自然考庵
自己探求宇宙星座音楽音楽試聴生命起源サイト紹介ショップリンク旬の食材サイトマップ



仏教は心の教え

私は、仏教のことを書けるほど立派な人間ではありませんが、凡夫として仏教を学ぶ上で、何が大切なのかを考えてみたいと思います。 仏教には、いろいろな経典や論書が多くあり、何が大切であるのか良くわかりませんでしたが、重要となる考え方は、 縁起を基本とした四諦であると思います。四諦の中に説かれている心の問題は、お釈迦さまが、自ら実践し瞑想体験から獲得した真理です。 四諦の中で説かれる煩悩とは、心の状態のことを示した仏教の言葉です。 心というものは、目に見えないため、理解が難しく、私の場合、20年以上、仏教を勉強してきた つもりでしたが、全く仏教を理解しておらず、「仏教が心の教え」であることに気がついたのは、つい最近(2010年頃)のことです。 [作成:2011/04/07]  [改定:2017/03/08]

仏教を心の教えとする理由

仏教を心の教えとする理由は、現時点、以下の7つが考えられます。他にも、心の中のことを説いた経典や論書は、たくさんあると思います。

  1. 仏教の根本教義、四諦で説く苦の原因は、心より生ずる煩悩である。
  2. 法句経の中には、心に関する記述が多い。
  3. 唯識で説く仏教は、心の教えである。
  4. 般若心経は、無我の境地を説いた心の教えである。
  5. 華厳経で説く唯心は、心の教えである。
  6. 大乗起信論では、心の中を非常に詳しく解説している。
  7. 達磨大師の四聖句の後半部、「直指人心見性成仏」は、心を重視する言葉である。

お釈迦さま

仏教は、お釈迦さまが、衆生の苦しみを見て、その苦しみが存在していることを深く悩み、その原因を明らかにするため出家なされました。 そして修行を続け、縁起という真理によって苦の原因を突き詰めました。そして、衆生の幸福を願い、その原因を取り除けば、苦しみから逃れられると説き、 死の直前まで、その方法(心を清める方法)を説き続けた慈悲深き尊い聖人です。お釈迦さまの悟りは、縁起であるといわれますが、 この縁起は、凡夫には、とうてい理解できない奥の深い真理のようです。ですからお釈迦さまは最初、この真理を説くことを躊躇(ちゅうちょ)し ましたが、衆生の幸福のため、説法を決意したようです。縁起を悟ることのできない凡夫は、ただ、この縁起と四諦を信ずるのみです。

心の教え

四諦(したい)で説く、苦しみの原因は、仏教用語でいうところの「煩悩(ぼんのう)」です。そして、 心の教えとして重要となることは、煩悩を取り除くことですが、この煩悩を取り除くことは、非常に難しいことであり、 煩悩という心の状態に気づくことすら、できないかもしれません。そして、その煩悩を取り除くことの難しさに気づき、 自分の置かれている凡夫としての立場を実感することも必要なことであると思います。つまり、仏教には、 「煩悩が苦しみにつながる」という認識が、必要なのです。

仏教は、他人から聞いたり本を読んで知るものではなく、自身が実際に体で感じ発見しイメージするものであり、 ただ単に知るということとは意味が違うような気がします。ですから、わからない言葉はもちろんですが、 たとえ知っている言葉でも、繰り返し読むことによって、その言葉の真の意味が体に染みつき、 習慣化することにより自分のものになってゆくのだと思います。 それによって、心の中が、少しずつ和らぎ、静まってゆくのではないかと思います。 また、読経や写経、座禅なども煩悩を和らげ、心を静めることにつながると思います。 また、お釈迦さんが到達した境地は、われわれ凡夫には遠く及ばない心の状態であることを認め、 自覚することも必要ではないかと思います。

心の教えとして、最も手軽で分かりやすい書物は、法句経ではないかと思います。 法句経の中には、出家者向けの厳しい言葉もありますが、在家者向けの日常生活に関わる言葉も多く含まれています。 法句経を基本に、他の大乗経典や論書などを合わせて読み続けるとにより、体で仏法を覚えることにつながってゆくのだと思います。

心は、さまざまに変化しているので、とても、とらえ難く、確認することが難しいと思います。 法句経には、次のような、心のようすを示した言葉がありますので参考にしてみてください。

心は、軽躁動転し、護り難く、御し難し、智者は之を正しくす。 (法句経33番)          (軽躁動転=「けいそうどうてん」と読み、軽々しく動いて落ち着きがなく常に変化しているようす)

(法句経33番の現代語訳:  心は、軽々しく動いて落ち着きがなく常に変化しているので観察することが難しく、また、制御することも難しい。智慧あるものは、この心の変化を正しく見て制御することができる。)

ですから、たとえ凡夫であろうとも、たとえ仏教を信仰していなくとも、貪りや怒り、愚痴などの心を上手に抑えることのできる人 は、苦しみの少ない幸せな人生を送ることができるのではないかと思います。私の場合は、まだまだ煩悩だらけの凡夫そのものですから、 これからも精進が必要です。

