某社製DM-330MVの謎の機能某社製スイッチング電源器DM-330MVの製品評価と、装備されている謎の「ノイズオフセット機能」についての考察です。 これはCQ誌の紹介記事及び現物の写真のみによる考察です。電気的な測定等は行っていませんので事実と反する部分があっても、ご了承願います。そのうち現物を解体して検証する予定です。別のメーカーのスイッチング電源器も解体する予定です。 参考URL 某社ホームページhttp://www.alinco.co.jp/ 製品ホームページ http://www.alinco.co.jp/densi/ps_dcdc/dm330mv_f4.html CQ誌の紹介記事 http://www.cqpub.co.jp/cqham/CQHAMWWW/1999-12/kaitai.htm 1.基板の見た目感想単純な2層スルーホール基板でしょうか?
制御回路と主回路の分離はされているようですね。(といっても、海外安全規格を通過出来るレイアウトには見えません)
スイッチング回路パターンが丸見えなので、シャーシ開放の状態ではかなり出そうです。また、ノイズ対策でベタのパターンに留意しているとのことですが、高周波に留意したパターンとは思えないです。(パターンレイアウトが直角平行なんですよね、これ。) 2.構造アルミキャストの構造なのでシールドに対しての効果はそこそこありそうですが、放熱の関係で下部はパンチ穴があいていると予想します。そうした場合、下部からスイッチングノイズが結構輻射されるのではないか?と考えます。 スイッチングトランジスタと整流ダイオードの放熱は多分シリコンシート絶縁の、筐体ネジ締めでしょう。 トランジスタのパッケージが非絶縁型と考えると、スイッチングのコモンノイズは結構なレベルであると考えます。 3.部品トランス・チョークコイルのギャップは銅でシールドされている様なので、そこそこでしょう(極めて一般的ですが) 4.部品信頼性2次側の平滑コンデンサとトランス,チョークコイルの距離が非常に近いです。 2Wクラスの抵抗が沢山実装されていますが、金属皮膜のハイインピーダンスで無いことを祈ります。 源発信はマルチバイブレーターのようなので、周囲温度で特性が変化するでしょうが、まぁ、シンプルな回路なのでマルです。 5.ノイズ対策入力側整流回路は一応コモンモードチョークが挿入されている様ですが、2次側にコモンチョークらしき部品は確認できません。 6.設計思想に対する邪推この電源は意図的にスイッチング周波数を25kHzにしていると考えます。 このクラスの電源ならスイッチング素子に600V,30AクラスのMOS−FETを使用すれば100kHzで回路を設計できます。 部品選定や回路でのノイズ対策より安価で済む手法をメーカーが採用した気がします。(設計側が妥協してますな)ノイズに本気で取り組んでいるとも判断できませんが・・・ 7.ノイズオフセットの機能についてアルインチキの選択した方法は、当局が最初に予想した通りのキャリア可変でのノイズオフセットの様ですね。 スイッチング周波数に対しての高調波可変には効果が在りますが、スイッチング時に発生するノイズに対しての影響はほとんど無いからです。 たとえば、25kHzでスイッチングしている場合には25kHz刻みでスプリアスが発生し、その周波数上に受信周波数があった場合、ノイズオフセットでキャリア周波数を可変すればスプリアスの周波数も代わり、効果が出るでしょう。 しかし、スイッチング周波数が変わっても、スイッチング速度は変わらないので、スイッチングノイズのスプリアス上に受信周波数がある場合は、いくらこのボリュームをまわしても効果は出ません。 8.総評スイッチング電源としてはあまり他社との優位性は無いでしょう。(性能・ノイズ面両方加味して判断しました) 固定運用でも他社製品とさほど遜色の無い性能は期待できると考えます。ただ、長期信頼性に関してはあまり良いとは思えません。当局なら、移動用と割り切って使用するでしょう 多分。 正直な話、固定でノイズにこだわるなら、”黙ってトランス式の安定化電源を使いなさい”、スペースにこだわるなら、”じゃぁスイッチング電源使えば?”というのが当局の見解です。 DE JF8JKY/1 |
QRZ RADIO CLUB Last Updated 2000/4/16 JR8PPG |