MSZ-006が全領域多目的として開発されたにもかかわらずロールアウトした時点で大気圏突入システムに特化されたフライングアーマーを装備していたのは、地上攻撃が当初の主目的であったと考えて間違いないと思われる。実際その目的であったジャブロー降下作戦が失敗に終わり、006は量産化を見送り再設計を余儀なくされたのである。
しかし「プロト006」と呼ばれたこの機体は変形機構の試験、メインカメラの選定、フライングアーマーの実験などを他機で行なわれており完成度は非常に高かった。現にカラバでは変形機構を維持したまま量産を行なっていた。
RX−178のムーバブル・フレーム機構を基本設計としているが変形機構を有しているため全体に採用しているわけではない。おそらく腕部、脚部においてこのフレーム機構が組み込まれ、結果装甲のスライド可動がより充実しMSN−00100で問題が生じた変形機構を可能としたのだろう。
またMSA−099で採用されたガンダリウム・γ合金を使用しており軽量化とともに搭載燃料量も大幅に向上した。
そしてこの機体には極秘裏で準サイコミュシステム「バイオセンサー」が組み込まれている。詳細は定かではないがこのシステムはビット/インコム系兵装を誘導するのではなく本体を直接コントロールするものと思われる。
初出:機動戦士Zガンダム