AMBAC


●AMBAC
宇宙戦闘機の話をすると、MSはAMBACが使えるから宇宙戦闘機よりも有利だとかいう話がでてきますが、 これは大きな誤り。
制御可能な可動式のビーム(梁:Zガンダムのテールスタビライザーのようなもの)を装備すれば、 宇宙戦闘機もAMBACを利用することが可能です。
そもそも宇宙戦闘機が大気中を飛ぶ飛行機と同じ形状という発想がナンセンスです。
大気中を飛ぶ飛行機に翼があるように、宇宙空間をを飛ぶ宇宙戦闘機には翼の代わりに AMBAC用ビームがあるのが当たり前だと考えたほうがいいでしょう。
そしてこのAMBAC専用ビームを持つ宇宙戦闘機はMSよりも効果的にAMBACを 使えるはずです。
なぜならMSの手足はAMBAC専用ではないからです。 極端な話をすれば「腕を上げてもAMBAC」「首を振ってもAMBAC」です。

「AMBACを利用することで推進剤を節約することができる」などという記述も見られますが、 その場合には銃器を手に持って振りまわしたり、腕に装備したシールドで敵弾を防いではいけません。 白兵戦などもってのほか。
何故ならこれらの動作は全て推進剤の消費につながります。
手足をよっぽどうまく動かして、モーメントを打ち消し合い、推進剤の消費を最小限におさえることはできるでしょう。 が、推進剤を全く消費しないということは(人型である限り)不可能です。 ゆっくり動かせば大丈夫じゃないか?という意見はあるでしょうが、
・ゆっくりシールドを構えていたら防げません。
・ビームサーベルをゆっくり振ったら避けられます。
・ライフルやマシンガンをゆっくり動かしてたら高速で移動する目標を追えません。

だからAMBACなんていう言い訳がましい設定は捨てたほうがいい。
リアルな宇宙戦じゃないんだということを容認してしまえばいい。

ガンダムの世界が遠い将来実現できると夢を見るのは大いに結構。 その夢を実現させようと努力するのも大いに結構。 でも現時点ではまだ夢と現実に大きな隔たりがあるのだという認識は忘れちゃいけない。
何でもかんでも今の技術・理論で説明しようと都合のいいこじつけた設定をするのは柳田理科雄がやってることと根本的に一緒。

MSにとって四肢を使ったAMBACというのは 「AMBACという推進剤を使わない機動を行うこと"も"できる」 というだけのことです。単なる特徴の一つでしかありません。
しかもそれは「AMBACの用途以外で手足を動かした時には余計な推進剤を消費する」 というデメリットを伴なったものです。
AMBACを可能な限り有効に使用することはできるでしょうが、 それはデメリットに対するリカバリーでしかありません。(間違ってもメリットではない)

MSのメリットは「人間と同じように手足を使える」だけで十分です。 人型ロボットは人型であるということ自体にメリットがあります。
しかし、動作効率などを更に追求するなら、人型に拘るのは束縛でしかない。 人型ロボットに人以上の動きをさせることはできません。
人と同じ動きをより速く、正確に、繰り返して行うのは可能ですが、人型である以上そもそも人にできない動きはできない。 人にできない動きをさせるために人にはない間接を増やすのを是とするのであれば腕や脚を増やす(減らす)のも是ではないか?という話。
推進剤に関しては実質的には宇宙戦闘機よりも多く消費すると考えるべきです。 でなければ可変MSはその存在意義を失います。