってのがあって、それが今回の話のすべてだったんだけれども。

オーフェンは富士見書房の月刊誌「ドラゴンマガジン」で短編を連載していたのだけれども、
それが今月で終了し、なにやら新しいものを書こうとしている雰囲気。
ま、いいかげん長いし、よいのでは。

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