えらく長い時間をかけて、ようやく読破。
いや、5年たっても読みかけ、とかいう本もあるにはあるけど(苦笑)
ハヤカワ文庫、ウィリアム・C・ディーツ作(訳:冬川 亘)の「戦闘機甲兵団 レギオン」
上下2巻構成。
なんていうの?ミリタリーSF?要は「宇宙の戦士」みたいなもん・・・かな?
人類が宇宙に進出した時代に、死刑受刑者だとか犯罪に巻き込まれて死んじゃった人達の脳だけを
強力な火器を搭載したロボットにのっけて、サイボーグ兵士として運用している。
そのサイボーグ兵士の軍団がレギオン。外人部隊。
このレギオンを中心に外宇宙からの侵略者だとか無能な皇帝と彼を擁護する野心家だとか
とある惑星での原住種族との戦闘だとかロミオとジュリエットだとかがからまった戦争小説といやいいのか。
解説で色々SF研究家がいっているけど、素直に話そのものを楽しめばいいんじゃないかな。
レギオンにはちゃんと意味があって、それも作中でちゃんと語られているし。
さすがにロミジュリ(ロミオとジュリエット)があるとはおもわなかったけど。
予想外のものもあるけど、いろいろな要素が入り組んでいる。
政治劇あり戦闘ありロマンスあり(人対人外とかサイボーグ同士とか。人同士もあるにはあるか)。
でも入り組みすぎちゃって飽和状態な感じもしたのが正直なところ。
人間描写わねー・・・さすがにサイボーグだからねぇ。(苦笑)
最後の決戦が妙にあっけなかったのが少々ものたりないけど、まぁ、侵略してきた側も
壊滅したわけではないし、
どうも続編があるらしいし。
でも買わないだろうな(苦笑)
「E.G.コンバット」で紹介している秋山瑞人氏の初のオリジナル作品。
電撃文庫の「猫の地球儀 焔の章」
コンセプトは「ピーター・アーツvsガリレオ・ガリレイ」だそうで。
んなのピーター・アーツの圧勝に決まっているやん。
とか思っていたら甘かった。このガリレオ・ガリレイは往年のアンディ・フグかサム・グレコ
程度には強かった。
いや、つまりはガリレオ・ガリレイのほうが勝っちゃったんですけどね。
とはいえ、秋山瑞人。あいかわらず人類に容赦はない。
いままでの原作付きの2作も人類はほぼ滅亡、最後の一人だけしかいない、だとか
明日にも滅亡か、
という作品だったんだけれども、
今回はもっとすごい。ってゆーか、既に人類絶滅してるっぽいってゆーか。
この人、人間キライなんでしょうか?(苦笑)
それに反して人外の存在(特にロボット)の描写がうまいね。
と、ここまで書いて気がついた。
人間からすれば普通のアクション・描写をロボットがする、という点ですごいと思わさ
れて
いるんじゃなかろうか。
つまり、人間が出てくる作者の描写能力はガタ落ちか?と。
でも「E.G.コンバット」はそうでもないなぁ。
よくわからん作者ではある。
ま、気に入っているのはそれっぽいSFギミックの使い方
だとかネーミングセンスだったりするんで。
それに面白いと思えたからいいや。
で、この作品の主たる登場・・・物はロボットとネコです。人間の登場は今のところなし。
電磁波やデジタル信号を操ってロボットに命令だしてたりするけど、一応ネコのお話。
でも人間ぽい思考するんだよなぁ。
あーゆーでんぐりがえしがまっているとはおもわなかった。
電撃文庫の都市シリーズ。川上稔作の「閉鎖都市 巴里(下)」
独特の世界をつくりあげているこの作品はSFというより実はファンタジーだったりする。
でもライトノベル独特のアニメくさいギミックなんかも好きだったりして、結構お気に入り。
一番だったのは前作のOSAKAかなぁ。
読んでの疑問がひとつ。
いや、決してシリーズが時系列順に並んでいるわけではないとわかっているんだけど、
今回巴里が解放されたことで1999年まで進んでいた巴里以外の世界は1944年まで
「初期化」され、歴史をやり直すことになったんだけども・・・
OSAKAや香港って、この後の話なんだろうか?それともアレもやり直し?(苦笑)