2月最後の日。月末営業日は普通残業を余儀なくさせられるのですが、今月は研修の影響
でかなり早く帰れてうれしい日。
なんか「わからんから教えて」とかいう電話が妙に多いのだが。
ハルキ文庫刊清水 義範著「宇宙史シリーズ3 不死人類の伝説」
なつかしいタイトルもシリーズ3作目である。ここで紹介したのは1作目だけだけれども
しっかりと2作目も読んでたりする。
不死を求める欲望ってのは、昔っからある話で最近では使い古された感もあるが、
小説の発表そのものが古いのだから仕方ないといえば仕方ない。
題材としては面白いし、これはその不死を扱ったもの。
不死の形態についてもある意味アリガチだし、結論もアリガチではあるんだけれども、
そこそこ楽しめた。
というよりは、やはり懐かしい、という小説そのものに対するノスタルジィのほうが先行しているのかもしれないが。
全部で何巻あるのかは覚えてないけど、とりあえず全部よんでみようか、と。
2000年の閏年ということで、実はまだY2K問題はカタがついていなかったり
します。
そんな中わたしゃ会社命令で研修の日々。
いや、研修地まで30分少々でつけるせいか、朝が楽で楽で。
ということで少し前に読んだ本でも。
富士見ファンタジア文庫の賀東 招二作「フルメタル・パニック 揺れるイントゥ・ザ・ブルー」
この作品は前々から富士見書房が展開していた連載短編と書き下ろし長編の2本立て
戦略にのっかったもの。で、これは書き下ろし長編のほう。
このシリーズは短編のほうが面白く思えるのだけれども、シリアス気味の長編もまた味があってよし。
潜水艦のっとりの話といってしまえばそれだけなんだけど、スパイものにあるような本格的なものを期待してはいけない。
乗っ取りっていたってこれじゃぁ楽だよなぁ。
などと思いながら読んでたりした。
長編の中核をなす謎がぜんぜんとけていないような気もするが、よしとしようか。
風邪をくらってダウンしていたせいで、書けなかった、というのが事実。
読んだのは少し前の本。
ハヤカワ文庫刊行、大原 まり作「戦争を演じた神々たち[全]」
昔、アスキーから上下巻2冊で刊行されたものの再編集ものらしい。
アスキー刊行ものはたしか上巻だけもってた記憶があるんだけれども。
宇宙を舞台に戦争や文明,争いの元となった女や神の話。短編11編のおさめられた作品である。
特に地球とは異なる文明の描写というのは世界をひとつ作り出す異世界ファンタジーに
通じるものがあり、昨今のライトファンタジーに見られる「いわゆる中世風」「いわゆる剣の魔法」の世界とは
異なり、独特の世界を作り上げている。
またその世界が実は星の生態系改造のために人の手によって完全にコントロールした上で作られ、
そして人の存在が介入してきたことで狂ってゆく様というのは読んでいて背筋が震えるものがあった。
(思えばこの時既に風邪をひいていたのかも)
一気によんでしまった。
電撃文庫刊行、高畑 京一郎作「ダブル・キャスト」
今回は文庫になるのを待っていたので多少時間がたってるけども。
うーん。NHKの少年ドラマシリーズ(「七瀬ふたたび」とか覚えてる)読んでる気がしてきた。
いや、古臭い、というわけではなく、ノスタルジーとも違うな・・・
よい作品であることには間違いなかろう。
結局原因は不明のままだけれども、突然二重人格・・・というか狐憑き、になってしまった少年が巻き込まれた事件の話。
人格がころころと入れ替わる、周囲にいる人間は戸惑い、困惑する。
といった事を書きたかったらしい。・・・後書きからすると。
ま、成功例かな。
高畑 京一郎といえば「タイム・リープ」を紹介しているけれども、同じ作者だけあって通じるものがある。
ってあたりまえか。
「タイム・リープ」と舞台が同一の部分があってすこぉしほそえくむ部分もあったりして
「タイム・リープ」を読んでいるとちょっとだけお得。