仏教の目的の1つに、「衆生救済」があります。このことを、私、凡夫の妄念から考えてみると次のようになります。 つまり、修行の精進によって仏菩薩の心が清まれば、世の中の仏法を信ずる者、凡夫の心が清まります。 これによって世間が清まり、そのことが衆生の幸福へとつながってゆくのだと思います。 菩薩とは、仏の真理を求める修行者であり、世間とつながりのある僧侶や一般人などのことで、 真の意味で仏教の正しい法を学び努力し続ける賢者(智慧ある者)や聖者です。 現代でも、このような真の賢者(智慧ある者)は、必ず世の中に居られるはずですから、 このような尊敬すべき方々が、少しずつ世間を清めていくのだと思います。

法句経382番   たとえ年の若い修行者であっても、仏法に従って努力し、よく勤めるならば、彼は雲から出てきた月のように、この世を照らす。

補足説明

苦しみの原因

お釈迦様は、現実に起きている現象を前提条件に、心の中のシステムを詳しく観察することによって、その心が生み出す苦しみの原因を明らかにしました。 苦しみを生むシステムとして考えられるのが、五蘊であり、十二因縁ではないかと思います。 別の表現をすると、五蘊や十二因縁が、煩悩を作り出す、ということと思います。 「五蘊盛苦」という言葉は、身体と心が苦しみを生む様子を示した仏教語ではないかと思います。 五蘊の要素である「色受想行識」は、般若心経の中で繰り返し使われている言葉です。[2014/09/11追記]

煩悩

煩悩とは、無明によって心の中に突然わき起こる妄念で、主に、貪(むさぼり)、瞋(いかり)、癡(無明の別名)、慢(おごり、たかぶり)、疑(うたがい、ためらい)、我見(我執の見方)などが 知られています。禅では、座禅を組む時、心の中を無にすることに集中しますが、この心の中を無にする、という心理状態は、非常に難しいことです。 人間は常に、五感を働かせ、何かを感じたり考えたりしていますから、心を落ち着かせ、静かにすることの難しさを実感できれば、煩悩という心の状態を、知る為のよい方法ではないかと思います。 仏教では、五感と意識を含めたこころ全般を、六処(眼耳鼻舌身意)または六根と呼び、人間が外界を認識するすべての方法として定義しています。そして、 六処が作り出す世界によって生じる、さまざまな煩悩の危険性を説いていると思います。六処は、十二縁起を理解する為の補助的概念で、般若心経で説かれています。

縁起

苦の原因の諸条件を説明したものに、「十二縁起」または「十二因縁」という言葉がありますが、これは、お釈迦さまが悟った真理を比喩として表現したもののようです。 十二縁起は、四諦を考察する上で、とても重要となる概念だと思います。十二縁起とは、 @無明→A行(潜在的形成力)→B識(六識)→C名色(六境)→D六処(六根)→E触→F受(感受作用)→G愛(渇愛)→H取(執着)→I有(生存)→J生→K老死。です。 この中で、煩悩は@無明、G愛(渇愛)、H取(執着)、 業(ごう)はA行、I有(生存)、その他は全て苦であり、煩悩が原因、業が縁(条件)となり、 結果として苦しみを生むのではないかと思います。(業を因、煩悩を縁、また、煩悩と業を因とする考え方もあるようです)  参考になる別の言葉として因果応報があると思います。

四諦

四諦(したい)とは、お釈迦さまが悟った苦に関する四つの真理です。 苦諦:この世界の生き物には必ず苦しみが伴う。 集諦:苦しみの原因は煩悩(無明と渇愛)である。   滅諦:その原因を滅すれば苦しみから逃れられる。 道諦:苦しみから逃れ涅槃にいたる為の八つの正しい道

凡夫

凡夫とは、仏の世界から見た我々一般人のことで、煩悩のけがれから抜け出せない人間のことです。凡夫にも、いくつかの段階があるようです。

重要と思われる経典と論書など

法華経、般若経、華厳経、法句経、大乗起信論、唯識三十頌、倶舎論、修証義、ブッダ最後の旅、二入四行論、阿含経。

電子書籍のお知らせ

このページの内容をベースにして、さらに詳しく解説し、現在(2017年)、私が考えている仏教観をまとめた電子書籍(キンドル本)を作りました。 このページで詳しく説明していない項目、四諦と五蘊と十二因縁と八正道について、原始仏教である阿含経と法句経などを参考にして、私なりの解釈でまとめています。 五蘊と十二因縁に関しては、心を前提として説明しているので、従来の考え方とは異なった内容になっています。巻末には、本書に関連した仏教用語集もあります。

本の題名は、「仏教は心の教え」です。70ページ程の小冊子ですが、ご興味のある方は、参考にして下さい。



自然考庵 Copyright(C) 2011 JinenKohan All Rights Reserved.